Ranked Play Season #14 May 2015
Index
▼ 参照リンク▼ Overview
➤ Tournament stats ➤ Tier Transition Report
Class break down
▼ Druid
▼ Hunter
▼ Mage
▼ Paladin
▼ Priest
▼ Rogue
▼ Shaman
▼ Warlock
▼ Warrior
【重点事項】
このMeta Reportは海外サイトのガイド記事やトーナメント、ラダーのストリーミング等を参考に記述しています。当ブログ管理人の観測範囲内における情報と印象を基にしているため、実状にそぐわない面も多々あろうかと思います。その点はご了承下さい。
◆ 過去のMetagame Season Report
➥ [メタる] State of the metagame
▲Index
参照リンク
◆ Tempostorm
Meta Snapshot #14: The Domination of Hybrid Hunter [TempoStorm]
Meta Snapshot #15 - A Grim Patron Fairy Tale [TempoStorm]
Meta Snapshot #16: The Fairy Tale Continues Grim Patron Reigns Supreme [TempoStorm]
◆ Liquid Hearth
PR May 2015 Week 1: A Wild Matchup Chart Appears! [Liquid Hearth]
PR May 2015 Week 2: Malygod and the Essence of Magic [Liquid Hearth]
PR May 2-15 Week 3: Hybrids and Dragons, Oh my! [Liquid Hearth]
PR May Week 4: Another Week of Patron Domination [Liquid Hearth]
◆ Weekly dojo
Decks of the Week #14 Week 1 [dojo]
Decks of the Week #14 Week 2 [dojo]
Decks of the Week #14 Week 3 [dojo]
Decks of the Week #14 Week 4 [dojo]
Decks of the Week #14 Week 4.5 [dojo]
◆ General Guide
Basic + Naxxramas + Blackrock Mountain Deck Guides for All 9 Classes! [reddit]
HEARTHSTONE’S SEASON 14 META DECK LISTS AND STATISTICS [Topdecks]
Latest Legend Deck Guides [Hearthstone Players]
How to Hit Legend rank on Hearthstone: Heroes of Warcraft [Hearthstone Players]
▲Index
Overview
日本時間5月1日金曜日をもってBlackrock Mountainすべての追加カードがリリースされました。31枚の新カードはデッキ構築のアイデアを大いに刺激し、4月シーズンに産み出された様々なデッキが5月も引き続き試されていました。
今回のカード追加によって最も成功を収めたのは、Warriorクラスの新たなコンボデッキとして登場した「Grim Patron Warrior」であることは論を俟たないでしょう。4月序盤から登場したこのデッキに対して当初懐疑的であった人々も、この2ヶ月の活躍を目の当たりにして新たなMetaの到来を認めざるを得なくなりました。
一方で、目玉であったDragon種族シナジーのゲームへの追加はどれほどのインパクトをもたらしているでしょうか。現状を見る限り、肩透かしをくった印象を拭えません。Mech種族ミニオンが一挙に43体も追加されたGoblins vs Gnomesと比べることは出来ないまでも、現在の環境で有効に作用しているDragon種族のギミックは極めて限定的です。
BRM実装前の目論みではこのMeta Reportでも、「Rise of the Dragonflight」とか銘打ってDragonシナジーとデッキの構成を一大特集する予定でした。まさに残念至極であります。
とはいえ、これまで一切存在しなかったDragon種族のシナジーがBRM実装に伴い解禁されたことは古いカードを見直す契機をもたらしています。
今後のMetagameの変化、更なる追加カードによって眠れる龍が天へと昇る日が来ることを期待しておきましょう。
➤ Tournament stats
Patron Warriorがトーナメントメタの核心へと至る過程がはっきりと現れています。この傾向は今後も継続していくと見込まれますが、カウンターとしてのOil RogueとHandlockがどれほど影響力を及ぼすか気になるところです。高い信頼性により支持され続けていたDruidは再び二番手へと滑り落ちてしまいました。(クリックで拡大表示)
参照リンク
Tournament Snapshot #3 - Kinguin Pro League Playoffs, ESL’s Legendary Series Week 4, The HTC Invitational [TempoStorm]
KPL Finals Decklists [Hearthstone Topdeck]
HTC Tournament Concludes with a new Champion(with decklists) [Liquid Hearth]
Tournament Recap: HTC Invitational [Disguisedtoast]
All decklists from Viagame HouseCup #3 [GosuGamers]
Tournament Recap: Viagame Cup 3 [Disguisedtoast]
➤ Tier Transition Report
今回もTempostormとLiquid HearthのTierランキングを一覧にして掲載していきます。このランキングは今現在のMetagameにおけるデッキ毎の支配力・影響力をトッププレイヤー達の意見を参考に指標化したものです。このランク順位はいわゆる”デッキの強さ”なるものを単純に示すものではありません。カードデッキはそれぞれ他のデッキとの間に相性を持ち、一面的に”デッキの強さ”という不明瞭な評価を行うことは出来ません。
(クリックで拡大表示)
参照リンク
Meta Snapshot #14: The Domination of Hybrid Hunter [TempoStorm]
Meta Snapshot #15 - A Grim Patron Fairy Tale [TempoStorm]
Meta Snapshot #16: The Fairy Tale Continues Grim Patron Reigns Supreme [TempoStorm]
(クリックで拡大表示)
参照リンク
PR May 2015 Week 1: A Wild Matchup Chart Appears! [Liquid Hearth]
PR May 2015 Week 2: Malygod and the Essence of Magic [Liquid Hearth]
PR May 2-15 Week 3: Hybrids and Dragons, Oh my! [Liquid Hearth]
PR May Week 4: Another Week of Patron Domination [Liquid Hearth]
▲Index
Summary
BRMで追加されたカードの中でDruidのデッキに定着したのはEmperor Thaurissanのみでした。新カードに触発されたデッキアイデアが試されるのも数えるほどで、まるで森の中に隠遁を決め込んだかのようにひっそりと話題にのぼらないシーズンを過ごしていたようです。
新カードがあまり試されない最も大きな理由は、既にDruidの構築はカードの入れ替えを検討するのが難しいほど完成度が高いことにあります。プレイヤー達から寄せられる高い信頼性に翳りはなく、現行のメジャーデッキに対して最も幅広く戦えるバランスの良いHeroであることは変わっていません。
しかし、展開の遅いデッキへアンチとして機能する役回りをOil RogueとPatron Warriorに奪われた今や、際立つほどの強みが無いのも実情です。
Control型デッキの減少、Tempo MageとZooの増加という懸念材料は増える一途にあります。最も手堅いと評価されていたはずがいつの間にか平凡な印象へと色褪せた昨年の夏、Naxxramasの悪夢がふたたび忍び寄りつつあるのでしょうか。
Deck Check
過半数を占めるMidrangeの構築は先月からほぼ変化は見られていません。Aggro対策としてのZombie Chowを抜くか、Shade of Naxxramasから新カードDruid of the Flameを試してみるかといった程度です。一部のデッキでは後半のTempoを重視してRagnaros the Firelordを加える例や、Ancient of Warを1枚仕込む工夫も見られます。デッキに空きを作るためForce of Natureの1枚落としも検討されていました。一方でSavage Roar / Force of Natureコンボを排したRamp Druidは様々なテックカードを組み込む余裕があり、Secret対策にKezan Mysticの採用が人気を集めています。
またRamp Druidでは、流行への対策ではなくデッキに種族シナジーを加えるという異なるアプローチも試されています。Beastでしょうか?いいえ、Dragon Ramp Druidです。Midrangeを意識して序盤を厚くするBlackwing Technicianや、テンポ獲得に優れたBlackwing Corruptorを投入する様々な試みがなされています。元々デッキに採用されていたAzure Drakeも一役買っていた様子。ただし、メジャーデッキとして認知されるにはほど遠いほどの注目度でありました。
Mech DruidとToken Druidも同様に一部で試されていますが、一般に支持を集めるには至っていません。
◆ Deck Spotlight
Fast Druid(Midrange)
Superdiogo's Druid of the Flame Druid [Metabomb]
WindpRabbits guide to playing Druid! Indepth on almost every druid deck played in todays meta. [reddit]
Comprehensive Combo Druid Guide [Hearthstone Players]
First Time Legend Post: My decklist, advice, and mindset to help you achieve it too. [reddit]
Ramp Druid
国内のトッププレイヤーcross7224 選手がAmericasサーバーで最速のレジェンダリー1位を達成 [Nemukejp]
From rank 5 to legend with 2x Kezan Ramp Druid [reddit]
AntiAggroDruid [Elite deck]
Dragon Ramp
[BRM] FF Lotsko Legendary Dragon Deck [Elite decks]
Legendary Dragon Ramp Druid [Hearth2p]
Legend with Dragon Ramp Druid [reddit]
Mech Druid
Mech Druid - May 2015 [Metabomb]
MissAggy's Legendary Mech Druid! [Hearthpwn]
Token Druid
Dr Weed - 80% Winrate Token Druid [Elite Decks]
[w3Blaine] Hobo Teacher (Tokendruid) (Full Guide) [Hearthpwn]
▲Index
Summary
FaceかMidか。長らく続いた二択の状況に転機が訪れました。死角から飛んできたボールのように予想外の驚きをともない登場したのは、Face HunterとMidrange Hunterの要素を兼ね備えた構築スタイル「Hybrid Hunter」です。
NAサーバーのプレイヤーProtohypeによって構築されたと言われるこのデッキは、シーズン中盤に登場してから瞬く間にTop Tierへと躍り出ました。当初はMidrange Hunterの亜種として捉えられ新たなデッキカテゴリーへの分類に慎重を期されていたものの、メジャートーナメントに出場した有力選手達が次々とこのデッキを採用したことにより、驚くほどの短期間にその地位を確立したものです。
マナコストを素早くダメージへと変換することに長けたFace Hunterと、Beastシナジーと相性の良い複数のギミックを備えたMidrange Hunter。この二つを融合させたといえば、まるで良いとこどりのようにも聞こえます。しかしデッキに入るカードは30枚が限度。どちらの長所も兼ね備えているように見えつつも、取捨選択が行われているのです。
Explosive TrapではなくFreezing Trap、Unleash the Houndsは1枚、HoundmasterとDr. Boomは削る。
どうやら現在の環境の中でこのカードチョイスが功を奏しているようです。そして今後カードを差し替えることにより天秤の比重を操作し、Metagameの変化に柔軟な対応をしていくことが出来れば第三の構築スタイルとして定着していくことでしょう。
Deck Check
先月のHunterは目まぐるしく構築スタイルの人気が移り変わっていました。シーズン序盤に雲霞の如く大発生するFace Hunterは見慣れた光景ですが、ランクが高くなるにつれMidrange Hunterに割合が傾きつつあったようです。これは4月シーズンにNAサーバーのLegendランク1位を一週間にわたって保持するという成功を収めたデッキ、EraのMidrange Hunterの影響が大きいものでしょう。ここ1,2ヶ月に見られるMidrangeの興味深い変化はBRM新カードQuick Shotの採用とExplosive Trapの1枚差しです。環境にZooとFace Hunterが氾濫している現在はSnake Trapよりも有効に作用しています。
そしてシーズンが折り返しを迎えた頃に現れたHybrid Hunter。上述しているように二つのデッキの要素をすべて同時に兼ね揃えることは不可能であり、この構築はMidrangeをベースとして不要と判断されるカードが入れ替えられています。
注目しておくべき点として、Houndmasterは採用されておらずBeast種族のシナジーはKill Commandのみに作用します。また、Unleash the Houndsはプレイヤー個々において1枚入れと2枚入れの差異が見られます。Mad Scientistと組み合わせるSecretはFreezing Trap。通常このカードはテンポの獲得に寄与するものですが、Hybrid Hunterにおいては序盤のミニオンを延命させさらなる攻撃の機会を増やしています。
そしてゲーム中盤のプッシュにSavannah Highmaneが2枚採用されているものの、Dr. Boomはデッキから抜かれました。通常のMidrangeデッキにおいてBig Game Hunterで返された場合はさほどの痛手ではありませんが、Turn7 Hunterよりも若干遅い程度の決着を目指すHybridにとってこのタイムロスは無視できないものです。
◆ Deck Spotlight
Face Hunter(Aggro)
[S14]lknightl #3 Legend + Videos [Hearthpwn]
Time to climb with Face Hunter [Youtube]
Midrange
Legend Mid-range Hunter Breakdown [Hearthstone Players]
Kolento plays mid-range hunter (#14) [Youtube]
Era's Midrange Hunter - May 2015 [Metabomb]
[S14] berserkci's legend rank Kel'thuzad Mid-Range [Hearthpwn]
Hyblid
Top 100 NA with newMeta Hunter [reddit]
Top 20 NA with Medium Rare Hunter [reddit]
Blackrock Mountain Deck Guide: Hybrid Hunter [Hearth2p]
Hybrid Hunter - May 2015 [Metabomb]
EU Legend#92 - Hybrid Hunter! [Hearthpwn]
Hybrid Hunter Write-up for those pushing for Legend [reddit]
Dragon Hunter
(Kripparrian) Dragon Hunter Actually Works? [Youtube]
Powered By G2A: Dragon Hunter Deck Tech with Gaara [Youtube]
Control Hunter
Gahz'rilla Control Hunter (74% Win Rate) [Hearthpwn]
▲Index
Summary
GvGから新たな環境に移行したことを最も象徴しているのがMageです。一世を風靡したMech Mageの存在感は希薄になりながらも、MageそのものはいまだDruidに比肩する人気を維持しています。拡張パック実装後の今年初頭にピークを迎え急速に支持を失っていったPaladinと対照的であるのは、幅広い構築スタイルにMetagameの変化が追い風をもたらしていることに起因します。まずZoo Warlockが環境に戻ってきたことはアンチとして機能するFreeze Mageの立場を約束しています。クラシカルなこの構築はさらに、Emperor Thaurissanを利用してカードプレイの可動域を広げることにも成功しました。
BRMのクラス専用新カードとして登場したFlamewakerはスペルを使用する度にランダムで打点を飛ばし、テンポ獲得と相手Heroへの追加ダメージとして活躍しています。Mech Mageのような特定シナジーに偏重したデッキでない限り、今後はアグレッシブなデッキからControlスタイルまであらゆるデッキにおいて重宝されるでしょう。
アグレッシブなデッキとControl型が併存し広く人気を保っているMageと対戦する際においては、序盤のカードプレイから相手の構築スタイルを看破することが重要になります。
とはいえ、Zombie ChowならGrinder Mage、またはMana WyrmならAggroかTempoであることを早期に判断できるケースもありますが、3ターン目以降のカードプレイを見るまで推し量ることが難しいのが現状です。
Mad Scientistはあらゆるデッキのキーカードとして機能しているため判別材料とはなりません。
付け加えて、デッキの性質毎に採用されるSecret Spellが異なる点も同時に把握しておく必要があります。
Deck Check
現行のMageに見られる構築スタイルの人気は広範に渡り分散しているようです。著名プレイヤーの配信やトーナメントの影響によりその時々で使われるデッキがころころと変わり、Mageとの対戦には頭を抱えた人も多いでしょう。いずれのデッキも厄介なSecretスペルを設置し対戦相手に難しい判断を迫っています。アグレッシブなデッキのMirror Entityは定番ですが、一部のTempo MageではCounterspellの採用も確認されています。
Aggroデッキでは旧来のMechベースの構築とFlamewakerを採用したSpell型に特徴が分かれています。注意すべきはSpare partカードもスペルカードなので後者のデッキにおいても有用であり、1ターン目にClockwork Gnomeが出てきたらかといってMechデッキと判断するのは早計に過ぎるケースがあります。
Freeze MageにおいてはAlexstrasza & Archmage Antonidasの典型的な構成がやはり主流。とは言え古典的なGiantとMalygosも試されており油断は禁物です。同時に、どのデッキもEmperor Thaurissanを採用しているため、このミニオンを1ターンで確実に処理する手段は常に残しておきましょう。
◆ Deck Spotlight
Aggro Mage
Top 100 NA legend with… Hyper Aggro Mech Mage [reddit]
Flamewaker Aggro Mage [Liquid Hearth]
Tempo Mage
Flamewaker Mage - May 2015 [Metabomb]
Flamewaker and the New Tempo Mage [Liquid Hearth]
Janos - Season 14 Rank 5-legend BEST Tempo Mage [Hearthpwn]
*Top 5 Legend* Yeti Tempo Mage by Pyrocrazy25 [Hearth2p]
Freeze Mage
Climbing the Ladder with Freeze Mage! [Hearth2p]
Legend Freeze Mage In-Depth Guide [Hearthstone Players]
Comal Giant Freeze Season 14 legend (80% winrate from rank 4 to legend) [Hearthpwn]
When playing as freeze mage, how do you value your different board clears? [reddit]
Grinder Mage
[S14 Top 100 Legend] Majordomo Grinder Mage [Hearthpwn]
Sneed's Old Shredder is the best card in the game.(Grinder Mage) [reddit]
StrifeCro's Grinder Mage - New version! Less dragons, more good cards #1 [Youtube]
Combo (or Echo Mage)
Mage Mass Explosion [Hearthpwn]
Hearthstone Mage Mass Explosion deck | Fireworks [Youtube]
Blackrock Mountain Deck Guide - OTK Dragon’s Breath Mage [Hearth2p]
Giant Echo Mage by TheKamsh [Hearth2p]
Top 30 EU Echo Mage In-Depth Guide ! [reddit]
Mech Mage
Mech Mage in the BRM Meta [TempoStorm]
Dragon Control
Dragon Control Mage [Top 100 NA] [reddit]
▲Index
Summary
GvG拡張パックのShielded Minibot / Muster for Battle / Quartermasterによって築きあげ盤石と思われたPaladinの立場は、BRM環境への移行にともない音をたてて崩れ落ちていきました。堅調なゲームメイクを得意とするPaladinの性質と、カードコンボで1ターン中に大ダメージを与えるコンボデッキが主流の環境が噛み合わないことに大きな理由があります。コンボやコントロールデッキに有効なプレッシャーを与えることが出来ないのは単純に火力不足というほか無いのでしょうか。
Savage RoarやBloodlustに類するスペルの1枚でもあれば状況は変わってくるのかもしれませんが、Oil Rogue ・Patron WarriorというコンボデッキがTier最上位に居座っている現在、PaladinがMetagameに存在感を示すのは難しい状況が続く見込みです。
Deck Check
Liquid HearthのPower RankとTempoStormのMeta Snapshot双方においてついに、伝統的なControl PaladinとBRMの新カードを特徴とするDragon Midrangeは評価対象外へと追いやられてしまいました。シーズン前半こそDragon Midrangeをプレイする姿もまだ見られたものの、Dragon種族シナジーへの夢破れたMidrange PaladinはGvGの構築に回帰しています。GvGでリファインされたMidrangeはBRMを経て陳腐化したわけではなく、Patron WarriorとHunterが氾濫するラダーにおいてただ相性が悪いというに尽きるものです。
興味深いところでは、シーズン中盤からAggro Paladinを使用するプレイヤーが散見されるようになりました。これに先立つHandlockの増加を受け、[TempoStorm] Reynadらの著名プレイヤーがストリーミングで使用した影響と見られます。
また若干ながら、旧来のControlデッキを再評価する動きも見られました。念頭に置かれるのはPatron Warriorを克服することにあり、GvGで活躍したKel'Thuzadはもはや候補にもなり得ません。Hero powerのTokenミニオンを盤面に復帰させても、Grim Patronの増殖を利するだけに終わるからです。
◆ Deck Spotlight
SMOrc Paladin(Aggro)
SMOrc Paladin with Reynad [TempoStorm]
StrifeCro's Aggro Paladin - New card "Argent Commander" #1 [Youtube]
Face Paladin Deck Tech with Gaara [Youtube]
Midrange (non Dragon)
Legend Watcher Paladin [Hearthpwn]
TOP 10 - EU - Midrange Paladin [Hearthpwn]
StrifeCro - R.I.P. Dragon Paladin dream #1 [Youtube]
#1 EU Midrange Paladin(Yes Paladin) [reddit]
Dragon Midrange
(StrifeCro) Hearthstone Dragon Paladin - Chromaggus in action #5 [Youtube]
Decklist spotlight: Trump's Dragon Paladin [GosuGamers]
[Spark] Dragon Master (S14 Dragon Synergy) [Hearthpwn]
Dissecting Dragon Paladin: How Viable Is It? [TempoStorm]
Dragon Paladin: How to Train Your Dragon Consort [BMK gaming]
Control Paladin
Revamp of an old deck: Control Paladin [Hearthstone Players]
Control Paladin! (High winrate!)(With gameplay video!) [Hearthpwn]
Creating a paladin to beat patron warrior - Deckbuilding thought process and explanation of tech choices [reddit]
▲Index
Summary
この一ヶ月の動向を見る限り、GvGに引き続きBRMの波にも乗り損ねたと判断せざるを得ないでしょう。専用Dragon種族のミニオンが追加されたにもかかわらず、新たな構築アイデアは注目を集めるに至っていません。新スペルResurrectは効果的に運用すればUnstable Portalにも勝るマナ効率を発揮するものの、既存のマッチアップ相性を改善するほどのインパクトに至らないようです。現在主流のLightbomb PriestとスタンダードなControl Priestはどちらも他のデッキに対して極端な相性差を抱えています。これを覆す戦術を確立するか、Metagameの風向きが変わらない限り低迷を脱することはできません。
ゲーム終盤に強力なカードコンボを具えたデッキに苦しめられるのはPaladinと同じ境遇にあります。ただし、ZooやHunterなどのアグレッシブなデッキがより勢力を伸ばしていけば、限定的ながら陽の目を見る機会は残されているでしょう。
Deck Check
Priestの主流デッキ二つはそれぞれ得意とする相手は異なりますが、どちらもPatron Warriorを代表するコンボデッキを不得手としており痛し痒しという具合です。スタンダードなControl型ではあまりカードの入れ替えは見られず、Weapon装備クラスがTier上位に存在するためHarrison Jonesも定着したままとなりました。そしてシーズン終盤に至ると、Controlの構築をベースとしてZombie ChowやVelen's Chosen、Lightbombを(大抵1枚)組み込む、いわゆるハイブリッドの構築が見られるようにもなりました。
一方で中国サーバー由来のLightbomb型では、日本人プレイヤーによるミニオンに比重を置いたバリエーションが注目を浴びました。Zooの増加に対してMind Control Tech、Taunt破壊のSludge Belcherなど流行への対処を組み込んでおり、わけても目を引くのはToshleyの存在です。Priestに熟練したプレイヤー達にはこのミニオンを採用する例が他でも見られていますが、Toshleyの生み出すSpare partカードが意外なほどにPriestのデッキにおいて用途を見出すことが出来るのです。
その他では再びMechやDragonの種族シナジーに着目した構築も試されています。しかし、元々カードコンボに依存しがちなPriestにおいて種族シナジーという組み合わせを上乗せすることは安定して機能するとは言い難いようです。
◆ Deck Spotlight
Standard Control
KOLENTO’S KPL FINALS CONTROL PRIEST [Topdecks]
ControlPriest Rank 5 ATM [Hearthpwn]
Lightbomb Priest
[#7 LEGEND] TaikiM13 Japanese Priest [Hearthpwn]
Japanese Priest to Legend - thoughts this season [reddit]
Dragon Priest
Zetalot's Season 14 Dragon Priest [Metabomb]
(Force Strategy Gaming) Dragon Priest Gameplay [Youtube]
Geargia's Dragon Priest Deck Tech by Gaara [Hearth2p]
Kripparrian - This Is Dragon Priest! [Youtube]
Mech Priest
85% winrate MECH PRIEST from rank 5 to legend [Hearthpwn]
Beatings Available [S14 Legend Mech Priest + Deck Guide] [Hearthpwn]
Mech Priest - May 2015 [Metabomb]
Combo
For anyone interested, here is my Prophet Velen combo Priest deck that helped me reach legend for the first time (great against warlock and hunter). [reddit]
▲Index
Summary
Oil Rogueの評価は高止まりにあるものの、どうやらMiracle Rogue以外のデッキが定着しなかった昨年と同じ道を歩みつつあるように見えます。BRMの新カードDark Iron SkulkerとGang Upはデッキ構築のアイデアを刺激し一部で成功を収めました。しかしViagame house cupの結果を見れば一目瞭然。Rogueにいま求められるのは強烈なカードコンボを武器とするOil Rogueだけなのです。デッキバリエーションに乏しいのはさておき、Rogueを取り巻く環境は好ましく推移しています。現在の環境トップに踊りでたPatron WarriorはOil Rogueにとって不利な相手ではありません。カードドローに依存する点は共通するものの、カードドローに必要な手数とカードコンボ抜きのミニオンベースで比較すればRogueに若干の分があるようです。最も大きな効用として、天敵であったControl Warriorから人気が移っている点も見逃せません。
そして忘れてはならないHunter。Tauntミニオンを採用しないノーガード戦法のOil RogueはFace型のアグレッシブなデッキを苦手としています。しかし今季はHybrid Hunterが大流行となりました。Midrange帯へ寄せた分だけ攻めの鋭さは鈍り、Rogueに反撃へと転じる余裕を与えています。さらに、Sap2枚入れが定番のOil RogueにとってSavannah Highmaneは脅威とはなりにくいのです。
イージーゲームと嘲笑うHunterとのマッチアップが改善されたことにより、Oil RogueはいまだTier1の座を保持しています。そして今後もPatron Warrior ・Huinterに次ぐ地位を維持していくと期待されます。
不安要素として挙げるべきか疑問ですが、トッププレイヤー達から寄せられる高い評価にも関わらず、Oil Rogueをプレイする人口はGvG実装をピークに減少し続けています。この点においても昨年のMiracle Rogueと奇妙な一致を見せています。
Deck Check
Oil Rogueの変化はシーズン序盤にDark Iron Skulkerが試された程度かと思いきや、従来のスペルヘビーからミニオンに比重を移した構築が目立つシーズンとなりました。最も支持を集めたMrYagutの構築ではEdwin VanCleefが復活しPiloted Shredder / Sludge Belcherなど手堅く盤面をとるミニオンが採用されています。この2体はDeathrattleアビリティによりボード上にミニオンを残しやすくなるため、除去としてまたはAggroから身を守るためにスペルカードとは異なるアプローチとして活用されています。またDr. Boomについては、ただ単にアンバランスに強力だからデッキに加えただけとのことです。
Oil以外に目を移せば、Rogue本来のテンポコントロールに長けたMidrangeの構築としてDragon種族シナジーを加えたデッキが継続して試され続けています。ただし、一般に認知され市民権を得るにはまだまだ道のりは遠いように見受けられます。
◆ Deck Spotlight
Oil Rogue
[Legend] Skulker Rogue - Full Guide [Hearthpwn]
Mryagut Rogue [Hearthpwn]
A Short Guide - FireBat's Oil Rogue - How To Oil Rogue! fixed [Youtube]
Dragon Midrange
Midrange Dragon Rogue [Hearthpwn]
Tempo Dragon Rogue [reddit]
Sanic Tempo Rogue! Now with guide! [Hearthpwn]
Dragon Rogue *LEGENDARY* [Hearthpwn]
Combo
Top 23 Legend Malygos Rogue Guide [Hearthstone Players]
▲Index
Summary
ネガティブな印象を拭い去ったとは言い難いものの、4月シーズンと比較してShamanは試される機会が僅かに増加していたように見られます。現在の主流デッキはアグレッシブなMech Shamanと基本に忠実なMidrangeの2種類。かつて大きく差を付けられていたMageのMechデッキが人気を失いつつある中で、Shamanの構築が息長く続いているのは興味深い現象です。ただしZooの人気が復活したことはMech ShamanがTier上位へ食い込むことを阻害する要因となっています。
やはり本命はMidrangeなのか、5月中はMid Shamanの構築でLegendランク帯での成功を報告する声がいくつも聞こえてきました。Hunterとのマッチアップには依然として苦しめられつつも、流行の変化を読むことで高い勝率を確保することも不可能ではないようです。
Shamanに指摘されている問題は、アグレッシブなデッキを使う場合に効果的なカードドローに欠けていることがまず第一にあります。
第二の問題はOverload。マナコストを前借りして同じターンでも相手を上回る効果を享受するというこのシステムは、実際のところShamanのカードプレイに不自由を強いています。BRMの新カードLava Shockが実装されたことは大きな一歩かもしれませんが。
最後に足りないのは初期の盤面を確保するための手段です。ShamanがZombie ChowやHaunted Creeperをデッキに加えざるをえない理由はAggro対策が一つにあります。そしてもう一つの理由は、Flametongue TotemなどのShaman専用カードは盤面を保持していなければ効果的に作用しない点にあります。
Deck Check
今シーズンのMech Shamanには高い割合でFel Reaverが採用されています。相手のカードプレイ毎にデッキから3枚ディスカードという凄まじいデメリットのミニオンですが、Mech Shamanは非常にアグレッシブなデッキであるため致命的な問題とはなり難いのです。さらに相手がこのミニオンに適切な対処が出来ない場合、Doomhammer / Rockbiter Weapon / Crackleと、Shaman特有のバーストダメージが追撃しヘルスをあっさりと削り切るため大きなプレッシャーを与える事ができます。またMech Shamanと相対する場合、最近のデッキに必ず一枚だけ差し込まれているEarth ShockをFel Reaverに撃ちこむというプレイの余地も存在するため油断は禁物です。
ゲーム序盤に盤面を置くZombie Chow / Haunted Creeper、ボード上のミニオンを壁に変えるDefender of Argus、除去スペルと終盤のミニオン。Midrangeの構築は今のところ共通した戦略に則ってベストなバランスを模索する過程にあるようです。
BRMの新カードLava Shockを活かすためOverloadに傾注した構築を試すプレイヤーも散見されました。興味深いところでは、NAサーバーのプレイヤーChanceryはFireguard Destroyerを組み込んだデッキでLegendランク10位以内を達成しています。このミニオンはPiloted Shredderと比較してより優秀なものでしょうか。EUサーバーでLegendランク25位に食い込んだSteefの意見では、盤面に残りやすくOverloadの発生しないPiloted Shredderのほうが現在の環境に適しているとのことです。
◆ Deck Spotlight
Mech Shaman
Gaara's Mech Shaman - BRM free deck, but still viable! [Hearth2p]
TOP 10 EU Shaman mech [Hearthpwn]
Mech Shaman - May 2015 [Metabomb]
Midrange
What's Hurting Shaman [Liquid Hearth]
Legend tempo shaman with Lava Shock and Fireguard Destroyer [updated decklist] [reddit]
The Worst Deck in the Format: Top 10 NA with Midrange Shaman. [reddit]
[Top 25 EU] Steef Midrange Shaman [Hearthpwn]
[ Top 10 Legend NA] Chacery's Midrange Shammy Reborn [Hearthpwn]
[Top 25 EU] Midrange Shaman with stats from 100 games [reddit]
High Legend Bloodlust Shaman [Hearthpwn]
Mid-Control
You said shaman is worthless... You said shaman can't ladder... I disagree. Introducing Stallshaman. [reddit]
Thijs' anti-HHandlock/Freeze Mage - HouseCup #3 [GosuGamers]
▲Index
Summary
完全復活を果たしたWarlockは5月シーズンも勢力を伸ばし続けています。ラダーキングの座をHunterから奪回するまでは至らないようですが、プレイ人口ではすでに僅差に迫っているでしょう。再起の原動力となったのは言うまでもなくZooとHandlockの二大構築が人気を取り戻したためです。HandlockはZooに対してのアンチとして機能しプレイヤーを増加させていくため、二つのデッキは同時に回り続ける車輪のような関係にあります。Zooという駆動輪が力強く回転し続けていくならば、今年もWarlockの勢いが衰えることは無いでしょう。
さらに5月シーズンはPaladinとPriestを尻目にDragonシナジーを加えた構築で大きな成功を収めています。これまでカードコンボに特化したWarlockの構築ではChargeミニオンを主体とするバーストダメージが主流でした。マナコスト低下をもたらすEmperor Thaurissan、そしてDarkbomb / Soulfireのダメージを大きく底上げするMalygosにより、スペルダメージの強烈なコンボデッキは新たな構築スタイルとして定着するほどの勢いを見せています。
Deck Check
Doomguard以下のマナコストに抑えたアグレッシブなZooの構築はもはや時代遅れなデッキとして見向きもされないようです。UndertakerのnerfによってDeathrattle Zooの脅威は半減し、メジャーデッキのほとんどがAoEを仕込んでおり、さらにこの一年間でPiloted ShredderやSludge Belcherのような場残りの良いミニオン(いわゆるスティッキー)が多数追加されました。またそれ以上に、Demon種族シナジーが強化されMidrangeに寄せたZooと素晴らしい相性を発揮しています。現在主流であるMidrange Demon Zooでは必ずと言ってよいほどVoidcallerとDoomguard / Mal'Ganisのコンビネーションが搭載されており、オプションとしてはImp-losionからのSea Giant、またはBane of Doomも脚光を浴びています。このカードはかつて召喚されるDemon種族がClassicだけに限られていましたが、BRM実装に伴い全てのDemon種族ミニオンが場に出るよう修正されています。
Zooが増加したカウンターとしてHandlockに人気が集中するタイミングも幾度か見られましたが、4月シーズン同様にクラシカルな構築に留まっていました。様々なバリエーションが試されたのはDragon種族シナジーを加えた新たなControlスタイル、Dragon Warlockです。
BRM実装前の予想に反して、Dragon種族シナジーはLife Tapによって手札を潤沢に保つWarlockというクラスにおいて最も有効に機能しています。構築の型は実に様々に及んでおり、ベースとなるのはHandlockかDemon Control Warlockのデッキを換骨奪胎してDragon種族に特徴付けたものとなっています。中でもシーズンを通じて最も支持を集めたのはnerfによって忘れ去られていたSoulfireを再び採用し、Emperor Thaurissanのマナコスト低下とMalygosのバーストダメージを繰り出す「Malylock」でしょう。
他方でトーナメントにMurlock Warlockを持ち込むプレイヤーや、かつてのMiralockを彷彿とさせるOTKの構築まで多種多様なデッキを見ることができました。
◆ Deck Spotlight
Zoolock
Hobgoblin Warlock Legend (last two seasons) [reddit]
Midrange Zoo(Demon synergy)
Sigma's Midrange Zoo Streak to Legend! (Guide included!) [Hearthpwn]
SAVJZ’S KPL W.9 MIDRANGE DEMON ZOO [Topdecks]
The Constructive Corner: The Kamsh Coaches Toobad through the ladder - Zoolock [Youtube]
Adapting to the Ladder #4 - Zoolock [TempoStorm]
Top 25 NA DemonZoo, Your Soul Shall Suffer! [Hearthstone Players]
Top 25 NA with DemonZoo [reddit]
Midrange Demon Zoo [Metabomb]
Dragon Warlock
[S14] Dragonlock [Hearthpwn]
Soulstice's S14 Dragonlock 70% winrate [Hearthpwn]
Dragons & Demons (Full Guide + Mulligans) [Hearthpwn]
Deck of the Week: Dragon Warlock [BlizzPro]
Gwens Dragonlock [S14 Legend] [Hearthpwn]
I reached Legend on EU playing Dragon Warlock with Twisting Nether [reddit]
Deck Spotlight: The Malygos Warlock [GosuGamers]
#1 Legend' Dragon Warlock [Hearth2p]
Handlock
From legend 3700 to top 200 EU with watcherless Handlock: Story, Deck Discussion and Guide [reddit]
Dog's Handlock – May 2015 [Metabomb]
Hitting Legend with BRM Handlock [Hearthstone Players]
Murloc Warlock
MurLock Madness: The Power of Murloc Warlock In BRM [Hearthstone Players]
[S14]Legend Top 11 Control Murlock [Hearthpwn]
Combolock
一撃必殺! 中国サーバーのレジェンダリー72位に到達したOTK(ワンターンキル) Warlock [Nemukejp]
[Surprise Madafaka]ComboLock [Hearthpwn]
Top 20 Legend NA Combolock Guide [reddit]
Demonlock
[S14] Demonology Warlock [Hearthpwn]
[S14] Sigma's Demonhand Bulldozer! [Hearthpwn]
▲Index
Summary
「Everyone, get In here!」の掛け声で仲間を呼ぶGrim Patronは、ゲームに追加された当初BRMを象徴する愉快なギミックとして楽しまれていました。笑っている場合ではないと皆が気付き始めたのは4月シーズンの後半。このカードを採用したWarriorのコンボデッキが環境TOPの構築へと昇華することまでを予測できた人はいたのでしょうか。5月シーズン開幕時にPatron Warriorを用いてEUサーバー最速のLegendランクへと到達した[Archon] XixoはTwitterにて、Grim Patronは可及的速やかにnerfが必要と述べました。この意見が大仰ではなかったことを証明するかのように、Liquid HearthとTempoStormのMeta分析では今シーズン通じてNO1の地位に君臨し続けています。
もちろん、Grim Patronというカードそのものが問題を抱えているわけではありません。Dr. Balancedと異なりWarriorのコンボデッキ以外での成功例が無いことからも明白です。Warrior特有の自軍ミニオンにもダメージを与えるAoEと、ダメージを受けることにより発動するアビリティという歯車が絶妙に噛み合った結果成立したのがPatron Warriorです。
開発チームはインタビューにおいてGrim Patronがここまで脅威に成り得るとは予想していなかったと述べていますが、狙って実装したのでなければ奇跡に近いでしょう。かねてよりWarriorにはControl以外の構築が求められていないのを問題視する声がありました。この状況に変化をもたらすため素知らぬ顔でゲームに追加されたように訝ってしまうところですが、今後Blizzard側がnerfに踏み切るとしてもバランス調整の塩梅が難しく難航するのではないでしょうか。
ともあれ、Grim Patron Warriorはラダーとトーナメント双方におけるトップメタとして5月シーズンを完走しました。アンチデッキの最右翼として名前を挙げられるのはWarlock HandlockとControl型のWarrior自身です。自らの手でPatron Warriorの独走を食い止めることが出来るのか、6月の展開を注視しておきましょう。
Deck Check
Patron Warriorは多岐にわたるカードコンボの可能性が組み込まれた特殊なデッキです。性質としてはMiracle Rogueにほど近く、カードコンボで恐ろしいほどのアドバンテージを短期間に稼ぐことが出来るものの、得てしてコンボ向きのカードは単体性能が低いためマナクリスタルに沿ってミニオンを召喚するオーソドックスなカードプレイを行っても勝ち目はありません。コンボを起動するためのカードは同時に盤面の除去としても作用し、ゲーム序盤からの組み立てはカードドローに傾注しつつ相手の脅威を排除することとアドバンテージ獲得の機会を窺っていきます。4月シーズン中はかなり荒削りな印象でしたが、デッキの中核を成すカードとオプションとして加えるカードの線引が行われたことにより、Metagameの変化に適切に対応する柔軟性を持つデッキとして洗練されていきました。
数多くのデッキガイドと著名ストリーマー達の配信、トーナメントの影響によって爆発的に普及しPatron Warrior一色のシーズンになるかとも思われましたが、Warrior自身の定番デッキであるControl Warriorがアンチとして機能することが判明しバランスを保っています。
序盤の展開がよく似た二つのデッキが併存する状況は、Warriorと対戦する場合において相手のデッキを判別するのを難しくさせるという問題をもたらしています。自分でWarriorを使うつもりがなくとも、判別材料となるカードをきちんと把握しておくべきでしょう。
今シーズンのControl Warriorに見られた傾向としては、Zoo / Handlock / Patron Warrior / Hunterの上位デッキへの対策としてBrawlを2枚投入する構築が支持を集めていました。新カードRevengeやHarrison Jonesをオプションとしてチョイスする例もありつつ、デッキに採用されるカードはほとんど変化していません。
そもそも1年以上をかけて磨き上げられてきたデッキであるため変化に乏しいのは当然ですが、驚くべきことにDragon種族を組み込んだ構築が一定の成功を収めています。Dragon種族のシナジーと言えるようなカードは今のところBlackwing Corruptorのみですが、GvGの環境で採用されていたBomb Lobberと比較するとDragon Warriorに秘められた将来の可能性が垣間見えるでしょう。
Hearthstoneのカードすべてに共通する基本をおさらいしましょう。単体で機能するカードはカードシナジーに特化したカードよりも単体性能を比較した場合優秀であり、後者はカードシナジーを引き出すことが出来れば単体で機能するカードを上回る性能を発揮します。
そしてシーズン終盤には久方ぶりにAggro Warriorの活躍を見る機会もありました。ZooやPaladinとのマッチアップを克服することはいまだ叶わないようですが、Hunterなどラダーで数多く用いられるデッキに対して意外なほどに高い勝率を稼いでいたようです。
◆ Deck Spotlight
Patron Combo Warrior
How to Get in ? [Luna Side Base]
パトロンウォリアー色々 [Luna Side Base]
Deck of the Week: Grim Patron Warrior [BlizzPro]
Xixo選手がGrim WarriorでEuropeの最速レジェンダリーランク1位を達成 [Nemukejp]
Finished #3 Legend NA last season with Grim Patron Warrior (matchups and mulligan analysis) [reddit]
Card Choices in Patron Warrior [Liquid Hearth]
*#1 Legend* Grim Patron Warrior by Th3RaT [Hearth2p]
ガイド: KolentoによるGrimウォーリア解説 [Read2Win]
[Justsaiyan] #1 NA with Patron - #5 in Blizzcon points - Deck list, Deck explanation and Coaching [reddit]
Sjow on How to Mulligan with Patron Warrior [Liquid Hearth]
81% winrate into legend with Grim Patron Warrior [reddit]
Standard Control Warrior
Legend Control Warrior May 2015 [Hearthpwn]
Celestial Jasonzhou EU #1 Control Warrior Guide: Heaven is leftwards, Warrior is rightwards [Hearthpwn]
Odemian's Number 1 EU Control Warrior [Hearthpwn]
First Time Legend with Control Warrior (With Stats) [reddit]
Dragon Control Warrior
勝率90%で中国サーバーレジェンダリー1位! プロの編み出したDragon Warrior [Nemukejp]
Chinese Deck Snapshot#2:Nefarian Dragon-Control Warrior [Nemukejp]
Dragon Control: A Fiery Take on Control Warrior [TempoStorm]
Aggro Warrior
Deck of the Week: Warrior Aggro [BlizzPro]
Off-Meta Decks & First Time Legend With Face Warrior [reddit]