Warcraft界のファッションモンスター、Valeeraさんが奇跡を起こす
Index
▼ Chapter 1 空想力
▼ Chapter 2 とあるアイデア
▼ Chapter 3 一度死んで甦る
▼ Chapter 4 Miracle Rogue 2.0
▼ Chapter 5 奇跡の使徒
▼ Chapter 6 カードサイクル プレイング
▼ Chapter 7 マリガンとクラス別対策
▲Index
Chapter 1 空想力
人の力や自然法則を超越した現象を、わたしたちは「奇跡」と呼びます。
カードゲームの世界にあてはめるなら、偶然によってありえない事態が引き起こされた局面を、感嘆をこめてそう呼ぶべきでしょうか。
しかしHearthstoneには、「奇跡」を意図して引き起こすカードデッキが存在します。
偶然の産物ではなく、プレイヤーの選択により導かれた奇跡の顕現。
それがMiracle Rogue。
つかみはオッケーということで、今回はHearthstoneの戦術のなかで最も歴史が古く、最新の戦い方へと適応進化を続けているデッキビルドのひとつ、ミラクルローグの特集です。
※ この記事ではデッキの成り立ちから遡っていきます。昔話を飛ばしたい方はこちらへ
▼ Miracle Rogue 2.0 デッキリスト
ミラクルローグだなんて奇妙な名前で呼び慣らされていますが、有り体に言えばミニオンとウェポンとスペルのシナジーを最大化したコンボデッキのことです。
カードコンビネーションを武器とするデッキは他にもあまた有り、どう違うのか、そして何を目指して設計されたデッキなのか。Miracle Rogueの戦い方を理解するために、カードデッキの成り立ちと変遷を紐解いていきましょう。
このデッキビルドの始まりにして根底にあるものとは、古い歴史の1ページをたぐる追憶とイマジネーションだったのです。
遊ぶには空想力が要る
空想の世界というのは独立した一つの国だ
真夏に雪合戦がしたくないかね。
34丁目の奇跡 -- Kris Kringle, Miracle on 34th Street
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Chapter 2 とあるアイデア
Miracle Rogueとはおそらく、Magic: The Gatheringからもたらされたものです。
Hearthstoneのルーツと勿論関連はありますが、ここで思いなすのは古い過去にM;TGで一世を風靡した戦術から得たインスピレーション、Miracle Rogueデッキを構築するアイデアの源となった理論の話です。
おそらくというのは、Miracle Rogueのアイデアを発案したのと、これを広めたのが別人であること。そしてデッキの原型を考案しMiracle Rogueと名付けた人物がこのように述べているからです。
もし君がMagic: The Gatheringに造形が深ければ、このデッキのゲームプレイはいささかノスタルジックに映るかもしれないね。- Apollo
Miracle Grow
【お断り】この記事を書いている人間はM;TGの基本ルールすら理解していないため、見当外れな記述をするおそれがあります。【重点】
エクステンデッドという構築環境のフォーマットが多くのマジックプレイヤーに親しまれていた時代のことです。
2001年12月、Magic: The Gathering グランプリラスベガスに、Alan Comerという風変わりな髪型のプレイヤーが奇妙なデッキを持ち込み入賞しました。
その名は「グロウフィッシュ(Grow Fish)」。
当時の目まぐるしく変化するメタの中でも一際支配的であったドネイト(またはトリックス)というデッキを狙い撃つ戦術として注目を浴びることになります。
クウィリーオンのドライアド
あなたが白か青か黒か赤の呪文を1つ唱えるたび、クウィリーオンのドライアドの上に+1/+1カウンターを1個置く。
呪文を唱えるたびに、元は脆弱であったクリーチャーが際限なく強化され手に負えない存在へと成長(Grow)する。
このカードとシナジーを持つ構成として、デッキには軽量のキャントリップドロースペルが詰め込まれていました。Cantripとはカードを(大抵は)1枚引く効果と、別の作用を併せ持ったカードのことを指して言われますね。
ゼロックス理論
グロウフィッシュデッキに軽いドロースペルが数多く採用されたのは、「ゼロックス」というコピー機のメーカー名に由来する理論が基底にあるそうです。
この理論の内容は誤りであったとも言われており、またHearthstoneとも直接には関連付けできないものですが、マナの安いCantripとGrowクリーチャーのシナジーは眼を見張る革新となったのでしょう。
このアイデアはのちにカードサイクルへと姿を変え、Miracle Rogueを新生させる転機となります。
登場して間もない頃は控えめに言って”ゴミを詰め込んだデッキ”と評されたようですが、その可能性に気付いた一部の人間、Michel Longはその一ヶ月後の仙台グランプリに改良を加えた「ミラクルグロウ(Miracle Grow」で3位まで勝ち残る健闘を果たします。
当時の観戦記事
➥ [wizards.com] 準々決勝: Long , Mike vs 岡本尋
➥ [wizards.com] Round 10: 藤田憲一 vs Long, Michael
➥ [wizards.com] Semifinal: 荒堀 和明 vs Long , Mike
容易に巨大化する少数のクリーチャーとコストの安いスペルのシナジー。
M;TGへのリスペクトから出発したHearthstone開発チームが、「Miracle Rogue」の成立を狙って仕込んだギミックであることは想像に難くありません。
そして古くからTCGに親しむプレイヤー達はこれを驚くべき早さで嗅ぎつけました。
Miracle Rogueのデッキ原型が構築されたのは今から約1年前、クローズドβが始まるよりも2ヶ月前の2013年5月のことです。
➥ [Hearthpwn] Miracle Rogue #1 May 30, 2013(Beta Release)
デッキ投稿者のApolloによると、元は”tttrrraaavvvis”という友人の発案によるそうです。
彼らの早すぎるイマジネーションは、8月のcβ開始からほどなくして実証されました。
Hearthstone Deck Spotlight: Miracle Rogue (Rogue)
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Chapter 3 一度死んで甦る
Force Strategyの動画に登場するRogueは、私達のいま知っている姿と多くが異なることにお気づきでしょう。
10月2日のアカウントワイプと共に適用されたパッチにおいて、RogueはHero Powerと固有カードの多くが調整の対象となったのです。
➥ [Battle.net] Hearthstone™ Closed Beta Patch Notes 10/2/2013
Backstab カードテキストに対象を限定する”undamaged minion”の追加
Preparation 次に唱えるスペルカードコスト減少が2から3へ増加
Shiv マナコストが1から2へ増加
Defias Ringleader 本体のヘルスが1減少
Conceal マナコストが0から1へ増加
Headcrack マナコストが2から3へ増加
Dagger Mastery 装備中のWeaponアタック値に上乗せされないように修正
Edwin VanCleef アタック値1/ヘルス値1から2/2へ増加、Stealthの削除
この調整を機に、数多くのプレイヤーがRogueを見限りました。
プレイヤー達の興味はMetagameの支配者となるPriest、そしてPaladinやWarrior、Mageへとあっさり移ってしまいます。
(最近Hearthstoneを始めた人には想像付かないかもしれませんが、BlizzCon2013前後のころPriestはメタゲームの頂点に君臨していました。本気と書いてマジと読ませる話。)
➥ [Liquidhearth] Trends in Hearthstone #1 October 22nd, 2013
Reckfulなど一部のプレイヤーが再構築を試み強烈なコンボで注目されることはあっても、時々の主流Metaの影に姿をひそめ表に出る機会はほとんど無いまま。
冬の足音がせまるころには、Miracle Rogueは幻のデッキとして記憶の彼方へと消えつつありました。
ウクライナから愛をこめて
ビーツを煮込み赤紫に色鮮やかなボルシチの本場、ウクライナ。
政情不安で最近とみに注目を集めていますね。Starcraft2プレイヤーにとってはWhite-RaさんやDIMAGAさんの顔が浮かぶでしょう。
Kolentoというプレイヤーもこの国出身の若者です。
カードゲームは未経験ながらEUとNAサーバーのレジェンドランク頂点へ登りつめた、April Seasonのいま最もホットなプレイヤー。彼がTest Season2(2014年1月)の最中に用いたデッキの一つこそ忘れかけられたMiracle Rogueでした。
ミニオンの数が10体にも満たない奇異なデッキで驚異的な勝率を叩き出す彼のプレイスタイルは瞬く間に広まり、生まれ変わったMiracle Rogueは彼の代名詞ともなったのです。
(余談ですが本人はWarlockのほうが好みとか)
NAサーバーのプレイヤーにとってはKungenがTest Season3で使っていたRogue deckと言えばピンとくるかもしれません。
Kungen Miracle Rogue Deck: HEARTHSTONE CONSTRUCTED!
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Chapter 4 Miracle Rogue 2.0
Kolento Style
Miracle Rogue 2.0のベーシックな組み合わせと入れ替え候補
➥ [Youtube] Kolento's Miracle Rogue Guide
➥ [Hearthpwn] Cycling Miracle Rogue
- 2 x Backstab
- 2 x Preparation
- 2 x Shadowstep
- 2 x Cold Blood
- 2 x Conceal
- 2 x Deadly Poison
- 1 x Blade Flurry
- 2 x Eviscerate
- 2 x Sap
- 2 x Shiv
- 1 x Bloodmage Thalnos
- 2 x Fan of Knives
- 1 x Acolyte of Pain
- 1 x Edwin VanCleef
- 2 x SI:7 Agent
- 1 x Leeroy Jenkins
- 1 x Assassin's Blade
- 2 x Gadgetzan Auctioneer
入れ替え候補
Patch 4944でのnerfによりNat Pagleはドローソース付きミニオンの選択肢としてベストとは言い難くなった。(とは言えCold Bloodとの組み合わせによる4/4は強力)2枚目のAcolyte of Pain、Coldlight Oracle、ドローはGadgetzan Auctioneerに賭け、2枚目のConceal、Aggro対策にBetrayal等。
Sapは基本的に低コストミニオンを運用する相手に有利を得るカードではなく、Battlecryキーワード能力のミニオンに使用するのもジリ貧に追い込まれる。場合によっては1枚差しに変更するのもアリ。
Weapon破壊ミニオンが自分のランク帯に多く見られる場合は、Assassin's Bladeを入れ替える選択肢も有る。
budget
Nat Pagle ⇨ Coldlight OracleBloodmage Thalnos ⇨ Kobold Geomancer / Loot Hoarder
Edwin VanCleef ⇨ Mana Addict / Questing Adventurer
Leeroy Jenkins ⇨ Arcane Golem
プレイングの基底
Mana Addict・Questing Adventurerを抜いたMiracle Rogue2.0はカードサイクルへと極端に偏重したデッキとなっている。
目標はデッキから対戦相手のヘルスを削り切るだけのダメージソースを引き出すこと。
これを自立稼働のカードサイクル(Cantrip)とドローエンジンのGadgetzan Auctioneerを用いて実現することを目指す。
Gadgetzan Auctioneerとの併用により全てのスペルカードがカードサイクルとなるのでこれを温存することを念頭に置きつつも、状況が悪化しすぎる前にカードは有効に用いなければならない。
相手のHeroがどんなカードを切るか、どんなデッキタイプを組んでいるかを推し量り、自分のヘルスを犠牲しても優先すべきこと、Miracleを”張っても良いタイミング”を知ること。
そして何よりも、奇跡の達成に至る出発地点はデッキに組み込まれたカードのシナジーを知ることに有る。
自立サイクル
Shiv / Fan of Knives / Bloodmage Thalnos / Acolyte of Pain
Auctioneerサイクル
全てのスペルカード。マナを燃料、カードを触媒にドローエンジンは回転を続ける
Removal(除去)
Backstab / Deadly Poison / Blade Flurry / Eviscerate / Sap / Shiv / Fan of Knives / SI:7 Agent / Assassin's Blade
Damage
Cold Blood / Blade Flurry / Eviscerate / Deadly Poison / Shiv / Bloodmage Thalnos / SI:7 Agent / Edwin VanCleef / Leeroy Jenkins
Other Deck
Old school (クローズドβ初期型)
Leeroy Jenkinsを組み込む前の古いバージョン。
カードの入れ替えにより幾多の派生が存在する
➥ [Hearthpwn] Miracle Rogue Improved
Burstdown Miracle Rogue
Miracle Rogueをこよなく愛する変わり者、Free Goldによる瞬発力特化型。Mana Addictをダメージディーラーとして再び採用し、大胆にもSI:7 AgentやSapを抜いている。
ミニオンの数はたったの8体。
➥ [Hearthpwn] Burstdown Miracle Rogue
どうやってプレイすれば良いかは彼の配信をチェック。 ➥ [Twitch] freegold3
Miracle Mill (Counterfeit Rogue)
同じくFree Goldによるデッキリスト。
相手の手札を溢れさせるMill DeckにMiracle Rogueのシナジーを取り入れたバージョン
➥ [reddit] ~Legendary Rank Miracle Mill Rogue Deck~
その他、数多くのバリエーションを試行する彼のデッキリスト群
➥ [Hearthpwn] Free_Gold
Reaction Rogue
NAサーバーLegendランク1位を占有していたプレイヤーAtaKのコントロール型。
自分の目指す形を一方的にやろうとする旧来のMiracle Rogueとは異なり、ほぼ別物。
カードサイクル・Minion Glowの要素を取り入れながらも、それほど比重を置かないバランス感覚を頼みとする。
➥ [Hearthpwn] [Firebat] AtaK's Rogue "Elegance"
➥ [Twitch] [Firebat & AtaK] Malygod Finish @ Rank 1!
Standard (or Tempo) Mix
手堅いミニオンによるテンポの確立とカードサイクルを融合したデッキ。
大元のMiracle Rogueからもはやかけ離れているが、デッキ分類とはそもそも風味のようなものなので深く考えないほうが良いかもしれない。
➥ [Hearthpwn] Tempo-to-Miracle Deck
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Chapter 5 奇跡の使徒
good Auctioneer play
Gadgetzan Auctioneer + Preparation
& Shiv , Fan of Knives , Sap , Eviscerate , Conceal
奇跡を叶える5つの銅貨、Gadgetzan Auctioneerはこのデッキにおけるキーカード。
時には1枚も手札に引けないこともあり、その場合でも戦うことは出来るが極めて厳しい状況に追い込まれる。
マナコストの安いコントロールスペルは早い時間帯には相手のカードと相殺していけるが、やがて高コストミニオンが場に出る時間帯に入れば追いつかなくなる。
初手にこのカードが含まれていなかった場合。
先攻5ターン目までに1枚以上Gadgetzan Auctioneerをドローする確率は34.19%。
CantripのShiv , Fan of Knivesによる追加ドローで45.87%となる。
デッキのテンポとしてAucrioneer Comboの始動は早いほど良いが、タイミングはすべからく相手のHeroとデッキ構成に依存する。
このカードが場にあれば全てのスペルカード、特にマナコストを必要としないBackstabは優良なカードサイクルとなるが、それまでにダメージを食らいすぎていては間に合わずに押し切られてしまう。
Gadgetzan Auctioneerを早いデッキ相手に先攻マリガンで流すのを惜しめば、命綱を掴めたはずの手に金を握りしめてそのまま沈みかねない。
後攻の場合は手札と相手のデッキ傾向から残す判断も良い。
The Coinで4ターン目に出すこともできるが、無料で1枚カードを引けるSpellカードの無駄撃ちになる場合が多い。手札次第で判断を変える。Shadowstepを使うとフィールドから離れる前にカードを1枚ドロー、そしてGadgetzan Auctioneerはコスト3で手札に戻る。
Leeroy Step Comboは強力だが、引けるかどうかも判らないLeeroy Jenkins1枚のためにShadowstepを出し惜しみ、Gadgetzan Auctioneerを失うのは首を締める結果になりかねない。当然、その時その時の手札により判断は異なる。
Leeroy Step Combo (+ Cold Blood)
6 12damage
Leeroy Jenkins + Shadowstep
7 16damage
Leeroy Jenkins + Shadowstep + Cold Blood
8 18damage
Leeroy Jenkins + Shadowstep + Shadowstep
9 22damage
Leeroy Jenkins + Shadowstep + Shadowstep + Cold Blood
10 26damage
Leeroy Jenkins + Shadowstep + Shadowstep + Cold Blood + Cold Blood
Tips :
いわゆるOTK、One turn Killコンボの見栄えは良いが、べつにこれの達成を目的とするデッキというわけではないことに重点。あくまで可能性のひとつ。
Acolyte of Painがフィールドに生存し動かせる状況でLeeroy Jenkinsが手札にあれば早めに出してしまうのも良い。召喚されたWhelpにAcolyte of Painをぶつければカードをドローできるため。
ShadowstepでLeeroy Jenkinsを戻せるならよりベター。
VanCleef Combo
Turn 2 - 4/4 VanCleef
The Coin + Edwin VanCleef
Turn 3 - 6/6 VanCleef
The Coin + Deadly Poison + Edwin VanCleef
& 8/4 VanCleef
The Coin + Edwin VanCleef + Cold Blood
& 8/8 VanCleef
The Coin + Edwin VanCleef + Shadowstep + Edwin VanCleef
Tips :
The Coinとの組み合わせが強力。先攻の場合はマリガンで流してしまったほうが良い。PreparationはVanCleefの強化に使用すべきではない。Gadgetzan Auctioneerとのコンボで確実に1枚、他のSpellが手札にあればさらにもう1枚引けるので温存しておく。
例外としてラッシュデッキの相手が除去スペルを手札に残していないと推察できる状況。相手の手を読む難しさはあるものの、そこでゲームを決めきってしまうこともできる。
一例を挙げれば、Deadly ShotかHunter's Mark、Ironbeak Owlを除去として組み込むHunter Aggro相手には分の悪い賭けとなる。Siphon Soulを入れないWarlock Zooには強烈なプレッシャーとなる。Soulfireとミニオンを合わせてのトレードとなった場合に、相手が失うもののほうが大きいと判断すれば勝負はできる。Edwin VanCleefはオールインに近いリスクと背中合わせであり、張れる相手とタイミングを知ることが大切。
サドマゾ
Acolyte of Painのヘルス3は一撃で処理されやすく、さらにアタック値1では相手のミニオンとも交換にならないケースが多い。3マナでカードを1枚引くだけの使い方はあまり望ましくない。
カードサイクルの視点から、ShivをAcolyte of Painを対象に使用できれば申し分ない働きとなる。Backstabを温存する必要性が薄い(Miracle Rogue同士の対戦など)ではこれをAcolyte of Painに使用する判断もまれに有る。
Cold Bloodのアタック+4で相手Heroを殴れるなら使ってしまう場合もある。Cold Bloodと併用して2度殴れれば更に良し。相手にStealthを除去する手段があるかどうかで考える。判断基準は残り手札枚数と内容に基づく。
(サイクル用のPreparation・Gadgetzan Auctioneer)
SI: 7 Agent Play
Tempo Control(Sweep Minion)
SI:7 Agentはこのデッキにおいて、カードサイクルと引き換えにテンポ獲得へスイッチする切替器の役目を果たす。
Turn 3 - Backstab + SI:7 Agent
Turn 3 - The Coin + SI:7 Agent + Shadowstep + SI:7 Agent
Tips :
状況が許せばSI:7 Agentでアタック2以下のミニオンを殴って処理、ステップコンボでヘルスを復帰させる使い方が無駄がない。Cold Bloodを使ってしまうかはAcolyte of Painとの判断に近いが、ダメージレースを競うAggroデッキ相手には有効。
Spell damage +1
Bloodmage Thalnosは時に状況を大きく変える。
Shivは2ダメージになり、Fan of Knivesは敵ミニオン全体に2ダメージ、Backstabは3ダメージ、Eviscerateは5ダメージ。
そしてなによりBlade Flurryにも+1を乗せる。
Dagger & Blade Combと組み合わせれば敵全てに最大8ダメージを与えることも可能。
また、自身のヘルスを保護するためであればCold Bloodを使用して相手ミニオンと相殺することもある。
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Chapter 6 カードサイクル プレイング
フリードローカード
The Coin・Preparationの2枚は0マナで対象を必要とせず、Gadgetzan Auctioneerでカードを引くことができる。どちらも用途は広いがフリードローが出来る状況まで基本的には温存したい。
VanCleef Comboでプレッシャーを置きたい時、またはAggroに押し切られる前にテンポを調整する必要があればその限りではない。
除去
・ Sapによるマナアドバンテージと脅威(障害)の排除
Ragnaros the FirelordやYseraのような高コストミニオンを2マナのSapでバウンス(相手の手札に弾き返す)することは、1枚のカード消耗と引き換えに数多くの利点がある。
Miracle Rogueの場合、Tauntを排除しフィニッシャーを通すために必須となる状況が考えられる。そのため、他の手段でエネミーミニオンを除去できるのならば、なるべく温存すべき。これは当然ケースバイケースだが、相手のDruidがInnervateからChillwind Yetiを召喚してくる場合等。他に処理の手段が無ければヘルスを犠牲にしすぎる前に勿体ぶらず使うのも良い。まるまる手札1枚分のアドバンテージともなる。
ただしゲーム後半に強靭なTauntを召喚する可能性の高い相手には手札に1枚保持しておきたい。ゲーム序盤の脅威は可能な限りCantripかHero Powerで処理するのがベター。
・ ダメージソースと脅威の排除
BackstabとEviscerateの最大の違いは、後者は相手Heroへもダメージを与えられること。1枚で4ダメージ(Combo時)、2枚で8ダメージ。ダメージソースのひとつとして無視できないが、基本的には相手の召喚するミニオンの排除に使用する場合が多い。自身のHeroヘルス値と攻撃対象のミニオンアタック値を勘案し判断を変える。
BackstabはAggroデッキの小型ミニオン排除に大きな働きをする。要求マナが0であるためCombo始動としても用途が広い。
コントロールスペルは上記を踏まえた上で、Gadgetzan Auctioneerとの組み合わせでカードサイクルを起こすことを常に考える。温存すべきか使ってしまうかの判断が後々おおきく響くことになる。
Cantrip
Shiv・Fan of Knivesは除去としても使えるが、このデッキにおいては基本的に温存するカードではない。マナが余っているなら使ってしまう。
ヘルス1のミニオンが登場するのを待つまでも無く相手HeroにShivを撃ち(2、3ターン目ならDagger Masteryを優先すべき)、相手のフィールドが空であろうともFan of Knivesを放つ。マナは無駄となるが、サイクルによりキーカードへ素早く到達することが肝要。
もちろん低ヘルスのミニオンを大量に展開することが予想される相手は別。
またFan of KnivesはLeeroy Jenkinsで召喚されたWhelpを掃除する使い途もある。
Cold Blood
Cold Bloodは使いどころの判断が難しいひとつ。Leeroy Step Comboと併用するプレイヤーは多いが、ただ1度のアタックのために温存する意味はほぼ無い。Handlock相手やAlexstraszaでヘルスが回復されそうな場合は考える。
理想的なのはGadgetzan Auctioneerがフィールドに居る状態で動けるミニオンに使用し、+4ダメージのアタックとカードサイクルの恩恵を同時に受けること。さらにConcealを被せることが出来れば最上。
どの場合も共通するが、除去される可能性があるならアタックできる時にCold Bloodを使用し、最低でも4ダメージは稼ぐこと。
状況次第でAcolyte of Painに使ってしまうのも良い。Warriorに対して5ダメージか手札ディスアドバンテージの2択をせまれれば上々。
Conceal
Gadgetzan Auctioneerの保護
Turn 5 (Turn 4 +The Coin)
Gadgetzan Auctioneer + Preparation + Conceal
Edwin VanCleef(or Cold Blood付きミニオン)の保護
手札にあればまず確実にTauntを張られるので、SapないしEviscerateが手札にある場合。
Dagger & Blade Combo
全体に3damage
Dagger Mastery + Deadly Poison + Blade Flurry
全体に5damage
Dagger Mastery + Deadly Poison2枚 + Blade Flurry
Assassin's Blade + Deadly Poisonはコントロールデッキの相手を容赦なく抉る。ただしWeapon破壊ミニオンの存在を常に念頭に置く。
Assassin's Bladeのみで殴る
3 x 4 = 12damage
Assassin's Blade + Deadly Poison1枚
5 x 4 = 20damage
Assassin's Blade + Deadly Poison2枚
7 x 4 = 28damage
加えて、Blade Flurryを使用することでBladeの破壊と引き換えに敵全体へ5ダメージ(7ダメージ)となる。可能な限り耐久値を無駄にしないこと、かつ相手の召喚したMinionを掃除すること。
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Chapter 7 マリガンとクラス別対策
General Mulligan Tips
後攻の場合。
The Coin + SI:7 Agentは常に有効なオプションとなる。
マリガンの考え方の基準として、ラッシュデッキに対しては除去カード、遅いデッキにはカードドローを優先する。マリガンの段階ではデッキの流行から予測するしか無い。SI:7 Agentはどのマッチアップでも有効なので残す。
Sapはマナアドバンテージを獲得できても手札1枚のディスアドバンテージとなるので、基本は初期手札には不要。ただしBlessing of KingsのあるPaladinや、Mogu'shan Warden + Inner Fireのような厄介なカードコンボが流行している場合は考慮する。
その場合であっても、フィニッシャーを通すためなるべく温存することに変わりはない。
Priestのように、遅いと判りきってる相手には初手にGadgetzan Auctioneerをなるべく残したい。先攻の場合は考える必要がある。Aggro相手に処理が追いつかなければGadgetzan Auctioneerが枷となるので一旦流す。
早いデッキ相手に初手のBackstabはベスト。Eviscerateも悪くない。
Acolyte of Painは遅いデッキに対して有効で、Aggro相手には手放すべき。Shivが同時に手札にあれば自身のヘルスと天秤にかける。
Tokenを活用するデッキ相手にFan of Knivesはベストカード
The Coin + SI:7 Agentのコンボも常にオプションとして有効
Druidに対してSapは有効な切り札となる。
特に5マナ以降は容易に処理できないTauntや強力な高コストミニオンが充実しているためSapが無ければ手の打ちようが無い場面も見られる。
Innervate + Chillwind Yetiであろうとも、なるべくEviscerateやHero power等で処理をしたい。後半にはもっと厄介なミニオンが山ほど出てくるため。ただしSapが2枚手札にあるならその限りではない。
立ち上がりの比較的遅い部類なのでマリガンもカードドローを優先したい。相手のデッキタイプが予測出来る場合はマリガンの判断基準を変えていく。Token Druidを予感出来ない場合はFan of Knivesは良い選択肢ではない。また、瞬発力に欠けるクラスではあるもののSavage Roar の存在を忘れないこと。ボードがクリアの状態でも、自身のヘルスが14を割れば常に死と隣合わせとなる。
Druidはヘルスを大量に回復する手段があるため、Assassin's Bladeを装備できるタイミングがあればこれを優先する。
9割型デッキに含まれるDruid of the Clawをスマートに処理できれば勝利は近い。
マリガンではSI:7 Agentは何よりも優先して残したい。Shivもベター。
1ターン目でたいてい相手のデッキ傾向は判別できるが、基本的にHunter相手には自身のヘルスが損害を受ける行動を避けるべき。それでも対応の幅を広げるDeadly Poisonは有用。Blade Flurryと同時に初手で来た場合はよく考える必要がある。
Miracle Rogueはその性質上、Unleash the Houndsからのコンボがほとんど機能しない。ただし相手のChargeミニオンを防ぐ壁も無いので、Hunter Aggroとの戦いはいわゆる”電話ボックスでナイフファイト”状態のまま進み決着を見る。
相手のLeeroy Jenkins+Kill Commandで11ダメージ+αのほうが一足早そうなら、何でもいいから囮になりそうなものを出す。Edwin VanCleefのプレッシャーを張りたとえ除去されたとしても、除去するのに費やしたマナ分だけの時間は稼げる。
River Crocoliskが出るなど、相手がMidrangeだと判断できる兆候が見られた場合。
Houndmasterで強化される前に処理を優先する。
そしてSavannah HighmaneをSapするタイミングは肝となる。自身のヘルス、手札と相談だが1ターン様子を見るのも良い。HoundmasterでTauntバフを付けさせてからバウンスすれば、相手はディフェンスの手段を失うことになる。
Mirror Entityの裏から一方的に殴られるのを防止するためEviscerateは初手に欲しい。
警戒すべきはWater ElementalにHero本体を凍らされ続けること。
ConcealをかけたGadgetzan Auctioneerを処理できるクラスなのでタイミングに注意。
比較的相手にしやすいマッチアップとなるが、Secretへの対処が難しい場合もある。Valeera本体で殴って解除できないのはCounterspell , Ice Block , Mirror Entity , Vaporizeの4つ。張られたSecret次第では致命的となる場合もある。
Freezerタイプとは極めて相性が悪い。また、相手のデッキを問わず長引くとバーンスペルで焼き尽くされる。
デッキ傾向によるが、コントロールタイプ・Aggroタイプどちらも対処はしやすい。Giantを用いるハンド型も警戒すべきはMountain Giantのみであり、出てくる頃に手札を整えておけば処理は可能。必要があればValeera本体で殴ることもためらってはいけない。安直にSapをしてもより首が絞まる結果になりやすい。
Wild PyromancerやEquality・Consecrationなど、Concealをかけたミニオンを処理する手段をデッキに含めている相手が多いことに注意。
そしてTirion FordringのためにSapは残しておくこと。
他のクラスとは若干意識を変えたプレイが必要になる。削れるときに相手Heroのヘルスにダメージを刻む戦い方はPriest相手には無駄骨となってしまうため。Miracle Rogueであることは3ターン目にはたいがいバレるので、ヘルス回復を優先されると最終的にダメージソースが足りなくなってしまう。
Priestを倒す最良の手段は、相手の想定するヘルスの安全圏を上回るコンボダメージを出すことにある。
序盤の脅威が少ないクラスなので最も簡単に材料を揃えていける対戦相手となる。
カードコンボでミニオンを強化するプレイが多いためSapの使いどころには要注意。
Injured Blademaster・Mogu'shan Wardenが出たらまずコンボ型と判断して良い。まったく見かけないが、Lightwellが出たら迅速に処理する。
マリガンはCantripのドローを残したい。Rogue同士のミラーマッチにおいて相手がスタンダード(テンポ型)であろうと同じくMiracle Rogueであろうとも、カードサイクルが重要になる。
相手が後攻である場合にDefias Ringleaderを1ターン目に使うなど、判りやすい兆候があればスタンダードであると判断し除去にカードを惜しまない。Miracle Rogueを訝る状況なら使いどころに注意。
Miracle Rogue同士の戦いとなる場合、どちらもディフェンスの手段を持たないので除去とConcealの使いどころが難しくなる。なるべくならば自身のヘルスを犠牲にはしない。
相手が強烈なLeeroy Step Comboを蓄えていきそうであれば、最大ダメージを叩き出すタイミングを念頭に置くこと。
フィールドが空の状態であれば10ターン目でヘルス26、9ターン目で22、8ターンで20(or 18)と、どのタイミングが致死圏内に入るかを常に計算する。Preparation&Eviscerateで0マナの追加4ダメージも有り得ることを忘れない。相手が使ったShadowstepとEviscerateの枚数を必ず数えること。
Totemの処理が厄介であるものの全般的に相性は良い。
Deadly PoisonはHero power Totemの処理に使わない。ただしHealing TotemがSpirit Wolfと並ぶと厄介なので迅速に。
Gadgetzan Auctioneerでカードサイクルを始めるならSpell damage +1ミニオン、Wrath of Air Totem等を確実に掃除しておく。Concealをかけていようとも、Lightning Stormは発動し50%の確率で4damageを喰らってしまう。
フィールドをクリアにしておくことでBloodlustやWindfuryの致命傷は防げる。
Earth Elementalは可能性として低く、Fire ElementalはBattle Cry発動能力なのでSapの対象としては面白くない。手札にダブついてるならUnbound Elementalに早々に消費してしまうのが良い場合が多い。
Aggro型相手は良好なカードサイクル、Hand型相手にはタイミングの妙を要求される。
Aggro(Murlocks・Zoo)相手にボードを支配されることは止められないが、可能な限りダメージを受けなければ自らやせ細ったGul'danの残りヘルスを軽く消し飛ばすことが出来る。ShadowstepはもったいぶらずにSI:7 Agentとのコンビネーションに使用。
ただしHellfireがあるので完全にボードアドバンテージを握ろうとするのはリスクが高い。
ボードに大量にミニオンを並べるWarlockに対してDagger & Blade Comboは強烈なカウンターとなる。なるべく残り耐久値を無駄にせず、かといってダメージをくらい過ぎないうちに使いたい。もしWarlock Aggroが勝率低下の要因となっているなら、SapをBetrayalに入れ替えることも検討する。
手札を蓄えるHand型はその性質上かならずタフなTauntミニオンを用意している。この壁を崩さなければGul'danを仕留めることはできないが、Hero powerにより自らヘルスを削っていくため常にチャンスは口を開けている。ここでもDagger & Blade Combo、そしてSapが有効。そしてLeeroy Step Comboの完成も望ましい。相手の残りヘルスと使用可能なマナには常に気を遣い調整すること。
相手がヘルス13ならLife Tap(2マナ)・Molten Giant2体(2マナ)・Sunfury Protector(2マナ)の計6マナ6ターン目に8/8Tauntが2枚も並んでしまう。しかしこれがヘルス17では10ターン目でも実行できない。
もしHandlockとのマッチアップに苦しめられているならColdlight OracleをNat Pagle・Acolyte of Painと入れ替えMill型に切り替える。Shadowstepとのコンボで容易にWarlockの手札は溢れることになる。相手の手札が10枚埋まっている時に、Sapで叩き返したミニオンカードは消滅することも忘れずに。
Control Warriorに対してはDeadly PoisonとAssassin's Bladeがキーカードとなる。
どちらも引けず、Armorsmithでアーマー値を重ねることを許せば絶望的な状況になる。条件をクリアすれば、ディフェンスの手段を持たないWarriorの懐はガラ空き。
Frothing Berserkerなど厄介なミニオンが多いため積極的に処理していくが、後半戦の残りヘルスは常に気を配ること。Grommash HellscreamコンボとGarrosh自身のWeapon装備ダメージは容易に15ダメージ前後のフィニッシュブローに達することを警戒しておく。
Hero本体のアタックを重視したAggroタイプは最も厳しい戦闘のひとつになる。
Chargeミニオンは可能な限りSpellで処理し、自身のヘルスを保持すること。概してMiracle Rogueの完成よりも、Warrior Aggroが30ダメージを稼ぎ出すほうが早い。Edwin VanCleefなどを囮に使うことも考えること。Warriorに限らず、Weapon装備クラスのAggroに苦しむならWeapon破壊ミニオンをデッキに1枚刺すことを検討する。