先週末に閉幕したBlizzConではハースストーンのエクスパンションカードセット第四弾となる「仁義なきガジェッツァン(Mean Streats of Gadgetzan)」が発表されました。
新カードセット最初の特集記事として今回は、公開済み新カードの気になる能力や購入情報、そして開発チームへのインタビューをチェックしていきます。
先行プレイ映像
エクスパンション購入情報
- バンドル価格:50パック – 49.99 USD
- 今回の先行購入バンドルパックはゲーム内から購入できません。以下のBattle.netショップページより先行購入の決済を行います
- 購入の際はサーバー指定に要注意
- 決済完了後にBlizzardからメールが送付されます
- 仁義なきガジェッツァン ハースストーン®カードパック [Battle.net]
発見/DiscoverとKazakusの呪文合成
- 発見/Discoverとマルチクラスカード(Tri Class cards)
既に公開されている34種の新カードには、発見/Discoverのアビリティを持つカードが5種類も存在します。このキーワードアビリティを開発チームがいたく気に入っていることが窺えるだけでなく、今回のカード達にはさらにひと捻り加えられていることが見て取れます。
上記マルチクラスカードのアビリティによる発見/Discoverで表示される候補は、このカードを使用したプレイヤーの現在のクラスに関わらず、テキストに指定されたそれぞれクラスからランダムに1枚ずつ表示されます。発見/Discoverのカードプールが複数のクラス専用カードのみというのは、今回のクラス毎に所属する勢力が異なるというテーマを活かす興味深い試みです。(source)
- 相手のデッキを3枚覗き込むPriest
発表当日から大きな話題を呼んでいるPriest専用新カード。この発見/Discoverで指定されるカードは相手のデッキがカードプールとなります。《思念奪取 / Thoughtsteal》はどんなカードをもたらすかランダムですが、有用なカードを選択できる発見/Discoverでは非常に強力な効果となり得るでしょう。付け加えると選択しなかったカードからも相手のデッキ情報を得ることは可能ですし、スタッツはバニラの《決闘士 / Pit Fighter》と並ぶ上にドラゴン/Dragon種族特性を持つミニオン自身も非常に優秀。
著名プレイヤーのKolentoはこのカードがゲームチェンジャーになり得るほどだと評価しており、すでにDr. OPというニックネームが付けられています。
- 呪文合成の組み合わせは135通り
《レノ・ジャクソン / Reno Jackson》と同様に「デッキに同一のカードが2枚以上含まれていない」という前提で発動する強力な効果を持つ新カード。
このカードがアビリティを発動すると、マナコストと効果を選べる合成スペルを作成可能となります。メインゲームデザイナーMike Donais氏のコメントによると、カードのコスト設定は3通り、カード効果は10通り存在します。最初にカードのマナコストを設定し、次に10種の効果からで表示される3種の効果を一つ選び、最後に二つ目のカード効果を残り9種から表示される3種の効果より選択します。カード効果は一回目と二回目に同じものを選択することはできません。
そしてカードの選択候補表示は単なるランダムではなくプレイヤーにとって有益な順番に優先度が設定されています。このため合成される呪文は135通り存在することになるとのことです。(source)
以下のリストはBlizzCon会場で用意された先行プレイの映像などをもとにして、3つのマナコスト設定と10種類のカード効果を一覧にしたものです。()で囲まれた効果は情報元のreddit投稿者が映像等から確認できなかったものであり、マナコスト3段階の変数から予想された数値が記入されています。
kazakus effects chart \ what we know [updated constantly] [reddit]
効果 / マナ | 1マナ | 5マナ | 10マナ |
カードドロー | 1枚 | 2枚 | 3枚 |
ゲーム中に死んだ味方ミニオンを復活 | (1)体 | 2体 | 3体 |
全てのミニオンへダメージ | (2)ダメージ | (4)ダメージ | 6ダメージ |
装甲増加 | 装甲+4 | 装甲+7 | 装甲+10 |
羊へ変身 | ランダムなミニオン1体 | 全てのミニオンが変身 | |
手札へ追加 | ランダムな悪魔を1体 | ランダムな悪魔を2体 | ランダムな悪魔を3体 |
ミニオン達へbuff | 体力+2 | 体力+4 | 体力+(6) |
悪魔を1体召喚 | (?/?)の悪魔 | 5/5の悪魔 | 8/8の悪魔 |
ターゲット対象にダメージ | 3ダメージ | (6)ダメージ | 8ダメージ |
凍結効果 | ランダムな敵ミニオン(1)体 | ランダムな敵ミニオン(2)体 | ランダムな敵ミニオン3体 |
effects / mana | 1 mana | 5 mana | 10 mana |
Draw | 1 card | 2 cards | 3 cards |
Summon | (1) friendly minion that died this game | 2 friendly minions that died this game | 3 friendly minions that died this game |
Deal | (2) damage to all minions | (4) damage to all minions | 6 damage to all minions |
Gain | 4 armor | 7 armor | 10 armor |
transform | (?) | a random minion into a sheep | all minions into 1/1 sheep |
Add | a random demon to your hand | 2 random demons to your hand | 3 random demons to your hand |
Give your minions | +2 health | +4 health | +(6) health |
Summon a | (?/?) demon | 5/5 demon | 8/8 demon |
Deal | 3 damage | (6) damage | 8 damage |
Freeze | (1) random enemy minion | (2) random enemy minions | 3 random enemy minions |
ゲームデザイナーインタビュー
BlizzConの会場にてゲームデザイナーのDean "Iksar" Ayala氏がHearthpwnのインタビューに応じた内容です。
There are Nine Tri-Class Cards in Mean Streets of Gadgetzan - Dev Interview w/ Dean Ayala [Hearthpwn]
- マルチクラスカード(tri-class cards)はこのカードセットに合計9種類、各勢力3種類ずつ
- それぞれのクラスがどの勢力に属することになるかは、カードバランスより以前にテーマに基づいて決定された
- 各勢力3つのクラスに適したカード能力がマルチクラスカードに設定された
- それぞれの拡張版の最大の目標は、見慣れたようなカードは少なくして何か新しい物を創り上げることにある
- カード1枚ずつで構成されるデッキ(いわゆるハイランダー)のシナジーは探求されつくされていない部分であり、Kazakusが今回の新カードで追加される理由がそこにある
- ハイランダーデッキは非常に興味深いものの、そうしたデッキを構築するためのカードをあまりに多く作ることは危険を伴う。このメカニズムを利用するカードは非常に強力だし、あまりに強くなりすぎるかもしれないからだ
- Kazakusはその価値をカードテキストの文面通りに理解することは簡単ではない、しかしとても興味をそそられるカードではあるし、面白いゲームプレイを作り出してくれる
- ガジェッツァンエクスパンションがリリースされる時に、旧神エクスパンションのように無料のカードパックを取得できるクエストが用意されるかについてIksar氏は明らかにしなかった
- 旧神エクスパンションの無料カードパックはスタンダードフォーマット導入のプロモーションという側面があった。そしてカードパックから《クトゥーン / C'Thun》の狂信者を入手した人が実際にゲームで使用できるように、全てのプレイヤーに《クトゥーン / C'Thun》が開放された
- 今回のカードセットには海賊/Pirateミニオンがもっと存在する
- Warriorクラスの海賊/Pirateデッキが開発チームのテストしているデッキに存在していた
- (メカや発明好きなゴブリン種族の街が舞台だが)開発チームはGvGの時のようなメカ/Mech種族のテーマへ立ち戻ることはない。メカ/Mech重視の拡張版は既に経験しているため
- 今回は事前予約のカード裏面デザインは無い
- 開発チームのゲームデザイナーはコミュニティの考えたオリジナルカードに目を通しており、時おりそこからインスピレーションを受けている
- このエクスパンションでは原作World of Warcraftのよく知られたキャラクターが複数登場するが、ほとんどは新規キャラクターとなる。ノッゲンフォッガー市長はお目見えする予定
- プロプレイヤーLifeCoachのBlizzard社への旅行の一部は、新しいエクスパンションのプレイテストと現在から将来にかけてのフィードバックを提供するものだった
- Kazakusのバランスを正しく調整するため数多くの試行が繰り返された。このギミックがどのように働くか把握しなければならなかったが、そのことをプレイヤーに伝えるのが最も難しい部分だった
- Patches the Pirateは正しく調整されるのに時間のかかったカードのひとつ
- コンピューターAIの改善について検討していた。ゲームプレイエンジニアのひとりはシステムの再構築に興味を示していたが、今現時点で開発チームが取り組んいでいることではない
- 《溶岩の巨人 / Molten Giant》がnerf調整の対象となった理由の多くは、Handlockに数多くのローテーションしないカード(Basic + Classic)が使用されていたため。開発チームは変化が起きることを期待していた
- マナコストが0マナのカードのバランスを図ることは難しい。しかし時にはリスクをとる必要があり、そしてそれらは非常に面白いカードになり得る
- Freeze Mageの使用率は3%前後
- 一見強すぎるような何かが現れた時に、どのように対抗するかをプレイヤー達自身で見つけ出すことを促し戦略が進化していくのを見届けるために時間を置くことは重要だ
- 良い何かをただ他より良いものだからという理由でゲームから取り除くことはプレイヤーにとって楽しい経験ではない
- 開発チームがコミュニティの声に耳を貸さないと考える人々の書き込むフォーラムに目を通すことは時に胸が痛いものだ。チームはいつもプレイヤー達のフィードバックに目を通している