本日未明(2月3日)にHearthstone公式ブログにおいて、既存の対戦環境を根底から揺るがす一大発表が行われました。2016年春に予定されている拡張版リリースと同時に、プレイモードの対戦において使用可能なカードを一定期間毎に制限するStandard / スタンダードという新たな公式フォーマットが導入されます。
Standard / スタンダードの概要
スタンダードフォーマット導入の要点
◆ フォーマットは「スタンダード」と「ワイルド」の2種類で区別される◆ 「スタンダード」のカードプールは基本(ベーシック)とクラシックのカードセットに加え、その年と前年にリリースされたカードで構成される
◆ 「スタンダード」から外れるタイミングは毎年の最初の拡張版が実装される時点となる
◆ 「ワイルド」はこれまでにリリースされたコレクションカードが全て使用可能(従来通りの対戦)
◆ Blizzardが主催する公式大会においては「スタンダード」フォーマットが適用される
◆ 「スタンダード」が適用されるのは、親善試合(フレンド対戦)、ランク戦、カジュアルのみ
◆ 2種類のフォーマットどちらでもランク戦を戦うことができる。ランク戦の成績はそれぞれで記録され、両方でレジェンドを目指すことも可能
詳細は公式ブログを参照頂くとして、本稿ではスタンダードフォーマット導入に至った理由と今期使用不可になるカードセット、
併せて、公式ブログのFAQに記載されていない質問事項もとりまとめていきます。
参照リンク
(日本語公式) 新しいプレイ方法 [Battle.net]
(英語公式) A New Way to Play [Battle.net]
付随事項
スタンダードフォーマット導入にあたってこれまで開発チーム内で検討されてきたバランス調整など様々な変更が加えられます。◆ 基本カード(ベーシック)とクラシックカードのバランス調整
スタンダードフォーマット導入をHearthstoneの新たな出発と位置づけ、これまで検討されてきた古いカード達のバランス調整が実施されます。対象となるのは最初からコレクションに持っているカードとヒーローのレベルアップで獲得できる基本カード(ベーシック)、クラシックのカードパックから入手できるクラシックカードとなります。(それぞれクラス専用カード含む)
◆ 「スタンダード」に含まれないアドベンチャーや拡張版はショップで購入できなくなる
「ワイルド」フォーマットにおいてスタンダード落ちしたカードを使いたい場合は、Arcane dast/魔素を使用してカードをクラフトできます。なおアドベンチャーモードの場合はスタンダードから外れる時点より前に1区画(Wing)でも購入済みならば残りの区画も購入可能なままとなります。
◆ デッキスロットが9から18へ増加
「スタンダード」フォーマット導入に伴い、これまでユーザーからの要望が多かったデッキスロットの増加がついに実現。9人のヒーロー全てをアンロックしていれば現在の9から倍の18までデッキを作成し保存可能となります。
スタンダードフォーマット導入の背景
Hearthstoneのコレクションカードは2016年2月現在において744枚存在します。14年3月の正式サービス開始時点で383枚だったカードプールはこの2年間で倍へと膨れ上がりました。βテスト期間を除き、これまでの歴史においてコレクションカードが廃絶されたことはありません。
アドベンチャーモード、そして拡張版カードセットによる追加カードはこれまでプレイヤー達を大いに刺激し楽しませてきてくれました。しかし多くのユーザーが心の底で、このまま際限なくカードが増え続けていくのだろうかという懸念を秘めていたことと思います。
実際2014年GvGリリースの時点から、開発チームに対してカードプールのとめどない膨張がもたらす弊害について意見や質問がぶつけられていました。今回導入されたローテーションしていくスタンダードフォーマットのアイデアについても言及されています。
参照リンク
Blizzard Hearthstone Developer AMA - Ben Brode, Yong Woo and Christina Sims! [reddit]
2016年春の拡張版リリース(予定)にあたって「スタンダード」というフォーマットが導入されるのは、膨大なカードプールが新規プレイヤー参入の障害となっていることを解決するため、そして今後のゲームバランスを調整していく上で必要不可欠なものであると開発チームは判断するに至ったのでしょう。
参照リンク
デザイナーの洞察 by ベン・ブロード: 新しいプレイ方法 [Youtube]
2016年のスタンダードから外れるカード
Year of the Kraken / クラーケン年
2016年4月(予定)の拡張版実装とともに今年のスタンダード・イヤーとなるYear of the Kraken / クラーケン年が始まり、以下のカードセットがStandard / スタンダードフォーマットの対戦において使用を制限されます。
Curse of Naxxramas / ナクスラーマスの呪い [Battle.net]
カード画像一覧:Curse of Naxxramas: A Hearthstone Adventure [Offcial Facebook]
Goblins vs Gnomes / ゴブリンvsノーム [Battle.net]
カード画像一覧:Goblins vs Gnomes [Offcial Facebook]
参照リンク
リリースタイムライン:Hearthstone Timeline [gamepedia.wiki]
※ わたしが管理している公開カードリストにStandard / スタンダードの項目を追加しました。今回スタンダードから除外される153枚のカードにはひとまず「Year of the Kraken / クラーケン年」と記載しています。
Hearthstone公開カードリスト [Google.docs]
追加FAQ
ユーザーが疑問を持つであろうポイントについてはすでにFAQが用意されているのでまずはそちらをご確認下さい。
参照リンク
(日本語公式) 新しいプレイ方法 : FAQ [Battle.net]
◆ アドベンチャーのカードはArcane dast/魔素に還元可能となる (Source)
◆ 現行スタンダードに含まれるアドベンチャーのカードも還元できる。スタン落ちしたアドベンチャーのカードとの違いは、アドベンチャーをクリアしなければ入手できない点のみ (Source)
◆ 古いセットのカードを今後実装されるカードセットに再録する予定は今のところない (Source)
◆ ゲームボードはスタン落ちしたコンテンツで実装されたものでもローテーションに残る (Source)
◆ 購入不可となったアドベンチャーも購入済みであればリプレイ可能 (Source)
◆ カードクラフトの変更以外では、購入済みのアドベンチャーならばヒロイック攻略のカードバックを含め、報酬を通常通り獲得できる (Source)
◆ スタン落ちしたカードもカードテキストが示す能力によってゲームに通常通り出現する(例《Ball of Spiders / 群がるクモ》から《Webspinner / ウェブスピナー》) (Source)