Ranked Play Season #5 August 2014
哀愁のSavannah Highmane。即nerf対象になるMidrange Hunterの明日はどっちだ
Hearthstats8月リポート
➥ [Hearthstats] August Report
Index
▼ Overview▼ Druid
▼ Hunter
▼ Mage
▼ Paladin
▼ Priest
▼ Rogue
▼ Shaman
▼ Warlock
▼ Warrior
【重点事項】
このMeta Reportは海外サイトのガイド記事やトーナメント、ラダーのストリーミング等を参考に記述しています。当ブログ管理人の観測範囲内における情報と印象を基にしているため、実状にそぐわない面も多々あろうかと思います。その点はご了承下さい。
Hearthstatsシーズン統計
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◆ 過去のMetagame Season Report
➥ [メタる] State of the metagame
▲Index
Overview
30種類の新カード
2013年8月16日からクローズドβテストが開始されたHearthstoneに待望の新モードがリリースされました。高難易度のAIと対戦する新たなゲームモード、Solo Adventuresの第一弾となる「Curse of Naxxramas」はコンテンツが5分割され一週間毎に解禁となり、7月23日(カリフォルニア現地日付22日)から8月20日にかけて全要素が実装されています。
コンテンツの目玉は手強いAIとの対戦を楽しむ一人用プレイモードであることでした。しかしやはり大勢を占めるラダーモードプレイヤーの関心はSolo Adventures攻略の報酬として獲得できる新たなコレクションカードでしょう。この拡張パッチに付随する新カードの追加は、昨年10月のワイプと同時に行われたカードの改廃と11月BlizzConのIn-game goodieとして登場したElite Tauren Chieftain以来初となります。
他の対戦型カードゲームと比較するとおそろしくスローペースで少ないカードの追加かもしれません。そして新カードそれぞれは単体で環境を激変させるほどの影響力はもありません。しかしその一滴一滴がメタゲームの海に降り注ぎ8月シーズンのラダーに無数の波紋を生み出し、波紋と波紋がぶつかり合い起きる干渉はデッキとHeroの人気が浮沈する様を映し出しています。
とりわけ今回の新カード実装は1週間毎に5~6枚ずつ、クラス専用カードは第一週のDruid・Rogueと最終週のPaladinとでは4週間もの間隔が置かれていました。
カードアンロックに一週間ずつのスパンが空いたため、Heroごとの公平性に課題を残したかもしれません。しかしながら少数の追加カードと既存デッキとのシナジーを研究する時間が確保され、毎週新たなデッキアイデアが産み出される楽しみが続いたという効用もあるかと思われます。
大量のカードをまとめて一度にリリースするか、時間を空けて少しずつ解禁されていくか。あなたならどちらが適切だと思いますか?
新カード採用状況
今回追加された新カード30種類をプレイヤー達がどのように受け止め、戦略に取り入れているのかをざっくりチェックしておきましょう。カードの人気度、既存デッキコンセプトとの相性、流行しているデッキへの採用率など気になるところですね。
お馴染みのLiquidhearthではトッププレイヤー達によるNaxxramas追加カードの評価ランキングが公開されています。Naxx実装開始前のTierと比較してみるのも一興。
Power Rank: Curse of Naxxramas Cards [Liquidhearth]
August Power Ranks: Naxx Revisited [Liquidhearth]
下記テーブルリストは海外のコミュニティサイトHearthpwnとHearthHeadに登録されたデッキのうち、それぞれのカードが含まれているデッキ数を表示しています。
採用デッキの数字そのものはラダーにおける流行度を正確に反映しているものとは言えません。デッキのほとんどが登録した本人以外からは評価がありませんし、NaxxramasのAI戦攻略用デッキも含まれた数であるからです。
まぁなんとはなしに、カードの人気度を雰囲気で読み取れそうなデータではあるかもしれません。もうちょっとStoneskin GargoyleとWailing Soulを用いたデッキアイデアが出現するのを期待したいところです。
(デッキ登録数は9月1日時点、HearthHeadは上限200までの表示です)
Class | Name | Hearthpwn | Hearthhead |
Neutral | Baron Rivendare | 1489 | 200 |
Neutral | Dancing Swords | 664 | 200 |
Neutral | Deathlord | 1402 | 200 |
Neutral | Echoing Ooze | 650 | 141 |
Neutral | Feugen | 1161 | 200 |
Neutral | Haunted Creeper | 3287 | 200 |
Neutral | Kel'Thuzad | 1036 | 200 |
Neutral | Loatheb | 3225 | 200 |
Neutral | Mad Scientist | 1016 | 200 |
Neutral | Maexxna | 707 | 200 |
Neutral | Nerub'ar Weblord | 401 | 186 |
Neutral | Nerubian Egg | 3860 | 200 |
Neutral | Shade of Naxxramas | 562 | 187 |
Neutral | Sludge Belcher | 3227 | 200 |
Neutral | Spectral Knight | 807 | 200 |
Neutral | Stalagg | 1140 | 200 |
Neutral | Stoneskin Gargoyle | 327 | 186 |
Neutral | Undertaker | 1532 | 200 |
Neutral | Unstable Ghoul | 1449 | 200 |
Neutral | Wailing Soul | 169 | 56 |
Neutral | Zombie Chow | 707 | 200 |
Druid | Poison Seeds | 564 | 174 |
Hunter | Webspinner | 686 | 200 |
Mage | Duplicate | 689 | 200 |
Paladin | Avenge | 387 | 103 |
Priest | Dark Cultist | 686 | 200 |
Shaman | Reincarnate | 797 | 94 |
Rogue | Anub'ar Ambusher | 260 | 200 |
Warlock | Voidcaller | 454 | 155 |
Warrior | Death's Bite | 558 | 200 |
ここで見るべきはカード個別ページに表示される登録デッキのレーティング(ネガポジ評価投票)。上記表に羅列された数字にはカード個別ページへとリンクを張ってあります。
画像のように個別ページを開くと、サイト登録者の評価とコメントが寄せられたデッキがレーティングでソートされています。Updatedの日付は登録者がページを最終更新した時点のものでありデッキ登録日ではないことにだけ注意。大雑把な目安として日付の下に表示されるのは、カードの変更や追加が行われたアップデート期間です。
ここで高い評価を受けているデッキはラダーを回している間に何度も出会ったものではないでしょうか。評価の集まっているデッキというのは主に著名プレイヤーが個人の配信で使用したり、トーナメントで結果を残したデッキ、または作成者が知られていない者であっても各サイトのDeck Spotlightに取り挙げられたりredditで注目が集まったトピックなどから転記されていることもあります。
いずれにせよ何らかの形でその戦術が有効であることを証明し、他プレイヤーの支持を集めコミュニティの影響力により伝播している戦術ということです。
Metagameの捉え方のひとつですが、プレイヤー達のデッキ選択においては与えられた範例の模倣として流行やトレンドを形成している面が大きくあります。
今年の流行色が紫ピンクだと話題になったらファッションに取り入れてみたくなるようなものです。流行というものに流されたり影響を受けることへの視点はそれぞれですが、人間というものは抜き難くそうした性質を持ってるものですから是非を論じても仕方ありません。
いかに自分の勝率を高めるか、そのために傾向を分析し活用することがMetagameの方法論です。
さて8月シーズンに注目を集めたHeroといえばHunterを第一に挙げるべきでしょう。使用されたデッキのほとんどはUnleash the Houndsのコスト増nerfにより一線を退いていたMidrange Hunterです。新たなBeast種族MinionのHaunted CreeperとWebspinner、そしてデッキからSeclet効果を呼び出すMad Scientistという強力な武器を引っさげ帰ってきたMidrange Hunterの勢いはとどまるところを知りません。
そしてNaxxramas以前のMetagameの頂点に君臨していたMiracle Rogueはどうなったのでしょうか。ラダーでの遭遇率は格段に減少しているのは間違いありません。ただしそのことが、Miracle Rogueという戦術が現在の環境に通用しないことを意味しているわけではないようです。
プレイヤー達は新カードによる新たなデッキアイデアに挑戦を試みており、Gadgetzan Auctioneerを中心として新カードを入れる余地のほとんど無いほど煮詰められたデッキテーマの人気が一時的に後退しているというだけなのかもしれません。なお、このデッキへのカウンターとして機能することを期待されていた新Legendary MinionのLoathebですが、皮肉なことにMiracle Rogueに最も採用される新カードとなりました。
トーナメント・メタ
ラダーと競技として争われるトーナメントのMetagameはまったくの別物でありこの稿においても一緒くたに語るべきではないのかもしれません。
しかし参加プレイヤー達のほとんどは日々ラダーで研鑽を重ね判断力に磨きをかけ続けています。トーナメント用に数枚のカードの入れ替えこそあれ、信用のおけるほど使い込んだデッキを用いるのが一般的でしょう。
また、ラダープレイヤー達に対してもトーナメントの結果は多大な影響を及ぼします。どちらも別物でありながら、密接に絡み合った不可分な存在であると考えるのが適切かと思われます。
前置きはこのくらいにしてNaxxramas実装期間中と第五週リリース後に2度開催された「VGVN Naxxramas Release Tournament」、そして「HyperX Invitational」においてトッププレイヤー達の用いたデッキをチェックしておきましょう。
VGVN Naxxramas Release Tournament #1
VGVN Naxxramas Release Tournament #1 [Liquipedia]
Savjz, Forsen through to VGVN day one [GosuGamers]
Realz's Paladin wrecks face at VGVN day two [GosuGamers]
Player | Decks1 | Decks2 | Decks3 | Decks4 |
Amaz | Mid Hunter | Control Priest | Mid-Control Shaman | Zoo Warlock |
Realz | Token Druid | Mid-Control Paladin | Handlock | Aggro Rogue |
Savjz | Mid-Control Shaman | Mid Hunter | Handlock | Miracle Rogue |
Forsen | Mid(Ramp Roar) Druid | Control Priest | Miracle Rogue | Control Warrior |
Xixo | Mid Hunter | Miracle Rogue | Zoo Warlock | Control Warrior |
Rdu | Miracle Rogue | Mid-Control Shaman | Zoo Warlock | Control Warrior |
Lucky | Token Druid | Mid Hunter | Miracle Rogue | Mid-Control Shaman |
Reynad | Token Druid | Mid Hunter | Miracle Rogue | Handlock |
HyperX Invitational
HyperX Invitational Decklists [Hearthpwn]
Player | Decks1 | Decks2 | Decks3 | Decks4 |
Rdu | Mid Hunter | Miracle Rogue | Handlock | Control Warrior |
Theude | Mid(Ramp) Druid | Mid Hunter | Handlock | Control Warrior |
Wuaschtsemme | Token Druid | Mid Hunter | Miracle Rogue | Handlock |
Reynad | Mid(Ramp Roar) Druid | Mid Hunter | Miracle Rogue | Control Warrior |
Trump | Mid Hunter | Control Priest | Zoo Warlock | Control Warrior |
Amaz | Mid Hunter | Mid-Control Paladin | Control Priest | Mid-Control Shaman |
Forsen | Secret Mage | Control Priest | Miracle Rogue | Control Warrior |
TidesofTime | Mid Hunter | Freeze Mage | Mid-Control Paladin | Control Warrior |
VGVN Naxxramas Release Tournament #2
VGVN Naxxramas Release Tournament #2 [Liquipedia]
Kolento rules day one of VGVN, Trump follows him into playoffs [GosuGamers]
Reigning VGVN champion Amaz out as Thijs, Hyped rule day two [GosuGamers]
Player | Decks1 | Decks2 | Decks3 | Decks4 |
Kolento | Mid(Ramp Roar) Druid | Mid Hunter | Control Priest | Mid-Control Shaman |
Trump | Mid Hunter | Control Priest | Zoo Warlock | Control Warrior |
Xixo | Mid Hunter | Secret Mage | Mid-Control Shaman | Zoo Warlock |
Realz | Mid Hunter | Mid-Control Paladin | Miracle Rogue | Zoo Warlock |
ThijsNL | Mid(Ramp Roar) Druid | Mid Hunter | Handlock | Control Warrior |
Hyped | Mid Hunter | Freeze Mage | Miracle Rogue | Control Warrior |
Amaz | Mid Hunter | Mid-Control Shaman | Mid-Control Paladin | Control Priest |
Haibara | Mid Hunter | Mid-Control Paladin | Control Priest | Control Warrior |
◆ 集計
Decks | 合計 / Decks | Class | 合計 / Class |
Mid Hunter | 20 | Hunter | 20 |
Control Warrior | 13 | Warlock | 14 |
Miracle Rogue | 12 | Rogue | 13 |
Control Priest | 9 | Warrior | 13 |
Mid-Control Shaman | 8 | Druid | 9 |
Zoo Warlock | 7 | Priest | 9 |
Mid-Control Paladin | 6 | Shaman | 8 |
Handlock | 7 | Paladin | 6 |
Mid(Ramp Roar) Druid | 4 | Mage | 4 |
Token Druid | 4 | ||
Secret Mage | 2 | ||
Freeze Mage | 2 | ||
Aggro Rogue | 1 | ||
Mid(Ramp) Druid | 1 | ||
総計 | 96 | 総計 | 96 |
おそらくはラダーを回している時にプレイヤー達が感じ取る印象にほど近い結果ではないでしょうか。
Midrange Hunterの図抜けた採用率は言わずもがな。3大会の合計24プレイヤー中20名がこのデッキを選択しています。興味深いところではMiracle Rogueと競り合うControl Warriorの人気度、そしてNaxxramas前のMetagameに定着していたFreeze Mageは二人しか採用しなかったことでしょうか。これまで長きに渡りその安定感で首位争いにあったDruidの低調ぶりも目に付きます。
さらにこれまでトーナメントメタにおいて常に念頭に置かれていたHandlockを上回り、PaladinとPriestのControlデッキは一定の地位を築き始めたように見えます。
BlizzCon前カード調整
Upcoming Balance Changes for 9/22 [Battle.net]
BlizzCon会場で開かれる世界大会を前にしてカードバランス調整のアナウンス。
対象となるのはimbalanceとして言及されることの多かったクラス共通ミニオンLeeroy JenkinsとHunter専用カードのStarving Buzzardの2枚です。
バランス調整実施は9月22日。通例ですと現地時間23時59分(カリフォルニア夏時間)のため、日本時間では23日16時前後と見込まれます。
Starving Buzzardのドロー能力がHunterの大胆なカードプレイを後押ししている現状においては、Metagameの順位を大きく入れ替える影響が想定されます。8マナをも要するUnleash the Houndsとのコンボはほぼ死に体と言ってよいでしょう。
コスト増加に伴いアタック値とヘルス値も調整されていますが、1ターン以上生き延びることが難しいStarving Buzzardの性質に寄与するほどのものではありません。このミニオンについてはこれまでとは異なる運用方法が必要となります。
そしてみんな大好きLeeroy Jenkins。
調整はマナコストをたった1増加させるだけのものですが、既存の戦略にもっともインパクトを与えるバランス変更となります。
カードコンボの一例を挙げてみましょう。
Leeroy Jenkins + Shadowstep x 2
調整前) 4 + 2 + 2 = 計 8
調整後) 5 + 3 + 3 = 計 11(The Coinを挟めば実行可能)
Leeroy Jenkins + Power Overwhelming(or Blessing of Might) + Faceless Manipulator
調整前) 4 + 1 + 5 = 計 10
調整後) 5 + 1 + 5 = 計 11(The Coinを挟めば実行可能)
Leeroy Jenkinsのアタック値を利用し1ターンでバーストダメージを叩き出すコンボが影響を受け、これを最大の武器としているMiracle Rogueにとっては根底から戦術を見直すことを迫られることになるかもしれません。
たった1マナ、されど1マナ。The Coinを残しておいたとしても18ダメージLeeroy ダブルステップコンボはこれまでより2ターン発動が遅くなるのです。
今回の調整は猛威を奮うMidrange Hunterといまだ強力なMiracle Rogueを焦点に行われるものとなります。ラダーやトーナメントにどれほどの影響が見られるか興味深いものですね。なおBlizzard公式によると、11月のWorld Championship前に行われるバランス調整はこれが最後のものとなるとのことです。
今後の展望
クローズドβ開始から一年、正式サービス開始から5ヶ月が経過しました。
追加カードの枚数が少ないというのも然り。開発チームにとっての優先順位は正式サービス開始までに、まがりなりにもBlizzard Entertainment社のゲームとしての評価に耐えうるクオリティまでゲームバランスを磨き上げることが第一でした。プレイヤー達を苦しめたバグの修正もその一環です。
参照:
半年前のSeatStory Cupでガン切れかますek0pさん
SeatStory Cup #1 - Day 2
先月末にはカナダ有数の観光都市、バンクーバーで催されたUnity Awards 2014のGolden Cubeを見事受賞しました。開発環境にUnityを採用し、タブレットやモバイルでの展開を視野に入れたこのゲームの成り立ちに興味のある方は下記リンクをご参照下さい。
参照:
2014 UNITY AWARDS WINNERS [unity3d.com]
カードのある生活 [japan.unity3d.com]
今年1月のオープンβから3月に正式サービス開始、翌月にはiPadバージョンリリースと順調にタスクを消化し、Windows 8 Touch対応と初の拡張パッチ「Curse of Naxxramas」に至りました。昨年のBlizzCon2013会場で発表された公約は残すところモバイルバージョン(iPhone及びAndroid OS)のみ。
スマートフォンでもHearthstoneが遊べるというのはたいへん魅力的ですし、Android OSのタブレットを所持している人は首を長くして待ち続けていることでしょう。そしてコアなプレイヤー達にとって気がかりなのは更なる追加カードとなります。
先月開催されたヨーロッパ最大のゲームショウ「Gamescom 2014」の会場インタビューでは今後の拡張を仄めかす発言が次々と飛び出しました。
参照:
Hearthstoneのシニアプロデューサー、ヨン・ウー(Yong Woo)氏のインタビュー要約 [Nemukejp]
11月開催予定のBlizzCon2014では更なる情報の公開が期待されています。
そういえば忘れかけていましたが、2月のDevインタビューではHero Skinアイテムの販売なんてアイデアもありましたね。
参照:
Community Developer Interview Summary [dojo]
▲Index
Naxxramas解禁後に浮き沈みの見られたHeroの一人がDruidでしょう。7月シーズン終盤から新カードを加えたToken Druidは確かに強烈な存在感を放っていました。
Harvest Golemと似通った性質のHaunted Creeper、BattleCry発動のMinionを封殺するNerub'ar Weblordなど序盤から盤面のポジションを取りつつ中盤へと繋ぐカードプレイにより、大氾濫していたZooに対しても十分に渡り合うことが可能だったことも支持の一因であったようです。
一時的にSpectral Knightの人気が見られたものの、Toked Druidとの相性の良さ、そしてMiracle Rogue対策としてその席はSludge Belcherに取って代わられています。この2枚の新カードは実戦に投入されてから評価の逆転した興味深い例でした。
◆ Deck Spotlight
Naxx - Colma Token Druid [Hearthpwn]
Reynad's NA/EU Ladder "Token No Growth" [Hearthpwn]
Whiskey's Token (Anti Reynad's hunter) [Hearthpwn]
Naxx Token [Hearthpwn]
ラダー、トーナメントどちらもあまり見かける機会はありませんが、Nerubian EggやWailing Soulなど追加カードによる新たなギミックを取り込んだWatcher Druidの構築も研究が進められています。ふたたび勢いを取り戻したControl Warriorへのひとつの回答として、9月以降は支持を集めていくかもしれません。
◆ Deck Spotlight
Four Decks for Week Four – New Watcher Druid [Hearthstone Players]
Legend Rank: Naxx Egg-Watcher Druid, No Innervate [Hearth2p]
Naxx re-imagined Watcher Druid which got me Legend rank this season [reddit]
一方でDruidの定番であるマナ加速のスペルカードWild Growthを含むMidrangeスタイル、通称Ramp Druid(Roar Druid)も新カードが開放されるつど変化が見られました。
Loatheb・Maexxna・Sludge Belcher・Spectral Knightといった中盤戦における魅力的なミニオン達をどのようにデッキに採用していくか。これを考える上でカード入れ替えの対象となったのは終盤におけるコンボ用のSavage Roar、Force of Nature、そしてWild Growthすら抜いてしまうデッキも登場しています。
タフなTauntミニオンを複数枚採用したDruidはZooを相手にしている内は良かったものの、Warlockをも凌駕する勢いで増加したMidrange Hunterには苦戦を強いられています。
◆ Deck Spotlight
How To: Ramp Druid [Blizzpro]
Naxx Ramp Druid - Great VS current meta + guide and card pick info [Hearthpwn]
Rushino's Demolisher Zoo [Hearthpwn]
TheChiv's Deck Spotlights: Naxx Ramp Druid [Youtube]
Ramp Druid Counter Naxx Zoo Deck [Hearth2p]
Kel'Druid [Hearthpwn]
Dog's Anti-Hunter Deck 8.18.04 [Hearthpwn]
テンポを一瞬でくつがえしRamp Druidの最大の長所を殺すFreezing Trap、処理が難しく厄介なSavannah Highmane、そしてStarving Buzzardからのカードドローにより一貫して強力なプレッシャーを与え続けるMidrange Hunterによってラダーから徐々に姿を消していったのです。
一時はDruidという最も安定感のあるクラスがトップメタから転落したかにも見えました。この状況に一石を投じたのがEUサーバーの雄、VGVN Naxxramas Release Tournament #2で初のトーナメント優勝を飾ったKolentoです。
Kolento's Naxx Control Druid Deck to Fight for Top Legend Rank [Hearth2p]
Savage Roar・Force of Natureの定番コンボに加え、Echoing OozeとShade of Naxxramasという珍しいカードをデッキに取り入れています。
double comboなどと呼ばれることもありますが、実際のところEchoing Oozeの性質とシナジーを発揮するのはDefender of Argusのみ。序盤から手堅いボードプレゼンスを獲得することに重きが置かれているようです。
クラス専用新カード
「(敵味方問わず)すべてのミニオンを破壊、破壊されたミニオンをアタック2/ヘルス2 Treantに置き換える」
Naxxramasで追加されたこの新スペルを用いたデッキアイデアを見かける機会はそう多くありませんでした。タフでバリューなミニオンを主力とする既存のMidrangeスタイルと噛み合わないことが大きな要因です。
盤面の不利を覆す用途としては状況が限定されてしまうため、スペルの性質を活かしDeathrattleに特化したデッキや盤面をミニオンの数で圧倒するToken型の構築でこそ輝くカードであると考えられます。
◆ Deck Spotlight
Crispy's kitty [Hearthpwn]
Naxx Hype Druid 2nd week [Hearthpwn]
[Laggsramas]Budget Token Druid [Hearthpwn]
▲Index
Midrange Hunter再び
4月シーズンに旋風を巻き起こしMetagameを支配したMidrange Hunterが還って来ました。
Naxxramasの新カードに賦活されたデッキの代表格として第一に挙げられるデッキです。DreamHack Bucharestでの活躍ぶりもまだ色褪せないMidrange Hunterは、Unleash the HoundsのnerfとMiracle Rogueの台頭により一時はラダーから姿を消していました。野生を取り戻すきっかけとなったカード達を最初にチェックしておきたいと思います。
お世辞にも前評判が良いとはいえなかったWebspinner、Beast種族のNeutralミニオンHaunted Creeper、死亡時にデッキからトラップ効果を引き出すMad Scientist。
上記3枚に加えLegendaryカードのLoathebは驚くほどのシナジーを発揮しMidrange Hunterを再び頂点へと押し上げました。
カードがデッキにおいてどのように作用しているかを読み取るために、今回のMidrange Hunterにも大きく分けて二つのバージョンがあることをまずおさえておくべきでしょう。
◆ Deck Spotlight
Reynad's "OP Hunter" Mad Scientist Deck [Hearthpwn]
Naxx] Midrange Beast Hunter (Kolento's Miracle Hunter) [Hearthpwn]
Trapスペル無しのBeast主体型(Safari)と、Trap有りのコントロール寄りという違いですね。Trap有りには付随してEaglehorn Bowもデッキに含まれますが、Aggroデッキと異なり盤面のミニオン除去に用いられる用途が多くなります。
旧来のTrap型Hunterに見られた難点はEaglehorn BowとTrapスペルのシナジーを活かすことがボード上のアドバンテージへと発展し辛い点にありました。そこへ登場したMad Scientistは2マナでボードにポジションを取りつつ死亡時にトラップスペルを設置するという特殊なアビリティがTrapとEaglehorn Bowの性質と噛み合ったのです。
Beast Hunter、またはNaxxramasとSafariをもじってNaxafari Midrangeと呼ばれるBeast種族特化のスタイルも同様に猛威を奮っています。Kolentoの用いたMidrange Hunterは彼の代名詞から着想してMiracle Hunterというニックネームも定着しています。そのプレイスタイルはまさにMiracle Rogueのカードサイクルの如く、Starving Buzzardのドロー能力を最大化することで莫大なアドバンテージを獲得することが可能です。
nerfの衝撃
冒頭でも取り挙げましたが、今月22日にLeeroy JenkinsとStarving Buzzardのカード調整が行われます。
Aggro HunterはLeeroy Jenkins + Unleash the Houndsコンボも武器の一つであるため影響を免れませんが、深刻なのはもちろんStarving Buzzardのコスト増加です。
トーナメントのPick Banを鑑みれば妥当であるかもしれませんが、ここまで決め打ちでnerfを行うとは予想外でした。調整無くしてはBlizzCon開催まであと2ヶ月間、MetagameをHunterが支配し続ける状況に変化は見られないだろうと踏んだものでしょうか。
クラス専用新カード
「デスラットル:ランダムでBeast種族のカードを1枚ドロー」
アタック1ヘルス1の死亡時にカード1枚ドロー。カードの性質としてはNovice EngineerやLoot Hoarderと似通っています。1マナであることは利点ですが、ドローするカードはデッキからではなくコレクション全体からランダム。純粋にデッキのカードを1枚増やす効果であるためFlareのようにデッキ圧縮の効用は期待できません。
Midrange型との相性が良いだろうと見込まれてはいましたが、有用なカードが数多くあるなかでのデッキ2枠を埋める価値があるか疑問の声もありました。しかし実際にカードがアンロックされてみるとHunterプレイヤー達はこのミニオンをこぞって採用し、Webspinnerをデッキに組み込まないほうが珍しいほどに定着しています。
まず1ターン目にミニオンカードをプレイすることそのものが、序盤のテンポ争いにおいて大きな足がかりとなります。仮に相手がHero powerでWebspinnerを処理した場合、Hunter側はBeastカードを一枚ドローしつつ2、3ターン目をフリーでプレイ出来るというのが強みの一つ。もちろん自身がBeast種族であるためHoundmasterとのコンボも可能です。
また、序盤にプレイ出来なかったとしてもコストの低さを活かしたドローソースとして非常に有用”でした”。
今月のStarving Buzzardコストnerf調整以後は発動タイミングが遅れること、ゲーム後半になるほど盤面におけるアタック1/ヘルス1のミニオンの価値が下がることによりその使い勝手良さも制限を受けることとなります。
◆ Deck Spotlight
【デッキ】 Midrange Hunterについていろいろ [yusablog]
Hunter Resurgence: Reynad's Naxx Midrange Hunter [Hearth2p]
Hunter Control + Guide [Hearthpwn]
Deck Talk Ep.03 Special Guest DKMR_Kisstafer [Youtube]
Deck of the Week #26: DKMR Midrange Hunter [BlizzPro]
Mad Scientist Hunter (~75% winrate with write-up) [Hearthpwn]
anti-secret hunter (top 100 legend) [Hearthpwn]
Feral Synergy - (S5 High Legend) - Meta Innovation [Hearthpwn]
Force Strategy Gaming Deck Spotlight: NEW Midrange Hunter [Youtube]
Xzirez: Belcher Hunter (Top 10 Legend) [Hearthpwn]
Zoo Hunter. Easy Legend (No unleash) [Hearthpwn]
▲Index
Alexstraszaにより相手のヘルスを強制的に15へ減らし、1ターンの間はほぼ無敵に近いIce Blockの効果で稼いだ時間にFireballやPyroblast、Frostbolt+Ice Lanceなど豊富なBurnスペルを叩き込んで止めを刺す。
5月シーズンに復活したFreeze Mageは格闘ゲームでいうハメ技を見ているような印象を受けるほど、相手の反撃を許さず封じ込めるカードプレイのロジックにより最も強力なデッキの一つに数えられていました。
ただしヘルスとは別計算のArmor値を重ねられるとAlexstraszaからのBurnスペルで削り切れないこと、そして命綱となるTrapを解除されると無防備になるという弱点を抱えています。
Naxxramas実装開始まで第一線で通用していたFreeze Mageが解けた氷のように消えてしまったのは、最悪の敵であるControl WarriorとHunterが再びラダーの頂点争いに加わったことがその理由となります。
どんなに強いと賞賛されるデッキも環境の変化によってまるで通用しなくなるという好例ですね。otter poppsやDreamHack Summerの王者RDUに代表されるスタンダードなFreeze Mageの構築ではあまりにも不利な現状ですが、Giantsに活路を見出す構築は少数ながら生き残っています。
Deck Tech: Hyped's VGVN2 Giant Mage Deck
Too many secrets !!
トップメタのHunter達がデッキにFlareを組み込んでいるにもかかわらず、Naxxramasの新カードに触発されたSecret Mageの試みはプレイヤー達にとってチャレンジ精神をかきたてる構築であるようです。採用されるカードは様々ですが、総じて見られる傾向はAggroとMidrangeの中間のようなデッキの構築となっている点に注目してみましょう。
キーカードのMad Scientistとシナジーを発揮する1マナミニオン、Undertaker、さらに発展してLoot Hoarder、Harvest GolemによりDeathrattleシナジーが序盤の理想的なカードプレイとして組み込まれています。レイトゲーム用の高マナコストミニオンはほぼ皆無であるのも特徴的。対戦の際にこれまでのContrl型Mageを想定していると、ゲーム中盤に取り返せないほどの差を付けられることになるでしょう。
そして面白いのはFeugen / Stalaggの2体。この2体がゲーム中に破壊されるとTokenとして召喚されるThaddiusの脅威はさることながら、この2体の性質とステータスがSecret Mageにマッチしているようです。
◆ Deck Spotlight
Sjow New Naxx Mage Deck! [Hearthpwn]
FastMage v.1.5 (Deathrattle Spell Hybrid Synergy) [Hearthpwn]
[Top200 Legend EU] Mage tricks [Hearthpwn]
Hearthstone: Season 5 Constructed #15 - Secret Mage
クラス専用新カード
「シークレット:フレンドリーミニオン1体が破壊される時、破壊されたミニオンのコピーを手札に2枚加える」
流行のSecret Mageにはこの新しいSecretスペルも当然組み込まれています。注目すべきはDuplicateが1枚刺しであるか2枚なのかの違い。
DuplicateによってどのようなValueが得られるかを考えてみましょう。当たり前ですが破壊されたミニオンが手札に2枚複製されるというアドバンテージですが、複製されたカードを場に出すためのコストは変わりありません。ボードに残しておくと厄介なミニオンを処理させるという相手の行動が、そのままこちらのカードアドバンテージへと転化するというトリッキーなカードプレイによってこのカードのValueを最大化することができます。
デッキの性質との一貫性を考えた場合、Duplicateの2枚は”重い”こともあるのです。
◆ Deck Spotlight
Deck Talk Ep.05 Special Guest: Moonstar [Youtube]
it's a trap! (NAXX SECRET MAGE) [Hearthpwn]
Amaz NEW Mad Scientist Deck [Hearthpwn]
▲Index
Naxxramas解放後にPaladinにとって無二の友となったのはとても意外なカード、Sludge Belcherでした。マナカーブに素晴らしくフィットすること、そして破壊されてもTokenのSlimeを残すという手堅さが人気を集めているようです。Aggro以外のデッキではよほどの理由が無い限り定番として採用されることになるでしょう。
他にもLoathebやHaunted Creeperなど相性の良い新カードを加えたPaladinはMidrangeとControlの両面を併せ持ったデッキが主流となり、もはやトーナメントシーンにおいて希少な存在ではなくなりました。しかし残念ながらラダーでの人気へとそのまま繋がっているとは言い難い状況です。
BO3やBO5の戦いにおいてControl Paladinは頼れるデッキのひとつとして愛用されていますが、主には1戦目2戦目に敗北した際の”返し”のデッキとして重宝されており、HunterやMiracle Rogueとマッチアップすることの多いラダーにおいては勝率に厳しい面があります。
◆ Deck Spotlight
Force Strategy Gaming Deck Spotlight :Midrange Paladin (Kolento) [Youtube]
Force Strategy Gaming Deck Spotlight: Naxx Enhanced Mid Pally [Youtube]
The Hearthstone Stratagem – Paladin Deck [Hearthstone Players]
Rattledin is back! [Hearthpwn]
Darkwonyx El Diablo 0.5 Paladin [Hearthpwn]
Darkwonyx El Diablo 0.5 Paladin
クラス専用新カード
「シークレット:フレンドリーミニオンのうち1体が破壊される時、ランダム対象でフレンドリーミニオンにアタック3/ヘルス2を付与」
予想に違わずPaladinのクラス専用新カードはプレイヤー達に歓迎されてはいないようです。1マナでアタック3/ヘルス2と考えればそこそこの価値があるかのようですが、盤面にbuff対象となるミニオンが残っているという条件がネック。またSecretであるため任意で発動できないこと、対象がランダムであること、そして残されるミニオンを相手が選べるという数々の難点によりPaladinプレイヤー達もあまり食指を伸ばす気になれないのでしょうか。
NaxxramaのNeutralミニオンHaunted CreeperやEchoing Ooze等を加えシナジーを得るデッキも登場していますが、ラダーにおいて大きな成功を収めるには時間と環境の変化を必要としています。
◆ Deck Spotlight
Synergy Oozadin [Hearthpwn]
Reynad's "OP Pally" Avenge Rush [Hearthpwn]
new Shockadin easy legend [Hearthpwn]
▲Index
プレイヤーからの人気とラダーの勝率ともにどん底街道をひた走り続けてきたPriestにようやく転機が訪れました。
クラス専用新カードの追加までは第4週まで長々と待たされたものの、Zombie Chow / Haunted Creeper / Deathlordといった新カードを早速取り入れたPriest達は旧来のContrlスタイルから徐々にMidrangeへとシフトする動きを見せています。
盤面を直接コントロールするShadow Word: Pain / Shadow Word: Death等の定番カードと差し替えられている例が顕著な傾向でした。
とりわけ注目を集めたのがシーズン中盤にLegend上位まで登りつめたTrumpのデッキです。
Auchenai Soulpriest + Circle of HealingやWild Pyromancerのコンボを残しつつHaunted Creeper / Deathlordをデッキに採用しています。シーズン序盤のZoo大氾濫からMidrange Hunterへと急転するMetaに対応し、どのようなカードの差し替えが行われたかを比較して見ておくと構築のヒントが得られるはずです。
◆ Deck Spotlight
Priest deck Trump used to get Legendary [Hearthpwn]
TSM Trump - Priest 2.1 (Naxx week 4) [Hearthpwn]
Hearthstone: Double Agent Deathlord (Priest Constructed)
Zombie chow Combo
新カードの追加はこれまで存在しなかったカードコンボも生み出しています。わけても本来はデメリットであるはずのZombie Chowに設定されたアビリティをAuchenai Soulpriestによりダメージに転化させるPriestのコンボには大いに刺激を与えられました。
Baron Rivendareによりダメージ効果はさらに倍増。Priestと対戦する際にZombie Chowをボードに生き残らせる(死んでるけれど)のは後々こうした危険が潜んでいることを忘れずに留めておきましょう。
Constructed Highlight - Zombie Ciao!
クラス専用新カード
「デスラットル:Dark Cultistが破壊される時、ランダム対象でフレンドリーミニオンにヘルス3を付与」
3マナのアタック3/ヘルス4というこれまでにない優秀なステータスもさることながら、破壊されても他のミニオンにbuffを残すアビリティを持つDark CultistはPriest達の期待に十二分に応えているようです。このミニオンは他の低マナミニオンも同時にデッキへ組み込むのが一般的な用い方となります。シニアゲームプロデューサー、Yong Woo氏のAggroデッキはこのDeathrattleシナジーを最大化し序盤からボードを支配し続けるプレイが可能です。
◆ Deck Spotlight
Kolento's naxx priest [Hearthpwn]
Revisiting Priest: Gaara's Naxxramas Priest deck [Youtube]
Extensive Legend Priest Guide – Deck Analysis [Hearthstone Players]
Rose Quartz [Hearthpwn]
Yong Woo's Naxx Aggro Priest - Donut Rush [Hearth2p]
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新カード実装後のMetagameにおいて最大の焦点であったMiracle Rogueの立場はどのように変化したのでしょうか。結果はトーナメントやラダーで目にしている通り、多くのプレイヤー達がさして変わりないと感じているようです。
Miracle Rogue殺しとして期待されていたLoathebをMiracle Rogue自身がいち早くデッキに組み込み、相手のボードコントロールの手段を一時的に封じることでGadgetzan Auctioneerや他のダメージソースとなるミニオンを保護するという新たな武器を手にしました。
かつてほどの迫力は感じられませんが、Savannah HighmaneやHoundmasterのbuff付きミニオンをSapで返せるRogueはいま現在に至ってもMetagameの頂上を争う立場にあります。
ただし、9月22日に予定されているLeeroy Jenkinsのコスト増加調整によって構築を見直さざるを得ないでしょう。Miracle Rogueの最も強力な武器であるLeeroy Stepコンボはこれまで6ターン目に可能であった1ステップが2ターン遅れの8マナ、2ステップを行うには11マナを必要とします。The Coinを挟めば実行可能であるものの、先手の場合は完全に封じられてしまうことになります。
後手を取った場合も、これまでのようにGadgetzan Auctioneerを場に置いたらとりあえず使っておくという安易なカードドローに躊躇することになるかもしれませんね。
必ずしもLeeroy Jenkins + Shadowstepを使わなければ勝てないデッキではありませんし、ただちにMiracle Rogueの地位が低下するとは考えにくいものです。1枚差しだったCold Bloodを2枚に戻すなど、Rogueプレイヤー達が凝らす工夫を楽しみにしておきましょう。
◆ Deck Spotlight
Deck of the Week #28: Miracle Rogue [BlizzPro]
Shaded miracle rogue [Hearthpwn]
Tempo Rogue
もはやRogueといえばMiracleという印象ではありますが、スタンダードなTempo Rogueの構築もわずかながら見かけることが出来ました。新カードを加えたTempo RogueはZooやDruid、そしてHunterとも五分に渡り合える構築にまで至っていますが、懸念されるのがWarrior ControlやPriestの増加。序盤から常にプレッシャーをかけ続け押し切ることが出来ない場合、カードドローに弱点を抱えるこのスタイルはレイトゲームで苦しい戦いを強いられる局面が多く見られます。環境の変化に恵まれない場合、Miracle Rogueともども人気が下り坂を転げ落ちていくのかもしれません。
◆ Deck Spotlight
[Spark] Legendeath (Naxx) [Hearthpwn]
NEL Deck Spotlight: TaleNT Token Rogue [Liquidhearth]
クラス専用新カード
「デスラットル:Anub'ar Ambusherが破壊される時、ランダム対象でフレンドリーミニオン1体を手札に戻す」
Chillwind Yetiを超えるステータスに注目が集まっていたものの、蓋を開けてみれば特殊なDeathrattleアビリティにより扱い辛いこの新カードはRogueプレイヤー達にとって魅力に欠けていたようです。TrumpのF2P構築シリーズにおいても、最終的にはDark Iron Dwarfへと差し替えられてしまいました。カードの性質からしてTempo Rogueに組み込むなら他のカードとどのように整合性を図るかさらに研究が必要とされるでしょう。
◆ Deck Spotlight
Tempo Naxx Rogue [Hearthpwn]
Eggcellent Divine Rogue [Hearthpwn]
Hearthstone constructed: Rogue F2P #24 - Doubt
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8月シーズン中にもっともMetagameに翻弄されたのはこのクラスに間違いないでしょう。場残りの良いHaunted CreeperやNerubian Egg、待ちかねた新スペルReincarnate加えたシーズン序盤のShamanに誰もが確かな手応えを感じ取っていたことと思います。この時期は数多くのプレイヤー達が新カードとShamanというクラスにどのようなシナジーが生まれるか研究に没頭し、様々なデッキアイデアが飛び出しました。
潮目の変化は静かに押し寄せ、シーズン中盤に至る頃にはラダーで対戦するのは天敵のHunterばかりという段に至ると多くのプレイヤー達がShamanをラダーで使うことを諦めました。トーナメントにおいては今だ健在ですが、過去においてのControl Priestと同様の立場にまで真っ逆さまに転落するとはNaxxramas実装前には予想もつかなかったことでしょう。
Reincarnateに夢を見たチャレンジャーたちの構築アイデアそのものが否定されたものではありませんし、9月22日のStarving Buzzard調整後に逆襲する機会が必ず訪れるはず、と期待しておきます。
◆ Deck Spotlight
Beating the meta on a budget: The post-Naxx aggro Shaman [GosuGamers]
Deck Guide – Flo Shaman by yoitsflo [Hearth2p]
RDG_ProtoHype's Top 10 Legend NA 'Senpai Shaman' Guide [Hearthpwn]
Gaara's Deathwing Shaman Deck Tech [Youtube]
Mid-range Shaman Deck Guide [IHEARTHU]
Sjow's Taco Shaman [Hearthpwn]
[80% WinRate] Combo Stealthfury [Hearthpwn]
クラス専用新カード
「対象のミニオン1体を破壊、破壊されたミニオンはヘルスが全て回復されてフィールドに戻る」
クラス専用新カードの中で最も注目度の高かった1枚。前評判通りカードコンボにより凄まじいアドバンテージを獲得することが可能であり、特定の状況ではいわゆる”壊れ”と言っても差し支えないこのカード。実際のゲームでは手札の中で腐り続けているシーンを目にすることのほうが多かったようにも思えますが、Miracle RogueにおけるGadgetzan Auctioneerのようにこのスペルカードを軸とした構築も期待できます。
今のところMetagameにおける影響力はほとんど発揮してはいませんが、Funny and Lucky MomentのMVPに推しておきましょう。
◆ Deck Spotlight
Reincarnate Shaman [Hearthpwn]
Kill me twice [Hearthpwn]
MaSsan's Naxx Reincarnate Shaman Deck [Hearth2p]
Exploring Reincarnate Shaman [Liquidhearth]
Shaman Deathrattle + Tactics & Replacements [Hearthpwn]
Funny and Lucky Moments - Hearthstone - Ep. 58
Endless Kel'Thuzad: Death is Just the Beginning!
How to Baron Rivendare
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シーズン序盤の恒例であるZoo Warlockの増加は驚くことではありません。ランク5以降を本番と捉えている熟練プレイヤー達にとってはZooが最適なデッキ選択となっているようですが、そこに拍車をかけたのがNaxxramas追加カード。
Nerubian Eggを絡めたカードコンボにばかり目が行きそうになりますが、Undertaker / Zombie Chow / Haunted Creeper / Unstable Ghoul、そしてクラス専用新カードVoidcallerの採用により日々新しいZooバリエーションと出くわすかのようでした。Deathrattleというアビリティトリガーのシナジーを最も有効活用したWarlock達はラダーキングの座を確かなものとしたように見えたものです。
過去のMidrange HunterはZooとの対戦においてカードコンボに依存する面が問題視されていましたが、序盤の手堅い足がかりを手に入れたことによりZooに対しても安定して中盤へ繋ぎ、Unleash the Houndsからのコンボが間に合えばWarlockの旗色が悪くなるという局面が多く見られたようです。そしてWarrior Controlの復活。7月シーズンにあれほど沈んでいたWarriorも新たな武器を加えてZooを駆逐し始めました。
それでもシーズンを通してHunterと人気を二分し続けたWarlockはやはりラダーを戦いぬく中で素晴らしいHeroであることを改めて証明したと言えます。
◆ Deck Spotlight
Deck Guide by Gaara: Zoolock in the Naxxramas Meta [Hearth2p]
Spider Warlock, High Efficient for Climbing Ladder [Hearth2p]
Four Decks for Week Four – Deathrattle Zoo [Hearthstone Players]
DETHLOCK (A Zoo Variant) [Hearthpwn]
Demons and Death
Naxxramas新カードで生まれ変わったのはもちろんZooだけではありません。VGVN TournamentにRealzが持ち込んだDemonLock、旧来のHandlockにDemon種族のシナジーを取り入れたデッキやこれまで見られなかった構築アイデアも週を経るにつれ評価されていきました。
Void Terror / Voidcallerのように他と組み合わせることで真価を発揮するカードはカードドローに依存するという弱点を抱えています。この点において手札を溢れんばかりに蓄えるHandlockの性質が偶然の配分による事故を最小限に抑えています。
◆ Deck Spotlight
Deck Guide - Naxx Demonlock by Realz [Hearth2p]
Naxx Handlock Comprehensive Guide [Hearthstone Players]
変わったところでは英国紳士TotalBiscuitのDeathkLockに代表されるDeathrattleシナジーデッキも注目を集めました。
◆ Deck Spotlight
Hearthstone: DeathkLock - Lord of the Gimmicks [Youtube]
TotalBiscuit's "DethkLock" [Hearthpwn]
John Locke, rank 1 legend EU [Hearthpwn]
NecroLock [Hearthpwn]
Hearthstone: DeathkLock - Lord of the Gimmicks
クラス専用新カード
「デスラットル:Voidcallerが破壊される時、Demon種族のミニオン1体を手札からフィールドへ置く」
フィールドへ呼び出す対象はランダムなのでこのミニオンのアビリティを活用するにはデッキに相応のDemon種族ミニオンを含める必要があります。汎用性に欠ける面はあるものの、これまで種族シナジーに薄かったDemon種族に新たなテーマが加わったことは歓迎すべきでしょう。Voidcallerを処理したらより強力な悪魔が召喚される、まさに悪夢です。
◆ Deck Spotlight
Void Caller Warlock Deck Tech with Gaara [Youtube]
Can Magma Rager be good? [Hearthpwn]
[Zeto]Ragelock [Hearthpwn]
Zoorattle Warlock by RegisKillbin [Hearth2p]
Naxxramas, Master of RNG
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7月シーズンの不人気ぶりが悪い冗談だったかのように、Control Warriorがトップメタの一角に返り咲きました。トーナメントにおいてもMidrange Hunterに次ぐ採用率となり、Pick ban有りのBO3やBO5ではHunterが問答無用でBanされる現状では最も頼もしいデッキと言って差し支えありません。
新カードを加えたControl Warriorは旧来のデッキと性格が異なるため、その違いをきっちりと抑えておきましょう。
左から3月シーズン前後のHunter Aggroに対抗し磨きぬかれたControl Warrior、まだ半年も経たないというのにクラシックスタイルと呼ばれるタイプです。中央がNaxxramas実装前までにぎりぎりのところまでMidrange環境に歩み寄ったスタイル。Kor'kron EliteやArgent Commanderをデッキに入れるためFrothing Berserkerがデッキから抜かれてしまうことも多々ありました。
そして現在のControl Warriorの構築を並べてみると、クラシックスタイルへと回帰したかのように見受けられます。大きな違いとしてはもはやWhirlwindが必要無くなったこと、これに取って代わる全体ダメージとして新WeaponDeath's BiteとUnstable Ghoul、そして便利なTauntミニオンSludge Belcherの採用です。
Acolyte of PainやArmorsmithとシナジーを生むUnstable Ghoulはともかくとして、これまでArmor値を頼みとしてTauntミニオンは用いないノーガード戦法だったControl WarriorになぜSludge Belcherが入るのでしょうか。その価値はアタック3ヘルス5のTauntを破壊されてもTokenの1/1/2Slimeを召喚することによりゲーム展開を遅らせることにあります。手数ひとつを消耗させるという点において、特にMiracle Rogueに対して効果的に作用するものです。
◆ Deck Spotlight
Deck of the Week #27: Control Warrior [BlizzPro]
Naxx Meta Control Warrior [Hearthpwn]
The Adaptable Warrior: Gaara's Control Warrior Deck Tech [Youtube]
RDU’s Control Warrior: Classic Control with Naxxramas [Hearthstone Players]
クラス専用新カード
「デスラットル:Death's Biteが破壊される時、(敵味方問わず)すべてのミニオンにダメージ1」
Warriorの新Weaponがどのように活用されるか注視してきましたが、結局のところWarrior Controlにベストマッチという結果でした。殴ればダメージ4かつ破壊時に全体1ダメージというアビリティによりAggroデッキやMidrangeスタイルの構築も期待していましたが、Warrior版のSwipe兼Whirlwindという運用方法にWarriorプレイヤー達は価値を見出しています。
Deathrattleアビリティの発動はWeapon破壊時、最も効果的なタイミングでの発動を見計らうのは相手も警戒するため中々難しいものですが、いざとなったら他のWeaponと持ち替えることでもDeathrattle効果は発動することを忘れずにおきましょう。
◆ Deck Spotlight
How much silence you got? [Hearthpwn]
WhirlwindWarrior v.1.0 (Death's Bite Midrange) [Hearthpwn]