Patch7.1 nerf調整の影響


予告通り2月末のバランス調整パッチが適用され、《ちんけなバッカニーア / Small-Time Buccaneer》《精霊の爪 / Spirit Claws》にnerf調整が施されました。

今回のカード調整対象は上記たった2種類ですが、予想に違わず大きな影響をメタゲームにもたらしたようです。《ちんけなバッカニーア / Small-Time Buccaneer》《海賊パッチーズ / Patches the Pirate》とのコンビによって海賊ミニオン隆盛の要となる存在でした。この2枚を指していわゆるPirate Package(海賊パッケージ)と呼ばれる組み合わせは様々なクラスのアグレッシブなデッキに採用され、新環境で最もプレイされた頻度の高いカードとなっていたのです。

そしてこのPirate Packageを取り入れて環境のトップデッキに躍り出たJade Aggro Shamanは、たった1マナで装備可能な《精霊の爪 / Spirit Claws》との好相性を活かして序盤の展開を優位に運んできました。カラザン実装後にたびたび問題を指摘されていたこのウェポンカードも、このたびnerfハンマーを振り下ろす対象となってしまったのです。

nerf調整実施と前後して開幕したプレイモードシーズン(36)はやはりと言うべきか、先月の同時期とはまったく異なる様相を見せ始めました。メタリポートを公開しているVicious Syndicateでは、このバランス調整パッチ実施の時点で集計をリセットし9日木曜日(日本時間深夜)に統計分析を発表すると予告しています。その内訳においてどのような数字の変化が起きているのか今から非常に楽しみです。

さてこの記事では、Twitchで様々なプロプレイヤー達の配信をここ数日観戦してきた印象を基に、nerf調整後のメタゲームにもたらされた影響を考えていきたいと思います。




Index

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▼ トレンドの変化

▼ 水と魚と海賊と

▼ さらばちんけなバッカニア

▼ Tier4の逆襲

▼ おすすめのドラゴンデッキ

▼ Renoデッキの欲ばりオプション





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トレンドの変化



◆ Shamanstoneは終わらない

新シーズンのラダーで最も顕著な変化はJade Druid・Midrange Shamanの急増です。この二つとマッチアップする割合が目に見えて増加したことを皆さんも実感してらっしゃるかと思います。ことにJade Druidのプレイ頻度急増は全ランク帯に渡って共通する傾向であり、Aggro Shamanのお通夜もまだ明けぬうちからメタゲームはさっそく動き始めました。

nerf調整によって狙い撃ちされた格好のAggro Shamanはあえなくトップデッキの座から失墜しています。しかしあの顔色の悪いオークや両生類の姿を拝む頻度は減っていません。何のことはなく、カラザン環境と同様にMidrange Shamanへと人気がシフトしただけのことです。(Jade)Midrange構築の増加傾向はかねてより進行していたトレンドの変化ですが、今回のnerf調整が後押しする格好となりました。

Aggro Shamanについては《ドゥームハンマー / Doomhammer》ビルドを思い出すことで再び自信を取り戻す可能性も指摘されています。しかし《トンネル・トログ / Tunnel Trogg》《トーテム・ゴーレム / Totem Golem》がスタンダードから消えるまで残すところ1ヶ月あまり、仮にトップデッキへと返り咲くことがあったとしても儚い花火になるでしょう。

Jade Mid Shamanの構成について細かく見ていくと、上述のトログ・ゴーレムコンビの採用に再び回帰する傾向が目立ちます。《ちんけなバッカニーア / Small-Time Buccaneer》がBlizzardのnerfハンマーにブン殴られた結果、またしてもこのコンビはゲーム序盤において他を圧倒する存在となりました。

マナコストが増加した《精霊の爪 / Spirit Claws》はデッキから除かれる例が大半ですが、《ブラッドメイジ・サルノス / Bloodmage Thalnos》《アジュア・ドレイク / Azure Drake》などのミニオン構成には変化が見られません。ウェポンのシナジーを失ったにせよ、AoE2種を使用するこのデッキではカードドローを兼ねた呪文ダメージ/Spell Damageの恩恵をいまだ捨てる選択肢は無いようです。

サンプルデッキリスト:
Jade Shaman - After nerf patch [Hearthpwn]
MUZZY’S MIDRANGE JADE SHAMAN – TOP 25 LEGEND (MARCH 2017, SEASON 36) [TOP DECKS]



◆ 環境のスローダウンとDruid

Jade Druidに話を戻しましょう。メタの頂点に君臨していたAggro Shamanが取り除かれたことは、現環境におけるAggroの存在感を着実に薄めています。レイトゲームに強いJade Druidの人気が再び高まってくるのも道理であり、あとはこの人気がどれほど持続するかが今後のメタゲームに少なくない影響を及ぼしていきます。

もっとはっきり焦点を絞ってしまえば、鍵を握っているのはPirate WarriorとRogueの存在です。6ターン目以降の挑発/Tauntミニオンすら間に合わないほどアグレッシブなWarrior、そしてDruidのテンポアドバンテージをあっさりとひっくり返してしまうRogueはいまだ脅威的であり、Jade Druidをラダーでプレイするにあたって最も懸念されるマッチアップとなっています。

一方でJade Druidの陰に隠れ、コンボ型のデッキも再び注目を集めつつあります。《アヴィアナ / Aviana》《忘却王クン / Kun the Forgotten King》のコンビネーションによるOTKを可能とするこのデッキは、現在《マリゴス / Malygos》を勝ち筋とする構築が流行しています。この構成は《クトゥーン / C'Thun》タイプと比較してミニオンが少ない代わりに、低コストなスペルカードによってAggroの序盤を捌きやすいという利点が挙げられます。

サンプルデッキリスト:
Jade Druid - S36 - no more pirate decks [Hearthpwn]
Where have the pirates gone (jade druid) [Youtube]
TicTac's Maly Kun Combo [Twitter]
LEGEND With Malygos OTK Druid [Youtube]




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水と魚と海賊と



◆ Finja Package(Water Package)

世界大会春季予選が終わりを告げるころから、既存の構築スタイルにマーロック/Murlocシナジーを取り込むデッキが注目されていました。今回のnerf調整はこの流行に更なる拍車をかけているようです。キーカードはご存知《飛刀手流忍者・六丸 / Finja, the Flying Star》、ガジェッツァンのリリースから2ヶ月を経てこのレジェンドミニオンは思いがけず評価を高めつつあります。

デッキからマーロック/Murlocを2体ボードに直接設置するそのアビリティは、《ブルーギル・ウォリアー / Bluegill Warrior》 or 《マーロックの戦隊長 / Murloc Warleader》がボードに置かれることでミッドゲーム帯に力強いプレッシャーを押し出し有利なトレードを可能とします。




※ 余談
この3体のミニオンのセットは《ちんけなバッカニーア / Small-Time Buccaneer》《海賊パッチーズ / Patches the Pirate》のコンビを指すいわゆるPirate Package(海賊パッケージ)にあやかってか、Finja Package(Water Package)と呼ばれることもあります。

そして少々ややこしい話ですが、デッキ名に”Water”と付けられている場合は二通りの解釈があります。ひとつはマーロック/Murloc種族シナジーを活かすこのFinja Packageがデッキに採用されている場合。この文脈ではFinja, BW, MWの3体セットを”Water"デッキの構成要素として捉えているようです。また他方では、水棲生物と海賊という水に親和性がある共通点から連想して、マーロック/Murlocミニオンと海賊/Pirateミニオン両者をデッキに採用することを”Water”と冠するデッキだと解釈する人もいます。この用語に関してはごく最近発生したものなのでコミュニティの認識が今後も変化していく可能性があり、現段階でその定義にこだわる必要はないでしょう。

ともあれ、アグレッシブなデッキにおけるマーロックと海賊ミニオンの相性はまさに水魚の交わり。両者は直接的なシナジーをもたないものの、ガジェッツァンで大流行した海賊ミニオンのAggroデッキにマーロックが取り込まれていくことは自然な結果であったのかもしれません。

もちろんその推進力となっているのは株が急上昇している《飛刀手流忍者・六丸 / Finja, the Flying Star》であり、マーロック/Murlocシナジーの研究そのものへの熱意を盛り上げ、流行のWarriorやRogueに留まらずさまざまなクラスでFinja Packageのプレイが試されています。

サンプルデッキリスト:
Mrglglgl-ock (Rank 5 to Legend - 70% WR) [Hearthpwn]
UPDATE Rank 6 (proof) Menagerie Druid S36 [Hearthpwn]
The Water Hunter: Murloc Midrange Anti-Jade Hunter [Hearthpwn]
Easy Rank 5 - Everyfin *NEW* Aggro Shaman March 2017. [Hearthpwn]




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さらばちんけなバッカニア


《ちんけなバッカニーア / Small-Time Buccaneer》のnerf調整はPirate WarriorやAggro Rogueの痛手であったことは間違いありません。しかしながらこのアグレッシブなデッキ達の勢いは衰えず、Aggro Shamanの減少によってむしろ勢い付いている印象です。彼らは定番ミニオンのnerfに対してどのように対応したのでしょうか?

まずこのミニオンの処遇ですが、意外なこともなくあっさりと《ちんけなバッカニーア / Small-Time Buccaneer》はデッキから抜け落ちました。召喚したターンに仕事ができず、しかもヒーローパワーで処理されるようなミニオンはもはや価値が無いと多くのプレイヤーに見限られたようです。

Pirate Warriorで入れ替わりに検討されているのは同じような最序盤のミニオンカードではありません。ひとつはデッキの戦略に則ったシンプルな選択として《アージェントの騎兵 / Argent Horserider》。アタック値はさほど脅威的ではないものの除去に手間取れば十分なダメージを重ね、さらにトレードにも強い性質の優秀なカードです。ただしデッキには既に3マナミニオンが数多く存在するためマナカーブのバランスが悪い点を指摘されています。このためカーブに沿ったミニオンプレイやシナジーを重視するプレイヤーからは《ナーガの海賊 / Naga Corsair》が人気を集めています。

興味深いところでは《強打 / Bash》を2枚デッキに加える構築も支持されています。一般的にAggroの性格に適したスペルとは考えられませんが、挑発/Tauntを乗り越えてヒーローに直接打点を加える手段になること、そしてミニオン処理に適している点が評価されています。このカードチョイスはとくに、Pirate Warrior同士のミラーマッチを意識した選択であることが窺えるでしょう。たとえばbuffを受けた《ブラッドセイルの略奪者 / Bloodsail Raider》・クルルァと奇声を発しながら興奮している《泡を吹く狂戦士 / Frothing Berserker》・そして《コルクロンの精鋭 / Kor'kron Elite》などなど適切なターゲットはゲーム中に幾らでも見つかるはずです。


一方でRogueはnerf調整が行われる以前からすでにマーロック種族達との同盟の道を選んでいました。前項のいわゆるWater Rogueと呼ばれるデッキ構成は、Aggro Shaman亡き後の現環境で最も力強いテンポデッキとして評価されています。

サンプルデッキリスト:
Post-Nerf Pirate Warrior is STILL STRONG! [Hearthpwn]
Cursed Pirate Warrior - First Rank 1 Legend EU [Twitter]
Nicslay's Water Warrior [Twitter]
Luffy’s Aggro Murloc/Pirate Rogue (March 2017, Season 36) [TOP DECKS]
Dwayna’s Rank 1 Legend Aggro Curator Finja Rogue (Season 35, February 2017) [TOP DECKS]




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Tier4の逆襲


ガジェッツァンの新カードがReno系デッキに著しい進化をもたらした裏で、幾つかの定番構築は忘れられたまま顧みられることがありませんでした。Zoo Warlock、Tempo Mageはその代表格です。新カードが何一つこれら定番デッキに寄与するところが無かったためではありますが、新環境から3ヶ月を経て再び日の目を見るチャンスが訪れたようです。

ゲーム最序盤のボードに高い競争力を持っていたAggro Shamanの失踪、そして序盤の動きが鈍く効果的なAoEも乏しいDruidの増加、ZooとTempo Mageにとって共通する好材料が整ったことでかつての定番デッキは着実に勢力を盛り返しています。もはやラダーにおいてMageとWarlockのマッチアップをReno系デッキと決めてかかるのは一定のリスクを伴うでしょう。

デッキ内容については前環境と比較して全くと言っていいほど目新しさがありません。現在プレイされているデッキにおいて定番カード以外の細かなカードチョイスに注目しておきましょう。

サンプルデッキリスト:
Zanananan's Zoolock [Twitter]
(Rank 20-5) Aggro-Midrange Secret Mage [Hearthpwn]
Apxvoid's Tempo Mage [Twitter]
[70% WINRATE] Discard Zoolock [Hearthpwn]




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おすすめのドラゴンデッキ


Aggro Shamanの失踪とWaterデッキの増加、Jade Druid、Jade-Mid Shaman、etc... こうしたメタゲームの変化は2つのドラゴン/Dragonシナジーデッキの地位を徐々に押し上げています。4/7/7の理不尽に殴られる脅威が無くなったことで警戒すべきAggroデッキの性質は絞られ、課題はPirate Warriorにいかに対処しつつ他のマッチアップとのバランスを図るかという問題へと帰結しました。

この状況はとりわけDragon Priestにとって都合が良い材料が揃いつつあるように見えます。猛威を奮う《飛刀手流忍者・六丸 / Finja, the Flying Star》軍団も《ドラゴンファイア・ポーション / Dragonfire Potion》で一掃可能であり、より早い段階のプレッシャーには複数の挑発/Taunt《狂気ポーション / Potion of Madness》など対応するためのオプションは既に備えているからです。個人的にも今現在のラダーをプレイする上では最もオススメできるデッキのひとつです。

ゲーム序盤から盤面をスノーボールしていけば非常に安定している現在のDragon Priestですが、ゲーム後半へともつれこめば《マリゴス / Malygos》を利用したコンボなど対処が難しい展開を招くパターンも散見されます。ラダーを回している中でよりテンポを重視する必要を感じた場合、Dragon Warriorのほうが優位にゲームを進められるかもしれません。

サンプルデッキリスト:
F_Ivanovic's Dragon Priest [TempoStorm]
Gaara's Dragon Priest [Twitch]
weghuz's Dragon Warrior - Top 10 Legend (March 2017, Season 36 [TOP DECKS]



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Renoデッキの欲ばりオプション


環境における最もアグレッシブなデッキの一角が落ちたとはいえ、いまだReno MageもRenolockもAggro対策を削ることは出来ません。今シーズン最も早くEUサーバーでレジェンドに到達したCursedのデッキには、《ブラッドセイルの海賊 / Bloodsail Corsair》《海賊パッチーズ / Patches the Pirate》のAggro対策オプションが加えられていました。シーズン更新のAggroまみれな開幕戦を戦う上で、主にPirate Warriorに有効な手段として機能していたようです。

しかしこれまで述べてきたように、DruidやMid Shamanの増加によってAggro対策ばかりに固執している状況ではなくなってきました。特にJade Druidの存在はどちらのRenoデッキにとっても脅威に映ります。古来よりDruidは8/8(《山の巨人 / Mountain Giant》)で殴れば死ぬと言い伝えられているように、強いて言えばまだRenolockは対処を図れる可能性が多分に残されています。この相性差がReno MageとRenolockの序列に影響を及ぼしていくでしょう。

こうした状況の中でStrifeCroのReno Mageは定番の《アレクストラーザ / Alexstrasza》を落とし《ガーディアン・メディヴ / Medivh, the Guardian》が採用されています。これはReno Mageがよりバリューゲームを意識するようになった兆候と見て取れるでしょう。

サンプルデッキリスト:
StrifeCro - Reno Mage: Top Deck, Top Legend [Youtube]
DisguisedToast’s Medivh Renolock – Top 200 Legend (March 2017, Season 36) [TOP DECKS]
Cursed's Renolock [Twitter]
Firebat's Reno Zoo [Twitter]




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Patch7.1 nerf調整の影響
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