ウンゴロー!皆さんウンゴロクレーターの冒険を楽しんでおられるでしょうか。毎度のことながら新カードの追加はプレイヤー達に新鮮な刺激を与え、デッキ構築と対戦に活気をもたらしてくれます。
初登場となるレジェンドレアリティのスペルカードはさっそく目新しい構築スタイルを打ち立てました。恐竜とエレメンタルの新戦力達は既存のアーキタイプを新たなシナジーで補強し、2015年のカードセットと別れを告げたさみしさを感じるいとまもありません。
クラスとデッキのバランスでは、前環境を通してハブにされていたHunterが再び姿を現しています。Renolockの活躍の陰で顧みられなかったZoo Warlockもしかり、冷や飯を食わされる扱いであったデッキ達の逆襲を目のあたりにするのも新環境の楽しみのひとつですね。
第一週のメタスナップショット
さてウンゴロ拡張版の実装から約一週間が経過しましたが、この間にプレイされた新たなデッキ達が今後のメタゲームの主役となるかは未知数です。いまだこの新環境の覇者を決めるために角突き合わせて力比べしている段階にあり、これからさらなる進化が見られる可能性もあれば、争いに敗れ消えていくデッキもいるでしょう。弱肉強食の頂点に立つ者を中心にしてこれから新しいメタゲームが育まれていくのです。
とはいえ、新環境が始まったばかりの現在を推し量るために、統計の数字を参考にすることは無意味ということもありません。戦績・デッキ管理ツール使用者の協力によってデータを集積しているMeta Statsから4月3日~9日間の対戦データ統計が発表されておりますので、まずはこちらをチェックしていきましょう。下記表の「Popularity」は集計された対戦データにおけるデッキの使用頻度、「Win-Rate」の項目は勝率ランキングそのものです。
参照リンク:Meta Snapshot Week #14 (Apr 3 - Apr 9) [Meta Stats]
Popularity | Racio | No. | Win-Rate | Racio |
Quest Rogue | 15.78% | 1 | Pirate Warrior | 56.38% |
Midrange Hunter | 9.86% | 2 | Control Warrior | 52.42% |
Control Warrior | 9.43% | 3 | Token Druid | 52.39% |
Elemental Shaman | 9.02% | 4 | Midrange Hunter | 51.24% |
Pirate Warrior | 8.56% | 5 | Elemental Shaman | 50.74% |
Zoo Warlock | 6.41% | 6 | Miracle Rogue | 50.54% |
Freeze Mage | 6.39% | 7 | Aggro Shaman | 50.33% |
Control Priest | 3.74% | 8 | Tempo Mage | 49.71% |
Aggro Shaman | 3.45% | 9 | Handlock | 49.46% |
Quest Hunter | 3.01% | 10 | Elemental Mage | 49.28% |
※ 注釈
Quest Rogue = Caverns Below Rogue , Crystal Rogue
Control Warrior = Quest Warrior , Taunt Warrior
Freeze Mage = Time Warp Mage , Exodia Mage , OTK Mage
Control Priest = Silence Priest , Purify Priest
Aggro Shaman = Murloc Shaman
◆ 人気と勝率とメタの関係
まず上記の表を眺めて気がつくことは、前環境のメタデッキ達が軒並み姿を消していることでしょう。スタンダードイヤーがマンモス年へと切り替わったインパクトは期待通りの変化をもたらしています。そして唯一Pirate Warriorだけが人気・勝率ともに高い状態で居残っているのもまた予想されていたことです。
さてこの新環境で抜群の人気度を誇るQuest Rogue(Crystal Rogue , Caverns Below Rogue)ですが、残念なことに勝率ランキングでは10位圏外となっています。勝率平均が53%以上ならば環境のトップデッキであるとハースストーンの開発チームは認識しているそうなので、勝率が47%に落ち込んでいるQuest Rogueはプレイヤー達から高い人気を勝ち得ていながら”Bad”なデッキということになってしまいます。
平均勝率が低いにも関わらずデッキの人気が高いという一見奇妙な現象は、このゲームにおいて実際珍しくはありません。デッキ選択を決定する要因は様々にあり、プレイヤーの最も強い欲求は”勝てるデッキ”であることです。しかし新環境開始から間もないカオスなラダーにおいてメタの見極めは困難です。どのデッキが高い勝率を保証するのか誰にも判らない状況では、物珍しさや著名プレイヤーの配信、またはトーナメントの結果などが大きく影響を及ぼします。またそもそも、”勝てるデッキ”というものが「レジェンドランク1位」などのイメージによって装飾されたものであり、プレイヤー達みなが統計データなどを根拠にデッキ選択を行っているわけではないでしょう。
そして別の側面では、人気を勝ち得たそのデッキがどの程度のプレイ習熟度を要求するかも平均勝率に関わってきます。有り体に言ってしまえば、状況に応じて適切なプレイを選択できない大勢のプレイヤーが平均を大きく押し下げてしまい、Quest Rogueで高い勝率を叩き出すトッププレイヤー達との乖離を生じているのです。これは特にComboデッキやRogueというクラスに顕著に見られる特性であり、かつて最強の栄光を謳われていたあのPatron Warriorですら、ハイレベルなプレイヤーを除けばその平均勝率は46%という”Bad”なデッキであったことが開発チームから明かされています。このことは、平均というものを参考にするとき常に心に留めておかなければいけません。(参照:Blizzard: Patron was a weak deck across the board [Dot esports])
◆ ウンゴロじゃんけんぽん
とまれQuest Rogueの勝率が低い理由についてデッキに習熟していないプレイヤー達だけに責任を求めることはできません。このデッキはクエスト達成後に舌を巻く勢いでテンポを稼ぎ出す爆発力を秘めているものの、現在人気を集めるデッキ構成はアグレッシブなデッキに対して致命的な弱点をさらけ出している状態です。3・4ターン目前後にクエスト達成のための行動をとることは、特にPirate Warriorに対してのし紙つけて勝利を進呈するような行動というほかありません。他にも復活を遂げたZooとHunter、Druid / Mage / Paladinのアグレッシブなデッキなど数多くの天敵がすでに存在します。
翻ってFreeze Mage(Time Warp Mage)やPriest、Quest Warriorなどの展開が遅いデッキに対しては無類の強さを誇るデッキであり、ウンゴロカードセットの目玉であるQuest系デッキの相性においてずば抜けた存在なのは明らかです。
ウンゴロリリースから一週間に満たない時間の中においても、Questで多大なバリューを得るデッキ達とそれぞれの力関係、そしてアグレッシブなデッキとの相性差が柱となるこの新環境の縮図が浮き彫りになったように思われます。今後は新カードの目新しさに慣れたプレイヤー達がどれほどPirate Warriorに回帰するかによって、マンモス年とウンゴロ追加カードによるメタゲームの輪郭が徐々に形をなしていくのでしょう。ちなみにメタリポートとして非常に評価の高いVicious Syndicateの「VS Data Reper Report」は、今月の20日に公開が予定されています。おそらくその頃には、Pirate Warriorのプレイヤー数も前環境末期程度に増加していることでしょう。
さて今回の記事では、上記メタスナップショットにランクインしたデッキ達の特徴を観察し、彼らのポテンシャルとデッキバリーションをチェックしておきたいと思います。
Index
[ページ内リンク]▼ ウンゴロ環境の要チェックな新デッキ
• Quest Rogue (Caverns Below Rogue , Crystal Rogue)
• Midrange Hunter
• Control Warrior(Quest Warrior)
• Elemental (Jade) Shaman
• Pirate Warrior
• Zoo Warlock
• Freeze Mage (Time Warp Mage , Exodia Mage)
• Control Priest(Silence Priest , Purify Priest)
• Aggro Shaman(Murloc Shaman)
• Quest Hunter
▲Index
ウンゴロ環境の要チェックな新デッキ
▲Index
Quest Rogue (Caverns Below Rogue , Crystal Rogue)
◆ マッチアップ相性(暫定)
鼻ほじベンブロード | Control Warrior , Jade Druid , Quest Hunter , Elemental Shaman , Freeze Mage , Deathrattle Priest , Dragon Priest |
やや有利 | Miracle Rogue , Aggro Paladin , Control Paladin , Murloc Shaman , Handlock |
イーブン | Silence Priest , Miracle Priest |
やや不利 | Murloc Shaman |
即コンシ | Midrange Hunter , Pirate Warrior , Zoo Warlock , Beast Druid , Token Druid , Secret Mage |
◆ デッキの概要
Rogueクラスに追加されたQuestカードの《地底の大洞窟 / The Caverns Below》は「同じ名前のミニオンを4体手札から使用する。」の条件を達成することで報酬カードの《クリスタルコア / Crystal Core》を手札に加えます。同一のカードは2枚、レジェンドレアリティは1枚しかデッキに入らない基本ルールに則れば達成は至難の条件であり、これをクリアする方策がデッキの核心部分となります。
それではリリース直後にレジェンドランク1位へ到達したDog(Quest Rogue #2819)のデッキ構成を参考に、このデッキの仕組みを読み取っていきましょう。まず同じ名前のカードを4回使用する条件を達する方法として、場に出したミニオンカードを手札に戻す(バウンス)カードが複数採用されており、クラス専用カードの《影隠れ / Shadowstep》と《ガジェッツァンの渡し守 / Gadgetzan Ferryman》、共通ミニオンの《若き酒造大師 / Youthful Brewmaster》がこの役割を担います。
手札に戻し複数回使用する対象となるミニオンにはまず第一に低コストであることが求められます。そしてすぐに手札に戻してしまうのですから有益な雄叫び/Battlecryを持つことが基準となるでしょう。(マナと時間に余裕があるならばパンダ2枚だけでも結構ですが)
Dogのデッキでは雄叫び/Battlecryのドローでカードサイクルを進めるための《初級エンジニア / Novice Engineer》が基本的な対象となり、1マナで手札を増やす《怪盗紳士 / Swashburglar》なども候補となります。カードサイクルの《初級エンジニア / Novice Engineer》が望ましいのは勿論ですが、このカードを待ち続けて時間を浪費すればたとえクエストを達成しても巻き返すことは非常に厳しくなります。手札に戻す対象の選択はその時々のマッチアップで判断することになるでしょう。
◆ デッキ参照リンク
Quest Rogue #2819 - Total Games: 6823 - Win-Rate: 47% [Meta Stats]
Quest Rogue #2934 - Total Games: 5002 - Win-Rate: 49% [Meta Stats]
Quest Rogue #3137 - Total Games: 4372 - Win-Rate: 51% [Meta Stats]
Quest Rogue #2987 - Total Games: 3505 - Win-Rate: 44% [Meta Stats]
▲Index
Midrange Hunter
◆ マッチアップ相性(暫定)
鼻ほじベンブロード | Control Warrior , Quest Hunter , Quest Rogue , Freeze Mage , Murloc Shaman , Deathrattle Priest , Handlock |
やや有利 | Zoo Warlock , Silence Priest , Secret Mage |
イーブン | Beast Druid , Miracle Priest , Dragon Priest , Jade Druid , Token Druid , Murloc Shaman |
やや不利 | Control Paladin , Pirate Warrior |
即コンシ | Miracle Rogue , Elemental Shaman , Aggro Paladin |
◆ デッキの概要
長きに渡りWarlockとラダーキングの座を争ってきたHunterの凋落ぶりは目にあまるものがありました。2016年が始まった頃からすでにパッとしない印象ではありましたが、前環境のガジェッツァンではまさに絶滅危惧種の珍獣扱いだったのです。多数の獣/Beastミニオンが実装される今回の拡張版は明言こそしないでしょうが、このクラスのテコ入れを開発チームが念頭に置いたものであったはずでしょう。
この一週間に限定すれば、その試みはいみじくも成功を収めたように見えます。帰ってきたMidrange Hunterはウンゴロ新デッキとのマッチアップにおいて非常に良いバランスを備えており、高い勝率を期待できるためQuest Rogueに次ぐ支持を集めている状態です。ぼくらのレクサーが帰ってきたんだ。
このデッキはMidrangeと冠しているものの、Hunterのヒーローパワーやミニオン・ダメージスペルの性質によって、他のデッキと比較して元来早い性格の構築スタイルです。この特性が活かされるかは環境のゲーム展開速度に依存しており、序盤から中盤にかけてクエスト達成のための行動を行うデッキが多い現状に対して見事突き刺さったものと考えられます。
そもそもこれまでHunterの立場を無くしていた要因は、他のアグレッシブなクラスと比較してゲーム序盤の展開が貧弱であったことが最たるものです。マンモス年への変遷は《トーテム・ゴーレム / Totem Golem》など旧環境の強力なミニオンを環境から取り除き、ウンゴロ拡張版の新カードがHunterの序盤をさらに補強しました。この結果、ミニオンをボードに常に展開してテンポを握るというMidrange Hunterの戦術が再び通用するようになっています。
デッキに採用される新カードとしては1マナの《コンゴウインコ / Jeweled Macaw》、《放電レイザーモー / Crackling Razormaw》、《トルヴィア番兵 / Tol'vir Warden》の3種が既に定番となり、獣/Beast属性を持つ《ゴラッカ・クローラー / Golakka Crawler》もテックカードとして期待以上の働きを見せています。
◆ デッキ参照リンク
Midrange Hunter #2854 - Total Games: 4855 - Win-Rate: 52% [Meta Stats]
Midrange Hunter #3131 - Total Games: 3286 - Win-Rate: 50% [Meta Stats]
Midrange Hunter #2828 - Total Games: 3240 - Win-Rate: 53% [Meta Stats]
Midrange Hunter #3067 - Total Games: 2211 - Win-Rate: 55% [Meta Stats]
▲Index
Control Warrior(Quest Warrior)
◆ マッチアップ相性(暫定)
鼻ほじベンブロード | Elemental Shaman , Quest Hunter , Token Druid , Zoo Warlock , Freeze Mage , Beast Druid , Silence Priest , Miracle Priest , Handlock |
やや有利 | Pirate Warrior , Aggro Paladin , Secret Mage , Murloc Shaman |
イーブン | Murloc Shaman , Deathrattle Priest , Dragon Priest |
やや不利 | Midrange Hunter , Control Paladin |
即コンシ | Quest Rogue , Miracle Rogue , Jade Druid |
◆ デッキの概要
新カード《ファイアプルームの中心で / Fire Plume's Heart》のクエスト達成を軸に据えた新デッキQuest Warriorはご存知の通り、すでに高い人気を獲得しています。前項のMeta Snapshot Week #14 (Apr 3 - Apr 9)ではデッキ項目にまだQuest Warriorが存在しないためControl Warriorに統合されていました。トラディショナルなControl Warriorの構築スタイルと区分すべきかは議論が別れていますが、ひとまずここでランクインしているControl WarriorとはそのほとんどがQuest Warriorを指すと考えて差し支えありません。
たしかにボードコントロール手段など旧来のControl Warriorで採用されるカードの多くを踏襲しています。挑発/Tauntミニオンを手札からプレイするというクエスト達成条件の性質上、よりプロアクティブ(春香クリスティーンのニキビ薬ではない)に盤面へ対処するのが特徴的です。
そのクエスト達成報酬はヒーローパワーを《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》と同じ能力へと変更するというものであり、この強力で安価なヒーローパワーが盤面を後押しすることによって最終的にボードの制圧を目指していくのが基本的なプレイスタイルになります。このクエスト達成を目指す行動はそのままアグレッシブなデッキへの対策ともなり、クエストを達成すれば毎ターン高い価値を産み出すヒーローパワーが遅いデッキを圧倒するという点で非常に合理的といえます。
採用される挑発/Tauntミニオンとしてはデッキ外から挑発/Tauntを持ち込む《ストーンヒルの守護者 / Stonehill Defender》がすでに定番となっており、ゲーム後半のミニオンの選択にはバリエーションが見られます。またボードクリアには《乱闘 / Brawl》に加えて《魚のエサ / Sleep with the Fishes》も採用するデッキが多く目に付きます。《始祖ドレイク / Primordial Drake》とのコンビネーションが極めて有効であることに加え、変身ヒーローパワーとボードクリアの性質が噛み合うこともその理由です。
◆ デッキ参照リンク
Control Warrior #2975 - Total Games: 4716 - Win-Rate: 54% [Meta Stats]
Control Warrior #2895 - Total Games: 3520 - Win-Rate: 53% [Meta Stats]
Control Warrior #2985 - Total Games: 2768 - Win-Rate: 53% [Meta Stats]
Control Warrior #2806 - Total Games: 2619 - Win-Rate: 52% [Meta Stats]
▲Index
Elemental (Jade) Shaman
◆ マッチアップ相性(暫定)
鼻ほじベンブロード | Midrange Hunter , Pirate Warrior , Quest Hunter , Zoo Warlock , Beast Druid |
やや有利 | Freeze Mage , Secret Mage , Jade Druid , Token Druid , Aggro Paladin |
イーブン | Miracle Rogue , Silence Priest , Miracle Priest , Control Paladin , Murloc Shaman , Deathrattle Priest , Handlock |
やや不利 | Murloc Shaman |
即コンシ | Control Warrior , Quest Rogue , Dragon Priest |
◆ デッキの概要
《トンネル・トログ / Tunnel Trogg》と《トーテム・ゴーレム / Totem Golem》のコンビが同時にスタンダードから脱落したことによって危ぶまれていた序盤の展開は、新しい種族カテゴリのエレメンタル/Elementalミニオンが補強してくれました。ボードを埋める低コストな《ファイアフライ / Fire Fly》と《火成のエレメンタル / Igneous Elemental》、その後に続くエレメンタル/ElementalミニオンのシナジーはMidrange Shamanの構築に新しくも古典的な力強さをもたらしています。
このデッキのバリエーションで目を引くのは、ガジェッツァンのJade系カードや海賊/Pirateミニオンを少数加える例が成功を収めていることでしょう。これは序盤のエレメンタル/Elementalミニオンがやや非力でありトレードに不利であること、そして除去と同時にトレード材料となるミニオンを盤面に追加する特性が評価されエレメンタル/Elementalデッキとの融合が図られているものです。
デッキの性質はいまのところ新環境でもっとも素直なMidrange構築といえます。序盤からボードを争い、相手の脅威へ対処する様々な手段を持ち、後半からミニオン召喚によって有利を積み上げていくプレイスタイルはとても馴染みやすく、これが人気の理由のひとつであるかもしれません。
数多く搭載した除去スペルがアグレッシブなデッキとのマッチアップを良好に保っている反面、ゲーム後半へかけてのプレッシャーに乏しQuest Warrior等との対戦を苦手としています。今後のメタゲームがどのように振れるか定かではありませんが、Pirate Warriorがウンゴロ環境においても脅威的であるとプレイヤー達が認識するにつれてますます立場が向上していくように予想されます。また、カードを入れ替える余地が多いので変化に対して機敏に対応することも期待できるでしょう。
◆ デッキ参照リンク
Elemental Shaman #2868 - Total Games: 4033 - Win-Rate: 51% [Meta Stats]
Elemental Shaman #2820 - Total Games: 1827 - Win-Rate: 52% [Meta Stats]
Elemental Shaman #2920 - Total Games: 1510 - Win-Rate: 47% [Meta Stats]
Elemental Shaman #2826 - Total Games: 1506 - Win-Rate: 46% [Meta Stats]
▲Index
Pirate Warrior
◆ マッチアップ相性(暫定)
鼻ほじベンブロード | Quest Rogue , Miracle Rogue , Quest Hunter , Zoo Warlock , Freeze Mage , Murloc Shaman , Deathrattle Priest , Secret Mage , Dragon Priest , Handlock |
やや有利 | Midrange Hunter , Beast Druid , Silence Priest , Miracle Priest , Aggro Paladin , Murloc Shaman |
イーブン | Beast Druid |
やや不利 | Control Warrior , Token Druid |
即コンシ | Elemental Shaman , Jade Druid , Control Paladin |
◆ デッキの概要
マンモス年のスタンダード変遷を経てもPirate Warriorのデッキに大きな変化はありません。脱落したのは《サー・フィンレー・マルグルトン / Sir Finley Mrrgglton》のみ、泡を吹くように前のめりなアグレッシブな戦法は新環境でも通用することがこの一週間で証明されています。
新カードに沸き返る今の状況はむしろ、このデッキが環境の頂点へと至る道筋を開いています。甘えや欲ばりなデッキを容赦なく殺すのがゲームバランスにおけるAggroの役割とはいえ、このカードセットを象徴するQuest系のデッキと相性が良すぎる点は、いずれユーザーから改善の声があがっても不思議ではありません。特盛りのAggro対策に加え、《レノ・ジャクソン / Reno Jackson》が存在した前環境のRenoデッキですら苦戦する存在だったこのデッキを、一体どのように止められるものと開発チームは考えたものでしょうか?
それにしてもこの一週間でPirate Warriorのプレイ頻度がここまで高いことには驚かされました。ラダーのランクアップに最適なデッキであるとはいえ、前環境そのままのデッキをプレイすることは心情的に避けられるだろうと予想していたからです。それでは新しい刺激を求めてPirate Warriorのプレイを敢えて避けていた人はどの程度存在しているのでしょう。新カードの興奮がひと心地ついたとき、彼らがPirate Warriorを再評価したならば再び爆発的な増加をみせるのではないかと恐怖します。
さて、変化が著しく少ないこのデッキにも新顔は存在します。《ビタータイド・ヒドラ / Bittertide Hydra》は5マナ8/8の驚異的なスタッツと危険なデメリットを抱えており、かつての《フェル・リーヴァー / Fel Reaver》と類似したミニオンです。このミニオンそのものは様々に対処する手段が考えられるものの、他のミニオンやウェポンで殴ることと5/8/8への対処を同時に行うことは難しく、このため5ターン目前後のドロップとして5/8/8のニューカマーはすでに定着しました。
◆ デッキ参照リンク
Pirate Warrior #2958 - Total Games: 4668 - Win-Rate: 57% [Meta Stats]
Pirate Warrior #2795 - Total Games: 4282 - Win-Rate: 58% [Meta Stats]
Pirate Warrior #2856 - Total Games: 3926 - Win-Rate: 56% [Meta Stats]
Pirate Warrior #3013 - Total Games: 2528 - Win-Rate: 52% [Meta Stats]
▲Index
Zoo Warlock
◆ マッチアップ相性(暫定)
鼻ほじベンブロード | Quest Rogue , Jade Druid , Murloc Shaman , Deathrattle Priest |
やや有利 | Freeze Mage , Token Druid , Quest Hunter , Aggro Paladin , Murloc Shaman |
イーブン | Beast Druid , Handlock |
やや不利 | Midrange Hunter , Silence Priest , Control Paladin |
即コンシ | Control Warrior , Pirate Warrior , Miracle Rogue , Elemental Shaman , Miracle Priest , Secret Mage , Dragon Priest |
◆ デッキの概要
再びプレイされるようになったZoo Warlockはプレイヤー達の評価が二分しています。Meta Statsのデッキ統計を参照すると、カラザン環境そのままの構成が勝率50%であるのに対して、《ラッカリの生贄 / Lakkari Sacrifice》とDiscardシナジーの構成が勝率40%という目も当てられない数字を記録していることにどうやら理由がありそうです。
この古典的なボードコントロールテンポデッキはカード破棄(Discard)のシナジーをさらに色濃くしていますが、最序盤のボード確保がいまだPirate Warriorに劣ることから弱点を克服したようには見えません。そして《ラッカリの生贄 / Lakkari Sacrifice》のクエスト報酬はゲーム中盤以降に利益をもたらすものであり、序盤から中盤にかけて集中する古い構築がいまのところ有効に機能しているものでしょう。
さて少ないながらも入れ替えられたカード達を見ていきましょう。まずは《デビルサウルスの卵 / Devilsaur Egg》、相変わらずこのデッキは卵が好きなのでしょう。味方ミニオンへのbuff手段を複数備えたこのデッキでは、有利なトレードの材料となりつつ強力なミニオンを召喚できます。《大食のプテロダックス / Ravenous Pterrordax》とのコンボは実際脅威的であり、対処できない相手を一気に追い詰める爆発力をもたらしました。
Discard特化型の構築では《ラッカリ・フェルハウンド / Lakkari Felhound》が定番のカードとして席を確保しています。言うまでも無く《マルシェザールのインプ / Malchezaar's Imp》とのコンビネーションが非常に効果的であり、挑発/Tauntの壁を越えられない対戦相手は盤面のスノーボールを止められないままクエスト達成を許してしまうことになります。
◆ デッキ参照リンク
Zoo Warlock #2936 - Total Games: 2171 - Win-Rate: 51% [Meta Stats]
Zoo Warlock #2864 - Total Games: 1154 - Win-Rate: 40% [Meta Stats]
Zoo Warlock #2952 - Total Games: 1094 - Win-Rate: 49% [Meta Stats]
Zoo Warlock #2953 - Total Games: 1014 - Win-Rate: 54% [Meta Stats]
▲Index
Freeze Mage (Time Warp Mage , Exodia Mage)
◆ マッチアップ相性(暫定)
鼻ほじベンブロード | Deathrattle Priest , Handlock |
やや有利 | Miracle Priest , Murloc Shaman , Aggro Paladin , Control Paladin , Murloc Shaman |
イーブン | Silence Priest , Dragon Priest |
やや不利 | Elemental Shaman , Zoo Warlock , Quest Hunter , Token Druid |
即コンシ | Control Warrior , Jade Druid , Midrange Hunter , Quest Rogue , Pirate Warrior , Miracle Rogue , Beast Druid , Secret Mage |
◆ デッキの概要
「自分のデッキに入っていなかった呪文を6つ使用する。」という非常に難易度の高いクエストを提示する新カード、《ウェイゲートの開門 / Open the Waygate》。今回のスタンダード更新で《アイスランス / Ice Lance》が殿堂入りしたことにより、Freeze Mageというアーキタイプを開発チームが否定したかのように訝しむ声もありました。しかし今回のレジェンドスペル追加によってこれまでとは大きくスタイルを変えたFreeze Mageがプレイヤー達の支持を獲得しています。
実際のところ、Freeze Mageというくくりにおいては過去例にないほどの数でプレイされています。ドンケツのQuest Rogueに次ぐ低い勝率を記録しているものの、そのユニークなプレイスタイルこそが新環境に沸くプレイヤー達を魅了しているのでしょう。そうとでも思わなければ、この人気の理由が理解できないほど信じがたいパフォーマンスの勝率です。Rank5~レジェンド帯のプレイヤーですら平均勝率48.37%ですから、未熟なプレイヤー達が平均を引き下げていると言い訳するのもやや苦しいでしょう。くだけた言い方をすれば、こんな勝率低いデッキでラダーを上がろうとしてる人はインドの苦行僧なのかな、という印象です。
確かにこのデッキはプレイが容易な類ではありません。元来Freeze Mageという構築スタイルそのものが上級者向けとされてきましたが、今回の流行デッキはさらにひねりが加えられているのです。クエスト達成のためにはデッキ外からカードを手札へ加えねばならず、まずは終盤まで生き残るという第一目標にサブクエストが追加されたような状態です。実際のところシンプルに顔面を殴られ続けるだけで苦しくなるデッキであり、《フロストボルト / Frostbolt》などの相手の脅威へ対処するために必要なカード達はカードサイクルのために削られてしまっています。Pirate Warriorに至っては、クエストをマリガンで投げ出し序盤を凌ぐことに全力を注いでも殴り倒されます。
もしこのFreeze Mageに対して苦戦するという方がいるならば、”基本的に”ミニオントレードを行わないよう心がけるべきでしょう。先ほど挙げたように《フロストボルト / Frostbolt》などの除去スペルをぎりぎりまで削ったデッキであるため、必然的にミニオントレードを強要されるのはMage側になるからです。
そしてもうひとつ、《ドブネズミ / Dirty Rat》が手札にあるならばMageがゲーム後半に《ファイアブラスト / Fireblast》を使用するタイミングを待ちましょう。これはひとつのサインです。彼らは常にカードサイクルを必要としており、手札に《初級エンジニア / Novice Engineer》・《戦利品クレクレ君 / Loot Hoarder》などが残っているならばプレイしない理由がほとんどありません。これらをプレイせずに《ファイアブラスト / Fireblast》を選択する場合、”いまはプレイしたくない”ミニオンを手札から引きずり出す公算が高くなります。ここで《魔法使いの弟子 / Sorcerer's Apprentice》・《大魔術師アントニダス / Archmage Antonidas》が飛び出せば試合はほぼ決するでしょう。
◆ デッキ参照リンク
Freeze Mage #2988 - Total Games: 2234 - Win-Rate: 41% [Meta Stats]
Freeze Mage #2963 - Total Games: 1949 - Win-Rate: 38% [Meta Stats]
Freeze Mage #2802 - Total Games: 1736 - Win-Rate: 35% [Meta Stats]
Freeze Mage #2816 - Total Games: 713 - Win-Rate: 31% [Meta Stats]
▲Index
Control Priest(Silence Priest , Purify Priest)
◆ マッチアップ相性(暫定)
鼻ほじベンブロード | Deathrattle Priest |
やや有利 | Zoo Warlock , Aggro Paladin , Murloc Shaman |
イーブン | Quest Rogue , Elemental Shaman , Freeze Mage , Beast Druid , Miracle Priest , Handlock , Quest Hunter |
やや不利 | Pirate Warrior , Jade Druid , Token Druid , Control Paladin |
即コンシ | Control Warrior , Midrange Hunter , Miracle Rogue , Murloc Shaman , Dragon Priest |
◆ デッキの概要
ひと口にControl Priestといっても様々な構築が現在プレイされていますが、Meta Statsの集計に含まれているのはいわゆるSilence Priestになります。FirebatのPurify Priestに刺激を受けた多くのプレイヤー達が再びこの構築にチャレンジした結果、どうやらネタでもユニコーンでもなくメジャーデッキの仲間入りを果たしたように見受けられます。ただし《神授の霊力 / Divine Spirit》/《内なる炎 / Inner Fire》コンボを利用するバリエーションが多く存在するため、Miracle Priestと呼ばれる構築とも厳密に分けることは難しい様子です。
さてSilence Priestの特徴をおさらいしておくと、主にデメリット効果である沈黙/Silenceを価値に転換するミニオンの採用が基本軸となります。定番の《古代の番人 / Ancient Watcher》にくわえ、今回の拡張パックでは《ドデカいレイザーリーフ / Humongous Razorleaf》が登場しました。これらのミニオンは沈黙/Silence効果を受けることでオーバースタッツなミニオンへと生まれ変わり、《サンフューリーの護衛 / Sunfury Protector》などのアビリティによって巨大な圧力の盾に変貌します。
相手の優位なトレードを封じたところへボードを膨らませていく、または先述のDS/IFコンボでプレッシャーを仕掛けることが基本的な戦術になります。今回のアンゴロ拡張版はこのプレイスタイルをサポートする様々な材料が追加されており、《祓い清め / Purify》が登場したカラザン当時では予想もしえなかった成功をラダーで収めることになりました。
デッキ相性の面ではゲーム後半に強力なコンボを持つマッチアップを不得手とするのは変わらないものの、現環境に存在するアグレッシブなデッキのほとんどに優位を保っています。今後のトレンドの変化によってさらに評価を高めていく可能性は十分にあるでしょう。
◆ デッキ参照リンク
Control Priest #3055 - Total Games: 1561 - Win-Rate: 51% [Meta Stats]
Control Priest #2821 - Total Games: 1242 - Win-Rate: 52% [Meta Stats]
Control Priest #2926 - Total Games: 1041 - Win-Rate: 43% [Meta Stats]
Control Priest #3080 - Total Games: 907 - Win-Rate: 46% [Meta Stats]
▲Index
Aggro Shaman(Murloc Shaman)
◆ マッチアップ相性(暫定)
鼻ほじベンブロード | Silence Priest , Miracle Priest , Deathrattle Priest |
やや有利 | Dragon Priest |
イーブン | Elemental Shaman , Secret Mage , Jade Druid , Token Druid |
やや不利 | Quest Rogue , Freeze Mage , Aggro Paladin , Quest Hunter |
即コンシ | Midrange Hunter , Pirate Warrior , Miracle Rogue , Zoo Warlock , Beast Druid , Handlock |
◆ デッキの概要
Meta StatsではAggro Shamanと表記されていますが、デッキ内容は隠しようもなく魚臭いMurloc Shamanです。レジェンドスペルカードの《マーロック大連合 / Unite the Murlocs》をはじめとして複数のマーロック/Murlocミニオンが追加され、そしてこれらをサポートするカードが実装されたことにより、Murloc Shamanという構築はついに完成を見たようです。
プレイスタイルの基本はクエスト達成による《メガフィン / Megafin》の召喚を目指していきますが、マーロック/Murlocの種族シナジーを活かしたミニオンプレイそのものがパワフルな圧力を発揮するアグレッシブなデッキです。実際のところ《メガフィン / Megafin》は攻めきるためのガソリン補充として機能する場面が多いでしょう。
もちろんミニオン同士のシナジーとカードコンボの比重がやや大きいデッキであるため、カードプレイの選択は旧来のAggro Shamanほどシンプルではありません。ボードを確保するために有利なトレードを窺うことも基本ですが、《マーロックの戦隊長 / Murloc Warleader》など他のミニオンに影響を及ぼすカードの保護を念頭に入れながら動かしていく必要があります。
なおデッキ相性に関してはあまり芳しい状況ではなく、とりわけ今後のPirate Warrior増加が懸念されています。興味深いのはかねてより苦手としていたPriestをこのデッキでは逆に食い物にしている点であり、今後PriestがTier1へと到達しラダーを席巻するようになった暁には、Murloc Shamanに最大のチャンスが訪れます。つまり、期待はしないで待ちましょう。
◆ デッキ参照リンク
Aggro Shaman #2930 - Total Games: 2264 - Win-Rate: 52% [Meta Stats]
Aggro Shaman #2822 - Total Games: 896 - Win-Rate: 48% [Meta Stats]
Aggro Shaman #2905 - Total Games: 723 - Win-Rate: 47% [Meta Stats]
Aggro Shaman #3022 - Total Games: 187 - Win-Rate: 34% [Meta Stats]
▲Index
Quest Hunter
◆ マッチアップ相性(暫定)
鼻ほじベンブロード | |
やや有利 | Aggro Shaman , Freeze Mage , Jade Druid , Token Druid |
イーブン | Zoo Warlock , Control Priest |
やや不利 | |
即コンシ | Quest Rogue , Midrange Hunter , Control Warrior , Elemental Shaman , Pirate Warrior |
◆ デッキの概要
レジェンドスペル《沼地の女王 / The Marsh Queen》に沿って構築されたHunterクラスの新デッキ。正直なところ、現在のバランスにおいては他のデッキから良いカモにされてるように見えます。
Hunterのクエストデッキが良い結果を出せないことはアンゴロリリース以前から予想している人々が居ました。このゲームのセオリーを鑑みて、デッキを1マナのミニオンで埋め尽くすことは”Bad”なデッキを構築することであり、クエスト達成以前に勝てるわけがないという論理です。このデッキをプレイしている間は「Just play on curve」という言葉の重みを噛みしめることでしょう。
今後の追加カードでマナカーブに沿ったプレイと1マナミニオンをプレイすることによるギャップを埋めるような要素が現れるまでは、どうやら塩漬けになりそうなデッキです。
◆ デッキ参照リンク
Quest Hunter #3036 - Total Games: 792 - Win-Rate: 46% [Meta Stats]
Quest Hunter #2800 - Total Games: 621 - Win-Rate: 40% [Meta Stats]
Quest Hunter #2836 - Total Games: 544 - Win-Rate: 40% [Meta Stats]
Quest Hunter #2790 - Total Games: 468 - Win-Rate: 43% [Meta Stats]