Team [DKMR] BorNのガイド記事より
今回ご紹介するのは現行のMetaに少なからぬ影響を及ぼしている海外のHearthstoneチーム、DKMR(Team Don't Kick My Robot)が先日公開したガイド記事です。
下火になったかと思えたのも束の間、シーズンの切り替わりとともに再び勢いを増し、いまだ無視できない脅威であり続けるAggro Hunter。あの獰猛なファイトスタイルにいかにして立ち向かえばよいのでしょうか。
避けては通れない彼らとの戦い方を、DKMR BorNの解説から一緒に学んでいきましょう。
Understanding Hunter Aggro
原文:[Hearthstone Players] How to beat Aggro Hunter
Written by BorN [Team DKMR]
➥ twitch.tv/designatedwingman
Written by BorN [Team DKMR]
➥ twitch.tv/designatedwingman
チームDon’t Kick My RobotのBorNだよ。
今回はHunter Aggroへの理解について説いていこう。近ごろじゃHunterのガイドや解説記事は巷に溢れてることだし、ここはちょっと趣向を変えたものにしようかなって考えている。
僕らが教えようとしているのは、”Hearthstoneで最も嫌われているデッキのひとつ”にどうやって対応するのかという話だ。
そこには君自身がHunterの扱いに上達していくためのコツも含まれているよ。
かくいう僕が誰なのかと知らない人に前置きを。
これまでの3シーズンはもっぱらHunterばかり使い、そして全てにおいてLegendランクへ到達してきた。Hunter使いの嫌がることなら何でもわかるし、どうやって苦しめることが出来るかも熟知しているわけだ。
経験者は語る。Hunter Aggroデッキに打ち勝つ最良の道は、相手のヘルスを削り切る仕組みを理解し、その威力を最小化する方法を知ることに有る。
Steady Shot (Hero power)
Draw... inhale... exhale... release.- Amaria Kelsur TCG
まず初めに彼らHunterを倒すためには、Hunter Aggroとは毎ターンじっくりと相手の生命を削ることで成就するデッキアーキテクチャであることを理解しなければならない。
Hunterの固有能力。Steady Shotは1ターンにつき相手のヘルスに2ダメージを刻むだけの使い道として設定されたものだ。 相対する者がヘルス回復やアーマーアップを行わなければ、避けられない確実な死の訪れる時が決められている。
この能力は単純ものだけれど、ことAggroデッキにおいてはHunterがいつでも好きなように放てるダイレクトな2ダメージを保証してくれることは特筆すべきだね。
ただし他のクラスと異なり、ボードコントロールでヒーローを支援することは出来ないんだ。
The Deck
- 1 x Hunter's Mark
- 2 x Arcane Shot
- 1 x Abusive Sergeant
- 1 x Elven Archer
- 2 x Leper Gnome
- 2 x Timber Wolf
- 2 x Explosive Trap
- 1 x Misdirection
- 2 x Unleash the Hounds
- 2 x Bluegill Warrior
- 1 x Ironbeak Owl
- 1 x Starving Buzzard
- 2 x Eaglehorn Bow
- 2 x Animal Companion
- 1 x Deadly Shot
- 2 x Kill Command
- 1 x Arcane Golem
- 2 x Wolfrider
- 1 x Leeroy Jenkins
- 1 x Abomination
➥ [Hearthpwn] DKMR BorN Legend Hunter
このデッキリストを見てもらえば一般的なHunter Aggroとの違いにいくつか気が付くはずだ。
まず目を引くのはTrackingが入っていないことだろう。たしかに優れたスペルだが、僕のデッキに必須なものじゃあ無い。
次に、誰もがたいていは2枚用いるStarving Buzzardが1枚しか入ってない。
Legendへの過程においてStarving Buzzardの1枚入れが2枚と同様に適したものだということを発見したんだ。
そして最後に面白いカード、Abominationが目に入るだろう。
このカードは”テンポチェンジャー”なんだ。相手のAggroを止めることが出来るし、君がゲームの展開をひっくり返す助けになる。
もしも今流行りのWarlock Aggro相手に難儀しているなら、こいつを1枚デッキに加えることを大いに勧めたい。
僕のデッキに含まれるどのカードも即時ダメージを与えるか脅威を取り除くのに役立つものばかりだ。これによりMurlock Aggroやその他似たような、前のめりにアグレッシブな攻めに対するディフェンスが可能になる。
このデッキの戦い方をマスターするには、どのタイミングで相手のヒーローを殴りに行くべきか、そして自身のヘルスが危機に陥る局面を学ばなければならない。
The Combos
Hunterを象徴するカードUnleash the Houndsは数ヶ月前に(1月16日パッチ4458)マナコストが4から2へ減少するbuff調整を受けた。
この変更はメタゲームの中で目立たず貧弱な存在だったHunterの導火線に火を点け、今ではどこへ行ってもHunterが居るような有り様だ。
マナコストの変更がどのようにしてUnleash the Houndsをこのクラスの最も特徴的なカードに変貌させ、Hunterをそこまで強くしたんだろうか?
下記に紹介していくような、早い時間帯からゲームの流れを変えてしまうカードコンビネーションを可能にする能力がその答えだ。
最初に思い浮かべるもっとも強烈なやつはStarving Buzzardとの組み合わせだね。
この4マナコンボはフィールドに召喚できたHoundの数だけカードをドローできる。
もちろんカードアドバンテージを得るだけじゃなく、Chargeアビリティにより即時ダメージを与えるHound達が居る。
Timber Wolfをフィールドに置いて、さらに踏んだり蹴ったりな目に遭わせることだって出来る。こいつもBeastだからもう1枚追加でカードを引き、Hound達とStarving Buzzardすべてにアタック値1を加える。
ここまでされたら致命的になり得るし、ひっくり返すのは相当ハードだろう。
他にもUnleash the HoundsのbuffによってもたらされたLeeroy Jenkinsとのコンビネーションがある。
この6マナコンボはLeeroy Jenkinsから始まる。続いて解き放つUnleash the Houndsは相手のフィールドに召喚されたWhelp2体分だけより多く利用できるという寸法だ。決着のターン唐突に、想定外だったHoundの大群とLeeroy Jenkinsが残りのヘルスを吹き飛ばす。
このコンボ、まぁUnleash the Houndsを絡めたものはどれも同じだが、Starving BuzzardとTimber Wolfが混じるとより一層危険なものになり得る。
Beating the Deck
ミニオンを召喚しても退けられてしまうのは大勢にとっての悩ましい問題だった。
彼らの持つ除去手段、Deadly ShotやIronbeak Owl、Hunter's Markのようなカードが、あれやこれやの手でTauntを取り除いてしまい、単純にTauntを用いるだけではHeroのヘルスが削られるのを止めるのにまだ足りないらしい。
Unleash the Houndsを警戒し少数のミニオンのみをフィールドに残しても、Deadly ShotやハイダメージのBurnスペルKill Commandで容易に刈り取られてしまうのなら、もはや手も足も出ないだろうか?
まずはHunter Aggroデッキが目指すところの背景を理解しよう。
Unleash the Houndsがbuffされる以前、Hunter Aggroの通り名は「Turn 7 Hunter」だった。
参照:
➥ [reddit] (Original Deck) Turn 7 Hunter - Nothing above Rare - Rank 9 and Climbing
➥ [reddit] Ranked Legend as Hunter - Currently 19th in NA - Turn 7 Deck
そのデッキはターン毎のマナリソースと同じかそれ以上のダメージを与え続け、7ターンで勝つように設計されていた。
単純計算でマナリソース1毎にダメージ1により7ターンで28ダメージとなる。
Leper GnomeやArcane Shotは1マナにつき与えるダメージ1を上回るカードの例だ。
Chargeアビリティで即時に費やしたマナ分の価値をHunterは獲得しており、繰り出されるそのミニオンを掃除してくだけじゃ対処として十分じゃないということだね。
そして何より悪いことに、Unleash the Houndsの変更によって、今では遥かに速く死に至らしめることできるんだ。
Hunter Aggroの速度を鈍らせ、そして奴らを打ち負かす幾つかの方法がある。
ダメージを防ぐ、相手が無視してこっちのHeroを殴れないようなMinionを出す、ヘルスの回復とアーマーアップ、そしてカードアドバンテージを維持し続けることなどだ。
Damage Prevention
ダメージを遮ることはHunterがカードから得る価値を制限するやり方だ。
仮にMinionが君のHeroにアタックを仕掛けてしまったら、その時点で投資したリソース分すでに価値を得てしまっていると言える。1マナにつき1ダメージ、さっき言ったよね。
ここで目指すべきことは、そのチャンスを与えずダメージをブロックすることだ。
これは主にTauntとSecretスペルによって実現できる。
Tauntの排除にカードを浪費させることは、ダメージを予防するだけでなく、カードアドバンテージを作りだす助けにもなる。
僕がもっとも嫌うTauntカードたちを挙げれば、Druid of the Claw、Voidwalker、そしてFeral Spiritだ。
Hunterに頭を抱えさせるにはSunfury ProtectorとDefender of Argusを使う手もある。
Tauntを付与する対象のMinion達がボード上に居ることに因るが、複数の盾の存在はHunterの行動をがんじがらめにしてしまうだろう。
Taunt1枚か2枚で十分じゃなくとも時間を稼ぎ、Minion達の排除でカードを浪費させ、その上でさらにStarving Buzzardでカードを大量に得るのも許さなければ、トップデッキ待ちの状況で強固な壁を築くことができる。
Pseudo-Taunts(擬似Taunt Minion)
Hunterにとって無視するわけにはいかないMinionを召喚するということは、そのカードが実質Tauntとして機能することになる。
好例として挙げられるのはArmorsmithやKnife Juggler、または強大なアタック値か厄介な特殊効果を及ぼし続けるアビリティのどちらかを持つMinion達だ。
もしHunterがこいつらを無視してHeroへのダメージを優先すれば、その後手痛いしっぺ返しを食らう羽目になる。こうしたカードをディフェンスのために配置し、Heroを殴れずカードを浪費させるように強いること。
早い段階でそれが出来ればなお良し、さもなければゲーム後半のMinionを出すころには既に死に瀕しているかもしれない。
Heals and Armor
ここで述べるのは単刀直入にHunter Aggroの威力を矮小化する方法だ。
ヘルス回復やアーマー値増加によってHunterが費やすマナコスト分のダメージを和らげることはTauntよりも効果的であり、どちらも伴うことはHunter Aggroにとって悪夢となる。
特に言うならEarthen Ring Farseer、Holy Fire、Shield Blockかな。
さらに、PriestのヒーローパワーLesser Heal、WarriorのArmor Up!はHunterの使うSteady Shotのダメージを丸々緩和してくれる。
Card Advantage
Hearthstoneで対戦に勝つ定石のひとつはカードアドバンテージを作り出すことだ。
これはHunterとのマッチアップにも同じことが言える。対処するための選択肢を保ち続けることは極めて重要であり、手がなければノーチャンスだ。
カードを無駄にせず効果的に用いること。
しかし常に自身のHeroのヘルス残量を念頭に置こう。
他のマッチアップで良い選択と言える行動は、Hunter相手にも同じ場合もあるし、自殺行為になる時もあるんだ。
Counter Decks
さてHunter Aggroの止め方は判ったことだし、実践でこれを成し遂げているカードデッキの例を見ていこうか。
◆ Watcher Druid
Sunfury ProtectorとDefender of Argusを用いて分厚い盾となるAncient Watcherを取り除くように仕向けること。こいつに対するSilenceはアタック4ヘルス5のパワフルなMinionを解き放つ結果になる。
このデッキは他にもビッグなTaunt MinionDruid of the Clawや、素晴らしいヒール効果を放つAncient of Loreも含まれている。
そしてHero自身のShapeshiftはArmor値を1枚重ねていく。
➥ [Hearthstoneplayers] Guide: Midrange Budget Druid
◆ Warrior Control
Shield Block、Armorsmith、Frothing Berserker、Armor Up!. . .etc。 Warrior Controlは山ほどダメージを緩和する手段を抱えている。
Frothing Berserkerに言及したのは、こいつはアタック値を急増させることが可能で、Hunterにとって看過できないMinionだからだ。
Hunterがさっさとゲームを終わらせることが出来なかったり、出足が遅れたりすれば、このデッキはHunterをとことん疲弊させ足を引っぱり、手札の乏しいトップデッキ待ちの状況に至ればもはや無限に増え続けるアーマー値に対して手の打ちようが無くなってしまう。
注意すべきことはこのデッキの場合Taunt持ちのMinionが居ないことだ。
他にこれというデッキならMiracle RogueやWarlock Aggroが良いだろう。
火力で上回りやられる前に倒すのもひとつの手だ。
➥ [Hearthstoneplayers] Guide: Warrior Control
➥ [Hearthstoneplayers] Warlock Aggro Tech
➥ [Hearthstoneplayers] Guide: Miracle Rogue
Closing
時にはここまで述べた事柄が助けにならなかったり、役に立たないこともあるかもしれない。しかし実際LegendランクのHunter Playerに敗北をもたらしている要因だ。
Hunterとのマッチアップにこのガイドが役立つことを願っている。そして僕の勝率にキズをつけることもね。僕らに何か質問があればご自由にどうぞ。
➥ How to beat Aggro Hunter - Hearthstone Players
付記
Bornサンのガイド記事から引用はここまでとなります。蛇足ですがちょこっと。
Aggro Hunterの要諦は「1 damage per mana」
マナリソース1をダメージ1に変換する戦法として設計されている、おそろしく尖ったデッキオーダーです。オーソドックスな展開やこのゲームの定石とは逸脱した判断が必要になる場合が多々あり、頭を切り替えていかなければなりません。
例えばHunterとのマッチアップで初手のマリガン、どのカードを手札に残すべきか。
Fiery War Axeはテンポの獲得に大きく貢献し、序盤のペースを握るカードなので通常はベストな選択です。が、Bluegill Warriorを殴ってフィールドを掃除してもHunterにとっては痛くも痒くもないどころか、逆に有り難い行動です。
2マナ2ダメージのミニオンが4ダメージの働きをする。続いてWolfriderを出した、3マナ3ダメージ。Fiery War Axeでもう一回殴り除去した、追加で3ダメージ。
あなや、既にヘルスが10も消し飛びました。
Cleaveはどうでしょう?Chargeミニオンはヘルスが低いのでカードの1:2交換が狙えます。しかし既に1発殴られているなら1マナの仕事はされてますね。さらに言うなら、2体対象が居なければ発動できない除去カードは相手の出方次第となります。
ここでのベストカードはArmorsmith。Hunterが放つミニオンと相殺ができ、そして何より素晴らしいことにダメージを受けた分だけHeroにアーマー値を加算します。つまり、Hunterがマナリソースを費やした行動が無為に化すわけです。
(状況次第なんで断言できるこっちゃありませんが)
これは単なる時間稼ぎですが、お互いのカードを相殺しあう空白時間は値千金です。
Aggroデッキ、M;TGプレイヤーの方にはウィニーという方がしっくり来るそうですが、このデッキの性格上マナコストの安いミニオンで構成されたものになります。
そして、要求マナコストがでかいほど、カード単体のカードパワーは高いものとなります。ミッドゲーム以降の場に出るミニオンの質を見比べれば、Aggroデッキのミニオン達は貧弱貧弱ゥ!となります。
Midrange以降にフォーカスしたDruidなどはまさに天敵と言える存在で、早めに倒しきれなければ逆転の公算がどんどん増加していきますね。
しかし、明確な対処法が判っていてもなお、Aggro Hunterとの対戦は楽なものではありません。Unleash the Houndsの足音につねに耳をそばだて、張り巡らされた罠を嗅ぎ分け、相手を徒労に振り回すタフなファイティングポーズで挑むべし、です。
最後にオマケ、お馴染みのForce Strategy Gamingから。Aggro Hunterを仕掛ける側がどんな葛藤を抱えながらプレイを選択しているかチェックしておきましょう。
Hearthstone Deck Spotlight: Faceroll Hunter