ワン・ナイト・イン・カラザン(One Night in Karazhan) の略称は【ONiK】でいいのでしょうか。それとも【Kara】?原作WoWのプレイヤー達はレイド名を【Kara】と呼び習わしていたので後者に馴染みがあるそうです。しかしredditなどの海外サイトでは今のところ【ONiK】と省略される傾向にあります。なんてことを悩みつつ新カードをチェックしていきましょう。先週末に日本と台湾・中国で4枚のカードが新たに公開されています。
カード名:マルシェザールのインプ / Malchezaar's Imp
テキスト:Whenever you discard a card, draw a card.
日本語訳:自分がカードを破棄する度カードを1枚引く。
クラス:ウォーロック/Warlock
タイプ:ミニオン/Minion
種族:悪魔/Demon
ソース:ハースストーン日本公式ツイッター
ハースストーン日本公式による配信『はすすと』の番組内で発表されたウォーロック/Warlockクラス専用の悪魔/Demon種族ミニオン。Warlock Zooの使い手であれば興奮を隠さず目を輝かせるであろう新カードですね。
このカードはまず1マナ1/3というのスタッツが優れており、フィールドに生存し続ける限りアビリティを継続して発動させ続けます。そして「破棄する度カードを1枚引く」というこのアビリティ特性が非常に強力。Warlockクラスはカードを破棄するアビリティの専用カードが複数存在します。その性質はテンポゲインの見返りとして手札を捨て去るというものばかりですが、マルシェザールのインプ / Malchezaar's Impの効果によってそのデメリットはかなり軽減されることになります。
もちろんカードを破棄することには変わりなく、重要なキーカードを失ったり疲労/Fatigueに近づきやすくなるというデメリットまでは消えていません。この性質から、今よりも更にアグレッシブなZoo Warlockの構築をもってこのカードの価値が試されるでしょう。
Discard(カード破棄)関連カード:
《魂の炎 / Soulfire》
《サキュバス / Succubus》
《小粒なる邪悪の騎士 / Tiny Knight of Evil》
《ジャラクサスの鉄拳 / Fist of Jaraxxus》
《ダークシャイアの司書 / Darkshire Librarian》
《闇の約定 / Dark Bargain》 《ドゥームガード / Doomguard》
カード名:Babbling Book
テキスト:Battlecry: Add a random mage spell to your hand
日本語訳:雄叫び: ランダムなメイジ用カード1枚を自分の手札に追加する。
クラス:メイジ/Mage
タイプ:ミニオン/Minion
ソース:中国サイトPC GAMERS
中国で発表されたのはメイジの興味深い新カード。1マナで1/1を盤面に残し、ランダムな呪文を1枚デッキ外から手札へ追加するという効果は、マナコストの消費に十分見合うものです。闘技場ではこのカードのピックが悪くない選択に映るように思われます。
さて構築で使うとなれば?このカードの惜しいポイントはDruidの《ワタリガラスの偶像 / Raven Idol》やRogueの《地の底の探索 / Journey Below》のように発見/Discoverではないことが挙げられます。状況に則したカードが選べないというのは大きく見劣りし、盤面に残る1/1のミニオンで釣り合うものとは考えられません。
さらに、ただランダムな呪文カードが手札に追加されるぐらいなら、単純にドローカードによってデッキから手札を補充するほうが現実的なプレイでしょう。
この新カードの利点は1/1のミニオン本体を場に残すこと、デッキ外からカードを補充するため疲労/Fatigueに耐性があること、そして雄叫び/Battlecryアビリティによるシナジーが存在するという3点です。この利点を活かす構築スタイルが見つかるならば、試す価値は考えられます。そういえばBattlecry MageなんてデッキがLOEで一時期流行しましたね。
カード名:ブック・ワーム / Book Wyrm
テキスト:Battlecry: If you're holing a Dragon destroy a minion with 3 or less attack
日本語訳:雄叫び: 自分の手札にドラゴンカードがある場合 攻撃力3以下のミニオン1体を破壊する。
クラス:中立/Neutral
タイプ:ミニオン/Minion
種族:ドラゴン/Dragon
ソース:爐邊聚會 - 夏日派對即將在15:30準時直播
台湾の公式炉端の集いで」公開された新カード1枚目。今回の追加カードで最初に登場するドラゴン/Dragon種族であり、クラス共通で使用可能なため幾つかのDragonテーマデッキで採用を検討されると考えられます。
例えばControl系のPaladinでは《暴走コドー / Stampeding Kodo》、Priestでは《カバルの影の僧侶 / Cabal Shadow Priest》といった定番のチョイスが存在し、これらのアーキタイプとDragon種族が融合を果たす中で居場所は簡単に見つかるでしょう。
6マナは決して軽いものではありませんが、攻撃力3以下の対象をランダムではなしに確定除去が可能であることは非常に魅力的です。同時にこのミニオン自身がドラゴン/Dragon種族特性を持つこともデッキの一貫性に寄与します。一方テンポを重視する構築においては、同コスト以上のミニオンと1:1のトレードすら怪しいスタッツであることから採用は考えられません。
カード名:モローズ / Moroes
テキスト:Stealth At the end of your turn summon a 1/1 steward
日本語訳:隠れ身 自分のターンの終了時 1/1の家令を1体召喚する。
クラス:中立/Neutral
タイプ:ミニオン/Minion
ソース:爐邊聚會 - 夏日派對即將在15:30準時直播
台湾の公式炉端の集いで」公開された新カード2枚目。《メディヴ / Medivh》の忠実な従者でありカラザンの執事としてよく知られているキャラクターがレジェンドカードで登場します。
それにしても信じられないスタッツと、思いもよらないアビリティが設定されておりとても興味をそそられる新カードです。召喚時点から隠れ身/Stealthを持ち、ターン終了時に1/1のTokenを1体生成します。隠れ身/Stealthは恒久的な効果なので自ら動かない限りTokenを量産し続けるというものですが、当然ヘルスが1しかないためAoEに脆弱です。
この点を《野生の紋章 / Mark of the Wild》などでクリアし、生成され続けるTokenから価値を引き出す構築を模索することになりそうです。
ただし、モローズ / Moroesが活躍できる状況を想定する上ではまだ少しパーツが欠けているようにも思えます。例えば、ほとんど似た性質の《インプ使い / Imp Master》が現在の構築で採用を検討されるでしょうか?ひとつの望みは隠れ身/Stealthにあるかもしれません。
カード名:Protect the King
テキスト:For each enemy minion, summon a 1/1 Pawn with Taunt.
日本語訳:挑発を持つ1/1のポーンを敵のミニオン1体につき1体召喚する。
クラス:ウォリアー/Warrior
タイプ:呪文/Spell
ソース:[인벤] 하스스톤 와글와글 Summer Party!!
韓国のカラザンパーティーで公開されたWarriorの新たな呪文は、Hunterの《猟犬を放て! / Unleash the Hounds》と同等の性質を持つ新しい呪文でした。ただしこちらは突撃/Chargeではなく挑発/Tauntが付与されています。
さて、1/1スタッツのTokenを相手のミニオンの数に対して召喚することはミニオンを多数展開するデッキへのカウンターとして機能します。その全てに挑発/Tauntが付与されていることでヒーローを保護するには有益な状況も想定されます。問題は、《死憎悔いのグール / Ravaging Ghoul》などWarrior特有のAoE効果と相性が最悪なことでしょう。
このカードの使用法としてはまず真っ先に《奮起 / Bolster》とのコンビネーションが思いつきます。たった5マナで複数体の3/3 挑発/Tauntを生成することは試みるだけの価値があるでしょう。課題はそのコンビネーションがどんなデッキにフィットするのかという点。または、挑発/Tauntによって足止めすることで別の利用法を考えてみるのも面白いカードです。
カード名:Prince Malchezaar
テキスト:At the start of the game, shuggle 5 extra Legendary minions into your deck.
日本語訳:ゲームの開始時、5体のレジェンドミニオンをデッキに混ぜる。
クラス:中立/Neutral
タイプ:ミニオン/Minion
種族:悪魔/Demon
ソース:[인벤] 하스스톤 와글와글 Summer Party!!
プロローグで登場するボスがクラス共通のレジェンドミニオンとして登場。その効果はゲーム開始時に5体のレジェンドミニオンをデッキにシャッフルするというユニークなものです。このカードを発表したBen Brode氏からはテキストに書かれていない詳細なルールとして、シャッフルされるカードは使用クラスと中立/Neutralからランダムであること、そして既に同一のレジェンドミニオンをデッキに入れている場合は重複してデッキに追加されないことが語られました。Source:Twitch
さてこのカードの効果はデッキ外から5体のレジェンドミニオンをデッキに追加するということで、実質デッキが35枚となることで疲労/Fatigueへの耐性を持つことに第一の価値があります。ただしランダムで選ばれるレジェンド達が役立つミニオンである保証はありません。カードが重複しないということでReno型デッキでも問題なく使用できますが、疲労/Fatigueの耐性を持つことがデッキのプランと合致するものとなるのでしょうか。
注目すべきは悪魔/Demon種族の特性と、ミニオン自身のスタッツです。このアビリティはゲーム開始時に発動されるため、このカード自身は5/5/6のバニラカードに過ぎません。スタッツに見合う働きを期待するならばこの種族特性を活かすべきでしょう。
あるいはひとつの可能性として、AggroデッキのプランBとして利用価値を試してみるべきかもしれません。日本ハースストーン公式から発表された新カードのマルシェザールのインプ / Malchezaar's Impによってカードを破棄するギミックを主軸としたアグレッシブなWarlockデッキが意欲的なプレイヤー達によって構築されるはずです。デッキの息切れを遅らせること、または序盤に攻めきれなかった場合に強力なレジェンドミニオンを期待する目的で、このカードを試してみる価値はないものでしょうか。