負けられない戦いがそこにある。
⇨ 導入記事第一弾 Hearthstoneの基礎ルール
⇨ 導入記事第二弾 閃け!アビリティバトル【能力 x 脳力】
⇨ 導入記事第三弾 バフ・デバフ・アンド・メメント
⇨ 導入記事第四弾 デッキビルドのススメ
⇨ 導入記事第五弾 冷静と情熱のArena
Hearthstoneの基礎知識を日本語でお届けするインストラクションガイド最終回
ゲームルール、カードアビリティ、デッキビルドの知識力をフル動員して挑むゲームモード『Arena』の基礎知識と魅力に迫ります。
アイエエエエ・・・・・・ブッダ!エイメン!あと一回だけ勝たせてください!!
Index
▼ Chapter 1. Introduction
▼ Chapter 2. 用語
▼ Chapter 3. Arenaのシステム
▼ Chapter 4. 勝敗と報酬
▼ Chapter 5. ドラフトの魅力
▼ Chapter 6. ヒーロー選択とキーカード
▼ Chapter 7. ドラフトにおけるカードピックの思考
▼ Chapter 8. カードアドバンテージ
▼ Chapter 9. バトルフィールドの支配
▼ Chapter 10. 資源としてのヘルス
▼ Chapter 11. Draft Tier
Chapter 1. Introduction
Play modeのランクドマッチとは趣きがことなり、緊張感に満ちたプレイが楽しめるゲームモード”Arena”。2敗を抱えて駆け上がっていく時のスリルがクセになってる人も多いんじゃないでしょうか。
ゲーム内ゴールドを投資することでArenaに入場できますが、リアルマネーを支払って参戦しているプレイヤーもかなり大勢居ます。お金かかってるもんですから皆さん気合の入り方も違います。ある意味いちばんシビアなゲームモード。
本稿ではアリーナモードのシステム全般と戦勝報酬、”ドラフト”の魅力と勝ち星を積むために必要なドラフティングにおけるカード評価の考え方についてとりまとめていきます。
とくに今回推したいところは、Arena modeの攻略がいかに楽しいか、ということ。
カードパックを集める目的だけのゲームモードではないということが重点。
Arenaモードにはモチベーションをかきたてるためのご褒美として報酬が用意されていますが、Play modeとは異なるプレイ体験を通じて、カードゲームの魅力に違う側面からアプローチすることに開発チームは重きを置いています。
今現在アリーナをたのしんでる人は意外と思うかもしれませんが、苦手意識をもつプレイヤーも少なからず居るようなので、この記事ではモチベーション向上重点でアリーナモードの基礎知識を紹介していきたいと思います。
▲Index
Chapter 2. 用語
Pick(ピック) ・・・
Arenaに限らず、単純にカード1枚1枚を選びとるときに”ピック”という単語を用いる
Arena modeでは提示される3枚のカード候補から1枚ずつピックしデッキを構築する
Sealed ・・・
カードゲーム経験者にはこちらのほうが馴染みがあるため、Arenaモードの概要を説明する際に用いる。”Sealed”、つまり未開封のカードパックを開けてその場で即興デッキを作る遊び方を指す
Draft ・・・
Hearthstoneの公式用語では無いが、TCGジャンルでは一般的なので多くのプレイヤーがArenaモードにおけるカードデッキビルドの方式を指してドラフトと呼び表す
アドバンテージ ・・・
一般に優位性を意味する。ターン制の対戦カードゲームにおいては、この優位がそのまま勝敗結果へと結びつきやすいため何より重要視される
▲Index
Chapter 3. Arenaのシステム
Arenaモードは所属しているリージョンのプレイヤー達とオンライン上で対戦するモードのひとつ。Play modeとのシステム上の相違点をまずおさえていきましょう。
プレイ条件
リアルマネー $1.99(USD)のペイメント or ゲーム内マネー 150Gold
リアルマネーの支払いにはBattle.netアカウントと紐付けられたPaypalアカウントが必要
ダイアログにパスワードを手入力するだけで決済完了。ゲームセンターでコインを投入し遊ぶ感覚に近いので、熱くなりすぎないようご注意を。
Keep calm and take a rest重点。
Battle.net共通のWebマネー『Balance』でも支払い可能。
ACCOUNT SETTINGS > Payment Options >
[Allow Battle.net balance for in-game purchases.]にチェック。
決済完了。
Goldの入手については別記事を参照のこと
➥ ハウ・ツー・アーン・ゴールド
ヒーロー選択
このモードではランダムで提示される3人のヒーローから一人を選択します。
表示される3人のヒーロー以外は選択不可。一度決めたら選びなおすこともできません
カード選択
Arenaモードの最大の特徴は、TCG(CCG)ジャンルにおいてリミテッドとよばれる限定されたプレイ方式にあります。リミテッドとはその時その場で、即興のカードデッキをビルドし遊ぶことを一般に指します。
そしてこの即興デッキを作り上げる方式としてメジャーな”ドラフティング”がHearthstoneでも採用されています。
デッキビルドには自分のコレクションカードは一切使えず、システム側で無作為に提示されるカードから選び取り、デッキを作り上げていくのです。
3枚のカード選択候補が提示され、1枚をピック。選択の取り消しはできません
これを30回繰り返して即興デッキが完成。やり直しも不可
カード制限
3枚のカード候補には自分の選んだクラスの専用カードと、全クラス共通で使えるミニオンカード(Neutral)が登場。自分のクラスで使用できないカードは出現しません。
そしてArena modeの最大の特色のひとつ。
デッキリミットの30枚はPlay modeと変わりありませんが、同一のカードをデッキに入れる枚数に制限はありません。
通常のConstract(デッキ構築)はデッキに同じカードは2枚のみ、レジェンダリーは1枚のみですが、Arena modeのドラフトピック選択候補に登場する限りは何枚でも投入可能です。
Truesilver Champion4枚積みなんてことも可能。
レアリティ
選択できるカード候補3枚は同じレアリティとなります。レアリティの高いカードとCommonが同時に候補に並ぶことはありません。
(BasicカードはCommonカードレアリティと同じ扱い)
カード選択候補のほとんどはCommonレアリティカードで占められ、数枚分のみRare、Epic、Legendalyカードが登場。これは決まった割合ではなくランダム。
Legendalyカードは非常に出現率が低く、ピック候補に一度も現れない場合の方が多い。
Common or Basic
Rair
Epic
プレイの続行
Arenaモードは支払い完了以後のプレイ状況が常にセーブされます。
ヒーロー選択時点、カード選択時点、戦績にかかわらず中断して他のモードで遊ぶのに切り替えても問題ありません。ただし後戻りは一切できないので気に入らないヒーロー・カードを選び直すといったことは不可。
もちろん、ログアウトしても次回起動時にArenaモードを選択すればまったく同じ状態で続きから遊べます。
ただし他プレイヤーとのマッチング完了後に、クラッシュ・回線エラーの理由如何を問わず対戦を中断すると自動的に敗北扱いです。
(ためしに何度か、Arenaを継続中のまま定期メンテ、アップデートパッチ適用をまたいでみましたが、同じ状態で続行できました)
Arenaモード終了条件は以下3つのみ
・ リタイアを選択
・ 対戦で12勝する
・ 対戦で3敗する
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Chapter 4. 勝敗と報酬
勝ち星を積んだ数に応じて報酬の詰まった宝箱のキーが変化
Arenaモードは対戦で12回勝利するか、3回敗北するまでプレイ続行が可能。
終了時点での勝利数に応じた報酬が用意されています。
ご褒美いっぱい夢いっぱいの宝箱オープン!
Wins | Key | No. | Possible rewards |
---|---|---|---|
0 | Novice | 2 | A pack and about 25-30 gold or dust. |
1 | Apprentice | 2 | A pack and about 30-50 gold or dust or a common card. |
2 | Journeyman | 2 | A pack, and either about 40-50 gold or dust, or a rare card. |
3 | Copper | 3 | A pack and a minimum of 25 gold, plus either about 25 dust or gold, a common card, or a rare card. |
4 | Silver | 3 | A pack and a minimum of 45 gold, plus either about 25 dust or gold, a common card, or a rare card. |
5 | Gold | 3 | A pack and a minimum of 55 gold, plus either about 45 dust or gold, a common card, or a rare card. |
6 | Platinum | 3-5 | A pack and a minimum of 75 gold, plus one or two prizes from the following: about 50 dust or gold, rare cards, golden cards. |
7 | Diamond | 3-5 | A pack and about 180 gold / A pack, a rare card, and 155 gold |
8 | Champion | 3-5 | A pack and about 220 gold / A pack, a rare card and about 160 gold / A pack, 2 common cards and about 150 gold / A pack, a common card, 160 gold, 25 dust. Possibility of golden cards. |
9 | Ruby | 3-5 | A pack, about 155 gold, 50 dust, a common card. / A pack and about 300 gold. / A pack, a common card and about 250 gold. |
10 | Frostborn | 3-5 | A pack, about 175 gold, 70 dust/ A pack, about 260 gold, a rare card. Possibility of rare and/or golden cards./ 4: A pack and about 350 gold. |
11 | Molten | 3-5 | A pack, about 200 gold, 85 dust, and a common card. Possibility of rare and/or golden cards. / A pack, 60 dust, and about 350 gold. / A pack and about 440 gold. |
12 | Lightforge | 3-5 | One or two packs and a minimum of 225 gold. With a possibility of common, rare and/or golden cards. |
勝利数に応じて報酬チェストが増加。このうち1つはカードパックの固定報酬
残りは追加のカードパック、1枚のカード、Arcane dust、Goldの4点からランダム報酬となり、勝利数に応じて内容が向上。
カードの場合はExpert属性のカード1枚。勝利数が多いほどレアリティが高く、Goldenバージョンカードを獲得しやすくなります。
Arenaで獲得した最も高ランクのキーと、累計の勝ち星はQuest logにも記録されます。
クエストとの兼ね合い
Arenaでの対戦はすべてのデイリークエストと、モードを問わないユニーククエスト(Achievement)の達成条件に該当します。デイリークエスト消化を兼ねてヒーローを選ぶ、という人も実際多いですね。
ただし、Play mode(Ranked/Casual)において3勝するごとに獲得できるGold報酬はありません。クエストに関する詳細は別記事にてご確認を。
➥ ハウ・ツー・アーン・ゴールド
【重点項目】
・ Arena入場条件はリアルマネーペイかゲーム内Gold
・ 選べるヒーロー/カードはシステムが提示するランダム候補から選ぶ
・ 進捗状況は常に保存され好きなときに中断可能。後戻りはできない
・ ディスコネクトも敗北扱い
・ 報酬チェストのうち一つはカードパック
・ 戦績によりその他のランダム報酬内容が向上する
・ 平均して7勝以上の勝率が保てればGold収支は黒字に転ずる
・ デイリークエストの達成条件にはArenaでの対戦も含まれる
・ Play mode限定の3勝10Gold獲得は適用されない。
・ 平均して3勝以上の勝率が保てれば、カードパックを購入する(100Gold)よりArenaに投資するほうがGoldからカードへの換算効率は高くなる
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Chapter 5. ドラフトの魅力
TCG(CCG)ジャンルのゲームにおいては未開封のカードパッケージ(Sealed)をデッキとして使用する遊び方が存在します。自分のコレクションカードは一切用いず、そのときその場で偶然によって用意されたカード達で遊ぶという、一種の運試し的要素を含んでいます。
この遊び方には様々な派生があります。
そのひとつとして、カードを複数候補として並べ順次カード選択を行い、一枚一枚カードを積み上げデッキをビルドする方式が一般に言う”ドラフト”です。
WORLDS WOW tcg Draft
他TCGでは、開けたばかりのカードパッケージから用意したカードを複数のプレイヤーが席順に巡らせてピックしていく、というルールが一般的らしいのですがHearthstoneの場合は一人でドラフトを行います。
このように、わざと制限を課した状況で行われるプレイには、とても新鮮な発見が満ちています。流行のカードデッキに対する戦略を練り、最高のカードデッキを作り上げ対戦するだけが遊び方の全てではないのですね。
カードゲームの知識といえばニコニコ動画の遊戯王MADくらいのわたしにとって、Arena modeの面白さは自分で挑んでみるまで理解できないものでした。
そして半年近くに渡りアリーナに挑み続けていても飽きがくる気配もありません。
β初期のころはカードパックが目当てでしたね。カードパックをGoldで購入するより換算効率が良いのでArenaを回す、ただそれだけ。
そして、新しいカードを入手してPlay modeで試す。このサイクルがHearthstoneのスタイルだと当時は考えていました。
カードが揃ってきたら用が無くなるモードのはずでしたが、報酬のカードパックを得る必要性がほとんど無い今もArenaの魅力は色褪せないままです。
これはわたしに限らず、多くのβテスター達も同様です。Twitch等のストリーミングにおいてもArena modeの動画配信は一定の視聴者を獲得しています。
動画配信で人気な理由のひとつとしては、Hearthstoneとストリーミング配信のすばらしい親和性があるのでしょう。
他に目を向ければ、RTSや格闘ゲームのプロが練習がてら対戦を繰り返す配信もこれ以上なく興味深くたのしめるものですが、なにせ操作負荷が高くて喋ってる余裕がほとんどない忙しいゲームばかりですよね。
人のお手本になるような上級者が”その時何を考え”、”なぜそうしたか”を知ることを多くの視聴者は求めています。
緊張と緩和の間がもてるHearthstoneだからこそ、TwitchですでにLoLやDota2に次ぐ視聴者を獲得するほど人気なのだと考えられます。
(視聴順位に関してはKripparrian個人の影響も大きいですが。)
もうひとつの大きな理由としてはただ単純に、アドリブで自分の知識と能力を試すことに楽しみを見出すからでしょう。
JAZZを引き合いに出すまでもなく、人間は即興と出たとこ勝負が大好きです。
カードゲームにおける限定ルール、その中でもドラフティングによるデッキで戦うことはまさにこの要件を満たす遊び方。いかにカード知識があるか、戦略をカバーしているか、駆け引きに熟達しているか。
実力も偶然の配分もないまぜに、配られるカードからどれを選びどうやって勝つかの攻略法を”その時その場で考える”。それが、Arena modeです。
はじめの頃はいちいちカードデッキ作るのが面倒に思うかもしれません。
しかしいずれこの魅力にハマってくると、”プレイするよりドラフトでカード選んでるほうが楽しい”と感じるようになるかもしれませんよ。
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Chapter 6. ヒーロー選択とキーカード
ドラフトによりデッキを作る前に、まず使用するヒーローを選択します。
ヒーロー選択はランダムで提示される3人の中からしか選ぶことはできません。
そしてArena modeはヒーロー選択の時点においても若干の有利不利が発生します。
ですが有利なヒーローを選んだからとて、キーカードが必ず選択候補として登場するとは限りません。
AoEスペルが1枚も無い、MageなのにFireballが選べない、HunterなのにBeast種族がほとんど姿を表さないというのもザラにあることです。
正常なマナカーブでビルドできるように候補が提示されるので、完全なランダムではなく一定のアルゴリズムは存在します。同じカードが何度も候補に登場することも多々有りますが、低マナコモンが出やすい程度の法則しか見出されていません。
これを念頭に置いた上でどのヒーローを選ぶべきかは、完全にプレイヤー次第となります。
Combo Wombo!
どのカードがどのようにシナジーを産むか。ふだんPlay modeで使い込んでいるヒーローならばこうした知識から有利なデッキを組む助けになるでしょうし、特に得手不得手がなければ現状のメタゲームにおいて強いとされるヒーローを選択するのもよいかもしれません。
Arena modeの対戦結果によってヒーローの経験値も獲得できますし、デイリークエスト消化条件にも該当するのでこうした理由から選んでも問題ないでしょう。
肝心なのは選択するヒーローの特色とクラス専用カード、その中でもアドバンテージを獲得しやすい”キーカード”を把握しておくことにあります。
各々のクラスにはどんな専用カードが存在するのかこちらで確認しておきましょう
➥ ラーン・トゥ・プレイ・バイ・カンペ
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Chapter 7. ドラフトにおけるカード評価の思考
カードピックを選択する基準のお話をする前に1点おさらい。
このゲームには全クラス共通のNeutralカードとクラス専用カードの分類があります。
NeutralカードはMinionのみ。全クラス共通のSpellカードはThe Coinしかありません。
カード選択基準の第一歩なので頭に置いておきましょう。
さて、本稿の主題でもあるドラフトですが、常に正解という選択はありません。
提示されるカードはランダムであり、遡ってカード選択をやり直すことは不可能です。
常に選んで構わないと言いきれるほど有効なカードもいくつか存在しますが、そうしたカードが同時に候補に挙がったら?
何を基準にカードを選ぶのですかアナタ。
その”カード評価”について、順を追って考えていきましょう。
マナカーブ
マナカーブの解説はこちらにて ➥ デッキビルドのススメ
マナカーブに最適な形というのは存在しません。選んだヒーローとピック候補のカード、そしてカードアビリティ次第なのですべからくシチュエーショナルです。
とはいえマナカーブの形はカードプレイそのものに反映されるため、いびつなマナカーブはマナクリスタルというリソースの活用を阻害するおそれがあります。
マナカーブは背骨、カード選択は肉付けとして考えると良いかもしれませんが、カードの選択は次項に続くアドバンテージの獲得がなにより重点です。
”強い”カード?
「強いカード選んできゃいいんちゃう?」
カードゲーム素人のわたしがβに参加し始めた頃はこのように考えていました。
ありていに言えば間違ってなくもないんですが、何をもって”強い”とするかを理解しておらず、勝率の向上につながるカード選択が出来ませんでした。
たとえばここにカードが2枚
他の条件を排して同じマナコスト同士のこの2枚が戦えば、当然War Golemが勝利し生き残ります。しかし実際のゲームとなると、そう簡単に相手は有利なカードトレードを許してはくれません。
この”有利なトレード”という考え方が肝要です。
有利とは
有利とは利益があること、利益とはものすごく近視眼的に言えば、対戦相手とのカードトレードにおいて差額を得ていることです。
このゲームのオーソドックスな展開を端的に言うと、対戦相手と有利な差額の発生するトレードを繰り返していき、この利益が積もり重なりいずれ決定的な差、相手のヘルスが0になります。
以前デッキビルドの記事で、このゲームをマリオカートに例えたことがありました。Hearthstoneの対戦の本質はダメージレースであるという認識です。
ダメージを競うレースのゴールへ至る道程においてさまざまな形で現れる相手との差、”アドバンテージ”、”ディスアドバンテージ”こそが勝敗の天秤を傾けるのです。
➥ [Youtube] Wii U - Mario Kart 8 Trailer
アドバンテージの獲得
Arenaのドラフトを煎じ詰めていけば”アドバンテージ”を獲得できるカードを選ぶ、ということに尽きます。
ドラフトのシステム上、特定のカードコンビネーションやデッキスタイルを狙って構築することが難しくなるため、”カード一枚を単体で見てアドバンテージをとり易いものを選ぶ”、これが勝率を高めるカード選択の一番初めの入り口となるでしょう。
自分と相手の差、この”アドバンテージ”の認識にはいくつか種類が存在します。
・ 手段、手数、戦力、状況への対応その他もろもろの差としてカードアドバンテージ
・ ダメージレースにおける自分と相手との”相対速度”を推し量るテンポ
・ 敗北までの秒読み、ヒーローのヘルス値
対戦相手との”差”を把握するアプローチは他にもあるかと思いますが、”Arena modeのドラフトという限定状況”では上記3点がとりわけ重点。
Mario Kart 8 Gameplay Demo - IGN Live
こちらのマリオカート8のプレイ動画をよーくご覧ください。
2014年今年5月に発売となるようです。スゴイ・楽しみ! 待ち遠しい!
そうじゃなくて、ゴールへの距離の差、ゴールを目指す両者の速度の差、自分が加速する・相手を妨害する手段の差がレースに決着を付ける点において、とてもよく似ているとは思いませんか。
べつに私がマリオカート大好きだから無理やりこじつけているわけではありませんよ。
いずれ”アドバンテージ”の考察をこのブログでも深く掘り下げていく予定ですが、まだまだ私自身の理解と思考が浅いのでここではさらっと紹介するに留めます。
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Chapter 8. カードアドバンテージ
CCG(TCG)ジャンルの常として、いわゆるカードアドバンテージはこのHearthstoneにおいても、第一のアドバンテージとして重要視されています。
一口にカードアドバンテージと言ってもこれを得る手段により優位としての性質が異なるため、ふたつに大別して紹介していきます。
(ハンド)手札のアドバンテージ
基礎ルール上では、両プレイヤーともターンの開始時にカードを1枚デッキからドローします。先攻後攻で2枚(内1枚はThe Coin)の差は有りますが、その後は平等に1枚ずつカードを引きますよね。
しかしスペルや特定のミニオンには、カードをデッキからドローするアビリティを持つカードが存在し、相手より手札を増やすことが可能です。手札の枚数における優位、
これを”ハンドアドバンテージ”と呼ぶこともあります。
ここで重点すべきは、手札の優位/ハンドアドバンテージは未だ解決されていない有利であるということです。
カードは(基本的に)コストに見合う性能です。そしてカードを使用するためにプレイヤー両者に与えられるリソースは平等。手札の数はこのリソースの活用と、ボード上の状況への対応力の両面から見て有利不利の差として如実に現れます。
しかし実際に勝負が決まるのはヒーローのヘルスが0になった時。どれだけ手札を抱えていても相手にヘルスを削られきったらそこでGG。ハンドアドバンテージとはマナクリスタルというリソースを支払い、バトルフィールドに作用して初めて意味を為します。
ここをもうちょっと突っ込んで考えてみましょう。
選択肢が多いことそのものが優位のひとつであるのは確かです。
しかし、カードとはすべからくトレードオフの関係にあることは以前書きましたね。カードをドローするアビリティを持つカードは、たとえばミニオンであれば非常に脆弱です。
もっとストレートに言えば、手札を増やすために、多くの選択肢を獲得するために、すでに何かを犠牲にしていることを忘れてはいけません。
Aggroデッキビルド(積極的にオラオラ攻めて攻め切る)にカードドローアビリティがそぐわないのはこうした理由です。
それではハンドアドバンテージを得るカードのサンプルを見て行きましょうか。
下記の分類は厳密なものではなく、カードの性質を把握するための便宜的なものです。用語も覚える必要なんかありませんよ。
Draw spell ~ ドローのためのスペル
カードドローアビリティ全42枚中9枚
カードをドローすることに限定されたスペル。
これらのカードはマナクリスタルというリソースを手札へと変換します。また、デッキを圧縮するという副次的な効果も目的とされることが有ります。
オマケとしてヘルス値を回復したり、シールド値を付与してくれる能力もありますね。
いくつかの例外を除いて、複数枚のカードを同時にドローするカードはこの群類以外に存在しません
Divine Favor
手札の枚数が対戦相手の手札枚数と同じになるまでカードをドロー
Arcane Intellect
カードを2枚ドロー
Sprint
カードを4枚ドロー
Cantrip draw ~ ビックリマンチョコドロー
カードドローアビリティ全42枚中25枚
”カードを1枚ドロー” + ”何がしかの別機能”という性質のカード。
1度だけ1枚のカードを引くアビリティを持ったミニオンや、別の効果とカードドローを同時に発動するスペルカードがこれにあたります。
上述のドローのためのスペルと厳密な区別はありませんが、オマケドローはカード1枚だけの場合にこのCantripという単語がよく用いられます。
基本的にはカードを1枚だけドローするアビリティがほとんどですが、Homing ChickenやHarrison Jonesのように複数枚ドローする例外もある。
Gnomish Inventor
バトルクライ:カードを1枚ドロー
Hammer of Wrath
対象キャラクター1体にダメージ3、カードを1枚ドロー
Flare
(敵味方問わず)すべてのミニオンのステルスとエネミーのシークレットエフェクトすべてを除去、カードを1枚ドロー
Draw engine ~ ドローは一度じゃ終わらない
カードドローアビリティ全42枚中8枚
バトルフィールド上に存在する限り、特定条件を満たす都度カードを引くアビリティを持ったミニオンカード。
放置すれば際限なくカードを引き続けるため最優先排除対象となります。
Northshire Cleric
(敵味方問わず)ミニオンのヘルスが回復される時、カードを1枚ドロー
Gadgetzan Auctioneer
スペルカードをキャストする時、カードを1枚ドロー
Nat Pagle
自身のターン終了時、50%の確率でカードを1枚ドロー
フィールド上のミニオン
ボード上にすでに召喚されたミニオンも元は1枚のカード。しかし既にコストが支払われ具現化し、場合によってはカード1枚分の価値を既に消費して残っていない場合もあります。
Battlecry能力発動後はたいした活躍が期待できなかったり、ヘルスが削られ吹けば飛ぶようなミニオンもそうですね。
ハンド、つまり手札のアドバンテージとは分けて考えるのが適切でしょう。
(要求マナコストは置いといて)カードとカードが相殺し合えばイーブンな取引となります。たとえばダメージスペル1枚でエネミーミニオン1体を破壊したり、自分のミニオン1体と相手のミニオン1体をぶつけて両方破壊される場合などですね。
Acidic Swamp OozeとLoot Hoarderの相殺はイーブンではない
カード1枚でエネミーミニオン2体を破壊できればカード1枚分のアドバンテージを期待できます。対象がToken(トークン:何がしかの能力により生み出された一時的なミニオン)であったり、対象のアビリティ次第では実質的にカード丸1枚分のアドバンテージ獲得に至らないこともあるでしょう。
この項ではなるべくシンプルに要約するため、トレードによって発生するマナコストの差についてはひとまず考慮せず話していきます。
前項でとりあげたハンドアドバンテージとは似て非なるもの、カードプレイや対戦相手とのトレードによって産み出すカードのアドバンテージとは一体どのようなものでしょうか。
このカードアドバンテージを考える時に言及する”トレード”とは、下記の3パターンを示しています。
Flamestrikeなら超お得なトレードも可能!
お得なトレード
1枚のカードで相手のカード2枚以上と相殺する。
1:2交換、1:3交換等と表すこともある。単純に少ないカードをもって相手の多くのカードを打ち消すことにより発生する差益。
イーブントレード
1枚のカード同士で相殺
1:1交換、1枚づつのカードでお互いに打ち消しあった場合
不利なトレード
お得なトレードの逆。
1枚のスペルカードでこちらのミニオンが全滅させられた場合等。
たとえばこんなカード達。
Cleave
ランダム選択でエネミーミニオン2体にダメージ2
Stormpike Commando
バトルクライ:対象キャラクター1体にダメージ2
Argent Commander
チャージ/ディバインシールド
トレードにおけるカードアドバンテージの要点は、より少ないカードをもって、相手のカードとより多く交換することにあります。
この場合にトークンはカード交換の枚数に含めずに考える(のが普通)。
上記以外にも数多く、このアドバンテージを生み出す手段があります。単純にChillwind Yetiのような打たれ強いミニオンでエネミーミニオン複数体を押し潰すのも同様。
例として挙げれば、Play modeのConstruct(構築デッキ戦)においてBasicデッキ卒業後はあまり出番の無くなるSen'jin Shieldmasta。
しかしArena modeのドラフトとなるとタズディンゴー!の評価は急上昇します。
タウントアビリティの性質とタフなヘルス値がその理由。
Tauntによりこのミニオンを無視して対戦相手のミニオンは攻撃対象を選べず、そしてアタック値3とヘルス値5は3マナ以下のミニオンのほぼ全てを破壊しつつ、Sen'jin Shieldmastaは生き残ります。
つまり、相手にとってカード枚数上の不利な取引を強いることが、このカード1枚単体で期待できるわけですね。
このようにボード上のミニオンにおいてカードアドバンテージを獲得することは、次項に続くテンポの概念、そしてバトルフィールドの支配と密接な関係にあります。
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Chapter 9. バトルフィールドの支配
テンポとはなんぞや
テンポ(tempo)とは。拍(beat)の長さ、すなわち拍節の速さを示す言葉です。
カードゲームとまったく関連が無い音楽用語でありながらカードゲームのアドバンテージを表す方便としてよく見かけます。これが実に悩ましい曖昧模糊とした概念。
このアドバンテージを時間の優位であらわす人も居れば、ゲーム展開の速さや、相手よりもマナリソースの使用効率で上回ることと考える人も居ます。
そんな判然としない概念なら使わなきゃいいじゃんと幾度も胸のうちで繰り返しましたが、しかしHearthstoneを始めてからこの半年間というもの私の心をとらえ続け、好奇心を刺激してやまない観念です。
確率の計算とカードアドバンテージだけではある一定以上の相手には勝てない。
それを思い知ってからというもの、率直に言って私はテンポに夢中です。
➥ MTG Wiki テンポ・アドバンテージ
たとえば上記Magic ;the gersering日本Wiki「テンポアドバンテージ」の項目。
ここではテンポを手得・手損と定義しています。
ex) Blessing of Kings(4マナ)のbuffをSilence(0マナ)で打ち消す
(ルールの違うゲームなので良い例えではありませんが)
カードの枚数としては1:1の等価交換ですが、相手のカードとの相殺において支払うマナコストには4つもの差がありますね。ここで獲得した4マナの手得がテンポの優位となり、さまざまなアドバンテージへと変換できると説いています。
なるほど確かに大きな優位でありわかり易いんですが、しかしこの説明ではテンポを構成する拍(ビート)はどこへ行ったんでしょうか?すっぽり抜け落ちていますね。
テンポの優位を得るとは言葉通りに受け取れば、拍(ビート)の刻みが速くなることではないのでしょうか?
と思ったら、同じページの参考資料としてリンクの貼られている「僕が見る構造—テンポへのガイド」では、テンポを構成するビート(拍)をダメージとして計量化し、ダメージレースにおけるアドバンスをテンポアドバンテージとして定義しています。
MTGのWiki内で既に齟齬が生まれているのでどう解釈したらよいのでしょうか。
テンポの解釈を巡る議論は、カードアドバンテージと並ぶ重要性と相まってTCGの歴史の中でも長らくひとつのテーマとして横たわっているようです。
詳しくは「親子のためのデュエルマスターズ」ブログ様の下記ページにて。
➥ 【テンポ・アドバンテージ論への疑問】
解釈がこじれたら原典をあたるのは物事の基本ですが、TCGの祖たるM;TGにおいて提唱され理論は人によりけりとなっているのが、TCGの世界で語られるテンポという概念。
「テンポとはこういうことだ!」と宣言し誰からも同意を得ることは難しいでしょう。
私もこの半年間さまざまなTCGジャンルで語られる”テンポ”の記事を読み漁ってきました。
共通事項がひとつだけあります。
テンポアドバンテージの説明を行うには、まずテンポがゲーム内におけるどのような優位への言及であるかの、著者の考えを開陳しなくては解説が始まらないということです。
ウーン。なんとも、厄介ですね。
テンポ(速さ)という言葉はどんな理論でも応用ができるのかもしれないし、みんなが同じものを別の側面から見ているだけに過ぎないのかもしれません。
カードゲームの世界における”テンポ”の定義をニュービーの私がいまここで行っても何の説得力もありませんし、二十年以上に渡るTCG(CCG)の歴史を軽んじてしまう気がするので、ひとまずこれは横に置いときましょう。
Divan I Shams I Tabriz - imgfave
閑話休題。
テンポの解説には「ドローカードスペルはテンポを失う」というくだりが散見されます。
カード(ハンド)アドバンテージはテンポとトレードオフの関係にあるという認識において、論者のあいだで多少の一致を見ているのかもしれません。
(ドローカードでコンボを完成し大打撃を与えるコンボデッキでカードをより多くドローすることは、テンポ(速さor時間orビート)の獲得じゃないのかという疑問もありますが。)
であれば、ハンドアドバンテージを得る行動により機会が失われた、本来獲得できたかもしれないものに目をつけてみれば、Hearthstoneでこのテンポの概念を活かす解釈の一側面が見えてきます。
単純思考で行きましょう。
3ターン目に3マナのリソースを支払いArcane Intellectを使用してハンドアドバンテージを1枚獲得した。他に行動を選べば得られたハズのものといえば?
たとえば3マナのミニオンを召喚できたはずですね。
つまり機会損失となったものはダメージソースとBattlefieldへの作用(コントロール)。
盤面におけるイニシアティブです。
ゲームの盤面をHearthstone公式では”Battlefield”と名づけています。カードゲーム経験者からは”ボード”のほうが馴染みがあるようですが、ここはいちおう公式準拠でいきます。
さてこのゲーム、フィールドに配置されたミニオンをパズルにおいて欠かすことの出来ないピースのひとつと開発チームは位置づけています。
他カードゲームについてわたしは全くの無知なので比較しようもありませんが、Hearthstoneの対戦におけるミニオン(モンスター/クリーチャー)が占める比重は相当なものでしょう。
このミニオン達がバトルフィールド上で展開する競り合いでテンポを獲得し、イニシアティブを握っていくためのカードの一例を見ていきましょう。
ミニオンを強化する、エネミーミニオンを除去する、数で圧倒する、と方法はさまざま。
アビリティギミック
Shattered Sun Cleric
Harvest Golem
Scarlet Crusader
ミニオンを強化・弱体するアビリティ。フレンドリーミニオンの保護や、よりマナコストの高いエネミーミニオンとのトレードなど様々な効用を期待できます。
ミニオン同士の戦闘に特化したアビリティを持つミニオンも重要です。
コントロールスペル(or チャージアビリティ)
Backstab
ダメージを受けていないミニオン1体にダメージ2
Claw
ヒーローにアーマー値2と当該ターン限定でアタック2を付与
Bluegill Warrior
チャージアビリティ
マナコストが安く即時効果発動のダメージは使い勝手良くフィールド上の優位を作り出します。これは、”コストが安い”というのが重点。自らのミニオンを召喚する行動力と共存できるからです。
マナコストの高い除去スペル、たとえばAssassinateで対戦相手が5ターン目に召喚したVenture Co. Mercenaryを打ち消したとしましょう。カードは1:1の交換で何も変わりません。半ターン先手のイニシアティブは未だに相手の手中にあります。
Weapon
Stormforged Axe
Fiery War Axe
Dagger Mastery
ヒーローが装備できるWeaponもフィールド上のミニオン展開に大きな影響を及ぼします。エネミーミニオンの反撃を受けるためヒーローのヘルス値とバーターになりますが、それでも耐久値分だけ対戦相手のミニオンを処理できる優位に価値があります。
ヒーローパワーの中でも、Dagger Masteryだけはテンポの獲得に大きく貢献します。
AoE
Forked Lightning
ランダム選択でエネミーミニオン2体にダメージ2/オーバーロード:(2)
Swipe
対象キャラクター1体にダメージ4他のエネミーキャラクターすべてにダメージ1
Flamestrike
エネミーミニオンすべてにダメージ4
AoE、範囲ダメージ型スペル。言うまでもなく、エネミーミニオン複数体をカード一枚で処理し得る可能性を秘めるためドラフトカードに登場すれば真っ先に飛びつきたくなります。
コスト、範囲、ダメージ値と性質はそれぞれですが、タイミングに合えばフィールド上の優勢と、1:2交換によるカードアドバンテージの一挙両得となります。
Threat 脅威
Raging Worgen
Gurubashi Berserker
Sylvanas Windrunner
フィールドをコントロールするひとつの考え方として、相手の選択肢を狭める方策も挙げておきましょう。
プレイヤーの行動を見て相手は対処を選ぶので、意図的であれ無自覚であれカードを切ることは対戦相手の行動選択に影響を及ぼします。これを狙ったカードプレイはフィールドの支配に大きく貢献します。
単純な例を挙げれば、Raging Worgenの居る場にアタック値2以下のミニオンを出すことは、相手にとって明らかにうまくないので選択肢から除外されるわけです。
▲Index
Chapter 10. 資源としてのヘルス
ヒーローのヘルス値の”差”。
とってもわかり易いですね。ヘルスが0以下になれば敗北であり、0に近いほど明確に不利です。ただしここでする話はヘルスが多ければ有利とかそういった類ではありません。
ヒーローのヘルス値をアクセス可能なリソースとして見なす考え方への言及です。
もっとも単純な例を挙げれば、WarlockのGul'danと固有ヒーローパワーのLife Tap。
カードを1枚デッキからドローしてダメージを2受ける能力ですね。
これまで見てきたアドバンテージの視点から列記していくと、
・ フィールドへの影響力を及ぼすことが出来たはずのマナ2を浪費し
・ 自身のヒーローのヘルスを2犠牲に
・ ハンドアドバンテージを1枚獲得
ということになります。もひとつ例を。
・ Fiery War Axeの手札1枚とマナ2を消費し
・ 攻撃目標となるエネミーミニオンから受ける反撃ダメージ分ヘルスを犠牲に
・ 2ターンに渡りダメージ3のフィールドへの影響力を獲得
となります。
テンポ、カードアドバンテージ、ヘルスの関係性をManaGrind ModeratorのAuhditサンはHearthpwnのフォーラムに投稿した解説記事の中でこのように図解しています。
今回の記事を書く上で下記ページにはたいへん勉強させていただきました。
➥ [Hearthpwn] The Three Competing Resources: Tempo, Card Advantage, and Hero Life
万事あてはまるわけではありませんが、フィールド上で起きる出来事の大半は上図で説明できそうですね。この思考の根本にあるのは、ヘルスはどんなに削られても0以下に至らなければ負けではないという基礎ルールです。
極端な話、自分のヘルス29を犠牲にしても相手のヘルスを30以上早く削るテンポの優位を得れば勝つという理屈です。
ただし上記の図には、ターンの経過とヘルスの減少そのものによって、ヘルスの価値は変動するということを付け足しておくべきでしょう。
ヘルスは減れば減るほど、相手のターンによって一瞬で削りきられるリスクが上昇します。
ヘルスの低下はテンポやカードアドバンテージの獲得を縛り、時には犠牲としなければならない展開を招くのです。
さらにもう一点、早い時間帯のテンポの優位によって造り出したヘルスの優位も、Healing Touchのような安いマナで簡単に覆すことが可能です。
Chapter 11. Draft Tier
アアー、もちょっと簡単にサクッとこう・・・楽ちんに勝てないもんですかね。
でも楽な方法なんて無いからみんな悩むんですよね。
それじゃArena mode基礎解説の締めくくりとして、ドラフト選択とプレイングのセンスを身につけていくためにお手本にすべき素晴らしいセンセイを紹介しましょう。
Jeffrey “Trump” Shih
このブログではもう何度も紹介しているトランプ=センセイです。
ゲーミングデバイス大手Razer社と契約したプロゲーマーであり、現在のHearthstoneシーンにおいて著名配信者Kripparrianに次ぐ人気と知名度がある人物。
Trumpがどれだけ支持されているかというのは、まだクローズドβ中のHearthstoneで活動していただけなのにRazer Team of the Year 2013に選出されたことからも窺えますね。
(Trump一人で受賞がアリならTeam TaeJaで受賞もアリじゃん?)
やみくもにプレイしていてもいつか壁にぶつかる時が誰にでも訪れます。
そんなときは、彼のような練達のプレイヤーが何を考え何を選択したか、これに寄り添って考えていくことで壁を超えるための手がかりが掴めるかもしれません。
Trump Youtube playlist
➥ https://www.youtube.com/user/TrumpSC
Trump's Arena Tier List: Neutral Common
➥ http://www.liquidhearth.com/forum/viewmessage.php?topic_id=513
Trump's Arena Tier List: Neutral Rares
➥ http://www.liquidhearth.com/forum/viewmessage.php?topic_id=835
オマケとしてTrumpのNeutral Minion Tierリストと、ドイツ在住のプレイヤーAntiGrav1tyのArenaリストを合体させた一覧表を作成しました。
Arenaドラフトの際にご参考までにどうぞ。
ただし、なぜそのカードがその評価なのか、という理屈を理解していなければ、デッキにピックする適正な枚数も有効な使い方も出来ないかもしれません。そのためにも、Trumpセンセイの動画を視聴することをオススメするわけです。
➥ Arena ドラフト・ランクリスト Beta Patch 4458
それではこれにて、Hearthstoneの基礎知識を解説するインストラクションガイドは終了となります。対戦でまみえた時は、どうぞお手柔らかに。
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⇨ 導入記事第一弾 Hearthstoneの基礎ルール
⇨ 導入記事第二弾 閃け!アビリティバトル【能力 x 脳力】
⇨ 導入記事第三弾 バフ・デバフ・アンド・メメント
⇨ 導入記事第四弾 デッキビルドのススメ
⇨ 導入記事第五弾 冷静と情熱のArena