14年3月19日開催 SQUARE GAMING PARTY × Hearthstone vol.2
イベント詳細告知
http://e-sports-square.com/stadium/event/sgphs2/
ニコ生配信URL
http://live.nicovideo.jp/watch/lv172369020
後日のリポート
http://e-sports-square.com/stadium/information/information-1460/
前回のTwitchアーカイブ
http://www.twitch.tv/esportssquare/b/508429383/
アットホームな雰囲気に包まれ対戦と交流を楽しむオフラインイベント、
『SQUARE GAMING PARTY x Hearthstone』が先週19日に再び開催されました。
第2弾が催されることにわたしは当日お昼に気がつき、すわ電撃開催か?!と思いきや告知を見逃していただけでした(╹◇╹;)ゞ
このeスクGPは私の知っている限り、日本で唯一のHearthstoneオフラインイベントです。
海外では大から小までイベントが頻繁に開かれている中で、だいぶ遅れをとっているここ日本の先駆け的存在であり、今後のイベント運営(オンラインも含め)のたたき台として、またお手本としても重要な位置にあると思います。
そんな大事なイベントに参加できていないのがもの悲しく、画面のあちらで楽しげに対戦に興じている方々をまたしても指をくわえて眺めておりました。
まま、配信見てるだけでも十分楽しめました。ありがとうございます。
さて今回もイベントの模様がニコ生で中継されており、リラックスしてゲームを楽しむ空気と会場の賑わいがこちらまで伝わってきました。
今回の記事は配信を観ていてとても良いなと感じたところと、いろいろ考えさせてもらった事々を書き綴っていくコラムのようなものとなります。
まずはこのイベントの一風変わった特色について考えてみましょう。
協力プレイ
複数のプレイヤーが対戦に同時に参加するチームマッチ。
このゲームでチーム戦といえば一般に思い浮かべるのは、2つのチームが個人戦の勝敗数を競うESGN Fight Nightフォーマットになるでしょうか。
初開催の配信を見始めた時もそのように想像しておりましたので、プレイヤー達がヘッドホンも付けずひとつのモニタに顔を寄せ、言葉に身ぶり手ぶりを交えてゲームに参加している姿に驚きました。
Hearthstoneというゲームは1 on 1の対戦ゲームです。
考えても見れば孤独ですよね。運不運も含めてすべて自分で背負います。
このゲーム、相手の戦術を読み切るには選択肢が多すぎるので、熟練プレイヤーですら思いもよらないカードに面くらい「あぁなるほどね」と嘆息することしばしばです。また偶然の要素が非常に強く運に見放されたと感じる時はやりきれなくもなります。サイコロの出目が悪かったことを共感してくれる人はどこにも居ません。
初手の手札が最悪だった。そんな都合よく相手のカードコンボが成立するとまで予測できなかった。しかし誰が同情してくれるでしょうか?
ここでオフラインならではというか、こうした機会には他のプレイヤーと相談し合いながら手札を切り、行動を選ぶという遊び方もおおいにアリ。
ベストと考えるカードを切る、あぁ裏をかかれた。RNGカードに望みを託す、うーん惜しい、と見合わせる顔があるというのは面白い試みですね。
ぜひ一度は自分も参加してみたいと思えるチーム戦形式です。
観戦する側としてホントに見たいのは1対1のプライドを賭けた白熱する勝負なんですが、日本ではまだガチンコトーナメントを開催するような下地がまったくありません。
日本独自の開かれたコミュニティもこれといって見当たらないのが現状です。
第一回二回と連続で”ゆるふわ”と銘打ち、だれでも気楽に参加できて楽しめそうなイベントを演出しているのは、流石イベント運営にこなれたeスクだなと感じ入りました。
参考までに、One Nation Of Gamersの開催したトーナメントの様子
皆でビールを飲みながらタブレットを挟んで向かい合い対戦しています
The @oNoG_eSports #Hearthstone Tournament: I win the game after being at 1 facing Rag +4 minions w/no board. pic.twitter.com/JDW41pNAZC
— Michael (Shoc) (@Shoctologist) 2014, 3月 24
配信の工夫
Spectator mode(観戦モード)実装へのユーザーの熱烈な要望は、私の記憶している限り半年以上前から開発チームは把握しているはずです。
@Millennia_SI Can't say when we'll add that feature, but I am personally really excited about spectator mode!半年前、うだるような残暑の9月。鰤のことだからスタクラみたいなリプレイ機能、観戦機能、チャットやクランのサポート等々あたりまえのように実装されるだろうと当時考えていました。甘かった。
— Yong Woo (@cataclyst78) September 1, 2013
正式サービス開始となった今に至るまで本腰を入れているように見えないのは、技術的に難しいものか何なのか。
素人の私にはさっぱり予想もできませんし、無いものは無いでしょうがないから対戦イベントの開催者はおのおの工夫を凝らして観戦を楽しめる配信を実現させています。
ちょうどいい機会なのでここはひとつ、様々な対戦イベントで第三者視点の視聴者にどう見せているかのアイデア達をチェックしてみましょう。
Blizzcon2013
Hearthstone Final - Last game (2-2) Artosis vs Kripparrian [Youtube]
ESGN Fight night TV
Fight Night Hearthstone - Darkwonyx vs Savjz - S05E02 - Part 1/3 [Youtube]
IHEARTHU KOTH
Hearthstone King of the Hill #12 - Realz vs. Razor [Youtube]
SeatStory CUP
Trump's Hungry Crab [Youtube]
IEM Katowice
Gnimsh vs. Artosis - Grand Final - IEM Katowice 2014 - Hearthstone [Youtube]
OGN Invitational
24/3/14 [ESGN TV Daily News] -- OGN Hearthstone [Youtube]
National ESL: koth
NESL Hearthstone King of the Hill # 5 Match 2: Amaz vs Alchemixt [Youtube]
Deck Wars Episode
Deck Wars: Strifecro vs. Razor [EPISODE 3] [Youtube]
ON OFF無作為に印象深いものをとりあげて見ました。
並べて見比べるとそれぞれの個性が際立ちます。
一部を除き、両プレイヤーの手札を視聴者が常時同時に見えるような画面構成にしていますね。観戦側としては有り難い配慮です。
そしてプレイヤーの顔も画面に映っている。これも重要な要素。
Hearthstoneはマインドゲームの側面が色濃く、プレイヤーの挙動からその心理状態を容易に見てとれます。対戦に臨むプレイヤーが悩み、推理し、マウスポインタを不安に震わせながらカードを選ぶ。eスク実況担当の方も同様のことを仰っていましたね。
たとえば4ターン目を迎えるPaladinの手札にTruesilver Championがあるのか、Hammer of Wrathがあるのか、Consecrationがあるのか。
ふと見せる逡巡に心の波うちが伝わることもあるので、プレイヤーの表情が見えると観戦はより一層面白いものとなります。
eスクGPも早々に観戦者がのめり込めるような工夫を用意してきたのは素晴らしい。
そしてもう一点挙げると、対戦の間を保たせるためのトーク。
試合が終わるとブツッと切れて、次の用意ができるまでStay tunedじゃさみしいもんです。
ニコ生ならではの投稿コメントと受け答え、カードの雑談、またはWarcraft世界観に触れてみるのも視聴者側にとって興味を惹かれます。今回はHeroのキャラクター性やその生い立ちについて面白い話が聞けました。
忘れちゃいけませんね。Warcraft Universeを背景としていることもHearthstoneの魅力のひとつです。たとえば現役WoWプレイヤーからキャラクターやストーリーの小話を聞ければ、視聴者のプレイヤーレベルを問わず興味をそそるんじゃないでしょうか。
Hearthstoneを遊んでいるけれどWarcraftはよく知らないという人も多いはず。
私なんてMurlocが魚類なのか両生類なのかどっちかいまだに判りません。
The Burning Crusade - I Am Murloc
興味を惹きつける
➥ SQUARE GAMING PARTY × Hearthstone vol.2――リピーター続出!
イベント後のリポート記事に目を通し、当日に参加者の方々がどのような会話を交わし、情報交換をしていたのかとても興味を引かれました。
あとは、使用されたデッキリストを一部でも公開されると嬉しいですね。
EUレジェンドランカーのコントロールWarrior、気になりませんか?
プレイ内容からある程度は察しが付くとはいえ、熟練プレイヤーは流行のデッキを使う場合も自分の対戦環境に合わせてアレンジを加えているものです。そして何故そのカードを入れ替えたか、その理由は?どのような戦略的意図で?といった生きた情報は貴重です。
海外の各種トーナメント、賞金が出るにしても雀の涙程度の大会であっても、上位入賞者のインタビューがほぼ必ず行われるのはそうした理由でしょうね。
おそらくe-sports SQUARE運営は今後も、日本Hearthstoneプレイヤーの耳目を集めるような仕掛けを次々と観せてくれるのではと期待が高まります。
私個人も何かアイデアが無いものか、と折にふれて考えることがあります。
たとえば、Budget deckを競い合うというイベントなんていかがでしょう。
(バジェットデッキ、いわゆるビンボーデッキのこと)
先日Gosugamersにて、直近のトーナメントで出場者の用いたbudget deckをリストアップした記事が公開され注目を集めていました。
クローズドβからのプレイヤーは大抵のカードが揃っているので興味ないかもしれません。しかしオープンβや正式サービスからの参入プレイヤーにとっては非常に価値ある内容。
➥ [Gosugamers] Winning on a budget: A compilation of winning limited decks
日本人プレイヤーがどれほどカードコレクションが充実しているかの平均値なんて知りようもありませんが、正式サービス開始間もない今ではbudget deckの需要が高いはずです。
HearthpwnなどのデッキビルダーはArcane dustの総量を自動で計算してくれますし、Webに公開するのもリンクを貼るだけなのでたいへんお手軽です。
➥ [Hearthpwn] EU F2P Trump's "Free Mage"
そうそう、Hearthpwnといえばちょっとした豆知識。
ニュース&データベース&各種ツール&フォーラムとして最も閲覧者の多い『Hearthpwn』は昨年の5月23日に『MMO Champion』の姉妹サイトとして発足しました。
➥ [MMO Champion] HearthPwn - Hearthstone Database, Tools, and News
クローズドβ開始の3ヶ月も前、どんだけ気が早いのか思ってしまいますが、Blizzcon Inkeeper Invitationalにも招待された著名プレイヤーのNoxiousはその遥か以前から動画のアップロードを始めています。
アーカイブに残っている中で最も古いのが5月10日、まだβが始まる日取りも見えないうちからカードのレビューしていた熱意に驚くばかり。
➥ [Youtube] Hearthstone Card Review: Neutral Minions #5 - New Cards! [pre-Beta]
その後Hearthpwnと合流することになるManaGrind Open Tournamentはβ開始一週間後、13年8月22日から始まり定期的に開催され続けています。
カードゲーム愛好家やBlizzardファン、その他数多くのHearthstoneに期待していたゲーマーを背景としたコミュニティは、このようにはるか以前から活動し交流を深めていました。日本はまぁ・・・ほぼ1年くらいすでに遅れをとっているかもしれません。
そうした差を少しでも埋めていく可能性として期待を込め、e-sports SQUAREのイベントにはこれからも注目していこうと思います。
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