Ranked Play Season #7 October 2014
Index
▼ Overview▼ Druid
▼ Hunter
▼ Mage
▼ Paladin
▼ Priest
▼ Rogue
▼ Shaman
▼ Warlock
▼ Warrior
【重点事項】
このMeta Reportは海外サイトのガイド記事やトーナメント、ラダーのストリーミング等を参考に記述しています。当ブログ管理人の観測範囲内における情報と印象を基にしているため、実状にそぐわない面も多々あろうかと思います。その点はご了承下さい。
Hearthstatsシーズン統計
➥ [Hearthstats] October Report
◆ 過去のMetagame Season Report
➥ [メタる] State of the metagame
▲Index
Overview
Game of Death
1ターン目からのマナカーブに沿ったミニオンドロップがこれほど重視されるのは昨年にArgent Squireが評価され始めた時期以来かもしれません。
Undertaker or Zombie Chowに始まり2マナのHaunted Creeper / Loot Hoarder / Mad Scientistを続けてドロップ、各々のクラスの理想的な3マナプレイへと繋ぐ展開は8月・9月にいやまして数多度と見られるものでした。今回のMeta Reportでは各クラスがDeathrattleアビリティのミニオンをどのように取り入れているかも一通りチェックしておきます。
さて、拡張版「Curse of Naxxramas」の追加カードがDeathrattleアビリティの有効利用に焦点をあてたものであったことからも、現状のMetagameを鑑みるに開発チームの狙いはひとまず成功したと評価できるでしょうか。追加カードのもたらしたインパクトは過去にない戦略を生み出しアビリティとシナジーの戦略性を掘り下げ、そしてMetagameにおけるHero達の人気にも影響を及ぼしました。
特筆すべきは長らく最底辺を漂っていたPriestの地位をラダーとトーナメント双方で浮上させたことです。プレイヤー達の戦略が煮詰まりHeroの序列が固定化してしまうことがないように、今後も追加カードによってユーザーを楽しませる変化が訪れることに期待しています。
The Undertaker
WWE(旧WWF)が誇る伝説的な怪人プロレスラーの話じゃありません。ストーン・コールドを磔にしたり自分が棺桶に放り込まれ燃やされたりと、悪魔じみたエンターテインメントにより地獄の墓堀人と呼ばれた彼のリングネームと同じ名前がわたしの世代にはノスタルジーを誘います。
Undertakerの召喚ボイスは「Bring out your dead」、14世紀頃のヨーロッパで大流行したペスト(黒死病)は多くの人命を奪い、病魔に侵され死亡した人々の遺体を収集する運搬人達がこの定型句で呼びかけながら街から街へと往来していたそうです。Hearthstoneにおいてこのセリフを耳にしたら、タダでは死なないDeathrattleアビリティのミニオン達が後を続いてくると考えるべきでしょう。
今回スポットを当てるのはNaxxramasの実装後から徐々に評価を上げていった追加カードのミニオン、Undertakerです。1 ATK1/Health2のミニオンが旧来のMetagameに楔を打ち込むことになるとはどれほどの人が予想できていたでしょうか。
Deathrattle発動のアビリティを持つミニオンを召喚するたびに自身にATK+1/Health+1の補正を加え続けるという、他のカードと組み合わせることが前提のこのミニオン。Questing Adventurerと比較してみると、Deathrattle持ちのミニオンカードをプレイした時のみという強烈な制限がかかっています。
カードテキストを見比べれば明らかに劣るものですが、Undertakerは制約との引き換えに1マナコストでヘルスが2という性能を与えられました。使用状況が限定されるほどアビリティの効果やミニオン自身のステータスが優遇され、他のカードとのシナジーにより特化していくのはこのミニオンに限った話ではありません。
Undertakerとのシナジーを期待してデッキに組み込まれるNeutral Minionの定番はLeper Gnome、Zombie Chow、Haunted Creeper、そしてLoot Hoarder等です。
Deathrattleアビリティによりカードを1枚ドローするLoot Hoarderに着目してみましょう。ヘルスが1しか無いため対戦相手のHero Powerにより容易に処理されやすいのですが、Undertakerの登場によりデッキへの採用率が格段に上昇しています。
(Turn 7 Hunter / Zooを除く)1ターン目はお互いにプレイ無しでパスするかつてのMetagameにおいて、このミニオンはHero Powerで処理された場合お互いにリソース、テンポの変動なく3ターン目へと進行し、良くても相手の2マナドロップと相殺し手札のアドバンテージを一つ得るだけのポテンシャルに留まっていました。新たなカードの追加が既存カードの性質を補完し、評価に影響を与えるひとつの例と言えるでしょう。
来月に予定されているエクスパンション「Goblins vs Gnomes」では120種類もの大量な新カード実装を予定していますが、見るべきものは目新しさだけではなく既存カードと生み出すシナジーの可能性にもあります。
「Goblins vs Gnomes」参照LINK
Card Sets Goblins vs Gnomes [Battle.net]
Goblins vs Gnomes 追加予定カード [Read2Win]
BlizzCon 2014 公開情報 [dojo]
World Championships
賞金総額25万ドルの公式世界大会「Hearthstone World Championships」が今月11月初旬に開催され、シーンはひとつのピークを迎えました。
昨年8月15日にクローズドβが始まったHearthstoneはこれまで数多くのバランス調整が行われており、7月には新カードの追加があり、そして開発チームの想定すら超えるプレイヤー達の研究と実践の積み重ねにより結実したものです。
今年12月には「Goblins vs Gnomes」の拡張が行われる予定(Coming soon...じゃなしに)なのでゲームは再び大きな変化を迎えることでしょう。開発チームとプレイヤー達のシナジーが練り上げていくMetagameの進化は留まることはありませんが、ひとつの区切りとしてWorld Championshipsのデッキリストをチェックしておきたいと思います。
BlizzCon 2014 World Championships Deck Lists [Hearthpwn]
Class Breakdown | |
Warlorck | 14 |
Shaman | 10 |
Hunter | 9 |
Priest | 9 |
Rogue | 7 |
Warrior | 7 |
Druid | 5 |
Paladin | 2 |
Mage | 1 |
各リージョンの厳しい予選を勝ち上がった16名のほとんどがWarlockを選択していたことは驚くにあたらないでしょう。相手がカードの配分に恵まれ適切な対処が出来なければ押し切ってしまうZoo、そして天敵であるFreeze MageやAggro Paladinが環境から消えたHandlockは再びトーナメントにおいて信頼性の高いコントロールデッキとして台頭しています。
ラダーにおいてトップメタに位置するHunterの採用率が第三位に留まるのは意外かもしれませんが、裏を返せば最も”メタられやすい”存在として嫌う傾向があるかもしれません。もちろん、9月22日に実施されたStarving BuzzardとLeeroy Jenkinsのnerf調整の影響もあるでしょう。ただし、Deathrattleシナジーを取り込んで罠とBeastによりアドバンテージを稼いでゆく今のHunterに対しては、明確なカウンターと言えるほどのさしたる対処が多く存在しないのも事実です。
また、プレイヤーの所属リージョンに目を向けてみると中国/台湾の代表8名のうちたった3人しかHunterを採用していないことからも、リージョンの違いによるMetagameの傾向が現れた結果という側面もあるようです。
nerf後のHunterメタに翳りが見えたところで再び浮上してきたShamanは2つの理由によりWarlockに次ぐデッキ採用率となりました。ひとつはHandlock等のコントロールデッキに対して適切な対処が可能であること。もうひとつは強烈なバーストダメージの可能性を複数備えたBurst Shamanの流行です。10月中旬に開催されたSeatStory Cup IIで優勝を飾ったSavjzは、TeamCoastGamingのChakkiが構築したDouble Doomhammer Shamanを用いて10-0という驚異的な勝率を叩き出しています。
参照LINK
10月16日~19日開催のオフライン大会「SeatStory Cup II」の大会動画とデッキリスト [Nemukejp]
そして第二Tierに並ぶのがPriest、Rogue、Warriorという数ヶ月前には予想もしえなかった面々です。正式サービス開始前後にAggro Hunterへのカウンターとして最も高い信頼性を誇ったWarrior、5月~6月シーズンにかけて頂点に君臨していたRogueが頂点争いから一歩後退し、なんとPriestが並び立っています。ラダーにおいてはDeathrattle Priestのブームも下火となってしまいましたが、コントロールデッキがトーナメントにおいては返しのHeroとして有力な候補に挙げられたものでしょう。
トーナメントというフォーマットのもとに選ばれるデッキとは基準が大きく異なりますが、ラダーのMetagameを反映した順当な結果であったように思います。今後の追加カードによってWorld Championshipsという節目のあとにどんな変化が見られるのか楽しみにしておきましょう。
▲Index
長きに渡りWarlockに次ぐラダー人気を保持していたDruid。残暑の名残とともに緩やかに下降していったこのHeroが、かつての勇姿を取り戻すには今しばらくの時間を必要とするようです。雄大な自然を思わせる頼もしさで多くの支持を獲得していたDruidをラダーで見かける機会がここまで減ってしまったのは一抹の寂しさを覚えますが、World ChampionshipsのAmericas(NA)リージョン予選においてはWarloc Zooと並ぶ高い勝率を挙げることにより、このHeroがいまだ健在であることを見せつけました。
プレイオフでDruidを用いて鮮やかに3連勝を遂げたTeam IHearthU所属Dtwoのデッキをまずチェックしてみましょう。
BlizzCon NA Regionals Playoff: Deerjason vs DTwo (06.10.2014)
序盤のキーカード、Innervate / Wild GrowthによるマナブーストのRampスタイルに定番コンボForce of Nature / Savage Roarを採用した通称Fast Druidは10月シーズンのラダーにおいてもDruidプレイヤー達に数多くプレイされました。以前の流行におけるArgent CommanderをSpectral Knightに、Harvest GolemをShade of Naxxramasに差し替えたものが今風となっています。
Shade of Naxxramasの効用については前回の記事の中でも触れましたが、Spectral Knightの有用性もようやく陽の目を見てきたように思います。「Curse of Naxxramas」実装以前は最も期待度の高いミニオンであったはずが、8月以降の芳しくない評価はInnervate / Wild Growthを備えるDruidの停滞と無関係ではないでしょう。
デッキバリエーションとしてEUサーバーのKolentoはHaunted CreeperをSunfury Protectorと交換し強固な盤面を築いています。
◆ Deck Spotlight
DTWO’S BLIZZCON 2014 NA QUALIFIER RAMP DRUID [Topdecks.com]
Deck of the Week #34: Kolento Druid [BlizzPro]
Beating Rogue/Warrior in Tournament play: Gaara's WCA Druid Deck Tech [Youtube]
Naxxramas実装後に数々のデッキアイデアが期待されていましたが、最もポピュラーなRamp Druid以外は10月もそれほど成功を収めてはいませんでした。その中で健闘していたTokenデッキをひとつ挙げておきましょう。
非常に不謹慎なデッキネームではありますが、Deathrattleシナジーを取り込んだ興味深い構築となっています。Naxxramas実装直後に注目を集めていたTokenデッキと比較してみるとその特異なプレイスタイルが見えてくるでしょう。
◆ Deck Spotlight
hyfr0's ♦ EBOLA TOKEN DRUID ♦ [Hearthpwn]
▲Index
Starving Buzzardのnerfを経てなお強烈な存在感を保つHunterは、10月シーズンを通じてデッキの構成が複雑化し更に厄介な対戦相手へと成長を遂げました。カードドローコンボが著しく弱体化されたためコントロールデッキ相手に後半息切れする場面が見られるものの、Deathrattleという毒を含んだ鋭い牙をPriestのShadow Madnessのように首尾良くいなすことが出来る手段はごく限られています。
とりわけこのHeroと相性の良いMad Scientistが生み出すシナジーは10月シーズンも対戦相手たちにプレッシャーを与え続けていました。設置されるSecretはランダムですが、実質的にATK2/Health2の2マナドロップによってカードを一枚引き、そのカードを使用するコストまで帳消しとなります。さらに相手にとってはMad Scientistを処理してSecretを設置させてしまうかが非常に悩みどころとなります。不用意に攻撃をしかければEaglehorn Bowの耐久値を回復してしまうことが懸念のひとつ。
そして設置されるSecretの種類もその後の展開を大きく左右し、自身のMinionをFreezing TrapでバウンスされるかExplosive Trapによって全体2ダメージのAoEに灼かれるか、もしくはSnake Trapで3体のBeast Tokenを相手の盤面にくわえてしまうことになります。
HunterとのマッチアップにおいてはこのSecretによるアドバンテージを極力最小化しなくてはなりません。Mad Scientistを放置するのも一つの手ですが、相手のフェイスを殴り続けるAggroデッキが再びラダーに還ってきたことが1,2ターンで積み重ねられる序盤のダメージを無視できないものとしています。さらに、Deathrattleシナジーによってこれまで性格の分かれていたAggroとMidrangeスタイルが融合を始めたためHunterの対戦相手達はより悩ましい状況に陥りました。
ここではまず10月シーズンに流行したデッキの差異をチェックしておきましょう。
◆ Deck Spotlight
Forsen's Hunter - Battle of the Best #1 [Hearthpwn]
No Counters FAST Legend [Hearthpwn]
JBFletcher's Hunter Sligh #1 Legendary [Liquidhearth]
現在流行のHunterデッキは共通するキーカードを軸として、Face Aggroに寄せるかMidrangeに構えるかの差異を見せています。4月5月に隆盛したMidrange Hunterといえば武器有り罠有り型と武器無し罠無しのBeastシナジー特化型に分かれていましたが、いま用いられるデッキにおいて後者は皆無。純正のBeast HunterはDeathrattleシナジーと親和性が少ないこと、Starving Buzzardのnerfによりリソースの面で弱体化されたこと、一方でEaglehorn Bowと複数のSecret SpellはMad Scientistにより更なる一貫性を与えられたことが要因となっています。
採用されるカードの細かい差異も注目しておきましょう。Undertakerとの組み合わせにより最序盤にプレッシャーをかけ、さらに1マナで確実に2ダメージ以上を期待できるLeper Gnome、Haunted CreeperやSnake Trapとコンボを期待できるKnife Juggler、類型としてのDire Wolf Alphaも目を引きます。
Aggro寄りでは相手のTauntを無効化し(とりわけSludge Belcher対策として)リーサルダメージを叩き込むIronbeak Owl / The Black Knight、相手のコントロールスペルを1ターン封じて王手を詰めるLoathebが採用されています。少ない例ですがCult Masterにより盤面のTokenを犠牲としてカードドローを行うデッキも存在します。
最後にもう一点、Starving Buzzardとのコンボが大幅にnerfされ一時期デッキから抜かれていたUnleash the Houndsが再びピックされています。Hunter's Mark / Scavenging Hyena / Knife Juggler / Dire Wolf Alpha(Timber Wolf)等のコンボを警戒しておくべきでしょう。
Hunter Meta
Hunterが現状において最も警戒すべきHeroであることは改めて言うまでもないでしょう。Undertakerゲーと言って差し支えない展開をPriestと共に造り上げたHunterに対してプレイヤーからは不満の声も挙がるようになりました。
My SeatStory decklists. The hunter sucks but it did draw a lot of bans still... pic.twitter.com/SUxqTMAPI5
— Janne Mikkonen (@LiquidSavjz) 2014, 10月 19
開発チームに対するゲームへの要望は常に声を大にして届けていくべきですが、いま目の前にある状況へは自分で対処するほかありません。また、プレイヤー自身の創意工夫でMetagameをひっくり返していくことはBlizzardがプレイヤー達に期待しているところでもあります。
Hunterをとりまく環境をいちど整理しておきましょう。
The Meta Report #40 [IHearthU]
IHEARTHUのMeta Reportに掲載されたこの画像は各Heroの流行デッキとHunterに対する相性を示しています。(プレイヤー各人によって印象はことなるところでしょうが)
Secret Mageはその戦略がFlare1枚によって瓦解するため最も相性の悪いマッチアップに挙げられるでしょう。自らのヘルスを削りハンドを蓄えるコントロールデッキ、Handlockは頼もしいTauntミニオンを盤面に置きHunterがそれを処理する手段を手札に引けていないという、余程都合の良い状況でなければ著しい不利が付きます。
Hunterとのマッチアップに不利であると一般的に考えられているShamanですが、Midrangeに対しては旧来のコントロールデッキがHunterの繰り出す序盤のミニオンラッシュと中盤のSludge Belcher / Savannah Highmaneを難なく処理できるため、実際のところはさほど有利不利が付かないようです。
Hunterとの対戦で黒星を重ねてしまいラダーで停滞している場合はPriest、そしてWarriorのコントロールデッキの使用が推奨されています。
◆ Deck Spotlight
Rank 5 to Legend Priest Control [Hearthpwn]
Legend Hunter/Zoo-killer Control Warrior [Hearthpwn]
▲Index
あちらを立てればこちらが立たず、Mageの受難は変わらず続いています。
Metaの変容に翻弄されつつもFreeze Mageは一部のプレイヤーによって愛好されていますが、HunterやWarriorとのマッチアップが多い現状では厳しい戦いを強いられることになります。一方でラダー最大人気のHeroであるWarlockに対しては、Zoo or Handlockどちらであれ極めて有効なカウンターとして機能しています。
対戦相手の指定Heroを使用禁止にできるBan形式のトーナメントにおいては、HunterをBanしつつHandlockのカウンターに当てるという戦略も有効な手のひとつにあるでしょう。
デッキの内容に目を向けると極めてオーソドックスなFreeze Mageの構成にArchmage Antonidasを加えたものとなっています。Freeze Mageの性質に伴い低コストで召喚できるGiant系Minionを加えたデッキや、Sorcerer's Apprenticeを絡めたBurstダメージを叩き出すOTKのバリエーションは鳴りを潜めてしまいました。
◆ Deck Spotlight
DECK OF THE WEEK #35: Freeze Mage [Hearthpwn]
Hyped's Freeze Mage for BlizzCon Qualifier [Hearth2p]
ラダーにおけるMageの人気はSecret SpellとDeathrattleミニオンを組み込んだMid-Controlデッキに人気が集中しています。ひとつをサンプルに挙げデッキ構成を見て行きましょう。
このデッキもNaxxramasのDeathrattleシナジーを取り込んだものですが、Undertakerは含まれずUnstable Ghoulを加えていることから最序盤の積極的な展開を行うスタイルとは異なることが見て取れます。第一にデッキの核となるのは2種のSecret Spell。そしてこの運用をサポートするMad Scientist / Kirin Tor Mage。相手のコントロールスペルを無効化するCounterspellで盤面を維持し、Duplicateでハンドのアドバンテージを期待できます。
そしてMidrangeでありながら定番スペルのArcane Intellectがデッキに含まれていませんね。このデッキにおいてはMad ScientistのアビリティとDuplicate、そしてAcolyte of Painのみで手札は必要十分に維持できるのです。
数々のコントロールスペル、BurstダメージによりAggroの猛攻を捌きコントロールデッキの展開にも追随していくことが可能な汎用性の高いデッキに仕上がっています。
◆ Deck Spotlight
Firestorm - Legendary control [Hearthpwn]
▲Index
10月シーズンもラダーから失踪したかのようにひっそりとしていたPaladin。Naxxramas後のMetagameの潮流にいまいち乗り切れていない印象を残しています。トーナメントに持ち込まれるデッキはどれも従来のControlスタイルにMetaを意識したカードチョイスのアレンジを加えたものとなっていました。
アンチメタとしてSpellbreaker / Harrison Jones / Stampeding Kodoと幾つかのオプションがあり、盤面をスワイプするEqualityコンボと併せて序盤中盤の相手のリードを打ち消しゲーム後半に優位な展開をもたらしています。
◆ Deck Spotlight
Gaara's WCA Control Paladin Deck Tech [Youtube]
KOLENTO’S VIAGAME HOUSE CUP 2014 CONTROL PALADIN [Top decks.com]
Deathrattle Aggro - Mid
新カードAvengeの活用に腐心していたPaladinプレイヤー達は、DeathrattleシナジーとUndertakerを加えた序盤からの積極的な展開に道を見出しました。
Crusher ShamanやCrusher Handmageで構築環境に新たな風を吹き込んだプレイヤー、Crusherのデッキから戦略を読み取ってみましょう。
AvengeとHaunted Creeper、Noble SacrificeとKnife Jugglerの理にかなった連携がアグレッシブな展開を支え、Mad ScientistがSecret Spellの活用をサポートしています。
またAggro PaladinはDivine Favorによって手札を大量に補充することが可能であることも忘れてはいけません。Coldlight Oracle / King Mukla / Dancing Swordsにより発生しうる不利を転換し、息切れすること無く攻め続けるデッキ構成となっています。
◆ Deck Spotlight
Crusher Deathadin [Hearthpwn]
TidesofTime Vs Crusher Deathadin [Youtube]
Morikcm Vs Crusher Deathadin [Youtube]
SpooN Vs Crusher Deathadin [Youtube]
TidesofTime Vs Crusher Deathadin
▲Index
10月シーズンに入ると積極的な展開からテンポの維持を旨とするDeathrattle Priestの勢いも落ち着き、従来のControlと人気を二分するようになりました。再びMetaの底辺へ沈んでいったMage・Paladinと異なりこのHeroが健闘を続けているのは流行のデッキとHeroに対して好相性であることが要因となっています。かねてより鬼門とされてきたAttack4という数値はDruidの人気が戻ってくるまで意識されることは無いでしょう。
まずはDeathrattle Priest。IceGirlとPriestの名手Zetalotのデッキ構成に注目してみます。
Undertakerをドロップし、Deathrattleミニオンが後を続くことで序盤から恐ろしくアグレッシブな盤面を展開していきます。しかしこのデッキの戦略はAggroではありません。Undertakerを採用する他クラスと似通ったものですが、序盤からの展開をSludge Belcher / Loatheb / Sylvanas Windrunnerで固めることを重視しています。
逆にDeathrattle Priestと対戦する場合、相手の序盤の動きからControlとの判別がつき辛い場合もあるでしょう。見分けるポイントのひとつとして憶えておきたいのは、3ターン目にミニオンドロップを優先するのがDeathrattle Priest、Thoughtstealを迷わず振り出すのがControlです。
◆ Deck Spotlight
Zetalot reaches EU legend #1 with Deathrattle priest deck. [reddit]
IceGirl's Secret Sauce Priest [Hearthpwn]
Deathrattle killer Priest
Deathrattle Priestの流行は9月中旬をピークにやや落ち着きを見せ、従来のControlデッキが現状のMetagameを鑑みて改めて評価されるようになりました。
猫も杓子もUndertakerからDeathrattleミニオンを出し合うゲームにおいては、序盤に配られる手札の内容でゲームの大方が早くも決してしまうことがあります。この環境の中でもとび抜けて鋭く尖るHunterの牙をへし折る手段を豊富に揃えたControl Priestがトーナメント・ラダー双方で活躍を見せています。
Deathrattleミニオンたちをまとめて焼きつくすWild Pyromancer、至極厄介なMad Scientistを難なく処理するShadow Madness / Cabal Shadow Priestによって現在PriestはDeathrattleへのアンチメタとして地位を確立しました。
◆ Deck Spotlight
Rank 5 to Legend Priest Control [Hearthpwn]
Aggrokiller Priest Top 10 Legend NA [Hearthpwn]
[Legend] Anti-Aggro [Hearthpwn]
▲Index
Hearthstatsの統計によると、Rogueは10月シーズンも最も不人気なHeroとして苦渋を舐めることになりました。9月22日パッチで行われたLeeroy JenkinsのnerfによりMiracle Rogueの戦略に修正を余儀なくされたこと、そしてMiracle Rogue以外のデッキがいまだ台頭してこないことが主な要因です。
RogueというクラスはBackstab / Eviscerate / Deadly Poison / SI:7 Agentといった序盤のアグレッシブな展開を捌く手段を豊富に揃えています。昨今流行りのUndertakerから始まる猛攻も手に負えなくなる前にカットを入れることが可能であり、Zooのようなラダーで人気のデッキにも相性の良いHeroのはず。今一度Metagameの頂点争いをうかがう位置へと登ってゆくために、Rogueの本領であるTempoデッキの成功が期待されています。
現在構築が試みられている二通りのアプローチを探ってみましょう。
ひとつは低マナドロップのミニオンベースから盤面を固めてゆくラインナップ。他のクラス同様にDeathrattleシナジーを取り込んだものですが、Rogueにはミニオンドロップにマナを消費しつつ盤面をコントロール手段があります。
一方はRogueの専用カードでコントロールし主導権を握る旧来のTempoデッキに近しいもの。このデッキの特徴的であるところはShadowstepによりミニオンの効用をさらに引き出している点。SI:7 AgentやLoathebのようなBattlecry発動のミニオンを2度働かせることは勿論、Gnomish InventorやAzure Drakeで単純にカードサイクルとしての使用も可能です。
◆ Deck Spotlight
Colmas Naxx Tempo Rogue [Hearthpwn]
Legendary Shadowsteps - new Rogue style [Hearthpwn]
Miracle Rogue Variants
カードサイクルによりデッキパワーを最大限に引き出すMiracle RogueはLeeroy Jenkinsを引けなければ必ずしも勝てないデッキではありません。しかし主砲となるミニオンのコストが上昇したことは多くのプレイヤー達の中でデッキの評価に影を落としていました。
かつてラダーを登って行くと嫌というほどマッチアップしたこのHeroがほとんど姿を見せなくなったことにMetagameの変化を実感させられます。ラダーにおいては最も人気のないHeroにまで落ちぶれてしまいましたが、Miracle Rogueに熟練したプレイヤー達はユニークなアレンジを加えてトーナメントに持ち込み結果を残しました。
Miracle Rogue全盛期に蓄えられたデッキアイデアの数々から、Violet Teacher / Malygos / Alexstraszaをキーカードとするデッキが注目を集めています。
◆ Deck Spotlight
[Seat Story Cup II] Savjz's demolishing Malyrogue [Hearthpwn]
Xzirez: Token Miracle (Legend #2 S7) [Hearthpwn]
1 Minute Guide - Rogue - Tarei Miracle Rogue [Youtube]
デッキガイド翻訳: 「Double Perdition's Blade Malygos Rogue」 [Nemukejp]
SeatStory Cup II Hearthstone - Grand Finals - Savjz vs Mirrari
▲Index
9月22日に実施されたバランス調整と前後して、Shamanは足場の定まらないHeroとしてMetagameを漂っています。Hunterの減少に反比例してプレイする機会が増加することを期待されていたものの、9月10月シーズンは新たな脅威として浮かび上がったDeathrattle Priestに苦戦を強いられていました。
各種の除去手段を揃えたこのHeroは特定デッキへのカウンターとして支持され続けていますが、ラダーにおいては不得手なマッチアップが存在する状況を解消出来ずにいます。
そうしたさなか、10月シーズン中盤に開催されたSeatStory Cup 2のトーナメントにおいて優勝を勝ち取ったSavjzは見過ごされていたShamanのポテンシャルを観戦者たちの目に焼き付けました。
俗にDouble Doomhammer Shamanと呼ばれるこのデッキはClarityGamingからTeamCoastGamingへ移籍したChakkiによって構築されたものです。その名の示す通りDoomhammerが2枚ピックされているのが特徴ですが、これはDoomhammerをコアとするデッキというよりも、その構築の性質を婉曲して表したものでしょう。
一般的にDoomhammerというShamanクラスの専用Weaponが一枚差しで採用される例が多いのは、ゲーム中このカードを2枚手札に引いた場合に両方使用することがほぼあり得ないためです。単体で用いても破壊されない限りは合計16ダメージ、Rockbiter Weaponとの組み合わせで眼を瞠るダメージを叩き出す攻撃オプションのひとつとして非常に優秀ですが、2枚引いたら手札が1枚死んでるも同じというリスクを嫌ったものです。
使いどころが難しく手札に腐りやすい、そしてAcidic Swamp Oozeのようなアンチカードに対して脆い。そうした数々のリスクを呑んだ上でこのデッキが2枚ピックしているのはつまり、1枚よりも2枚入れたほうが手札に来る期待値が高いという単純な理由です。
デッキに組み込まれている他のカードにも目を向けてみましょう。コントロールスペルと定番のクラス専用ミニオンカードを主体に構成されていますが、スペルに比重が置かれミニオンとの比率は1:1となっています。そして目を引くのはBloodmage ThalnosとLava Burst。以前流行したPowerhouse Shamanと同様に、ボードコントロールからBurstダメージへと移行する柔軟性を持ったデッキとなっています。
◆ Deck Spotlight
Deck of the Week #36: Chakki’s Shaman [BlizzPro]
[Spark] Elemental Spirit (S8) [Hearthpwn]
大きく注目を集めたDouble Doomhammer Shamanですが、ラダーではどうかと言うと芳しい成績を残せてはいないようです。Shaman側のBurstダメージがRexxarの息の根を止めるよりもいや早く、Hunterの猛攻の前に屈してしまうのはこのデッキも同様。ラダーを登っていくためにHunterとのマッチアップを克服することが第一の命題であることは10月シーズンも変わりがありませんでした。
こうした中でUndertakerから始まる早い動きを封じるアレンジを加えたデッキがHunterに対して立場を逆転させることに成功しました。Savannah HighmaneをHexで処理できるShamanにとっては、ヘルスを安全圏に保ったまま序盤を乗り切れば数多くの除去手段によってMidrange Hunterに対して五分以上に戦うことが可能です。
◆ Deck Spotlight
Zombie Chow Shaman [Liquid Hearth]
最後にもう一点。カードコンボに重きを置いたデッキはヘヴィアグロのMetagameの中で手札事故に苦しむ局面が多く見られますが、コントロールデッキとの対戦機会が多くなればなるほどShamanの秘める爆発力が対戦相手を圧倒するチャンスに恵まれるでしょう。
◆ Deck Spotlight
Deck Guide: Reincarnate Shaman [IHearthU]
Assassin Shaman Deck Guide [Hearth2p]
"Dub-Rattle": New take on Reincarnate [Hearthpwn]
▲Index
一貫性を求めて
現行のMetaがHunterを取り巻くように形成されている中にあっても、このHeroはラダーで最も支持を集めていました。メインデッキは相変わらずZoo、そしてHandlockです。
Undertakerを起点とするDeathrattleシナジーをPriest・Hunter・Shamanらがとり込み、Zooの序盤の展開に正面から張り合うようになったにも関わらず、Life Tapに支えられたZooの戦略は揺るぐこと無くラダーを戦い続けています。
「Curse of Naxxramas」の新カード実装から2ヶ月、デッキバリエーションのアイデアはこれまで掘り尽くされたかと思うほどに試されてきました。新カード実装に刺激を受けた構築アイデアのブームもおさまり、デッキに採用されるカード達は強力なシナジーに特化したものからデッキとしての一貫性を重視する傾向を見せ始めています。
10月シーズンに高い評価を受けたZooデッキのラインナップをチェックしておきましょう。
たとえばNerubian Egg等のTokenを産むミニオン達とのカードコンボを期待して上画像のPower Overwhelming / Void Terror / VoidcallerがZooに組み込まれ猛威を振るっていた時期もありました。Power Overwhelmingのデメリットを優位に転換するプレイや3ターン目に飛び出してくるDoomguardといった圧倒的優位を作り出すシーンに目を奪われがちですが、コンボを前提とするものや状況に依存しすぎるカードは多分にリスクを含んでいます。
ミニオンをもって場をコントロールし、Life Tapで次々と戦場へと送り出すZoo Warlockの戦略の基本へと立ち返り、次回エクスパンションの実装までは一貫性を重視する傾向に落ち着くのでしょう。
◆ Deck Spotlight
Noodles zoolock [Hearthpwn]
Most Consistent Zoo ATM [Hearthpwn]
数ではZooに及ばないものの、連勝ボーナスの付かない高ランク帯のプレイヤー達に特に支持されているHandlockは10月シーズンも大きな存在感を保っていました。とりわけトーナメントシーンにおいては第一線で活躍していたこのデッキ。Battle of the Bestで優勝したDtwoのデッキから流行を読み取ってみましょう。
仮にUndertaker Aggroが1マナからのドロップを理想的な手順で行った場合、Handlockの2・3タップから4ターン目に動き出す展開では余りにも遅きに逸することになります。このため序盤を凌ぐHellfire / Earthen Ring Farseerが欠かせないという現状です。トーナメントに持ち込まれたこのデッキはControlとの対戦も含めたものですが、ラダーにおいてはFaceless ManipulatorをThe Black Knightに差し替える例も見られます。
また、旧来のHandlockではAlexstraszaが定番でしたが、9月10月と新たなスタンダードに定着したのはLord Jaraxxus。アグレッシブなデッキを相手取る際のこの2つのカードは自己のヘルスを安全圏へと回復させる使い方で共通していますが、コントロールデッキ同士の対戦においては永続的に召喚可能なDread Infernalの存在がより重要視されています。
◆ Deck Spotlight
DTwo's Warlock - Battle of the Best #1 [Hearthpwn]
PT 1 Forsen vs. DTwo Grand Final - Mad Catz Battle of the Best Hearthstone Cup #1
▲Index
UTK killer Control
ラダーを占めるアグレッシブなデッキのブームの対処に苦しんでいたものか、9月の終わりからシーズン序盤にかけてWarrior達は気勢を殺がれたかのように沈黙を保っていました。
課題とするのはZoo WarlockとUndertaker Hunterに対する不利を克服すること。Fiery War Axeだけでは捌き切れないヘヴィアグロがラダーに溢れかえる中で、Control Warriorのデッキも素早く動き出すための変化を見せていきます。
Aggro殺しのためにデッキへの採用を検討されたカードのいくつかを見て行きましょう。
Wild Pyromancer
PriestやPaladinのコントロールデッキではごくごく一般的に用いられるミニオン。スペルとの組み合わせにより目を剥くようなボードスワイプを可能としますが、Warriorのデッキに加えられるミニオンとしてはあまり例の無いものでした。Deathrattleミニオンから発生するToken、そしてHunterのSnake Trapを適切に処理するミニオンとしてゲーム中盤にスペルと組み合わせて用いられます。
Unstable Ghoul
このミニオンのもたらすシナジーがWarrior Controlとどれほど相性が良いかは言うを待たないものですが、Deathrattleアビリティのミニオンが序盤から展開されるMetagameにおいてはとりわけ有効に作用します。ゲーム終盤に手札に引いた場合であっても、Grommash Hellscreamのトリガーとして使用できる点も見逃せません。
Spellbreaker
ヘルスが3しかないため2マナとトレードされる恐れもあり扱い辛い印象のあるこのミニオン。しかし環境を見渡してみればHaunted Creeper、Nerubian Egg、Harvest Golemと処理に厄介なDeathrattleミニオン達は皆アタック値が3に届いていません。コスト4は若干遅めでは有りますが、サイレンス効果によりDeathrattle Aggroの攻め手を遮り、その上で2枚以上のトレードを期待できます。
Baron Geddon
BlizzCon2014のディベロッパートークにおいて、プレイヤー達の戦績に基づく統計の中で最も勝率の高いベストカードと発表されたこのミニオン(Warrior Control以外で使用されること自体極めて稀ですが)。7マナと遅めではあるもののAggroの処理に効果的であり、Control相手であれ除去の使用を強いることでイニシアティブをとり続ける汎用性を備えています。
◆ Deck Spotlight
Legend Hunter/Zoo-killer Control Warrior [Hearthpwn]
Hogger Warrior
Battle of the Bestではミラーマッチが発生する事態に
唐突なHoggerブームに驚かされた方おられるでしょう。NAサーバーのレジェンドランク1位へと到達した配信プレイヤーSjowのWarrior Controlに差し込まれたこの一枚は瞬く間に流行を作り出しました。
6マナコストでありながらヘルスがたったの4、AoEにたいして脆弱さをあらわとするミニオンですが毎ターン終了時にTaunt付きの2/2Tokenを一体生み出すという強力なアビリティを備えています。このミニオンは特にHunterに対して効果を発揮したすることが注目を集めました。現行のHunterはKill Command以外にカード1枚でHoggerを処理する手段がデッキに含まれておらず、相手に不利なトレードを強要します。
◆ Deck Spotlight
Deck of the Week #37: Sjow's Warrior [BlizzPro]