[OldGods] Whispers of the Old Gods(旧神のささやき) - カードプレビュー Part.2


この記事ではHearthstoneの次期コンテンツとなる拡張版『Whispers of the Old Gods(旧神のささやき)』の新カード事前評価を行っていきます。既存カードとの比較やカードシナジー、カードの使用を予想されるクラスやデッキタイプなどについて考えを巡らせつつ、実際のゲームプレイにおけるカードの挙動に疑問符が付く点についても触れていきます。

なお記述される内容はスタンダードフォーマット構築戦の視点から考察していること、そして未公開の新カードやバランス調整が予定されている既存カードの変更内容によって事情が変わることもご了承下さい。
あとで手の平グルングルンしても大目に見てください。

Arena(闘技場)視点の新カード評価はこちらを要チェック
(外部サイト) #旧神のささやき 新カードの闘技場評価 [RNG it!]



Index


▼ OldGodsの概要・参照リンク


▼ C'Thun侵蝕率


▼ 個別カード評価

◆ Neutral / 中立
▼ 《N'Zoth the Corruptor / 頽廃させしものン=ゾス》
▼ 《Tentacle of N'Zoth / ン=ゾスの触手》
▼ 《Faceless Shambler / さまよう無貌のもの》
▼ 《The Boogeymonster / 》
▼ 《Spawn of N'Zoth / 》
▼ 《Cult Apothecary / 》
▼ 《Mukla, Tyrant of the Vale / 》
▼ 《Scaled Nightmare / 鱗の悪夢》
▼ 《Skeram Cultist / 》

Druid / ドルイド
▼ 《Mark of Y'Shaarj / ヤシャラージュの烙印》

Hunter / ハンター
▼ 《Infest / 寄生》

Mage / メイジ
▼ 《Cabalist's Tome / カバル教団の魔道書》

Paladin / パラディン
▼ 《Ragnaros, Lightlord / 》
▼ 《Steward of Darkshire / 》

Priest / プリースト
▼ 《Shadow Word: Horror / 密言・恐》

Rogue / ローグ
▼ 《Undercity Huckster / アンダーシティの押し売り》
▼ 《Xaril, Poisoned Mind / 》

Warlock / ウォーロック
▼ 《Renounce Darkness / 闇との訣別》

Warrior / ウォリアー
▼ 《N'Zoth's First Mate / 》
▼ 《Tentacles for Arms / 戦闘用触手》




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OldGodsの概要・参照リンク


拡張版カードセット『Whispers of the Old Gods(旧神のささやき)』の概要


・新たにコレクションに加わるカードは134

・2016年4月末、または5月初頭にリリース予定

・スタンダードフォーマット(Year of the Kraken / クラーケン年)の導入と同時に実装される

・テーマはOld Gods(旧神)・Corruption(汚染)・The Forbidden(禁忌)

・4枚のレジェンドの旧神カードが到来
C’Thun(クトゥーン)Yogg-Saron(ヨグ=サロン)Y’Shaarj(ヤシャラージュ)N’Zoth(ン=ゾス)

《C'Thun / クトゥーン》には専用のシナジーを持つ16種のCultist(狂信者)カードが登場

《C'Thun / クトゥーン》と16種のCultist(狂信者)カードはArena(闘技場)のピック候補に登場しない

《C'Thun / クトゥーン》にbuffを与えるミニオンの効果は、C'Thunのカードが居る場所を問わず効果を発揮する(バトルフィールド・手札・デッキ内・既に破壊済みのいずれもbuffが与えられる)

・新しいKeywords(キーワードアビリティ)とRace(種族)カードは登場しない

Inspire/激励アビリティを持つミニオンは登場しない




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参照リンク


◆ Whispers of the Old Gods(旧神のささやき)オフィシャルリンク
「旧神のささやき」にご用心! [Battle.net]
カードセット ➤ 『旧神のささやき』 [Battle.net]
「旧神のささやき」シネマティック・トレーラー [Youtube]

Heed the Whispers of the Old Gods [Battle.net]
Card Sets ➤ Whispers of the Old Gods [Battle.net]
Whispers of the Old Gods Cinematic Trailer [Youtube]

◆ 外部データベースサイトのカードリスト
海外サイト
Hearthpwn
Gamepedia Wiki
HearthHead
Topdecks
Mana Crystals
国内サイト
Hearthstone.exp
HearthGamers

◆ dojoサイト内の関連記事
Whispers of the Old Gods(旧神のささやき) - 2016年最初の拡張版発表
Whispers of the Old Gods(旧神のささやき) - カードリスト
Whispers of the Old Gods(旧神のささやき) - カードプレビュー Part.1
Whispers of the Old Gods(旧神のささやき) - カードプレビュー Part.2
Whispers of the Old Gods(旧神のささやき) - カードプレビュー Part.3
Whispers of the Old Gods(旧神のささやき) - カードプレビュー Part.4




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C'Thun侵蝕率


EnUS

日本語版

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個別カード評価



◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Neutral / 中立
レアリティ :Legendary / レジェンド
カード作成コスト : 1600 / 3200 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :400 / 1600 (Golden)

《N'Zoth the Corruptor / 頽廃させしものン=ゾス》のプレビュー
原作のWorld of Warcraftでもまだ姿を見せていなかったという謎めいた旧神の一柱、《N'Zoth the Corruptor / 頽廃させしものン=ゾス》の能力はゲーム中に死亡した味方のDeathrattle/断末魔を持つミニオン達すべてをバトルフィールドへと呼び戻します。盤上に置けるミニオンの数は7体までなのでこのミニオン本体を含めて7体以上のミニオンがフィールドに置かれてしまう場合、復帰するミニオンはランダムで選ばれます。(source)

復活させるミニオンの条件についてもう少し詳しく見ていくと、Deathrattle/断末魔のアビリティをSilence/沈黙によって封じられた上で破壊されたミニオンも復活対象となります。《Polymorph / 動物変身》《Hex / 呪術》など別物のミニオンに変身させられた場合は破壊されたとは見做されず復活しません。

そして《Explorer's Hat / 探検家の帽子》によってDeathrattle/断末魔アビリティを与えられたミニオン、《Unearthed Raptor / 掘り起こされたラプター》のように他のミニオンからDeathrattle/断末魔アビリティをコピーしたミニオンも復活対象とはなりません。Deathrattle/断末魔アビリティを本来持っているミニオンが破壊された場合のみ、というのが条件です。(source)


《C'Thun / クトゥーン》以外の旧神達は専用のシナジーを持つCulstis(狂信者)カードが存在しません。しかしどうやらOldGods拡張版の目玉として登場する旧神達それぞれは単体で用いて有用なカードではなく、特色ある構築テーマを導く存在であることが窺えます。《N'Zoth the Corruptor / 頽廃させしものン=ゾス》は言うまでもなく、ミニオン達が持つDeathrattle/断末魔となるのでしょう。ゲーム中に破壊されたそれらミニオン達すべてを復活させるというのは、カードとマナのアドバンテージを一瞬で獲得する驚異的な効果です。

惜しむらくはスタンダード導入に伴ってNaxxとGvGの有用なDeathrattle/断末魔ミニオンが環境から消えてしまうことでしょうか。特に、《Sludge Belcher / ヘドロゲッパー》の不在は大きな意味を持っています。《Sylvanas Windrunner / シルヴァナス・ウィンドランナー》《Cairne Bloodhoof / ケーアン・ブラッドフーフ》を甦らせれば覆せないほど圧倒的な盤面の優位を獲得するのは想像に難くありません。しかしTaunt/挑発が無ければ無防備であり、《N'Zoth the Corruptor / 頽廃させしものン=ゾス》を召喚できるのは10マナという最大のコストが支払える時間帯です。

そしてDeathrattle/断末魔ミニオン達の特性上、《N'Zoth the Corruptor / 頽廃させしものン=ゾス》はそのターンにおいてゲームを決定させるフィニッシャーとは成り得ません。対戦の最終局面で優勢勝ちするというゲームメイクも含めて、このミニオンの運用とデッキ構築を考えることが求められるでしょう。


◆ 4月2日時点で公開されているOldGods拡張版を含むスタンダード環境のDeathrattle/断末魔ミニオン

TooltipClassMana
《Leper Gnome / レプラノーム》Neutral / 中立1
《Tentacle of N'Zoth / ン=ゾスの触手》Neutral / 中立1
《Bloodmage Thalnos / ブラッドメイジ・サルノス》Neutral / 中立2
《Darnassus Aspirant / ダーナサスの志願兵》Druid / ドルイド2
《Huge Toad / 巨大ガマ》Neutral / 中立2
《Loot Hoarder / 戦利品クレクレ君》Neutral / 中立2
《Undercity Huckster / アンダーシティの押し売り》Rogue / ローグ2
《Harvest Golem / 刈入れゴーレム》Neutral / 中立3
《Mounted Raptor / 騎乗用ラプター》Druid / ドルイド3
《Unearthed Raptor / 掘り起こされたラプター》Rogue / ローグ3
《Spawn of N'Zoth / 》Neutral / 中立3
《Dreadsteed / ドレッドスティード》Warlock / ウォーロック4
《Tomb Pillager / 墓荒らし》Rogue / ローグ4
《Polluted Hoarder / 汚染利品グログロ君》Neutral / 中立4
《Infested Tauren / 》Neutral / 中立4
《Xaril, Poisoned Mind / 》Rogue / ローグ4
《Abomination / 涜れしもの》Neutral / 中立5
《Anubisath Sentinel / アヌビサス・センチネル》Neutral / 中立5
《Corrupted Healbot / 狂闘品のヒールロボ》Neutral / 中立5
《Cairne Bloodhoof / ケーアン・ブラッドフーフ》Neutral / 中立6
《Savannah Highmane / サバンナ・ハイメイン》Hunter / ハンター6
《Sylvanas Windrunner / シルヴァナス・ウィンドランナー》Neutral / 中立6
《The Beast / 魔獣》Neutral / 中立6
《The Skeleton Knight / 骸骨騎士》Neutral / 中立6
《Wobbling Runts / ふらつくこびと達》Neutral / 中立6
《Chillmaw / チルモー》Neutral / 中立7
《Rhonin / ローニン》Mage / メイジ8
《Tirion Fordring / ティリオン・フォードリング》Paladin / パラディン8
《Anub'arak / アヌバラク》Rogue / ローグ9
《Majordomo Executus / 筆頭家老エグゼクタス》Neutral / 中立9




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Neutral / 中立
レアリティ :Common / コモン
カード作成コスト : 40 / 400 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :5 / 50 (Golden)

《Tentacle of N'Zoth / 》のプレビュー
このカードで喜んでる海外のアニメファンはhentai animeを想像してるので気を付けよう。世界中の触手ファンが待ち望んでいたのかどうかは知りませんが、Neutral / 中立ミニオンで敵味方問わず全体にダメージを与えるというイマジネーションを刺激するカードが実装されます。

スタンダード落ちするGvGには《Explosive Sheep / 爆発ヒツジ》という似通った性質のミニオンが存在しました。このミニオンと触手を比較するとマナコスト、そしてダメージが1低下しており、たった1マナでプレイできる利便性の向上と除去能力の低下という違いが見られます。たった1とはいえ全体に与えるダメージの差異は、古いミニオンを置き換えるものとは単純に捉えることのできない違いとして表れてきます。

もう1つ比較対象となるのは《Unstable Ghoul / 不安定なグール》。こちらは幾分マシなステータスとTaunt/挑発を持っており、低コストのミニオンをアグレッシブに展開するAggroデッキに対して非常に効果的です。Aggro対策としての側面はかなり見劣りし、新カード《Tentacle of N'Zoth / 》をディフェンス目的だけでデッキに加えられることは考えにくいでしょう。やはりこのカードは味方のミニオンにもダメージを与えることで何らかのシナジーを生むカードコンボ、例えばPatron Warriorのようなデッキにおいて有効活用できるはずです。
そのWarriorの既存カードである《Whirlwind / 旋風剣》と比較すると、《Tentacle of N'Zoth / 》は事前に盤面に置かなければならないため任意のタイミングで効果を発生させることに難があります。Patronのデッキでは《Whirlwind / 旋風剣》を置き換えるものとはならず、《Death's Bite / デス・バイト》《Unstable Ghoul / 不安定なグール》という重要なAoEを二つ同時に失う穴埋めとして検討されるでしょう。

また全てのクラスで使用可能ということからPatron Warriorの他にも同様のデッキ構築が現れるかもしれません。その際は新カード《Hogger, Doom of Elwynn / 》との組み合わせも同時に考えてみたいものです。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Neutral / 中立
レアリティ :Epic / エピック
カード作成コスト : 400 / 1600 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :100 / 400 (Golden)

《Faceless Shambler / さまよう無貌のもの》のプレビュー
ターゲット指定対象のモノマネをするコピーミニオンのニューフェイス。一見するとClassicカードセットの《Faceless Manipulator / 無貌の操り手》とそっくりな能力のように見えますが、実際のゲームプレイにおける性質は似て非なるものです。

1.対戦相手のミニオンはコピー対象に指定できない
2.コピーするのはAttackとHealthの値のみ。能力はコピーできない


このミニオンのプレイには上記二つの制限によってとてつもない不自由を強いられます。順を追って考えていきましょう。まず、変化対象となるミニオンを味方ミニオンからしか選択できないため、事前にミニオンをプレイしておく必要があります。マナカーブに沿ったプレイの視点からはこれが非常に曲者で、相手のミニオンをコピーできないということは当然コピー対象となるのは以前のターンに召喚された低コストなミニオンになるということです。2マナ3マナコストのミニオンの中で4マナコストミニオン達に匹敵するスタッツのミニオンがどれほど居ることでしょうか。
数えるばかりですが、確かに存在します。2マナ《Ancient Watcher / 古代の番人》は自身がアタック出来ないという大きなデメリットと引き換えに《Chillwind Yeti / チルウィンドのイェテイ》と同等のスタッツを持ち、対象の能力までは引き継がない《Faceless Shambler / さまよう無貌のもの》のコピー対象としては理にかなっています。しかし苦労して段取りを整えた割には4マナ4/5という数値は《Sen'jin Shieldmasta / センジン・シールドマスタ》とさして変わりません。

ではゲーム後半に召喚される高コストでスタッツの高いミニオンをコピー対象とするかというと、今度はコピー対象の能力を引き継がないことが足かせとなります。《Ysera / イセラ》のスタッツをコピーするだけのミニオンよりも、Dreamカードを手札に加える能力ごとコピーするミニオンのほうが実用的ではないでしょうか?さらに、そのミニオンは相手のミニオンもコピー対象に指定可能なのです。

さらに欠点をひとつ挙げると、《Faceless Manipulator / 無貌の操り手》のように別のミニオンに変化するわけではないので、変化したAttack値とHealth値はSilence/沈黙によって打ち消される恐れがあります。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Neutral / 中立
レアリティ :Legendary / レジェンド
カード作成コスト : 1600 / 3200 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :400 / 1600 (Golden)

《The Boogeymonster / 》のプレビュー
このゲームの開発者はどうしてこんな明らかに不整合なカードを実装しようと考えているのか皆目見当がつきません。《The Boogeymonster》というキャラクターのフレイバーをHearthstoneにおけるゲームデザインよりも優先させたとしか推測できません(このキャラクター自体はHearthstoneオリジナルで、原作のWoWに登場するMistlurkerという平和的な精霊が旧神の汚染を受けたという設定のようです)。

シニアゲームデザイナーBen Brode氏が以前説いたように、それぞれに特色を持つカード達の比較の中では"Bad cards"の存在を無くすことはできないでしょう。けれども、作る前から産業廃棄物になると誰の目にも明らかならば、今すぐ生産ラインを止めるべきではないでしょうか?
参照リンク:Ben Brode & Kripp On Bad Cards [Youtube]


どんな物にも優れたデザインを見出すことは出来なくもないので少し努力してみましょう。まずこのミニオンは召喚したターンは《Big Game Hunter / 大物ハンター》の標的とはなりません。以上です。

カードテキストに従えば”自身を強化する”という能力の恩恵を受けられるのは”自分のアタック行動で他のミニオンを破壊する”という条件が満たされた場合のみです。Taunt/挑発を付与して相手のミニオンに攻撃を強いても、ミニオンを返り討ちにしてbuffを獲得することはできないのです。
このアビリティそのものはさほど悪くないものの、8マナという遅い時間帯に得られる恩恵と必要条件がミニオンのスタッツ、そしてマナコストと絶望的に釣り合っていません。むごい評価かもしれませんが、ウンコに対して美辞麗句を並び立て飾り付けようと努力してもウンコはウンコなので致し方ありません。ただしこのウンコは400dust/魔素と交換できます。金のウンコなら1600dust/魔素換算です。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Neutral / 中立
レアリティ :Common / コモン
カード作成コスト : 40 / 400 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :5 / 50 (Golden)

《Spawn of N'Zoth / 》のプレビュー
日本語のカード名では「ン=ゾスの落とし子」という訳になるのでしょうか。ずいぶん可愛らしいルックスながらそのアビリティは非常にトリッキーなミニオン。味方のミニオン全てに+1/+1のbuffを与えるというアビリティを《Power of the Wild / 野生の力》と比較すると、マナコストに対してその効果は十分に強力です。問題はその発動タイミングであり、Deathrattle/断末魔という性質から対戦相手の除去によってアビリティの恩恵を受けられない可能性があります。《Dark Cultist / 闇の教団の使徒》と比較すると、体力2という脆弱さがこのミニオンをマナカーブに沿ってプレイする上でネックになるでしょう。

この性質は例えば、Warlock Zooのような低コストミニオンを並べる構築と相性が良さそうでいて実際はフィットしません。場残りの良い《Haunted Creeper / 呪われた蜘蛛》がロールアウトしなければまだ可能性は残されていたかもしれませんが、3マナで場に置くミニオンとしてはまだ《Raid Leader / レイドリーダー》のほうがミニオントレードに有効に働きます。

仮にZooの構築で活かすならば《Void Terror / ヴォイドテラー》とのコンビネーションが考えられます。しかしやはりWarlock Zooという構築の性格とは見合わないように感じられます。その他のアイデアでは大量にTokenミニオンを展開するデッキにおいてカードコンボのピースとして検討されるでしょう。または、《Snake Trap / ヘビの罠》のようにアビリティ発動の条件と噛み合う素晴らしい組み合わせも存在します。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Neutral / 中立
レアリティ :Common / コモン
カード作成コスト : 40 / 400 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :5 / 50 (Golden)

《Cult Apothecary / 》のプレビュー
対戦相手のミニオン1体につきヒーローの体力を2ずつ回復する中立ミニオン。Aggroデッキがボードを貪欲に展開することを罰するように機能することがカードのコンセプトと考えられます。ミニオンのスタッツを《Antique Healbot / 骨董品のヒールロボ》と見比べると、体力を6回復(つまり敵のボードにミニオン3体)すればコスト分の働きと言えるでしょうか。

ただしこのミニオンの場合、対戦相手のボードが空の場合は効果が発動しないという致命的な弱点を抱えています。例えばFreeze Mage、またはAggro Shamanのようなミニオンへの依存が低いデッキに対して回復能力を発揮できない恐れがあるのです。また、スタンダードから脱落するカードの中には《Haunted Creeper / 呪われた蜘蛛》《Muster for Battle / 兵役招集》《Imp-losion / インプァクト》のようにカウンター候補として有効なカードが含まれています。
新環境においてこのカードがどれほど効果的なMetagameとなっていくかはやはり未知数ですが、そもそも《Antique Healbot / 骨董品のヒールロボ》ほどの汎用性が無いため使用されるクラスも限定されると予想されます。対戦相手にボード上を占拠されているほど効果的というこのミニオンの性質を活かすには、ヘルスの回復と全体除去をほとんど同時に行う必要があるからです。

有効な方策を持つのは《Shadowflame / 影の炎》を持つWarlock、Control Warriorが《Brawl / 乱闘》と併用、またはFreeze Mageが《Frost Nova / フロストノヴァ》と併用することで高い効果を期待できますが、プレイヤー達がデッキに加える枠を空けるほど魅力的に映るかはやはりMetagameに依存します。個人的にはRogueが最も採用しやすいように考えていますが、そもそも《Tinker's Sharpsword Oil / ティンカーの刃研ぎ油》を失うRogueが新環境でどのように立ちまわるのかすら未知数です。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Neutral / 中立
レアリティ :Legendary / レジェンド
カード作成コスト : 1600 / 3200 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :400 / 1600 (Golden)

《Mukla, Tyrant of the Vale / 》のプレビュー
旧神に汚染されてなおバナナを投げつけるゴリラの本能が残っていました。元のカードはAggroデッキでお馴染みの《King Mukla / キング・ムクラ》です。こちらは主にPaladinのAggroデッキで使用され、相手にTokenスペルを与えるというデメリットを《Divine Favor / 神聖なる恩寵》で逆手に取る戦術が用いられています。

そして汚染後の《Mukla, Tyrant of the Vale / 》は大きく性質が変化しており、単体ではさほど強力なミニオンではありません。6マナで5/5というスタッツは処理に手こずる数値ですが厄介というほどのプレッシャーは与えません。ミニオン本体に《Bananas / バナナ》2本を加算すると8マナで7/7という残念な数値。このミニオンは《Bananas / バナナ》というTokenスペル2枚とのカードコンボでシナジーを引き出せるデッキにおいてこそ活躍が見込まれます。
例えば《Toshley / トッシュリー》が採用されることのあったTempo Mageが最初に候補に挙がるでしょう。ターゲット指定可能であり、単純に扱いやすいbuffスペルであることから《Fjola Lightbane / フィヨラ・ライトベイン》《Eydis Darkbane / エイディス・ダークベイン》《Dragonkin Sorcerer / ドラゴンキン・ソーサラー》など特定ミニオンとのシナジーも有効です。または自分の手札だけを増やす性質から《Twilight Drake / トワイライト・ドレイク》《Mountain Giant / 山の巨人》の召喚と組み合わせるという用途もあります。

いずれにせよ問題は、6マナという遅い時間帯に取る行動として適したデッキが見つかるかというところに尽きるでしょう。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Neutral / 中立
レアリティ :Epic / エピック
カード作成コスト : 400 / 1600 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :100 / 400 (Golden)

《Scaled Nightmare / 鱗の悪夢》のプレビュー
今回の拡張版で加わる数少ないDragon/ドラゴン種族カード。まずこのミニオンは単体では評価を与えられるミニオンではありません。もしArenaのピック画面に《Boulderfist Ogre / ボルダーフィストのオーガ》と並んで表示されたら、ほとんどのプレイヤーがオーガをピックするはずです。アビリティは強力なものの、手札から召喚した時点の数値があまりに低すぎます。

生存している限り永続的に攻撃力を強化し続ける、この特性そのものはPaladinのスペル《Blessed Champion / 祝福されし勇者》が5マナを要することを考えれば破格かもしれません。ただし即効性に欠けていることがネックとなります。《Scaled Nightmare / 鱗の悪夢》はターン開始時にアビリティを発動させるため少なくとも1ターンは待たなければなりません。この発動条件やタイミングはミニオンの使い勝手を大きく左右するものであり、召喚したターンに無防備に近いのは《Validated Doomsayer / 終末予言的中者》と共通しています。

このミニオンを活躍させる組み合わせは特定のクラスで見つかるでしょう。Priestの《Inner Fire / 内なる光》、もしくは《Confuse / 混乱》で次のターンに攻撃力16という恐ろしい数値になります。PriestはDragon/ドラゴン種族と相性が良いクラスであるため親和性も高いはず。もっともこの場合、次のターンまで生き残れるかは環境の除去カードと盤面の築き方次第となります。
他にもRogueは《Cold Blood / 冷血》によってミニオンを強化し、《Conceal / 隠蔽》で1ターンは保護することが可能です。カード3枚を要して12ダメージでは見合わない気もしますが。または、これまで忘れられてきたRogueミニオンの紅一点(?)、《Master of Disguise / 変装の達人》に可能性があるかもしれません。永続的なStealth/隠れ身を与えるこの組み合わせでは、時間はかかるものの相手の顔面を一撃で粉砕する攻撃力まで育てることも可能です。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Neutral / 中立
レアリティ :Rare / レア
カード作成コスト : 100 / 800 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :20 / 100 (Golden)

《Skeram Cultist / 》のプレビュー
これまで公開されてきたクラス共通のCultistミニオンと同様に、《C'Thun / クトゥーン》にbuff効果を捧げる能力とマナコストに見合うスタッツが設定されています。攻撃力7という数値は《Big Game Hunter / 大物ハンター》の射程に踏み込んでいますが、《C'Thun / クトゥーン》構築のデッキであることがすでに明らかなのに、6マナのこのミニオンに対して《Big Game Hunter / 大物ハンター》を対戦相手が浪費してくるかは状況次第でしょう。いずれにせよ除去への耐性が低く、高い攻撃力で脅威を相手に突きつけながら《C'Thun / クトゥーン》を強化するという役割を担います。

しかし、6マナでプレイされるミニオンのアビリティが低コストの《Beckoner of Evil / 邪悪の誘い手》《C'thun's Chosen / クトゥーンに選ばれし者》と同等というのはあまりにも残念という他ありません。おそらくこのミニオンはデッキ構築の初心者やカード資産の少ないプレイヤーが、《C'Thun / クトゥーン》デッキを構築するベースとして用意されたものでしょうか。
このゲームを始めたばかりの頃はまだそれでも良いのかもしれませんが、ある程度プレイを重ねていくうちに彼らは気付くでしょう。《C'Thun / クトゥーン》にbuff効果を捧げるCultistミニオンを自動的に2枚ずつデッキに入れてマナカーブに沿ってプレイしていけば、《C'Thun / クトゥーン》が出る前にハンマーで頭をカチ割られるという現実に。

《C'Thun / クトゥーン》デッキの構築がある程度こなれて、熟練プレイヤー達が選択的にCultistミニオンをデッキに採用する構築を完成させていく際には、このミニオンをもう一度評価し直す必要があるかもしれません。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Spell / 呪文
使用クラス :Druid / ドルイド
レアリティ :Common / コモン
カード作成コスト : 40 / 400 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :5 / 50 (Golden)

《Mark of Y'Shaarj / ヤシャラージュの烙印》のプレビュー
たった2マナでミニオン1体に+2/+2のbuffを与え、同時にカードを1枚ドローするDruid専用スペル。まるで《Mark of the Wild / 野生の紋章》《Power Word: Shield / 真言・盾》の良いとこ取りではありませんか。対象がBeast/獣種族のみという制限が課されているためパワフルにデザインされたこのカードは、さらなる種族シナジーを与えDruidというクラスとBeast/獣の関連性を深めていきたい開発チームの展望が判りやすく反映されています。

さて開発チームの意向通りにBeast Druidの構築は成功するのでしょうか。現在Druidに存在するカードのいくつかは、《Mark of Y'Shaarj / ヤシャラージュの烙印》との組み合わせを試す価値が見込まれます。
まずChoose one/選択の変身後にBeast/獣の種族特性を獲得する2マナのカード《Druid of the Saber / サーベルのドルイド》。後手であれば《The Coin / コイン》で1ターン目に3/2のStealth/隠れ身、次のターン《Mark of Y'Shaarj / ヤシャラージュの烙印》でbuffを与え5/4となり更にカード1枚ドロー。《Innervate / 練気》無しで序盤からこの圧力はかなり脅威的です。またはCharge/突撃を選択し4/3となればカードサイクル付きの《Kor'kron Elite / コルクロンの精鋭》のようなものです。

続く3マナ帯は《Mounted Raptor / 騎乗のラプター》《Druid of the Flame / 炎のドルイド》、4マナは《Jungle Moonkin / ジャングル・ムーンキン》《Savage Combatant / 野蛮な闘士》と続き5マナでお馴染みの《Druid of the Claw / 爪のドルイド》へとマナカーブに沿ってBeast/獣種族が続いていきます。

ミニオンの強化とカードサイクルを備えたったの2マナというこのスペルは実際のゲームプレイにおいて、ミニオンの交換とマナ使用に柔軟性を与え非常に有意義であると期待できます。ただし結局のところBeast/獣の種族特性を特徴とするDruidのデッキがプレイヤー達に検討されるかどうかは、OldGods拡張版の実装と同時に予定されている古いカード達のバランス調整次第となるでしょう。

《Keeper of the Grove / 木立の番人》《Ancient of Lore / 知識の古代樹》のようにデッキから外す理由が見つからないミニオン達、そしてマナ加速から相手のマナカーブを上回るプレイを行うシンプルな強さがある限り、Druidの姿がBeast/獣へと変化する未来は想像し難いものです。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Spell / 呪文
使用クラス :Hunter / ハンター
レアリティ :Rare / レア
カード作成コスト : 100 / 800 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :20 / 100 (Golden)

《Infest / 寄生》のプレビュー
自分のボード上のミニオン達に《Webspinner / ウェブスピナー》と同じアビリティを付与するHunter専用スペル。入手できるのはBeast/獣種族カード限定とはいえ、すべてのミニオンからカード1枚を手札に得られるという凄まじい効果です。それがHunterにとって素晴らしいカードであるとは限りませんが。既に私達は《Feign Death / 死んだふり》という残念な例を過去に経験しています。

カードアドバンテージの視点においては、デッキ外から最大7枚のカードを持ってこれるとてつもないカードであることは間違いありません。ただしハイパワーなカードが優れたカードであるとは限らず、Hunterクラスのデッキコンセプトに沿うものであるかが最も重要な要素です。そしてこのカードは3マナを支払ってもテンポ獲得に寄与するところが一つも無いのです。
手札というリソースの重要性はいまさら言うまでもありません。しかし、構築戦で使用されるHunter達のデッキは最短7ターンから10ターン目前後で相手ヒーローの体力を削り切るようにデザインされたデッキが主流です。1ターン目の1マナから10ターン目までで合計55マナ。この55マナで使い切れないカードが手札にあるというのは、厳しい野生環境を生きる獣に相応しくない贅肉ではないでしょうか。

デッキ外からカードを持ってくるこのカードの特性がControlのデッキコンセプトに適しているかと言うと疑問が残ります。HunterというクラスはWarriorやPriestのようにデッキのカードを最後までめくるFatigueの駆け引きに適していません。ではやはりMidrangeスタイルのデッキに加わる新たなカードサイクルとして見るべきでしょうか。《Infest / 寄生》が効果的に機能するかについては未公開の新カードと新環境のMetagame次第なので全く未知数です。これ以上の推測は出来ないので、類似するドローソースと比較するだけに留めておきます。


《Cult Master / カルトの教祖》との相違点:
ボード上のミニオン達をすぐにでも自殺させる必要が無い

《Starving Buzzard / 飢えたハゲタカ》との相違点:
カードドロー条件にBeast/獣種族の召喚という縛りが無い

上記2枚のカードと共通して異なる重要なポイントは、デッキからのカードドローではなくランダムでカードを手札に加えることです。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Spell / 呪文
使用クラス :Mage / メイジ
レアリティ :Epic / エピック
カード作成コスト : 400 / 1600 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :100 / 400 (Golden)

《Cabalist's Tome / カバル教団の魔道書》のプレビュー
Mageに追加される新たなドローソース・・・ではありません。手札に追加されるのはデッキ外からもたらされるMageクラスのランダムな呪文カードです。《Arcane Intellect / 魔力なる知性》と比較すると、2マナ多く支払いカード1枚多く手札に追加されます。しかしカードをデッキからドローすることと、デッキ外からランダムに手札に追加することは全くの別物です。

このカードの特性を探るために別のカードと比較してみましょう。《Ethereal Conjurer / イセリアルの召術師》は攻撃力6/体力3のミニオンをボードに置きつつ、Discover/発見のアビリティによって手札を1枚だけ追加できます。そのカードはデッキ外からもたらされるランダムであり、3つの候補からプレイヤーはなるべく状況に適合するカードを選択するという自由があります。
カードアドバンテージの視点からは《Cabalist's Tome / カバル教団の魔道書》に軍配が挙がります。実際問題デッキのカード30枚を32枚に増やすというのは基本的なルールの殻を破るカードとも考えられます。しかし5マナを浪費してカードを2枚増やすという行動は致命的なテンポロスとなります。

もうひとつ比較対象を考えてみましょう。Druidの《Nourish / 滋養》も同様に5マナでマナブーストかカードドローを選択します。Midrange Druidにはこのカードが使われていた時期がありました。Druidというクラスはマナブーストによってこのテンポロスをカバーできるからです。
対してMageの《Cabalist's Tome / カバル教団の魔道書》は盤面に作用せず純粋に5マナを浪費することになるのです。このような特性のカードが今後Mageのデッキでどのように活かされるのでしょうか。Tempo Mageが5マナで使うカードではないでしょう。しかし終盤息切れしやすいTempo Mageにとって(ランダムとはいえ)2枚の呪文カード補充は多少の価値が認められます。よりフィットする構築といえばやはりReno Mage、またはGrinder Mageになりそうです。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Paladin / パラディン
レアリティ :Legendary / レジェンド
カード作成コスト : 1600 / 3200 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :400 / 1600 (Golden)

《Ragnaros, Lightlord / 》のプレビュー
あまりにもぶっ飛んでいて目を疑い絶句するしかないPaladin専用のLegendaryミニオン。カード評価そのものとは関係ありませんが、このカードに描かれたキャラクターについて補足しておきます。このミニオンの元となったのはご存知《Ragnaros the Firelord / 炎の王ラグナロス》。Hearthstoneの原作であるWorld of Warcraftでは世界に害を為す非常に危険で強大な存在として、古くからよく知られており人気のあるボスキャラでもあります。

その《ラグナロス》がどうして癒し系ミニオンに変貌してしまったのか。今回のOldGods拡張版ではCorruption(汚染)というテーマが掲げられており、既存カードセットのミニオン達が旧神の影響により醜く変質した姿はすでに幾つか目にしてきました。しかし、元から邪悪で暴虐の限りを尽くす存在である《ラグナロス》の場合はその性質が反転して光を背負う高貴な存在になった、というコンセプトのようです。一言で簡単に表せば、マイナスにマイナスを掛けたらプラスなったという発想でしょう。ミニオンのセリフが何より気になるところですが、「生きろ、虫ケラ!」とでも言うのでしょうか。

もちろんこれは原作WoWの史実に則ったものではありません。Lore(伝承)によると《ラグナロス》はOld Godsの配下という設定なので、このカードはHearthstoneオリジナルのキャラクターということになります。WoWに存在しないオリジナルキャラクターが登場することは今回が初めてのケースというわけではありません。丁度前回のLOEアドベンチャーでは《Reno Jackson / レノ・ジャクソン》を始めとするオリジナルキャラクターが主役であったにも関わらず好評を博していました。

しかし古いファン達にとっては《ラグナロス》というキャラクターには相当に深い思い入れがあったようで、このカードが発表されるや往年のWarcraftファン達からは賛否両論巻き起こし、Hearthstoneのキャラクター達が原作に忠実であるべきか否かという議論にまで発展することとなりました。

参照リンク:Live Insect!: Hearthstone's Lore Remix [HearthHead]



脱線はここまでにしておきますが、正直なところ非常に評価が難しいミニオンです。スタッツはコストに見合うものであり、元々の《Ragnaros the Firelord / 炎の王ラグナロス》と違ってアタック行動が可能です。そして味方キャラクター1体に対する膨大な回復能力。綾瀬はるかにも匹敵するその凄まじい癒やしオーラはラグナロス自身も含め、味方のミニオン全てとヒーローまで回復の対象となります。場合によっては8マナ8/8でヒーローを毎ターン回復し続ける《Antique Healbot / 骨董品のヒールロボ》と考えればいかに強力か判りやすいですね。

しかし問題は、このミニオンの使い所です。この記事を読んでいるあなたならばどのような状況を想定するでしょうか。このカードの特性は明らかにControl Paladinの構築に向いたディフェンシブな性格です。TGT以降は環境から失われたこのデッキコンセプトが復活するならば採用を検討されるはずです。同時に考えるべきこととして、同じ8マナには《Tirion Fordring / ティリオン・フォードリング》という競合があります。このミニオンとの比較においては《Big Game Hunter / 大物ハンター》に狙われるという明確な弱点も存在します。

回復対象がダメージを受けている味方の中からランダムに選ばれることもこのミニオンの使い勝手に難しい印象を与えています。ヒーローのヘルスが切羽詰っている時の最終手段としては、仮に自分の盤面に傷ついたミニオン達が複数存在しても、《Equality / 平等》でミニオン達の体力を1にセットすればヒーローだけを対象に絞る緊急回復は可能です。

新環境のMetagame次第であるためこれ以上は想像もできませんが、もしゲーム後半の強力な回復が活きる場面が多く見られるならば、このミニオンはControl Paladinの新たな解答となるかもしれません。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Paladin / パラディン
レアリティ :Rare / レア
カード作成コスト : 100 / 800 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :20 / 100 (Golden)

《Steward of Darkshire / 》のプレビュー
体力1のミニオンを召喚する度に、そのミニオンにDivine Shield/聖なる盾を付与するPaladin専用のミニオン。まず抑えておくべき特性は、Divine Shield/聖なる盾を付与する対象はそのミニオンの元々の体力が1のミニオンのみ対象となる点です。召喚後に体力増加のbuffを獲得する《Twilight Drake / トワイライト・ドレイク》Divine Shield/聖なる盾が与えられ、召喚後に体力が1に減少する《Injured Kvaldir / 傷を負ったクヴァルディル》や、《Redemption / 救済》で復活し体力が1に減少しているミニオンは対象となりません。(Source 1) (Source 2)

なお《Redemption / 救済》そのものが適用外となるわけではありません。墓地という概念の無いこのゲームでは、《Redemption / 救済》で復活したミニオンは既に死亡したミニオンのコピーが召喚されるという扱いです。よって元々体力が1のミニオンの場合はDivine Shield/聖なる盾が付与されると考えられます。

またこのミニオンのカードテキストは「Whenever you summon」という条件であるため、ヒーローパワーで召喚した《Silver Hand Recruit / シルバーハンド新兵》や、《Noble Sacrifice / 身代わり》で召喚された《Defender / 身代わり》Divine Shield/聖なる盾付与の対象となります。もちろん新カードの《Stand Against Darkness / 闇への抵抗》でも適用されるはずですが、光の戦士が5体も一気に並ぶのは対戦相手にとって相当に不気味な光景に映るでしょう。buffを与えるという役割で類似する《Hobgoblin / ホブゴブリン》は「Whenever you play」というカードテキストなので、手札から”プレイ”されたミニオンだけが対象となるのです。

アビリティに設定された”体力1のミニオン”という制限から、カード同士の組み合わせはかなり限定されます。Paladinクラス専用ミニオンでは今のところ体力1のクラスカードは存在しません。Neutral/中立のミニオンがそのほとんどとなり、体力1なので当然ですがマナコストの安価なミニオンばかりです。低コストなミニオンということからやはりまずはAggroデッキにおいて利用価値が試されるでしょう。4ターン目に《Leper Gnome / レプラノーム》《Wolfrider / ウルフライダー》Divine Shield/聖なる盾付きで飛び出してくる状況はかなり脅威的です。
他にもミニオンに設定された種族に着目すべきでしょう。Murloc / マーロック種族は5体もbuff対象となり、Divine Shield/聖なる盾を与えられることでDragon Paladinのデッキに《Twilight Drake / トワイライト・ドレイク》の採用を検討する余地が生まれるかもしれません。

さらに今回の拡張版で追加される《Faceless Shambler / さまよう無貌のもの》も同様にbuff対象となるので、続けて召喚できれば《Steward of Darkshire / 》を保護しつつbuffを獲得し盤面の優位を雪だるま式に重ねていく展開も期待できます。
ミニオンだけではなく、Divine Shield/聖なる盾はPaladinのbuffスペルカードと格別に相性が良いことも念頭に置く必要があります。《Blessing of Might / 力の祝福》《Blessing of Kings / 王の祝福》と組み合わせれば、安価なミニオンが相手のミニオンを除去しつつ脅威として盤面に残すことも可能です。
総じてカードの組み合わせが限定的に見えるこのミニオンですが、実のところ様々なデッキ構築で利用価値が期待できそうです。

◆ 4月2日時点で公開されているOldGods拡張版を含むスタンダード環境の体力1ミニオン

TooltipManaAttackRace
《Murloc Tinyfin / マーロック・タイニーフィン》01Murloc
《Wisp / ウィスプ》01
《Abusive Sergeant / 鬼軍曹》12
《Angry Chicken / アングリーチキン》11Beast
《Argent Squire / アージェントの従騎士》11
《Elven Archer / エルフの射手》11
《Grimscale Oracle / グリムスケイルの託宣師》11Murloc
《Leper Gnome / レプラノーム》12
《Murloc Raider / マーロックの襲撃兵》12Murloc
《Southsea Deckhand / 南海の甲板員》12Pirate
《Stonetusk Boar / 石牙のイノシシ》11Beast
《Tournament Attendee / トーナメント参加者》12
《Voodoo Doctor / ヴードゥーの呪術医》12
《Worgen Infiltrator / ウォーゲンのスパイ》12
《Young Dragonhawk / 巣立ちのドラゴンホーク》11Beast
《Young Priestess / 若きプリーステス》12
《Tentacle of N'Zoth / ン=ゾスの触手》11
《Bloodmage Thalnos / ブラッドメイジ・サルノス》21
《Bluegill Warrior / ブルーギル・ウォリアー》22Murloc
《Ironbeak Owl / 鉄嘴のフクロウ》22Beast
《Jeweled Scarab / 宝飾のスカラベ》21Beast
《Loot Hoarder / 戦利品クレクレ君》22
《Murloc Tidehunter / マーロックのタイドハンター》22Murloc
《Novice Engineer / 初級エンジニア》21
《Argent Horserider / アージェントの騎兵》32
《Magma Rager / マグマ・レイジャー》35
《Scarlet Crusader / スカーレット・クルセイダー》33
《Wolfrider / ウルフライダー》33
《Twilight Drake / トワイライト・ドレイク》44Dragon
《Faceless Shambler / さまよう無貌のもの》41




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Spell / 呪文
使用クラス :Priest / プリースト
レアリティ :Rare / レア
カード作成コスト : 100 / 800 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :20 / 100 (Golden)

《Shadow Word: Horror / 密言・恐》のプレビュー
「グッバイAggro!」と思わず叫びたくなるカードテキストのPriest専用スペル。盤面に置かれた攻撃力2以下のミニオンは敵味方問わず即破壊されます。最初に見るべきポイントは攻撃力2以下という制限でしょう。《Knife Juggler / ナイフ・ジャグラー》は効果範囲から外れるこのカードが本当にAggro対策になるか大いに疑問です。さらに4マナというコストは攻撃力2のミニオンが展開される盤面に対して遅い対応です。ほんの1マナコスト分ですが、この遅さはAggro対策として致命的になりかねません。

もちろんこのカードの使い途が無いかと言われれば必ず存在します。ただ、デッキに必要かと言えばMetagame次第であり、必要になる場面はごく限られてくると考えられます。仮にラダーでZooが氾濫するならば《Imp Gang Boss / インプ・ギャングのボス》に対して適切なカウンターとなるため採用を検討する価値があるかもしれません。

またこのスペルはAggro相手だけではなく、他のデッキの厄介なミニオンを除去する手段として使い所を見出すことはあるでしょう。たとえば《Acolyte of Pain / 苦痛の侍祭》にカードを引かせず除去することが出来るなら1:1の交換であっても妥当です。同時に、クラスの特性から攻撃力2以下のミニオンが盤面に並びやすいShamanに対しても有効です。
もしくは、このカードはワイルド環境のバランス調整をも見越したカードなのかもしれません。《Haunted Creeper / 呪われた蜘蛛》《Muster for Battle / 兵役招集》《Imp-losion / インプァクト》、その他諸々カウンター対象を挙げることができます。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Rogue / ローグ
レアリティ :Rare / レア
カード作成コスト : 100 / 800 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :20 / 100 (Golden)

《Undercity Huckster / アンダーシティの押し売り》のプレビュー
Rogueの2ドロップに新たな選択肢として加わるミニオン。まずは既存のカードと比較してみましょう。《Defias Ringleader / デファイアスの親方》はTokenを1体生成しゲーム初期の盤面で大きくリードします。《Cutpurse / スリ》はカードコンボの材料を手札に加え、《Patient Assassin / 埋伏の暗殺者》は相手のミニオンプレイを躊躇わせる布石となります。

今回追加される《Undercity Huckster / アンダーシティの押し売り》はカードを1枚手札に加えるため中立ミニオンの《Loot Hoarder / 戦利品クレクレ君》に近い性質にも見えます。異なる点はデッキからカードをドローするのではなく、対戦相手のクラスカードからランダムに1枚選択されること。”相手のデッキ”からでは無いため使い途の無いカードを手に入れてしまう恐れもあります。

このランダム性が欠点にも見えるものの、本質的にはデッキのカード枚数を30枚から31枚へ増やす効果であるため手札に加わったカードがジャンクであったとしてもさほど不都合というほどではありません。また同時に、このミニオンは《Unearthed Raptor / 掘り起こされたラプター》Deathrattle/断末魔コピー対象として非常に魅力的です。Naxxの《Haunted Creeper / 呪われた蜘蛛》《Nerubian Egg / ネルビアンの卵》が環境から失われる中で、Rapter Rogueの新しいスタイルを構築するのに欠かせないピースとなることが期待できます。
Deathrattle/断末魔をテーマとしないデッキではどうでしょうか?”悪くはない”カードです。しかし自分のデッキからカードをドローするわけではないので、一貫性のあるデッキの中で居場所を見つけることは難しいように見えます。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Rogue / ローグ
レアリティ :Legendary / レジェンド
カード作成コスト : 1600 / 3200 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :400 / 1600 (Golden)


Toxinカード(クリックで拡大)

《Xaril, Poisoned Mind / 》のプレビュー
召喚時と死亡時に1マナの特殊なTokenスペルカードを手札に追加するRogue専用のLegendaryミニオン。選ばれるカードはランダムながらRogueのプレイスタイルに有用であり、このミニオンの性質は実際に多くのデッキでシナジーを見出すことができます。Combo/コンボの起動条件にToxinを利用するのは言わずもがな、《Violet Teacher / ヴァイオレット・アイの講師》《Gadgetzan Auctioneer / ガジェッツァンの競売人》との連携がまず誰の脳裏にも浮かぶはずです。《Unearthed Raptor / 掘り起こされたラプター》で追加の1枚、または《N'Zoth the Corruptor / 頽廃させしものン=ゾス》によってゲーム終盤に呼び戻すこともできます。OldGods拡張版リリース後のRogueのテーマにDeathrattle/断末魔が試されることだけは断言できるでしょう。

このカードがHearthpwnから発表された後、さてこのミニオンの期待度をどの程度に見積もったものかしばらく考えました。まだ考え続けていますが答えが出ません。カードそのものは優れたデザインであり、多くのポテンシャルを秘めています。
残りの新カード・調整される旧カード・新環境のMetagameという不確定要素が多すぎるため将来のイメージが掴めず、このカードの不安要素と相まって手放しで賞賛することが出来ません。素晴らしく利用価値を期待できるカードですが、実用性に若干の疑問が残ります。またLegendaryカードというデッキに1枚しか入らない特性上、必ずしも今後のRogueのデッキにおいて必須となるカードでは無いようにも思えます。

不安要素とは《Toshley / トッシュリー》との比較から見えてきます。二つの起動トリガーでTokenスペルを手札に加えるというアビリティはGvGの《Toshley / トッシュリー》と同じ性質であり、このミニオンは実際にRogueの構築に取り入れられていた時期があります。見比べて目を引くのはまず、あまりにも低いミニオンのスタッツ。4マナで3/2はかなり苦しい数値であり、このミニオンをマナカーブに沿ってプレイすることは手痛いテンポロスとなります。もちろんRogueというクラスは幾らでもカバーする手段が存在します。そのテンポロスと2枚のTokenカードがどのように釣り合うのか今のところ見えてきません。最大の疑問は、かつてBlizzard自身が叩き潰したSpell/呪文に大きく依存するMiracle Rogueという構築スタイルに最適なカードを、いま再びRogueに追加しようという開発チームの意図です。

もうひとつの不安はToxinカードの性質。GvGのSpare Parts(スペアパーツ)とよく似ていますが、5枚中3枚のカード効果が自分のミニオンに依存しています。ターゲット指定スペルは指定対象がボードに居なければ発動することも出来ない点がネックになるように見えます。総じてこのLegendaryミニオンは実際の使い勝手において、既に有利な状況をさらに盤石に固めるのに効果的であるものの、不利を覆してくれるような役割までは果たしてくれない、いわゆる”Win more Card”として機能するというのが個人的な予測です。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Spell / 呪文
使用クラス :Warlock / ウォーロック
レアリティ :Epic / エピック
カード作成コスト : 400 / 1600 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :100 / 400 (Golden)

《Renounce Darkness / 闇との訣別》のプレビュー
あまりにもRNGに依存するため構築戦で使用するに耐えない代物かもしれません。しかしこのカードは素晴らしい可能性を秘めています。今のところ発表されている新カードの中で最も狂気にふれており、じわじわ来る晴れやかな笑顔のカードアートも含めて個人的に一番のお気に入りです。

置き換えられたクラスカードはマナコストが1低下する。このアビリティは《Emperor Thaurissan / ソーリサン皇帝》の効果がデッキの山札にまで及ぶのと同じことであり、マナ使用のテンポにおいて絶大な恩恵となります。例えば、デッキの30枚をWarlockのクラス専用カードで埋め尽くしていたら?置き換えられたクラスカード達は他のクラスが本来必要とするコストよりも1ずつ低いのです!闇と訣別し光へ踏み出した新たな人生にRNGesusの祝福あれ。今週のFunny and Lucky Momentsをお楽しみに!

冗談はほどほどにしておきましょう。流石にRNGlockは現実的ではないと思われます。さて、実際このカードの実用性はどの程度考えられるでしょうか。どんなカードに置き換えられるかはランダムなので結果は神のみぞ知るところです。時には益体もないカードに変わってしまうかもしれません。それでも実際の対戦において手札の中で使用するタイミング逸したカード、または使い道が無さそうなジャンクとなったカードを天に放り投げてみるというなら、悪い賭けではないようにも思えます。

既存の構築に組み込む余地が考えられ、まったく新しい構築スタイルを生みだすきっかけとなるかもしれない。プレイヤーの想像力をいたく刺激する素晴らしいカードではないでしょうか。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Minion / ミニオン
使用クラス :Warrior / ウォリアー
レアリティ :Common / コモン
カード作成コスト : 40 / 400 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :5 / 50 (Golden)

《N'Zoth's First Mate / 》のプレビュー
1マナ1/1のステータスに攻撃力1/耐久値3の武器を装備、Paladinの《Muster for Battle / 兵役招集》と比較してもコスト上は優れた性能のカードです。これがWarriorのクラスカードでなかったならばさぞ有用だったことでしょう。
しかしWarriorというクラスには《Fiery War Axe / 烈火の戦斧》が2マナの武器枠に存在します。比較すると、1ターン目に1/1のボディを置きながら1/3の武器を装備することはAggroデッキ対策には有効かもしれませんが、ゲーム最序盤に有れば便利という代物に過ぎず勝つために必要なカードではありません。そしてそのような評価のカードは無数に存在し、デッキには30枚までしかカードを入れることは出来ないのです。既存のWarriorデッキ(Control , Patron)において《N'Zoth's First Mate / 》を採用する合理性はほぼ存在しません。極端にアグレッシブなFace Warriorでも《Cursed Blade / 呪われた剣》の採用を優先するでしょう。

このカードが実装される狙いはミニオン本体に設定されたPirate/海賊という種族にあやしげな目論見があると窺えます。たとえば次のターン《Bloodsail Raider / ブラッドセイルの略奪者》の攻撃力が3となります。目を剥くほど効果的とまではいきませんが、1/1と3/3のミニオンを盤面に置き1/3の武器を装備した状態は序盤の展開において非常に手堅いスタートとなります。

LOEで《Tunnel Trogg / トンネル・トログ》が追加されAggro Shamanが大流行したように、既存のカードとシナジーを持つカードが追加されることで点と点が繋がれ線となり、これまで見えていなかった一貫性が新たなデッキアーキタイプとして陽の目を見る可能性に期待されます。




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◆ カード基本情報
カードタイプ :Weapon / 武器
使用クラス :Warrior / ウォリアー
レアリティ :Epic / エピック
カード作成コスト : 400 / 1600 (Golden)
カード分解のArcane dust/魔素 :100 / 400 (Golden)

《Tentacles for Arms / 戦闘用触手》のプレビュー
Liquid Hearth所属のプロプレイヤーSjowから公開されたWarrior専用武器。発表した当人から使えねーよコレといきなりダメ出しされたのも道理、このカードは余りにもマナコストが高く設定されています。

この武器は何度破壊されようとも手札に戻ってくるので永遠に装備し続けることが可能であり、Rogueの《Headcrack / 脳天直撃》に近い存在のカードです。しかしその都度5マナを支払うテンポロスに見合うメリットでしょうか?Warriorに有りがちなゲーム展開のFatigueを争う場合において確かに使いどころはあるかもしれません。しかしもっと有用なカードは幾つも存在し、自分の場にミニオンを置いて保護するほうが遥かに合理的です。無限に手札に戻る性質と何らかのシナジーを持つ新カードが追加されないかぎり、この武器が構築戦で使用される状況は想像できません。

もしこのカードを採用して競技的な対戦に耐えうるデッキ構築の合理性が見出されたなら、redditの有志から1万ドルがチャリティ募金として寄付されます。We can do it reddit!あなたもレッツ・トライ!
参照リンク:HenryMCooney氏の宣言より [reddit]




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