Ranked Play Season #6 September 2014
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▼ Overview▼ Druid
▼ Hunter
▼ Mage
▼ Paladin
▼ Priest
▼ Rogue
▼ Shaman
▼ Warlock
▼ Warrior
【重点事項】
このMeta Reportは海外サイトのガイド記事やトーナメント、ラダーのストリーミング等を参考に記述しています。当ブログ管理人の観測範囲内における情報と印象を基にしているため、実状にそぐわない面も多々あろうかと思います。その点はご了承下さい。
Hearthstatsシーズン統計
➥ [Hearthstats] September Report
◆ 過去のMetagame Season Report
➥ [メタる] State of the metagame
▲Index
Overview
カード調整におけるふたつの視座
Hearthstoneの開発チームがカードに調整を加える傾向として明らかに観てとれるのは、いわゆるOP、アドバンテージを取り過ぎるがために強すぎると評されるカードの性能を落とすことがひとつあります。
もうひとつは1ターンキル、とりわけ盤面上に何も置かれていない状況から対戦相手のヘルスを削りきってしまうようなカードコンボのパーツを調整し、コンボそのものを達成不可もしくは条件を難しくさせるというものです。
カードの上方修正も過去において例はありますが、基本的にはMetagameにおいて支配的なHero・デッキの戦略を支えているカードのnerf調整(弱体化)がTeam 5の行うバランシングの手法となっています。これはMetagameにダイレクトに作用し、Hero達の序列をこれまで幾度と無く入れ替えてきました。
このふたつの傾向はカード調整に踏み切る事由の異なるものでして、前者はゲームバランスを鑑みてカードの性能が不適当であるかの判断に基づき、後者はゲームプレイにおいて開発チームの目指す(もしくはユーザーのフィードバックから得られた)ゲームの面白さを損なっている原因を取り除くことが目的となります。
Starving Buzzardはカードのコストに見合わないカードドローによるアドバンテージの獲得をもたらしていたことが要因であり、Leeroy JenkinsがHearthstoneのクローズドβ開始から1年経ったいまnerfの対象となったのは、このカードがOPであるという判断ではなく、1ターンキルのコンボパーツとして機能していたことがその理由です。
カードの調整は開発チームにとって大きな危険と隣り合わせでもありますが、これまでのところさほどユーザーの不満を招くこと無く上手にこなしているように見えます。これはクラフティングというよく練られたゲームシステムが下地にあり、レアリティが高く取得の難しいカードが下方修正されても痛手とならないことがユーザーのネガティブな反応を呼び起こさないのだと考えられます。
ソーシャルゲームによくあるような、取得難易度が高く代えのきかないカードが弱体化された日にはユーザーの怨嗟の声で溢れかえりそうなものですが、Hearthstoneの場合はクラフティングにより他の欲しいカードへと変換できるためユーザーにとって損なところがとりたててありません。
またデジタルカードゲームという特性も利点であるでしょう。TCGにおいて一般的な紙に印刷した実際のカードは一度市場に流通してしまえばもはや変更することはかなわず、もしバランスを破壊するようなカードがあったならばトーナメントにおいて使用禁止の措置がとられることもよくあるようです。ただし。だからといってカードの能力をおいそれと変更するべきはないという方針を開発チームは明確にしています。
ゲームの開発者達がnerfバットを振り回し、出る杭を打っていけば平らな環境へと近づいていくでしょう。しかしその行き着く先はただの無個性です。いわゆるゲームバランスというものを数字から読み取るならば、勝率は全クラスが50%に近いほどいわゆる”均衡しバランスがとれた状態”に近づいていきます。しかし完全に勝率50%な状態とはミラーマッチでなければ実現不可能です。つまり、均衡を目指しnerfバットで全てのデコボコをぶっ叩き、平らにならしていった先に待つのはクラス制の廃止しかあり得ません。
カードゲーム、そしてオンラインゲームとしての性質上、今後のアップデートでゲーム環境には常に変化が訪れその度にバランスも傾き静止することはありません。ゲームの拡張と進化し続けるプレイヤー達の戦略の中で、クラスとカードの特色を生かしつつバランスのとれた状態にあるという”フィーリング”によるユーザーの支持を開発チームは重視しています。
カード調整はBlizzCon2014開催まで行わないと既にアナウンスされていますので、次の大きな変化は11月以降に訪れることになるでしょう。
各クラスのnerf影響
さて、カードの調整はすでに行われ泣いても笑っても覆ることはありません。これまでLeeroy JenkinsとStarving Buzzardをデッキに組み込んでいたクラスは戦略の修正を余儀なくされています。
とりわけMiracle Rogueというデッキにとっては最大のダメージソースとなるキーカードのマナコストが上昇したことにより、中盤以降から相手のヘルスを削りきる計算がよりシビアになっています。今回のカード調整は長らくトーナメントシーンのトップメタを謳歌していたMiracle Rogueの人気低迷に拍車をかけ、さらに昨シーズンの支配者Midrange Hunterの勢いを削ぐに十分なものでした。
この影響は当然RogueとHunterのみに留まりません。Leeroy JenkinsのBurstコンボを戦略のオプションとして持っていたHero、そしてこれまでの環境に辛酸を舐めていたクラスにも奮起を促しMetagameの序列に変動が起きています。カード調整のインパクトが各クラスへどのように波及しているのかを順番に見て行きましょう。
参考LINK
Power Rank: Classes Pre-Hunter Nerf [Liquidhearth]
The After-effects of Leeroy Jenkins and Starving Buzzard Nerfs - By DTwo [Hearth2p]
Post Leeroy World: How the Leeroy Nerf affected Burst damage [Hearthstone Players]
How is the Metagame Going to Be After the Card Changes (9/22)? [Hearth2p]
Hearthstone Nerfs: Winners and Losers [IHEARTHU]
Hunterの減少に伴いふたたび最も信頼性の高いクラスとして復権するだろうと目されるDruid。nerfが行われるよりもMetagameはいち早く動き、Freezing Trapと相性の悪かった旧来のRamp型からKolentoらトッププレイヤー達の構築によりToken Druidが人気を博していました。nerf実施によりHunterが減少した今、Warrior・Mage・そしてHandlockのようなControlが環境に戻ってきたことにより再びRamp型とFast Midrangeスタイルが人気を集めています。
Hunterが環境から消え去った暁にはマナブーストからのChillwind Yeti・Spectral Knightが猛威を奮うと期待されていますが、Druidプレイヤー達による現在の環境をにらんだ選択はHaunted Creeperのような序盤からの手堅い動きを重視しているようです。
また、Leeroy Jenkinsを採用することがほぼ皆無であったこのクラスには、nerfによる直接的な影響はありません。
クラス専用のミニオンカード、Starving Buzzardのコスト増加によってこれまでよりも弱体化されたことは明白。さらにFace Aggroデッキにおけるコンボ材料と単純なダメージソースとして、Hunterの良き友であったLeeroy Jenkinsのマナコスト増加は響いています。
Hunterと相対する者が何よりも警戒していたコンボ、Starving Buzzard + Unleash the Houndsの使用が8マナをも必要にするようになったこと。またStarving Buzzard + 低マナコストBeastミニオンによる手札補充が大きく遅れるようになったこと。
これをもってHunterがMetagameのはしごから滑落していくと言えるでしょうか?
実際のところ、多くのプレイヤー達がHunterはいまだ強力であり現在の環境に通用すると考えています。テンポ獲得に優れるSecretスペルとSavannah Highmaneのような頼もしい専用Minion、そしてNaxxramasの追加カードによりHunterはいまだ警戒すべきHeroとしてラダーに存在感を保っています。
nerfによる直接の影響は皆無。そもそも4マナで直接ダメージ6のFireballを持つMageにとってLeeroy Jenkinsは無用のものです。Hunterの減少という間接的な要因により、最悪のマッチアップであったFreeze Mageが再び有力な選択肢として帰ってきました。nerf直後のPrismeta Cupでは姿が見られなかったものの、Hypedを始めとする尖ったプレイヤー達により再びトーナメントデッキに採用されつつあります。
全てのSecretを1マナで殺すFlareのnerfは予定には無いと開発チームは明言しているため、現在人気のSecret Mageは環境に左右されてしまう不安定な立ち位置にあります。
各種のbuff手段を持つPaladinはLeeroy Jenkinsのnerfにより若干の弱体を受けたと見えます。このクラスのデッキスタイルの定番の一つAggro PaladinにおいてはLeeroy Jenkinsを絡めたburstダメージが有力なオプションとして機能していました。Control Paladinが主流の現在にあっては痛手と感じられませんが、トーナメントならいざ知らずランク上げにいそしむラダーにあってはこのクラスの人気低迷の要因となってしまいました。
Pre-Nerf Burst Potential: 18 damage.
Leeroy Jenkins + Blessing of Might + Blessed Champion
Post-Nerf Burst Potential: 13 damage.
Leeroy Jenkins + Blessing of Might + Blessing of Kings
nerfにより受ける影響が微妙な立ち位置にあるPriest。PriestにとってLeeroy Jenkinsはデッキにあえて採用するカードではありませんでした。Control Priestの大敵であるMiracle Rogueがnerfされることは彼らにとって喜ばしいことです。一方で8月シーズン中盤以降から急増した序盤からのテンポを重視するスタイル、主にUndertakerを採用するデッキはHunterとも十分に渡り合うことが可能でしたが、環境がControlへと移行していく中では立場を失いつつあります。
Priestの課題は自身がMetagameを掌握する迫力に欠けていること。これはPaladinと同様です。自らが環境を作ることが出来ない故に、変化し続けるMetagameを読み正しく対処するデッキ構築が求められていきます。
Leeroy Jenkinsといえば真っ先に思い浮かぶのがMiracle Rogueです。その戦術が崩壊するほどではありませんが、今回のマナコスト増加が最も響いているデッキとなるでしょう。Leeroy Jenkinsを絡めたコンボのすべてが1マナ増加により遅れ、一部はThe Coin無くして使用不可能となりました。しかしながら、Miracle Rogueというデッキの根幹はカードサイクリングにあるため攻撃オプションのひとつが弱体化されただけとも言えます。
Miracle Rogueに習熟したプレイヤー達はデッキを変えずに使用するか、Arcane Golem・Malygosといった代替手段の模索を行っていますが、かつてほどに環境を支配する勢いを取り戻すのは難しいと見られています。
良いニュースと悪いニュース、あなたはどちらから聞くタイプでしょうか。まず良い面に目を向ければ当然Hunterの減少はShamanのMetagameにおける地位を確実に向上させていくでしょう。加えてHandlockがMetagameを握りつつある現在は最も有効なカウンターとして候補に挙げられます。旧来のMidrange - Controlのハイブリッドが人気を集めていくと予想されますが、Naxxramas新規カードの活用により頭ひとつ抜けるかはあまり大きな可能性とは見られていません。
さてShamanにとって残念な点を挙げると、Leeroy JenkinsのnerfによってWindfury + Rockbiter Weaponx2 + Reincarnateの30ダメージコンボは使用不可能になりました。Chargeアビリティと縁の無いクラスであるShamanにとって1ターンburstコンボの材料として有用であったLeeroy Jenkinsはマナコスト増加によりその魅力を失いつつあります。とまれ、Unleash the Houndsに怯える必要が無くなった現在はBloodlustが効果的であるためあまり大きな痛手ではないかもしれません。
今回のnerfは主にHunterとRogueを直撃するものとして見られていますが、nerfにより影響を受ける隠れた3番手がWarlockとなるでしょう。このクラスはLeeroy Jenkins + Power Overwhelming + Faceless Manipulatorのカード3枚による20ダメージという強烈なburstコンボを攻撃オプションとして持っていましたが、nerf適用後はThe CoinなくしてPower Overwhelmingを挟むことが出来ないため12ダメージへと大幅に減衰してしまいました。これは同時に盤面をクリアにするShadowflameとのコンボにも影響が出ています。
ネガティブな面を挙げましたが、環境に照らせばこのクラスにとって今回のnerfは福音となるでしょう。実際にnerfが実施されてからほどなくして再びHandlockがかつての勢いを取り戻していきました。再浮上したHandlockのデッキはLeeroy Jenkinsというburstダメージのオプションを潔く切り捨て、LoathebやSludge Belcherという新しい戦力を組み込んでいます。さらに、環境がControlへと傾いた影響によりLord JaraxxusがHandlockのデッキに再びピックされるようになってきました。
今回のカード調整における影響からはほとんど蚊帳の外にあるかのようにも見えます。Midrange Hunterへのカウンターとして8月シーズンに再浮上したWarriorは勢いそのままにMetagameの上位をキープしています。これはFreeze MageやHandlockに対して正しく対処できるHeroとして今後も変わりないと考えられます。
Control Warriorのデッキに見られる顕著な変化としてYseraの採用が目立つことに着目しましょう。これはburstダメージを窺う睨み合いからカードプレイによるバリューの獲得を重視する環境へと変化していることを如実に表しています。
強いて残念な点を挙げれば、このクラスはいまだにControlスタイルが主流であり続けバリエーションに乏しいということでしょうか。
▲Index
Metagameの支配者へと再びのし上がったMidrange Hunterに対する強固なカウンターとして、8月シーズンから引き続きKolentoのToken Midrangeデッキは有力な候補に挙げられていました。しかしラダーにおいては、かつて最も信頼性の高いHeroとして支持を集めていたDruidをプレイすることそのものが敬遠されていたかのようです。
InnervateとWild Growthによるマナブーストデッキ、いわゆるRamp DruidはChillwind YetiやSpectral Knight、Druid of the Clawといった単純に対処し辛いMinionによって序盤から強烈なイニシアティブを握ることが可能ですが、Freezing TrapやSapといった相手の手札に弾き返す手段(バウンス)に対して弱点を抱えています。Mad Scientistの登場に後押しされ多種のTrapを備えたHunterがMetaに浮上したことは、Naxxramas実装後のDruidが振るわない大きな要因となっていました。
無論のこと多くの支持を集めるこのHeroをプレイする者達はMetagameの下位に甘んじること無く、デッキを調整し対策を講じていきました。
Zombie Chow / Haunted Creeper / Echoing Ooze / Shade of Naxxramas
昨年末頃のMidrange Druidデッキに採用されていた序盤をさばくカードといえばClawが定番でしたが、現在のDruidプレイヤー達がMetagameの速度に合わせるため採用を試みたカードはNaxxramasで追加されたNeutral Minion達です。もはやWild Growthは有効ではないと判断した彼らは序盤からのボードプレゼンスによりHunter、そして急増しつつあったPriest達に対抗していきました。
この内Shade of Naxxramasはその効用が単純に判断しかねる性質ですが、Stealthにより除去され難くターンが経過するにつれ投資マナコストに対するミニオンの質が上昇していくという面白い特性を持つMinionです。Druidプレイヤー達の間では主にHarvest Golemと比較され議論を呼びましたが、Druidというクラスの性質を鑑みてその優位性が徐々に認められていきました。
Druidが3マナで出来ることを考えてみましょう。Aggroデッキに対するとき3マナドロップのHarvest Golemは極めて効果的ですが、Midrangeやコントロールデッキに対してはさほど優位を取りに行けるカードではありません。現在の環境に照らしてShade of Naxxramasはデッキに差すことを考慮するだけの価値が十分にあると判断されていたものです。
◆ Deck Spotlight
Force Strategy Gaming Deck Spotlight: Creeper Token Druid [Youtube]
YES, This is dog! with a new ramp deck! [reddit]
Crispy's Echo Druid - Versus Series #7 [Hearthpwn]
転機がシーズン終盤に訪れます。9月22日に実施されたLeeroy JenkinsとStarving BuzzardのnerfはDruidのデッキ構築のネジまで逆巻くほどの衝撃を与えました。パッチ直後に開催された公式世界大会のEUサーバー予選トーナメント、「Hearthstone Europe Qualifiers」を見事に勝ち抜いたKolentoのデッキをチェックしておきましょう。
KOLENTO’S ROAD TO BLIZZCON RAMP DRUID [Topdecks.com]
デッキには再びWild Growthを採用しつつ、Haunted Creeper / Shade of Naxxramasという旧来のRamp Druidに見られないMinionを残しています。代わりに枚数を削られたのはAzure Drake、Ancient of Warといったカード。これはその他Druidプレイヤー達のデッキ傾向とも共通し、大きなアドバンテージを獲得することで評価されてきたAzure Drakeを完全に抜きさる例も見られました。
KolentoがBlizzCon会場で開催される世界大会への出場を決めた一戦、対するはIHEARTHUのKing of the Hillで9連勝の記録を打ち立てたThijsNL。Druidは使われていませんが、Twitch配信で9万人もの視聴者を集めた素晴らしいゲームとなりましたので、まだ視ていない方は要チェック。
BlizzCon EU Regionals QF: Kolento vs ThijsNL (27.09.2014)
▲Index
Consistent Aggro
Midrange Hunterばかりが取り沙汰された8月シーズンでしたが、9月に入るとHunter aggroがラダーへと姿を見せるようになりました。かつてControl WarriorとZooに駆逐されたはずでしたが、Naxxramasの新カードをデッキに加えてMetagameに舞い戻ってきたのです。
専用新カードWebspinner、Secretスペルを豊富に揃えるHunterに相性抜群のMad Scientist、そしてHunter Aggro定番のLeper Gnome。これら使い道が異なるカード達をDeathrattleアビリティという一本の糸で繋ぎ、序盤からのアグレッシブな展開を実現するUndertakerをデッキに加えたUndertaker Aggro Hunterは9月シーズン序盤に数多くのStarを食い荒らしました。
新シーズン開幕後からたいてい1日か2日でLegendへ到達するラダークライミングの達人、EUサーバーXixoのデッキをチェックしておきましょう。
(注:このデッキは9.22パッチのアナウンス以前に構築されたものです)
Undertaker Aggro Hunter [Liquidhearth]
注目すべきはかつてのHunter Aggroデッキのように、遮二無二に相手Heroを殴りに行くスタイルとは若干プレイが異なる点です。Aggroデッキ定番のChargeミニオンがLeeroy Jenkinsしか採用されていませんね。これはマナクリスタルというリソースを直接ダメージに変換させるFace Hunterとは性質が異なることを表しています。
ラダーにおいてHunterがポピュラーなHeroとなった環境において、Midrangeを上回る速度をもったこのアグレッシブなデッキは効果的に作用していました。Savannah Highmaneが出てくる頃にはゲームの趨勢が決していたのです。
さて、nerf後の話をする前に8月シーズンから猛威を振るい続けていたMidrange Hunterに見られた変化も挙げておきましょう。前回の記事でご紹介したようにTrap有り武器有りとTrap無し武器無しの2タイプに別れていたMidrange Hunterですが、俗にMiracle Hunterなどとも呼ばれていたBeast Minion主体のデッキにもDeathrattleシナジーが取り入れられて行きました。
(注:このデッキは9.22パッチのアナウンス以前に構築されたものです)
[Spark] Beasty Zoo (S6) [Hearthpwn]
9.22
2013年8月16日に始まったクローズドベータからHearthstoneをプレイしてきた人々はどのような思いでこの日を迎えたのでしょうか。この1年、ゲームバランスを語る議論の俎上に幾度と無く載せられてきたLeeroy JenkinsとStarving Buzzardがついにnerfの対象となったのです。とりわけHunter専用ミニオンであるStarving Buzzardは3マナコスト増という大きな調整となり、多くのプレイヤー達からOver Killではないかと声もあがっています。
カードドローというリソースの部分を直撃するこの調整は大きな波紋を呼びましたが、しかし熟練のHunterプレイヤー達に言わせれば痛手であることは間違いないものの、いまだもってラダーに通用する強力なHeroであることに変わりないということでした。
「Hunterはまだ死んでいない」 スウェーデンのトッププレイヤーErA氏がHunterを使ってアメリカサーバーのLegendary1位に到達、中国でも同じくHunterが1位に [Nemukejp]
Building Hunter in the Post-Buzzard Meta
◆ Deck Spotlight
Building Hunter in the Post-Buzzard Meta [Tempostorm.com]
[Spark] Death Trap (S7) [Hearthpwn]
Legendary Hunter (No Buzzard/Unleash) [Hearthpwn]
#3 EU Legendary Hunter Naiman - The new generation of hunting [Hearthpwn]
New meta ---- SMART-HUNTER !! [Hearthpwn]
▲Index
およそ一年前にMetagameの頂点に君臨しわが世の春を謳歌していたこのクラスはFrost Nova / Cone of Cold / Blizzard / Pyroblastの相次ぐnerfによりMetagameの最底辺に突き落とされました。それからというもの何ヶ月にも渡りまるでラダーには存在しないかのような扱いであったMageは、Hunterもかくやというほどアグレッシブなデッキと再生したFreezeデッキによって復活を遂げました。トーナメントシーンにおいても脚光を浴びポピュラーなHeroへと返り咲いて早々にふたたび試練の時を迎えています。
かつて底辺を彷徨っていた頃に指摘されていたのは、このクラスのミニオンとスペルのシナジーが希薄であることです。長き彷徨の末に辿り着いたのがSecretスペルによるFreeze Mageの新生。nerfによってもはや使い物にならなくなったという評価を覆すことに成功したものの、Hunterの専用スペルFlareたった一枚によって戦略が脆くも突き崩される危うい立場にありました。
そして7月・8月シーズンのMidrange Hunterの復活によりまたもやラダーの希少種へと追い込まれつつあったのです。
Post nerf Hunter
Hunterメタに翳りが見えてもMageの人気は簡単に戻るものではありませんでした。Deathrattleシナジーを意識した低マナミニオンが数多くのデッキに採用される現在の環境において、MageのHero Power Fireblastは非常に効果的であり、Metagameにおいてさほど悪い立場には無いと評価されつつもラダーで出会う機会は増えていると言い難い現状です。
数少ないプレイヤー達の選択する主流のひとつがNaxxramasの追加カードを組み込んだSecret Mage。これは主に2つのタイプに代表され、ひとつがFreeze Mageの流れを汲むもの、そして序盤からミニオンを場に出しテンポを重視するスタイルに区別されます。
◆ Deck Spotlight
Crusher Handmage [Legendary] [Hearthpwn]
Hyped's Freeze Mage - BlizzCon 2014 America Regionals [Hearthpwn]
[top 40 legend EU] Mage Tricks 2.0 [Hearthpwn]
Sjow's "getting back #1" Deck [Hearthpwn]
そしてチェックしておくべきはDreamHack stockholmの会場で行われた公式世界大会EU予選にthefishouが持ち込んだAggroデッキ。旧来のAggro Mageが抱えていたあっさりと手札が尽きてしまうという弱点をMad ScientistとSecretスペルによって見事に補完しています。
◆ Deck Spotlight
Deck of the Week #33: TheFishou Aggro Mage [BlizzPro]
BlizzCon EU Regionals: Lifecoach vs thefishou (24.09.2014)
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トーナメントデッキの有力な選択肢として8月シーズンに引き続き支持されていたPaladinですが、ラダーにおいていまだ低迷を脱しきれない状況にも変化は見られませんでした。
これはMetagameにおいてPaladinが苦しい立場にあるというよりも、速やかにランクを向上させたいプレイヤー達にとって1ゲームの消化に時間がかかりすぎるControl Paladinは敬遠されてしまうことによるものです。
今シーズンのControl Paladinに見られた特徴をおさらいしておきましょう。Hunterメタへの抵抗を試みるPaladinプレイヤー達は定番の除去カードに加えてHumility、 Spellbreaker の採用が目立ちました。HumilityはKolentoの構築において活用されるまであまり見る機会の無かったPaladin専用スペル。所要マナはたったの1ですが、対象のアタック値を1に変更するためにカードを一枚消費するのは見合わないとしてラダー/アリーナともに評価の低いカードです。
1枚分手札のディスアドバンテージとなり扱いづらいこのカード、しかし環境次第では使い道が存在することを9月シーズンに流行したデッキが証明しています。Savannah Highmaneや早期のMountain Giantなどの対処が難しい脅威を軽々といなす活躍を見せ、Stampeding Kodoとのカードコンボにより欠点を解消する組み合わせが多く用いられました。
◆ Deck Spotlight
cTrump's 23 Card Pickup - Prismata Cup 2 [Hearthpwn]
Kolento's Paladin - Prismata Cup 2 [Hearthpwn]
Board Control Paladin Deck Tech with Gaara
Tempo & Midrange
Priest使いとして評判の高いEUサーバーのZetalot、そしてHearthstone開発チームのプロデューサーYong Woo氏らDeathrattle Aggro Priest達の8月シーズンにおける活躍はMetagameに大きな影響を与えていました。Deathrattleのシナジーに着目したPriestの新たな戦術にインスパイアを受け、他のHero達もUndertakerを構築に取り入れています。9.22のnerf patchと前後してPaladinもご多分に漏れず新たなTempoデッキの確立に取り組み始めました。
Equality + Consecrationの強烈な除去手段を持つPaladinにあっては、Handlockのように相手がこちらを上回る脅威を場に出したとしても対応可能であり、そして新カードAvengeの効果的にプレイできるデッキとして期待が高まっています。
◆ Deck Spotlight
Tempodin [Hearthpwn]
Undertaker Paladin Deck Tech with Reynad
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Priestがラダーにおいて強力なHeroへと進化を遂げたことに、9月シーズンの序盤頃には誰もが実感を覚えていたのではないでしょうか。Deathrattle Priestの登場によりMetagameの序列は大きく変動し、このクラスは一躍HunterとWarlockに次ぐほどポピュラーな存在へと成長しました。かつてMetagameを支配していた時代を彷彿とさせるほどの快進撃となった原動力であるデッキの特徴をおさらいしておきましょう。
Undertakerから始まる強烈なプレッシャーの火付け役となったデッキ、Deathrattle Priest(Death Priest, Deathrattle Aggro)。
まず目につく特徴はControlデッキ主体だった既存のPriestにはNorthshire Cleric以外にあり得なかった1マナドロップのUndertaker。このミニオンはボード上にDeathrattleアビリティを持つ仲間が増える都度、そのATKとヘルスを増加させていきます。カードドローと引き換えに除去されやすいLoot Hoarderとこれほど相性の良いカードは無いでしょう。マナコストにおいても理想的なプレイとなっています。
そしてZombie Chow。このデッキはAggroに分類されることもあればMidrangeデッキとして捉えられることもありますが、カードプレイの根っこはWarlock Zooと通底しています。Priest定番の除去カードであったShadow Word: Painがデッキから完全に抜き去られていることからも判るように、序盤からのMinionドロップでボードをコントロールすることが重視されており、アグレッシブな展開を目指しながらもZombie Chowのアビリティによって相手Heroのヘルスを回復してしまうデメリットはさして問題ではありません。
当然Undertakerとシナジーを発揮しつつ1マナでATK2/Health3はMinionというのは強烈なプレッシャーとなります。さらにさらに。前回の記事でもご紹介したように、PriestにはZombie ChowのデメリットをAuchenai Soulpriestによって相手へのburnダメージに転換できることも忘れてはいけませんね。
またCabal Shadow PriestはATK2以下のMinionが多く用いられる現行のMetaにおいて素晴らしく機能しています。1枚差しのカードについてはMind Control / Baron Rivendare / Ysera等々プレイヤーによって若干の差異が見られますが、シーズン後半に近づきHandlockが増加するにつれThe Black Knightか2枚目のShadow Word: Deathへと置き換えることにより変化が見られました。
◆ Deck Spotlight
I Dream, and the Ladder Trembles – Playing Dragon Priest to the Top of Legend [bmkgaming.com]
Deck of the Week #31: Zetalot Deathrattle Priest [BlizzPro]
【デッキ】 Deathrattle Priestについていろいろ [yusablog]
しかして右肩上がりだったDeathrattle Priestの株価もiPhone6発売後のApple社のごとく浮沈が観測されました。9.22のnerfパッチによりMetagameが大きく転換し、このデッキは早くも立場を失いつつあります。
シーズン終盤へと至るとSilenceを一枚差したControlデッキと人気が入れ替わったようです。これはMetagameの変化によらずRanked Playシーズンの終盤に多く見られる傾向であるため、今後Priestのデッキスタイルがどのように変化していくかはもう少し見守っていく必要があるでしょう。
◆ Deck Spotlight
9/4 Priest [China] [Hearthpwn]
ThijsHS Control Priest [Hearthpwn]
Kolento's Priest - Prismata Cup 2 [Hearthpwn]
▲Index
Miracle Rogueの登場後ラダーの階段を一歩ずつ上り詰め、中堅のHeroからラダーの頂点争いに加わっていたこのクラスが真っ逆さまに転落していきました。
カードプレイの難易度が若干高めであるためか、絶頂を極めていた6月シーズン前後もプレイヤー数そのものはWarlockやDruidに遅れをとっていました。カードサイクリングというデッキテーマに特化しているがためにカードの入れ替えを行う余地が少なくMetaの変化に対応し辛いこと、そしてLeeroy Jenkinsのnerfが決定打となりさらに激減してしまったのです。
Hearthstatsの統計によると9月シーズンは最下位まで急落しています。Miracle Rogueの主砲ともいえるLeeroy Jenkinsが弱体化されたインパクトを考えれば致し方ない結果なのかもしれません。
過去のシーズンリポート
May Report [Hearthstats]
June Report [Hearthstats]
July Report [Hearthstats]
August Report [Hearthstats]
何度も繰り返すようですが、Miracle Rogueというデッキの基礎設計は手札の使用によりカードを呼びこむカードサイクリングにあります。ここにGadgetzan AuctioneerとPreparationが加わることで尋常ではないアドバンテージを獲得できることが強みであり、Leeroy Jenkinsを主体とするコンボデッキなわけではありません。
これまで強力なダメージソースとして機能していたキーカードの弱体は確かに響いていますが、熟練のRogueプレイヤー達はカードの差し替えによってこのデッキがいまだ通用するかを手探りで確かめています。
◆ Deck Spotlight
[The Next Meta] - Malygod Rogue [Hearthpwn]
Deck Guide - Firebat Rogue by Firebat [Hearth2p]
Deck Guide - *No Leeroy* Hipster Miracle Rogue by Forsen [Hearth2p]
doomsayer/malygos miracle [Hearthpwn]
Miracle Rogue - Arcane Golem Edition [Hearthpwn]
Hyp3d's New Miracle Rogue [Hearthpwn]
#2 Eu Malygos rogue [Hearthpwn]
Xzirez: Token Miracle (Legend #2 S7) [Hearthpwn]
さて気になるのはMiracle Rogue以外のデッキの状況はどうなのかということでしょう。
まずAggroデッキ。ここ数ヶ月の間はMiracle Rogueへのカウンターとして有効なBackspace Rogueが主流でしたが、こちらはトーナメントとラダー双方から消えてしまいました。Naxxramasのリリースにより除去に手間取る厄介なMinionが増えたこともAggro Rogueの立ち位置を圧迫しています。そもそもMiracle Rogueを効率良く殺すデッキとして支持を集めていたもので、Miracle Rogueの減少に伴いそのアイデンティティは失われていきました。
ごくごくスタンダードなRogueデッキ、Tempo Rogueはどうでしょうか?
現行のMetaにおいては通用する可能性が十分にあるはずですが、プレイヤー達からは試されることすらありません。Priest達がDeathrattleデッキによってラダーを駆け上がったように、Naxxramasの新規カードを取り入れた新たなデッキの登場が待望されています。
Hero PowerのDagger Masteryによって任意に盤面をコントロールし、武器であるためこの影響力を複数ターン持ち越すことができること、コスト0のBackstabSI:7 Agentによってテンポの獲得に極めて優れるこのクラスにはまだ見えていないポテンシャルが秘められているとプレイヤー達は考えています。
ただしMetagameがより一層Control環境へと傾いて行く場合は苦しい時期がさらに続くことになるかもしれません。
◆ Deck Spotlight
[Spark] Tempo Rogue (S1) [Hearthpwn]
Pressure Rogue [Hearthpwn]
Going Rogue while evading Hunter traps: Naxxramas tempo Rogue guide [GosuGamers]
▲Index
Hunterメタの最中にあっても8月シーズンからShamanが健闘を続けていたのは驚くべきことですが、今シーズン序盤は新たな強敵Deathrattle Priestの登場に苦しむこととなりました。
Shamanは使い勝手の良い除去手段を数多く備えたHeroですが、このマッチアップにおいては常に先手をとられリカバリーが難しいゲーム展開を強いられます。環境へ対応するためOverloadのシナジーを生み出すUnbound Elementalを諦め、積極的に場を作り出すHaunted Creeperと差し替える構築例が人気を集めるようになりました。このミニオンはFlametongue Totemとの相性の良さも特筆すべきでしょう。
post 9.22
この記事の冒頭において9.22パッチがもたらす各クラスへの影響について簡単にまとめましたが、Leeroy Jenkinsを採用する構築は8月中旬のReincarnateデッキ以来途絶えており、このコスト増調整はShamanを使う上でさほど大きな関心事ではなかったようです。
プレイヤー達はStarving Buzzardのコスト増加により訪れるであろう変化へと目を凝らし、再びこのHeroがトーナメント・ラダー双方にとって有力な候補へと浮上してくるだろうと予測していました。
この流れの中で人気を集めたデッキ傾向の一つが、他クラスと同様にUndertakerから始まるDeathrattleシナジーを活用した序盤からのアグレッシブな展開です。Flametongue TotemやRockbiter Weaponによって少ないコストでミニオンにATKを持たせる手段を持ったShamanの場合、Haunted CreeperやNerubian Eggとの組み合わせが効果的に作用していました。
デッキのバリエーションで見ていくと、Deathrattleアビリティを持つ低マナドロップからの組み立てとEarth Shock / Lightning Storm / Lightning Storm等の効果的な除去手段は共通しています。中でも現環境においてはEarth Shockの重要度が以前よりも高まり、Shamanの定番中の定番であるLightning Boltよりも優先してピックされる例が見られました。
Shamanというクラスと対戦する際において非常に難しいのがそのデッキ傾向の見極めですが、現在の構築においても正体が割れるのはゲーム中盤以降となっています。盤面を展開したShamanがどのように終盤へと詰めていくのか、9月シーズンの流行をチェックしておきましょう。
◆ Deck Spotlight
Heavy Aggro Shaman [Hearthpwn]
Sjow's Seagiant Shaman [Hearthpwn]
Kolento's Undertaker Shaman [Hearthpwn]
BloodGiant Shaman Deck Tech with Gaara
Deathrattle ShamanについてはMagic the Gatheringのプロツアー殿堂入りプレイヤー、Brian Kibler氏のデッキ解説も要チェック。記事の中ではM;TGのプロシーンを10年以上も戦い続けている彼の目から見たHearthstoneの対戦フォーマットについても興味深い言及がなされています。
Elephants Guide Me! The Many Faces of Shaman [Bmkgaming.com]
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JARAXXUS IS ... BACK!!!
当ブログ管理人の記憶している限りですが、Warlock Control - 通称Handlockというデッキの原型は昨年のBlizzCon開催前後に固まりつつあったように記憶しています。今からは想像もつきませんが、Mage全盛の当時においてWarlockはMetagameの順位を下から数えたほうが早いという環境でした。Orc種族を破滅へ導くこの邪悪なHeroがラダーの頂点へ駆け上がるのはZooの登場まで待たなければなりません。
今年1月16日に実施されたCβ 4458 Patch、Pyroblastのコスト増加調整によりかつてのFreeze Mageが止めを刺されるまで、Life Tapで自らのヘルスを削っていくのは自殺行為に等しいものでした。誰もがMageを見限ったその頃入れ替わるように、他どのクラスにもないこのHero Powerをドローエンジンとして活用するZooとHandlockの黄金時代が到来します。
Hand、つまり手札をしこたま蓄えるControl Warlockの俗称が定着するまではJaraxxus Controlなどと呼ばれてもいたように、オールドスタイルのHandlockにはLord Jaraxxusがレイトゲーム定番のカードでした。
環境がうつろう中で、Miracle RogueやRoar Druid達のBurstダメージコンボと渡り合っていくためにいつしかLord JaraxxusはLeeroy Jenkinsと差し替えられ、そして時が経ちふたたびHandlockのデッキに還って来たのです。
このカードが検討される理由はAggroに対して自らのヘルスを回復させること、そしてCotrolデッキ同士のマッチアップにおいてデッキの底までめくる展開となったときHero power INFERNO!によって無限に召喚されるTokenが圧倒的な優位を生み出すことにあります。
◆ Deck Spotlight
New Standard Handlock "Oblivion Handlock" [Hearthpwn]
Ladder handlock- effectively beats priest [Hearthpwn]
Beginner's Guide to Handlock. Learn before the nerf bat hits! [reddit]
Season 6: Trump's New Handlock [Youtube]
Hearthstatsの統計によると、驚くべきことにWarlockは3月シーズンから半年以上もの期間に渡りラダーで最もプレイされるHeroの座を維持しています。この状況は9月シーズンも変わりなく、人気の理由はやはりWarlock Zooによるものです。Naxxramas実装後は新カードを採用した様々なデッキが試され、7月8月と引き続きDeathrattleアビリティのミニオンからなる組み立てが主流となっています。
これはZooというデッキのプレイスタイルである、ミニオンをもって場をコントロールするという性質にDeathrattleアビリティがマッチしていることが大きな要因となるでしょう。とりわけZoo同士のミラーマッチにおいてはHaunted Creeper / Nerubian Egg等の、元のミニオンが破壊されてもTokenが生成されることにより盤面へのアクセスを失わないことが重要になっています。
1ゲームのプレイ時間が短くプレイングも単調であると思われがちですが、相手のデッキ内容を推し量りカードを最も効果的なタイミングで使用するということを学ぶ上で最適なデッキでもあります。ラダークライムはもちろんこのゲームをプレイし始めたばかりの人にもやはり最も薦められるデッキの一つでしょう。
ただし、Handlockの構築が増加傾向にある現在においてランク帯によっては足止めを食らう可能性もあります。最大の敵はミラーマッチであることを忘れずに。
Hearthstone ViaGame House Cup - Final ! Day 3 - Kolento vs Amaz - Game 3
Who says Zoo has no decision making! @GnimshTV, @ForsenSC2, @AndreyYanyuk and @TidesTV can't agree. #ViagameHS
— GosuGamersHS (@GosuGamersHS) 2014, 10月 12
◆ Deck Spotlight
The perfect zoo (rank 6 Legend) [Hearthpwn]
Hearthstone Tutorial - Zoolock [Youtube]
Xixo's Deathrattle Zoo Deck [Youtube]
Handlock / Zooの2大デッキに隠れていますが、nerf前のHunterメタへと対抗するControlデッキやDeathrattleアビリティを主体としたカードコンボが特徴の構築も注目を集めました。
◆ Deck Spotlight
New Era Control-Aggro [Hearthpwn]
The New Era Of Warlock - Combolock [S7] [Hearthpwn]
▲Index
nerf前のHunterメタと急増するDeathrattle Priestに対するカウンターとして、9月シーズンもWarlock / Hunter / Priestに次ぐ高い地位をキープしていました。Paladin同様に1ゲームが長くなる傾向にあるControl Warriorがラダーでこれだけプレイされているのは、長年に渡り積み重ねた信頼性によるものかもしれません。
Metagameに大きなうねりが押し寄せている中でも、Warriorのデッキ構築に大きな変化は見られなかったようです。8月シーズンのカードピックと比較して見て行きましょう。
Whirlwindの効果とTauntアビリティを併せ持つUnstable GhoulとArmorsmith / Acolyte of Painの組み合わせは8月シーズンに定着しました。この傾向は引き続きControl Warriorの構築で数多く見られますが、異なるオプションとしてAggroに対するCleave、MidgameのSylvanas WindrunnerやSludge Belcherに効果的なSpellbreaker、 さらにHandlock対策としてBig Game Hunterを再び加える構築が現れています。
そしてゲーム終盤においてYseraが作り出すアドバンテージも再度評価がなされています。
◆ Deck Spotlight
Deck of the Week #27: Control Warrior (Season6) [BlizzPro]
Deck of the Week #32: Kitkatz Warrior #1 Rank Ladder (Season7) [BlizzPro]
Deck Spotlight: SjoW Warrior (Rank 1 Legend)
Math Warrior
シーズンも終盤へ差し迫った頃に登場し好評を博したデッキをピックアップしておきましょう。NAサーバーのレジェンドランク上位に毎度のごとく食い込んでいるプレイヤーRazorによるユニークなコンボデッキです。彼のガイド記事によると、かつて彼の構築により一世を風靡した1ターンキルデッキからヒントを得たものだそうです。
参照:
[Warrior] Giant OTK Control [dojo]
デッキの主軸はWarsong Commander / Frothing Berserkerなど他のカードとシナジーを生み出すミニオンによるカードコンビネーションにありますが、Amani BerserkerやKor'kron Eliteによる積極的な攻めも可能。さらにAcolyte of Painと組み合わせることでバリューを得るInner Rage / Death's Biteは盤面をコントロールする用法もあるため、Razor本人の言葉通り単純なコンボデッキとは分類しがたい性質となっています。
◆ Deck Spotlight
Razor's new Legend Warsong Commander Warrior Deck (Math Warrior) [reddit]
Razor's Math Warrior [Hearthpwn]