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新しいアドベンチャーモード、「ワン・ナイト・イン・カラザン(One Night in Karazhan)」が先週12日にリリースを迎えました。第一週目ではザ・プロローグと第一区画のザ・パーラーがプレイ可能となり、レジェンダリー1枚を含む合計13種類の新カードが解禁されています。
コレクションに加わったカラザンの新カードたちがどのようにデッキへと組み込まれているのか、ひいてはメタゲームへと与える影響を見極めるため、先週12日の解禁日以降にラダーで使用された注目のデッキをチェックしておきます。
なお、13日・14日に実施されたEU地域夏季選手権予選ではデッキ提出期日にカラザンリリースが間に合わなかったため、新カードを用いたデッキは使用されていませんでした。最も注目度の高いトーナメントである公式世界大会シリーズに競技プレイヤー達がどの新カードを採用したどんなデッキを持ち込むか。やはり誰もが気になるところでしょう。今週末から始まるアメリカ地域夏季予選ではカラザン第一週のカードが解禁されていますが、Hearthpwnに掲載された中でカラザン新カードを採用したデッキは両手の指で足りるほどです。今後新カードが徐々に開放されていくことで、ダイナミックな変化が訪れることを期待したいものです。
参照リンク:
120 Notable Player Decks from the Americas Summer Preliminaries 2016 [Hearthpwn]
Where to Unlock Each Card from One Night in Karazhan [Hearthpwn]
区画 | ザ・プロローグ(The Prologue) - 8月12日 |
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ボス報酬 | 《魔法のワタリガラス / Enchanted Raven》 《炎の大地のポータル / Firelands Portal》 |
第一週解禁のカードを加えた注目デッキ
部品の不足
旧神のささやき(Whispers of the Old Gods)以来となるカード追加に刺激を受け、ラダーではさっそく新カードを加えたさまざまなデッキがプレイされていました。おおむね全てのカードをラダーデッキで見かけることができ、今週の新カードは既存デッキの中に居場所を見つけられる例が多かったと考えられます。まだ新カードそれぞれの手応えを確かめている段階ではありますが、しかしそれにしてもインパクトに欠けている印象は拭いきれません。それはひとえに新たなデッキ構築へ至るためのパーツ不足が原因であると指摘されています。
期待されていたDiscard Zoolockは《銀食器ゴーレム / Silverware Golem》が解禁されたものの、カードサイクルのエンジンとなる《マルシェザールのインプ / Malchezaar's Imp》まであと3週間待たなければなりません。また、Druidは《魔法のワタリガラス / Enchanted Raven》を手にしたことでゲーム最序盤から獣/Beast種族特性を活かす一貫性が強化されましたが、ゲーム中盤以降の着実なテンポ獲得を期待される《動物園の監視員 / Menagerie Warden》はお預けの状態です。構築を完成させる重要な部品が欠けていることで、新たなデッキがメタゲームを引っかき回すにはまだまだ力不足が否めないのでしょうか。
しかし一方で、《動物園の監視員 / Menagerie Warden》がまだ存在しないがために獣/Beast属性へ寄せたMidrangeデッキがほとんど試されず、現在の流行デッキと融和を図るBeast Token Druidのような思わぬ存在が注目を集める側面もあります。こうした意外性に満ちた構築の変化が毎週ラダーで見られることこそ、コンテンツと新カードが分割して実装されるアドベンチャーモードの魅力のひとつかもしれません。
ともあれ今現在のメタゲームにおける観測では、今回の新カード追加がパワーバランスを変化させるにはまだ迫力に欠けているようです。旧神環境で最もパワフルだったAggro Shaman・Dragon Warrior・Token Druid・Zoolockの勢いを凌駕するようなデッキの登場を今後期待できるものでしょうか。
参照リンク:
vS Data Reaper Report #13 [Vicious]
Tempo Storm Standard Meta Snapshot 2016-08-16 [TempoStorm]
Orange's Beast Druid [Twitter]
Beast Druid Karazhan Wk1 [Hearthpwn]
◆ Beast Druid / Beast Token
新カード《魔法のワタリガラス / Enchanted Raven》は1マナ2/2のスタッツに獣/Beast属性を併せ持つ強力なミニオンです。《チビ・トワイライトドラゴン / Twilight Whelp》のような制約も無いベストなターン1ドロップであり、続くターンに《ヤシャラージュの烙印 / Mark of Y'Shaarj》をプレイ出来ればカードサイクルと同時に強大なプレッシャーを序盤から相手に与えることができます。
いまやDruidは獣/Beast属性のミニオンを主力に据えたデッキにおいてゲーム最序盤からよどみなくミニオンドロップしていくことが可能となりました。《野生の繁茂 / Wild Growth》に頼らず従来のRamp Druidから脱却したBeast Druidの構築は、かなりアグレッシブなTempoデッキとして形を整えつつあります。
また一方で、《魔法のワタリガラス / Enchanted Raven》は全く性格の異なるデッキでも試されています。カードの組み合わせによって盤面にパワフルに作用するToken Druidのデッキは獣/Beast種族と親和性を持つため、《魔法のワタリガラス / Enchanted Raven》がきっかけとなって再びハイブリッドの形を模索するプレイヤー達も存在します。《動物園の監視員 / Menagerie Warden》の解禁後にこうした構築傾向がどのように変化していくか注視しておかなければなりません。
Kolento's Yogg n Load Hunter feat. Cloaked Huntress [Youtube]
Lifecoach - Secret Hunter #5: Yoggproof [Youtube]
Secret Hybrid Hunter – Legend Guide [Hearthstone Players]
Karazhan Face Hunter [Hearthpwn]
◆ Lock and Load + Secret (feat. Yogg) / Secret Aggro & Hybrid
《覆面の女ハンター / Cloaked Huntress》はフィールドに置かれている間はプレイヤーの秘策/Secret使用マナコストを0に減衰します。言い換えれば3マナのこのミニオンを召喚すれば手札の秘策/Secretスペルが使い放題になるという異常な能力であり、他のカードと組み合わせれば通常成し得ないほどのテンポスイングを実現する可能性を持っています。
そこでプレイヤー達がまず目をつけたのは《発射準備 / Lock and Load》でした。コスト0で秘策/Secretを設置し盤面の優位へと繋げつつ、呪文/Spellを使用する毎にランダムなクラスカードを獲得し手札も補充することが可能となります。さらに呪文/Spellを大量に使用することで《希望の終焉 ヨグ=サロン / Yogg-Saron, Hope's End》というもう一つの勝ち筋を導くことも脅威的。一方で、当初はYoggを構築に加えていたLifecoachは《速射の一矢 / Quick Shot》へと入れ替えることでデッキの改善を見ています。
そしてもうひとつの利用法は、コスト減衰の恩恵によってテンポアドバンテージの獲得を期待し従来のデッキに組み込むシンプルな戦略です。こちらは全力で前のめりなFace Hunter、そして若干遅いHybridの両タイプで使用されています。獣/Beastの種族特性こそ持ちませんが、3マナ3/4という十分なスタッツに加え秘策/Secretを使用するためのコストを0にするという能力はHunterの序盤戦を力強くサポートしてくれるでしょう。
Leo's Tempo Yogg (Standard) [Hearthpwn]
wiRer’s Arcane Anomaly/Firelands Portal Tempo Mage [Topdecks]
Hotform - Karazhan First Cards - !Discord [Twitch]
◆ Tempo Mage + Fireland Portal + Arcane Anomaly
Mageのデッキで現在主に試されているのは新しいクラス専用スペルの《炎の大地のポータル / Firelands Portal》、そして中立/Neutralミニオンの《魔力異常体 / Arcane Anomaly》です。
《フレイムストライク / Flamestrike》や《イセリアルの召術師 / Ethereal Conjurer》と入れ替えられた《炎の大地のポータル / Firelands Portal》は、ターゲット対象がミニオンだけではなくヒーローも選択可能な点がとても秀逸です。マナコストは重たいながらも3枚目以降の《ファイアーボール / Fireball》に使えることが高く評価されています。そして《魔力異常体 / Arcane Anomaly》はゲーム最序盤のトレードに有効であり、Tempo Mageが盤面を取りつつ中盤へと繋ぐ役割を効果的に果たしています。《モローズ / Moroes》をTempo Mageで試していたHotformについてはさすがに前衛的すぎるかもしれません。
さて、いまのところ新カードとはあまり縁が無いFreeze Mageですが、先週末のEU予選に参加していたプレイヤー達は《フレイムストライク / Flamestrike》など定番のカードを差し替える工夫をちらほらと見られました。Warrior全盛の現在の環境で生き抜いていくためにも、メタゲームへこれまでにない形で適応するための構築変化が起きる前兆なのでしょうか。
Thijs' Murloc Paladin feat. Ivory Knight [Twitter]
Divine butler! (Palazoo) (Advanced deck) 80% winrate [Hearthpwn]
Thijs' Aggro Paladin feat. Moroes [Twitter]
◆ Control Paladin + Ivory Knight / Divine Paladin + Moroes
新カードに刺激を受けラダーでの人気が回復傾向にあるPaladin。プレイヤー達のモチベーションを掻き立てる大きな要因となったのは《象牙の騎士 / Ivory Knight》です。スタンダード導入によって失われた《骨董品のヒールロボ / Antique Healbot》を思い出させるような性質と、発見/Discoverによって状況に則したカード取得も兼ねるこのミニオンはControl型のデッキにおいて非常に便利に扱われています。特にPaladinのクラス専用カードはControl型デッキと相性が良いため、回復能力以上に状況を助けるカードを期待できるのは秀逸です。
そして今回のレジェンダリーミニオン《モローズ / Moroes》を活用することが出来ているのは今のところPaladinだけかもしれません。フィールドに生存している限りTokenを吐き出し続ける性質は各種buffや聖なる盾/Divine Shieldと相性が良く、有利なトレードや相手へ与えるプレッシャーとして機能することが確かめられています。
Zetalot's Top 50 Legend Priest feat. Priest of the Feast [Twitter]
Kibler's Monkey Feast Priest [Hearthpwn]
◆ Control Priest + Priest of the Feast
相手の脅威を排除するスペルを多数備えたControl Pariestにとって、新たな専用ミニオン《宴のプリースト / Priest of the Feast》の使い心地は上々のようです。ゲーム中盤から後半にかけてスペルによるボードコントロールと体力回復を組み合わせることで、アグレッシブなデッキに対して安定したポジションへたどり着くために有用な新たなツールをPriestは手に入れました。
ひとつ問題といえば贅沢かもしれませんが、Priestにとって悩ましい新たな4マナ枠のミニオンとなります。C'ThunやDragonなどのテーマを持つデッキ以外においては、今後は定番ミニオンの座を確保できるかもしれません。
Fork [Hearthpwn]
Trump - Experimental Karazhan Reno Rogue deck [Trumpfans]
◆ 《鋭いフォーク / Sharp Fork》の使い道
新カードによる構築の研究にあまり意欲が見られないRogue。扱いに困る《殺意のフォーク / Deadly Fork》の性能がその原因でしょう。断末魔/Deathrattleによって手札に加わる3マナの《鋭いフォーク / Sharp Fork》を装備するという重さがネックとなり、従来のRogueデッキでは居場所が見当たりません。
この新カードは3/2のボディと3/2のウェポンを兼ね備えるため、マナコストはともかくカード1枚のトレード価値は高いものです。このためControl型の構築と相性が良く、Reno Rogueでは1枚採用されています。また断末魔/DeathrattleアビリティであることからN'Zoth構築においても検討の余地があるでしょう。しかし、デッキの人気を後押しするほどの魅力には欠けているようです。
[LEGEND+GUIDE] Midrange Karazhan Shaman [Hearthpwn]
Spell Damage [TOP 100 LEGEND] [Hearthpwn]
Savjz's Evolve Shaman feat. Pantry Spider and Arcanosmith [Twitter]
◆ 《メイルシュトロームのポータル / Maelstrom Portal》 or 《進化 / Evolve》
Shamanに加わった新しいAoEはやはり優秀でした。とくに、ボードを横へ展開するZoolockとToken Druidの人気が高い現在においては非常に有効です。このカードを《モローズ / Moroes》と同時に解禁したのはさすがに開発チームのいたずら心が働いたものでしょう。ともあれ、オーバーロード/Overloadの制限もなく使い勝手の良いこのAoEはAggro ShamanからMidrangeまで幅広く採用されているようです。
そしてShamanの構築において興味深い動きを見せているのは、《進化 / Evolve》によってミニオンの価値を高めるテンポデッキの存在です。例えばSavjzのデッキでは他にほとんど例が見られない新カードの《食糧庫蜘蛛 / Pantry Spider》と《魔力細工師 / Arcanosmith》が採用されていました。
しかしなぜ今になって《進化 / Evolve》構築の人気が再び熱を帯びているのでしょうか。今回のカラザンアップデート(Patch6.0)の見過ごされがちな変更点として、Tokenミニオン達のマナコストが全体的に見直されています。この変更の理由は明らかにされていませんが、Tokenミニオン達のマナコストは上昇傾向にあることが新カードのTokenミニオン達からも見て取れます。《ユウレイグモ / Cellar Spider》→3マナ、《動く盾 / Animated Shield》→2マナ。
つまり《食糧庫蜘蛛 / Pantry Spider》は3マナミニオンが2体分の進化対象という非常に高い価値を見積もることが出来るため、パッチ適用後に《進化 / Evolve》を採用したデッキの人気が上昇している様子です。
Aggro Discard Warlock Guide: Let’s Change The Meta! [Hearthstone Players]
Thijs's Discard Zoo [Twitter]
Firebat's Zoolock - Americas Summer Prelims 2016 [Hearthpwn]
◆ Discard Zoolock
手札を破棄するDiscardの要素自体は目新しいものではありません。そしてこれまでの追加カードで幾度となく、Discardとシナジーを持つカードを実装されてきました。しかし実際のところ、《魂の炎 / Soulfire》と《ドゥームガード / Doomguard》以外の手札破棄カードが利用される機会をもたらすには至りませんでした。
今回のアドベンチャーモードではより大胆にシナジー強化に踏み切った開発チームですが、まだまだ前評判ほどのインパクトは感じられません。Zooの構築で《銀食器ゴーレム / Silverware Golem》を0マナで召喚できれば確かに有効なテンポスイングとなります。しかしランダム性に依存することがネックとなり、従来のZoo構築を上回る人気には迫力不足という状態です。こちらも《マルシェザールのインプ / Malchezaar's Imp》解禁後のデッキ変化を注目しておきましょう。
Trump's Protect the King! Taunt Warrior (August 2016, Season 29) [Hearthpwn]
Protect The Varian [Hearthpwn]
◆ Taunt + Tempo Warrior
新しい専用スペル《キングを守れ! / Protect the King!》の性能はやはりControlデッキ向けの性質ではありませんでした。Warriorの得意とする全体AoEとも相性が悪く、この新カードを採用したデッキは今のところTempo Warriorばかりです。
《奮起 / Bolster》での強化、Aggroデッキへの対処、さらにはリーサル間近の自軍ミニオン保護など使い勝手に優れています。ただし定番デッキのC'Thun WarriorやDragon Warriorと人気を分け合うほどにはまだインパクトがありません。
新カードを加えたデッキリストの検索
➥ Hearthpwn / decks
項目解説
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Patch:
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Include Unreleased Cards:
未実装のカードを含むかどうか。Noにすれば今現在開放されていないカードを入れたデッキは除外
Additional Filters :
デッキタイプなど細かく設定可能。~is の絞り込み検索と~is not の除外検索を組み合わせると便利。
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