Index
▼ 構築の概要とプレイ指針
・ デッキの特徴と勝利プラン | ・ デッキの長所と短所 | ・ ゲーム時間帯毎のプレイ指針 |
▼ デッキリストの詳細 / Decklist
・ サンプルデッキリスト | ・ デッキを構成する要素 | ・ カードコンボ・カードシナジー |
▼ Mulligan&Matchups (初期手札と各クラスとの相性)
・ マリガンの基礎思考 | ・ クラス毎のマッチアップ | ・ プレイングTips |
▼リファレンス:プレイ動画&デッキガイド
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構築の概要とプレイ指針
デッキの特徴と勝利プラン
【注意が必要】 Season28現在このデッキタイプは単純にDragon Warriorと呼ばれていますが、一部ではDragon "Tempo" Warrior、または”Tempo" Dragon Warriorと記述される場合があります。これは約一年前(TGT実装時期)Control Warriorの構築にDragon種族シナジーを加えたデッキが流行し同じくDragon Warriorと呼ばれていた経緯があり、その差別化としてTempoと付け加えられているものです。この記事内では便宜的にDragon Tempo Warriorと記述しているのでご注意ください。【名前重点】
現在流行しているDragon Tempo Warriorとは、OldGods拡張版実装前後に登場したTempo WarriorのデッキにDragon種族のシナジーを組み込んだ構築スタイルです。Season26後半から流行の兆しを見せ始めたこのデッキは、ラダーとトーナメント双方で活躍し瞬く間にメジャーデッキの地位を確立しました。
典型的なTempo Warriorの構築で採用される《鎧職人 / Armorsmith》・《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》・《ブラッドフーフの勇士 / Bloodhoof Brave》などの定番ミニオン達がDragon種族ミニオンへと置き換えられており、ミニオンがダメージを受けることによるWarrior特有のカードシナジーはかなり薄められています。そして手札にDragon種族のミニオン持っていることという制約があるものの、ゲーム序盤から後半に至るまでミニオンドロップが手厚く非常に優秀なこともデッキの原型であるTempo Warriorとの明確な違いと言えます。
デッキの性質はアグレッシブなタイプに分類され、ゲーム中盤から盤面の脅威を雪だるま式に膨らませプレッシャーを与え続けながら相手を押し切るシンプルな戦術が基本です。武器と低コストな呪文、そしてDragon種族のシナジーによって得られる価値が相手との有効なトレードを実現させ、目指すべき展開を後押ししていきます。
ただしカードドローの手段は最低限に留められており、ゲームが10ターン目以降へともつれこむと息切れしてジリ貧の状況に陥りやすくなります。《泡を吹く狂戦士 / Frothing Berserker》と《グロマッシュ・ヘルスクリーム / Grommash Hellscream》、《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》によるバーストダメージも活用し10ターン目を迎える前に決着をつけることが理想とされます。
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デッキの長所と短所
デッキの長所 - pros
・序盤からの強力なボード展開
《アレクストラーザの勇者 / Alexstrasza's Champion》・《泡を吹く狂戦士 / Frothing Berserker》・《トワイライトの守護者 / Twilight Guardian》など序盤の展開を支える優秀なミニオン達が揃っており、手札に恵まれればターン毎に優秀なミニオンをドロップしていくだけで盤面の優位を獲得しやすい。
・トレードに効果的なカード達
どんな強大なミニオンもたった1マナで破壊する《止めの一撃 / Execute》、最序盤に召喚されるミニオンのほとんどと2:1交換可能な《烈火の戦斧 / Fiery War Axe》、召喚と同時にAoEを発生する《死憎悔いのグール / Ravaging Ghoul》、そしてDragon種族シナジーのミニオン達と、デッキのほとんどがボードの競り合いに有効なカード達で占められています。
・シンプルなカードプレイ
Dragon種族のミニオンを手札に必要とする制約は存在するものの、カード同士の組み合わせを想定した複雑なプレイを求められることはほどんどありません。理想的なマナカーブを描くカードドローに恵まれれば、ターン経過に従って価値あるミニオン達をドロップしていくプレイが最も効果的でありシンプルな強みとなります。
・プレイ時間が短い
アグレッシブな性質とシンプルなカードプレイが基本であるため1ゲームのプレイ時間は比較的短い部類に入り、回数をこなすラダープレイに適していると評価できます。
デッキの短所 - cons
・Dragonの種族シナジーを発揮するための条件
手札にDragon種族のカードが存在することをアビリティ起動の条件とし、もしDragonの種族シナジーによる価値を引き出すことができなければ種族関連カード達の働きはコストに見合わないものです。
・AoEが少ない
AoEとして機能するカードは基本的に《死憎悔いのグール / Ravaging Ghoul》のみ。
・ボード上の著しい不利を返す手段が少ない
AoEが少ないことも要因のひとつとなりますが、《乱闘 / Brawl》などの相手ミニオン達を一掃するような手段に欠けています。ボードを完全に制圧されてしまうと返す手段はほとんどなく、ゲーム後半は《デスウィング / Deathwing》頼みとなる可能性もあります。
・初期手札への依存度が高い
ゲーム中盤以降に相手ヒーローへプレッシャーをかけていく展開を目指すには、序盤から有利なカードトレードを行い盤面の優位を築くことを必要とします。仮に序盤から適切に動けなかった場合は多大な機会損失となり、盤面に作用できないヒーローパワーもこの助けとはなりません。
・Face Aggroへの対処に欠ける
このデッキはトレードに有利なカードを多数揃えていますが、極端にアグレッシブなデッキを止めるにはやや心許ないでしょう。Zoo Warlockのように低コストなミニオンを広げるアグレッシブなデッキとの対戦は互角と言い難いまでも十分に可能性はあります。しかし、ひたすら相手のフェイスを殴り続けるデッキ相手には状況を挽回する前に体力が尽きてしまいやすい構成です。
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ゲーム時間帯毎のプレイ指針
序盤 (ターン1~3)
デッキに入れているならば《ン=ゾスの一等航海士 / N'Zoth's First Mate》、《サー・フィンレー・マルグルトン / Sir Finley Mrrgglton》を召喚し最序盤から動き出します。《烈火の戦斧 / Fiery War Axe》と2マナドロップが同時に手札にある場合、基本的にはミニオン召喚を優先することを念頭に置きながら以後のターン経過で盤面の優位を取れるプレイを選択。ここでは相手の3ターン目にプレイされると想定されるカード、そして自分が《血を霊液に / Blood To Ichor》の使用や《死憎悔いのグール / Ravaging Ghoul》を召喚が可能かどうかも大きく影響する。相手の盤面が空の状況で《泡を吹く狂戦士 / Frothing Berserker》を3ターン目に置くことは手札との相談になりますが、たいていの場合相手に対処を要求し優位を導きやすいでしょう。
中盤 (ターン4~6)
Dragon種族シナジーの関連カードで盤面の優位を決定付けることが望ましい時間帯です。《アジュア・ドレイク / Azure Drake》の使用はカードドローや呪文ダメージ/Spell Damage +の効果が必要な状況かどうかを一度考える必要があります。もちろん他にプレイ出来る有効なミニオンが居ない場合は、5マナ分の機会損失を避けるため温存はしません。この考え方は《ドラコニッド・クラッシャー / Drakonid Crusher》にも共通しており、6マナの妥当なプレイが他に無ければアビリティが発動しなくともプレイします。そしてこの時間帯は《ドラコニッド・クラッシャー / Drakonid Crusher》のアビリティ発動のために相手の体力を削りに行くか、それともトレードを優先するかは手札の状況と相手のデッキタイプを見極め判断しなければなりません。
終盤 (ターン7~ )
比較的早いデッキのDragon Tempo Warriorは8ターン目前後にはリーサルが見えてきます。盤面の確保に集中していた序盤とは様変わりし、ここでは相手を仕留める状況を常にイメージします。相手のヘルスを削り切るのに十分な材料が手札にあれば強いてこちらからトレードを仕掛ける必要はありませんが、この判断は相手のデッキタイプや自身と相手の体力の状況に大きく依存します。また、この局面では《止めの一撃 / Execute》や突撃/Chargeミニオンが重要な役割を果たします。
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▼ デッキリストの詳細 / Decklist
サンプルデッキリスト
Tempo Dragon Warrior 60.7% Win Rate (85-54) to Legend from Rank 9. Let's talk about it's potential versus regular Tempo Warrior. [reddit]
デッキバリエーション:
Dragon Warrior - Standard Meta Snapshot - July 17, 2016 [TempoStorm]
Dragon Warrior Guide (2x top 10 June 2016 Finish) [reddit]
Sredna's Top 3 legend Dragon Warrior [reddit]
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デッキを構成する要素とカードオプション
Dragon種族 & 関連ミニオン
およそデッキの3割程度をDragon種族ミニオンが占めています。ここで選ばれるミニオン達はDragon種族関連アビリティを起動するために必要であり(Activator)、同時にこのデッキのゲームプランにおける骨組みの役割を果たします。
《アレクストラーザの勇者 / Alexstrasza's Champion》
たった2マナでありながら突撃/Chargeアビリティと3/3のスタッツでゲーム最序盤の有利なトレードを窺うことも可能なミニオン。序盤から中盤にかけて盤面の優位を築くために重要な役割を果たします。
《フェアリードラゴン / Faerie Dragon》
ヒーローパワーや呪文のターゲット対象とすることが不可能なアビリティによって、最序盤では少なくとも1:1のトレードを行うことが可能な手堅いミニオン。ゲーム中盤以降は有用ではないため1枚のみ採用する構築例が複数存在します。
《トワイライトの守護者 / Twilight Guardian》
アビリティの起動条件を満たせば4マナ3/6の比較的優秀なスタッツと挑発/Tauntを持ち、序盤から中盤にかけてのミニオントレードに優位をもたらします。同時にこのミニオン自身がActivatorでもあるため、初手にキープした《アレクストラーザの勇者 / Alexstrasza's Champion》からのカードプレイは強烈なボードプレッシャーを実現します。
《アジュア・ドレイク / Azure Drake》
非常に汎用性が高い定番のこのミニオンはDragon種族特性も同時に持つためDragon Tempo Warriorにとって欠かせない存在です。呪文ダメージ/Spell Damageボーナスは《血を霊液に / Blood To Ichor》と《シールドスラム / Shield Slam》の用途を広げ、《苦痛の侍祭 / Acolyte of Pain》を採用しないこのデッキでは重要なドローソースとしても機能します。
《ブラックウィングの変性者 / Blackwing Corruptor》
ターゲット対象に3ダメージを与え盤面に5/4の本体を残す。Shamanの優秀なミニオン《ファイア・エレメンタル / Fire Elemental》よりも若干優れている性能です。
《ドラコニッド・クラッシャー / Drakonid Crusher》
アビリティの起動条件を満たせば強大なプレッシャーを与えるミニオン。仮にアビリティを起動できなくとも単純な6マナドロップとして扱いやすく、このミニオン自身がAvtivatorであることもデッキに採用される理由です。アビリティを起動できればフィニッシャーとして、そうでなくとも6/6という十分にプレッシャーを与えるスタッツで相手に除去の使用を迫り、以後の《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》や《グロマッシュ・ヘルスクリーム / Grommash Hellscream》へと繋げます。
《デスウィング / Deathwing》
カードドローの手段をほとんど持たないこのデッキはおよそ10ターン目前後に息切れを起こします。その時間帯までには押し切ってしまうことが理想ですが、相手の手厚い挑発/Tauntに阻まれてしまうことがあるかもしれません。または、盤面争いに競り負け返す手段に窮する状況も考えられます。こうした状況でフィニッシャーとして、またはゲームチェンジャーとして奥の手となるのが《デスウィング / Deathwing》です。《乱闘 / Brawl》を採用しないDragon Tempo Warriorでは、この最終手段に救われる状況と実際に数多く遭遇するでしょう。
オプション
《ブラックウィングの技術者 / Blackwing Technician》
《腹ペコのドラゴン / Hungry Dragon》
《ヴォルカニック・ドレイク / Volcanic Drake》
《オニクシア / Onyxia》
Tempo Warriorとの共通ミニオン
デッキのベースであるTempo Warriorから引き続き採用されているミニオン達。つまり他のDragon種族ミニオンや武器、呪文、カードドローなどと比較しても、優先してデッキに含める価値が認められるミニオンということになります。
《サー・フィンレー・マルグルトン / Sir Finley Mrrgglton》
Warriorのヒーローパワーは盤面の状況に直接作用することが出来ません。アグレッシブなデッキに対してヒーローの体力を保護する以外には、Tempo Warriorの構築において利点があまりに少ないものです。このヒーローパワーをMage・Druidのダメージ能力や、Warlockのカードドローと置き換えてくれる《サー・フィンレー・マルグルトン / Sir Finley Mrrgglton》は極めて有用です。同時に1ターン目からプレイできれば序盤に1/3を盤面に置くことも以後の展開を助けてくれます。
《泡を吹く狂戦士 / Frothing Berserker》
Warriorの専用カードの中で最も優秀なミニオンのひとつ。召喚時のスタッツはさほど脅威でもありませんが、相手からは直ちに処理することを強いられる極めて危険なミニオンです。相手との有利なトレードを実現すること、相手の除去カードの使用を強制することの2点だけでも有用ですが、このミニオン自体がウィンコンディションを切り開くほどの可能性を持ちます。
《死憎悔いのグール / Ravaging Ghoul》
範囲AoEを活用して《止めの一撃 / Execute》の発動条件を満たす、または体力が減った相手のミニオンに対するトドメ、《泡を吹く狂戦士 / Frothing Berserker》の強化など、非常に用途の広いミニオン。他に有効なプレイが無ければ3ターン目に単体で場に置くことも問題ないスタッツを持っています。
《コルクロンの精鋭 / Kor'kron Elite》
こちらも汎用性が高い性質のミニオン。《ブラン・ブロンズビアード / Brann Bronzebeard》のような厄介なミニオンを即時処理、または単純に相手ヒーローへのダメージでプレッシャーを与える、相手ヒーローの体力を15以下へ削る、リーサルをうかがうなど、使い勝手が良い点が評価されます。突撃/Chargeアビリティのミニオンでありながら比較的高い体力を持つことも、相手との有利なトレードを助けてくれるでしょう。
《マルコロク / Malkorok》
装備される武器が完全にランダムであるため信頼性に欠けるように見えるかもしれません。しかし7マナで6/5を盤面に置きつつヒーローが武器を装備することは驚くほど高いマナ効率のプレイとなります。《呪われた剣 / Cursed Blade》というリスクと天秤にかけてなお、このミニオンを採用しない理由を探すほうが難しいでしょう。
《グロマッシュ・ヘルスクリーム / Grommash Hellscream》
《血を霊液に / Blood To Ichor》等と組み合わせダイレクトに10ダメージを与えるフィニッシャーとして、または状況が必要とするならば4点の除去手段としても活用できる定番ミニオン。
《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》
召喚後に即時ダメージを与える手段として、さらに相手が対処する手段がなければ継続的に有利を積み上げていくミニオン。重いマナコストが若干ネックですが、デッキの性質と非常に相性が良いためDragon Tempo Warriorでも引き続き採用される中立ミニオンです。
オプション
《ン=ゾスの一等航海士 / N'Zoth's First Mate》
《鎧職人 / Armorsmith》
《獰猛なサル / Fierce Monkey》
《ブラッドフーフの勇士 / Bloodhoof Brave》
《アラシの武器職人 / Arathi Weaponsmith》
呪文 / 武器
ミニオン展開を主軸とするこのデッキでは採用される呪文カードが極端に少なく、武器もたった一種類だけです。低コストの呪文はミニオンプレイと組み合わせて使用され、盤面の優位を維持する助けとなります。
《血を霊液に / Blood To Ichor》
《止めの一撃 / Execute》発動のpingとして、相手ミニオンの体力を削りきるのにあと1点足りない場合のダメージとして、2/2を置くことで盤面の補助・・・・など用途の広い呪文カード。
《止めの一撃 / Execute》
発動条件を必要とするものの、たった1マナで確定除去を発動するWarriorクラス最高のテンポカード。放置できない危険なミニオンへの対処として有効な手段ですが、相手が高い召喚コストを費やしたミニオンをたった1マナで処理することによるテンポ奪取が何よりも相手とのアドバンテージを広げてくれます。
《烈火の戦斧 / Fiery War Axe》
別名Win Axe。ゲーム序盤のミニオンをたった2マナで2回処理することが期待でき、カードアドバンテージとテンポの両面を強力にサポートする存在です。
《叩きつけ / Slam》
数少ないカードドローであると同時に、《血を霊液に / Blood To Ichor》と同様の使い勝手に富んだ呪文カード。1ダメージ多い分、除去として有効です。
オプション
《内なる怒り / Inner Rage》
《旋風剣 / Whirlwind》
《狂瀾怒濤 / Battle Rage》
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カードコンボ・カードシナジー
・Dragon種族シナジー
Dragon種族と関連するアビリティは主に二つの特徴を持ちます。Dragon種族ミニオンのカードが手札に1枚以上存在するという発動条件、そしてアビリティの多くはミニオン召喚時に発動される(雄叫び/Battlecry)ことです。また、このDragon種族関連アビリティは盤面の競り合いに有効な性質のものが多く、そして発動条件という制約が存在するがためにミニオンの効力はマナコストに比較してやや優秀に設定されています。これらの特徴から、総じてDragon Tempo Warriorというデッキでは適切なミニオンドロップそのものがマナの最大活用となります。
・除去
《止めの一撃 / Execute》の使い所が非常に重要であり、適切なタイミングで使用することは相手の使用デッキを読み取る知識が必要になります。基本的には、召喚に多大なマナコストを必要とするミニオンをたったの1マナで除去することによりテンポアドバンテージを稼ぐのが有効です。《血を霊液に / Blood To Ichor》、《叩きつけ / Slam》、《死憎悔いのグール / Ravaging Ghoul》などその他の除去は《止めの一撃 / Execute》を起動するのに必要な場面が多いため、その使い所をセットで考慮しなければなりません。
・ダメージコンボ
カードプレイのコンビネーションでダメージを倍加させる要素は定番の《泡を吹く狂戦士 / Frothing Berserker》と《グロマッシュ・ヘルスクリーム / Grommash Hellscream》のふたつ。除去として使用できるカード達はこのアビリティを起動する役割も重要であるため、マナの有効利用とカードコンボのために温存することを天秤にかけてプレイを選択します。またごく一部ですが、《アジュア・ドレイク / Azure Drake》のアビリティによって《血を霊液に / Blood To Ichor》と《叩きつけ / Slam》の除去能力が向上します。
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Mulligan&Matchups (初期手札と各クラスとの対戦)
マリガンの基礎思考
有利なトレードとマナ有効活用の二点を重視したマリガンを行います。2ターン目のドロップ(Axe含む)を初期手札に確保することが最優先であり、3,4ターン目に適切な手札があろうとも流してしまうハードマリガンが基本。後手で《コイン / The Coin》があるならば3マナミニオンを2ドロップとして使用する展開も考慮しますが、続く3ターン目に妥当なプレイが予想できなければ2ドロップを探しに行くほうがよいでしょう。
何よりも欲しいカードは2ターン目に手札にあることで勝利を呼び込むWin Axe(正式名《烈火の戦斧 / Fiery War Axe》)、1ターン目から出しておきたい《サー・フィンレー・マルグルトン / Sir Finley Mrrgglton》、デッキに入っているなら《ン=ゾスの一等航海士 / N'Zoth's First Mate》、2ターン目のドロップとして《アレクストラーザの勇者 / Alexstrasza's Champion》・《フェアリードラゴン / Faerie Dragon》、そして《泡を吹く狂戦士 / Frothing Berserker》。
《泡を吹く狂戦士 / Frothing Berserker》が2枚手札に来た場合、後手で《コイン / The Coin》があるならば2枚ともキープすることを考慮します。2マナを有効に活用できるカードも同時にあるならば片方は流すことも考えます。また、1,2,3の理想的な序盤の展開が望めそうであれば、《トワイライトの守護者 / Twilight Guardian》をキープするのも良いでしょう。
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クラス毎のマッチアップ
現環境で想定されるのはC'Thun DruidかToken Druidの大きく性質の異るタイプとなりますが、いずれにせよ《止めの一撃 / Execute》を1枚マリガンでキープします。たった1マナで相手のハイコストなミニオンプレイを無効化しボード上の優位を確保すること、または《練気 / Innervate》からハイコストなミニオンを召喚され対処不可になる状況を避けるために重要な手段です。
圧倒的なボード上の優位を築けばDruidは対処する術に欠けるため、盤面のプレッシャーを雪だるま式にふくらませていくことが望ましい展開となります。C'Thun Druidの場合はこのアグレッシブな展開をシャットアウトする《双皇帝ヴェク=ロア / Twin Emperor Vek'lor》を持つため、相手のC'Thun buffに注意を払わなければなりません。
ControlやN'Zoth型などごく一部特殊なデッキを除いて、現在マッチアップ相手に想定されるのはMidrange Hunterです。よりアグレッシブな構成に寄せたHybridの構築も人気ですが、基本的な対処は変わりません。マリガンは《烈火の戦斧 / Fiery War Axe》に加えて《血を霊液に / Blood To Ichor》と《死憎悔いのグール / Ravaging Ghoul》を優先してキープします。
4ターン目に相手が《猟犬使い / Houndmaster》でミニオンをbuff出来ない状況を作れば非常に優位な展開を期待できるため、序盤はボードの確保と獣/Beastミニオンを盤面に残さないことに集中します。盤面の優位を確保し続ければ容易な部類の相性といえますが、《荒野の呼び声 / Call of the Wild》によってあっさり立場が逆転しかねないため悠長に構えたプレイは禁物。
主にTempo Mage、稀にFreeze Mageの可能性が考えられます。マリガンは基本的にTempo Mageを想定し《叩きつけ / Slam》と《フェアリードラゴン / Faerie Dragon》を優先します。《ミラーイメージ / Mirror Image》に保護された《マナ・ワーム / Mana Wyrm》と《魔法使いの弟子 / Sorcerer's Apprentice》は非常に脅威的であるため、とりわけ《叩きつけ / Slam》の優先度はこのマッチアップに限り高いものとなります。
そしていずれのマッチアップにおいても7ターン目以降の《フレイムストライク / Flamestrike》を警戒します。ミニオンの体力と相手ヒーローの体力、そして自身の手札を勘案してリスクをとることも時には正しいプレイとなります。
Aggro・Secret・Controlのいずれにせよ《死憎悔いのグール / Ravaging Ghoul》の優先度は高くなります。ただしラダーで出会う可能性が低く、使用デッキの予想もアテにならないためDragon Tempo Warrior自身の理想的なマナカーブのためにマリガンを行います。
どのデッキタイプに対してもWarrior側がプレッシャーをかけ続け相手に処理を押し付けることが勝ち筋となるため、相手の《シルバーハンド新兵 / Silver Hand Recruit》をミニオントレードで処理することには慎重に考えなければなりません。
Dragon Priest、N'Zoth、C'Thun、Controlなど様々なデッキが予想されますが、Paladin同様に対戦の機会が少なくデッキの予想が難しいマッチアップ。マリガンはWarrior自身のカードプレイを優先します。
マリガンの優先順位は第一にAxe、序盤にドロップするミニオン、理想的な序盤の手札が揃っているなら《血を霊液に / Blood To Ichor》か《叩きつけ / Slam》を1枚キープ。
現在のRogueは大方がMiracle Rogueの構築であり、一部にN'Zoth Rogue(Reno)やMill Rogueが見られます。いずれにせよスロースターターで体力回復手段も乏しいデッキであり、Rogueが手のつけられなくなる時間帯までにプレッシャーを仕掛け押しきれるかどうかの勝負となります。基本的にはミニオンをどしどし展開しプレッシャーをかけ続けいきます。なるべく自身のミニオンはトレードに用いたくないため、Rogue側のミニオンを《烈火の戦斧 / Fiery War Axe》で有効に処理していかなければなりません。ただしRogue側がカードコンボからバーストダメージを与えてくる可能性を考慮し、使用可能なマナ毎にどの程度のヘルスが安全圏にあるかを見極めなければ足元をすくわれてしまいます。特に《墓荒らし / Tomb Pillager》のように高い攻撃力のミニオンの処理は慎重に考えるべきでしょう。
現在このクラスはAggroとMidrangeどちらも序盤の展開が共通しているため、マリガンから序盤のプレイまでほぼ同様に行います。Shaman側のミニオンを有効に除去する《烈火の戦斧 / Fiery War Axe》、Totemを有効に除去する材料となる《死憎悔いのグール / Ravaging Ghoul》は必ず初手にキープします。一方的なトレードを取りやすい《アレクストラーザの勇者 / Alexstrasza's Champion》も有効ですが、Win AxeとGhoulがキープできているなら《血を霊液に / Blood To Ichor》や《叩きつけ / Slam》のキープも順当な選択です。
警戒すべきはAggro相手ならば《炎まとう無貌のもの / Flamewreathed Faceless》と、ボードが拮抗した状態からの《ドゥームハンマー / Doomhammer》。Midrangeが相手ならばAoEの《ライトニングストーム / Lightning Storm》を第一に警戒し、《サンダー・ブラフの勇士 / Thunder Bluff Valiant》は可能な限り素早く処理を心がける必要があります。もちろん相手の体力が残り少なく押し切れそうならその限りではありません。
ZooとRenolockのどちらも厳しいマッチアップとなります。Zooに対してはなるべく効果的なトレードをうかがい、とりわけ《死憎悔いのグール / Ravaging Ghoul》を適切なタイミングで使用し、相手のボードにミニオンを残さないことで《鬼軍曹 / Abusive Sergeant》などのbuffによるトレードを未然に防ぐことができます。当然ながらZooの可能性を疑われる相手のマリガンではこのカードのキープを優先します。ただし3ターン目まで何も出来ない状況はより一層厳しい展開を招くため、最序盤にプレイできるカードを第一に優先することは変わりません。また、Zooと頻繁にマッチアップするなら《ン=ゾスの一等航海士 / N'Zoth's First Mate》の採用は有効に機能します。
Renolockに対しては可能な限りアグレッシブなプレイを試みます。ただしAoEは常に警戒する必要があり、ミニオンはなるべく生存させ続け複数ターンに渡ってダメージを与え続けることが最も有効なプレッシャーとなります。ラダーでのWarlockとのマッチアップではまずZooの可能性を疑いマリガンを行いますが、相手がRenolockである確信が持てる場合はマナカーブに沿ったミニオンプレイ、とりわけDragon種族シナジーを活かせるカードをキープします。
Control系統のWarriorに対しては可能な限りプレッシャーを早期から仕掛けることがウィンコンディションを築きます。C'Thun Controlに対しては召喚されるCaltistミニオンとのやり取りを乗り越えてダメージを稼ぐ必要があり、なるべくトレードを相手側から仕掛ける格好に持ち込むのが理想です。
C'Thun型とElise型のどちらも《乱闘 / Brawl》を警戒しなければなりません。ただし、大量のミニオンを擁するDragon Tempo Warriorの途切れないラッシュを捌ききることはControl Warriorにとっても容易なことではありません。
早期にプレッシャーを仕掛け相手の除去を吐き出させることは、ゲーム終盤の《炎の王ラグナロス / Ragnaros the Firelord》や《デスウィング / Deathwing》を切り札として輝かせてくれるでしょう。
Tempo Warrior、またはDragon Tempo Warriorとのミラーマッチでは良好なマナカーブでカードプレイすることが勝敗へ直結します。
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プレイングTips
《サー・フィンレー・マルグルトン / Sir Finley Mrrgglton》のヒーローパワー選択順位
カードを消費せず盤面に作用し挑発/Tauntの壁も飛び越えること、さらに《止めの一撃 / Execute》や《グロマッシュ・ヘルスクリーム / Grommash Hellscream》のアクティベーターともなる《ファイアブラスト / Fireblast》は多くの場合において適切な選択となります。《獣化 / Shapeshift》は自身のミニオンをターゲットに指定できないこと、そして相手のミニオンからは反撃ダメージを受けてしまうため次点の評価に留まりますが、武器を装備せずとも盤面にアクセスできる手段として魅力があります。《ダガーの達人 / Dagger Mastery》も近い性質ですが、Warrior自身の装備する武器と共存できないことが難点。
Dragon Tempo Warriorの弱点であるドローをヒーローパワーで補強する《命を魔力に / Life Tap》も高い優先順位にあります。また《不抜の一矢 / Steady Shot》は盤面の状況の助けにはなりませんが、Midrange Hunterと同様にアグレッシブなデッキの性質には合致しているものです。
第一候補 | |
メイジ/Mage | 《ファイアブラスト / Fireblast》 |
ウォーロック/Warlock | 《命を魔力に / Life Tap》 |
ドルイド/Druid | 《獣化 / Shapeshift》 |
ハンター/Hunter | 《不抜の一矢 / Steady Shot》 |
第二候補 | |
ローグ/Rogue | 《ダガーの達人 / Dagger Mastery》 |
プリースト/Priest | 《小回復 / Lesser Heal》 |
シャーマン/Shaman | 《トーテム招来 / Totemic Call》 |
パラディン/Paladin | 《増援 / Reinforce》 |
Tempo War Axeの考え方
2ターン目に相手のボードが空の状況で《烈火の戦斧 / Fiery War Axe》を装備しそのままターンエンドすることを、Tempo Warriorの文脈ではTempo War Axeのプレイと一部で呼ばれています。《デス・バイト / Death's Bite》が存在した頃のPatronやControl Warriorの構築では、相手のデッキや手札の状況によって2ターン目は《装甲強化! / Armor Up!》でやり過ごすことと天秤にかけることになります。そして現状のTempo Warriorが2ターン目に他のカードをプレイ出来ない状況では、おおむね《烈火の戦斧 / Fiery War Axe》を装着し相手のヒーローを殴らずそのままターンエンドすることが以後の展開を助けることになります。
このプレイが正しい理由は第一に、Dragon Tempo Warriorのデッキではヒーローパワーの使用が盤面の優位に寄与しないことが挙げられます。そして相手のヒーローを殴らず耐久度/Durabilityを温存しターンエンドすることが適切である理由は、アグレッシブなデッキではあってもフェイス型ではなく盤面の優位をとりプレッシャーをかけ続けていく性質にあるためです。
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▼ リファレンス:プレイ動画&デッキガイド
デッキガイド
Tempo Dragon Warrior 60.7% Win Rate (85-54) to Legend from Rank 9. Let's talk about it's potential versus regular Tempo Warrior. [reddit]
Dragon Warrior Guide (2x top 10 June 2016 Finish) [reddit]
Sredna's Top 3 legend Dragon Warrior [reddit]
プレイ動画
Trump Standard Teachings - 10 - Dragon Warrior [Youtube]
StrifeCro - Dragon Warrior S28 #1: Put a Dragon in it [Youtube]
Thijs - Tempo (Dragon) Warrior #7: Let the dragon(s) consume you! [Youtube]
Thijs - Tempo (Dragon) Warrior #8: Dragon Value [Youtube]
Kolento plays dragon warrior (#91) [Youtube]
Kolento plays dragon warrior (#92) [Youtube]
Xixo - Escaping the dumpsters. #DEMConvention later ?! [Twitch]