大雨と夏日が交互に訪れる季節を迎えるとHearthstoneの次期コンテンツ発表が待ち遠しくなります。今年から導入されたカードローテーション制度において1年間にリリースされる新弾は拡張版が二つ、アドベンチャーモードが一つとされており、OldGods拡張版が前回リリースされたため次期コンテンツの内容がアドベンチャーモードになると見られます。
※ 既存の追加カードセット
拡張版(GvG,TGT,OldGods)
アドベンチャーモード(Naxx,BRM,LOE)
2014年のNaxx(7月リリース)、2015年のTGT(8月リリース)という過去のタイムスケジュールに則れば明日発表されても不思議はありません。ただし、新カードのリリースは今年からシーズン毎の開催に拡大されたWorld Championshipの地域選手権のスケジュールと密接に影響しています。このため次期コンテンツのリリースは夏季の地域選手権が実施される9月初旬までお預けではないかと悲観する声もあります。
さてそんな気分のざわめく今日このごろですが、先々週(6月第4週)にHearthstone開発チームのインタビューが海外の大手ゲームメディアIGNに掲載されました。今回のOldGods拡張版制作の背景について質問が集中しており、次期コンテンツについては一切言及されていないのであしからず。
以下要約
Blizzard on Designing Hearthstone’s Old Gods [IGN]
◆ 旧神(Old Gods)を拡張版のテーマに決定した時期
(新コンテンツの開発には)複数の初期制作案の候補から絞られ、最もエキサイティングなひとつが選ばれる。旧神(Old Gods)のテーマは2015年7月前後にアイデアとして検討され始め、その過程を通じて最終的に決定された。
◆ 旧神(Old Gods)のテーマをHearthstoneに持ち込むにはどんな苦労があったか
旧神の従者である無貌の者(The Faceless)やその眷属の人型昆虫については特に難しいことは無かった。触手型の怪物や人間に近い狂信者(Cultist)も早い段階で決定し、古いカードセットのミニオン達が汚染された状態の新カードはやや遅れて考案された。
◆ 《クトゥーン / C'Thun》と狂信者(Cultist)について
今後の追加カードセットでC'Thunと作用を持つカードを増やす予定は無いとMike Donais氏が明言。
C'Thunが現在のように狂信者(Cultist)のミニオン達から作用を受けるアイデアは早い段階から練られていた。C'Thunと関連性を持つミニオン達は開発チーム内で「儀式主義者(Ritualist)」と呼ばれており、Ritualist同士で相互作用を受けるような様々な能力が試されたものの最終的には現在の形に落ち着いた。
C'Thunのパワーレベルを適正に施すことは非常に難しいバランス調整であり、開発チームにとっても大きな挑戦であった。C'Thun(及びC'Thunデッキ)これまでのところ様々な場面で使用され、頻度が多すぎることもなく丁度良いバランスに落ち着いたと見ている。
狂信者(Cultist)カードの総数は早い段階で決定された。最後のピースとなったのは《クトゥーンの門弟 / Disciple of C'Thun》。
特定のクラスに専用の狂信者(Cultist)カードが存在することについて。HunterにはC'Thunのコストを2マナ減衰させるようなCultistが試されていたが、最終的にC'Thunを使用するのに適したクラスのミニオンが残されることになった。
初期の《双皇帝ヴェク=ロア / Twin Emperor Vek'lor》は《レノ・ジャクソン / Reno Jackson》に類似したカードだった。LOEリリース前は《レノ・ジャクソン / Reno Jackson》というカードとデッキパワーに疑問を抱いていたため、同様のカードを追加することでReno型デッキのオプションを強化することが検討されていた。
しかしLOE実装後にプレイヤー達が構築したデッキは素晴らしいパフォーマンスを発揮したため、《双皇帝ヴェク=ロア / Twin Emperor Vek'lor》はC'Thunの狂信者(Cultist)カードに組み込まれることになった。
◆ 他の旧神カードについて
《希望の終焉 ヨグ=サロン / Yogg-Saron, Hope's End》
様々なバージョンで数多くのテストが重ねられてきた。その一つは「プレイヤーがゲーム中に使用した呪文すべてを再使用する」というもので、ランダムではなかったため特定の組み合わせによって恐ろしい効果を発揮していた。
そのポテンシャルはたいへん興味深いものだったが、1ターンキルや相手が楽しめない方法で決着がついてしまう構成も存在した。その確実性を損ないバランスをとるために、ランダム要素が検討された。
《頽廃させしものン=ゾス / N'Zoth, the Corruptor》
断末魔/Deathrattleアビリティと関連付けられる前のN'Zoth, the Corruptorは全く違うアビリティが検討されていた。
N'Zothがローテーションアウトするまであと1年半の時間があり、この間は挑発/Tauntアビリティを持つ断末魔/Deathrattleミニオンの実装を抑制する予定。
N'Zoth型デッキに対する適切なカウンタープレイはバリューを獲得される前にヒーローの体力を削りきってしまうことであるため。
将来的にカウンターカードを実装する必要があると見ている。
《放たれし激昂ヤシャラージュ / Y'Shaarj, Rage Unbound》
現行のメタゲームでは活躍していないが、もっと遅い環境へと移行しAstral Communion型のデッキが使用されれば有力なオプションとなり得る。
旧神ミニオン達はそれぞれ異なるプレイスタイルを求めるものであり、全てのカードが同時期のメタゲームで活躍する必要はないと開発チームは考えている。