メメント・モリな
Index
▼ Chapter 1. Introduction
0と1の世界
▼ Chapter 2. 用語
この記事で登場するカタカナのゲーム用語をさらっとご紹介
▼ Chapter 3. buff / debuffの機能
➥ アタック/ヘルス強化 | ➥ アタック/ヘルス低下 |
➥ アビリティ付与 | ➥ ルールテキスト消去 |
➥ Transform |
➥ ウェポン/シールド/強化・付与・破壊 |
➥ マナ増減 |
▼ Chapter 4. buff / debuffの範囲
➥ ヒーロー&プレイヤー | ➥ 自己強化 |
➥ 単体 |
➥ 種族限定 |
➥ 隣接 (+1) | ➥ エリア範囲 |
▼ Chapter 5. buff / debuff効果が発動するトリガー
➥ カードキャスト(ミニオン召喚) | ➥ シークレットトリガー |
➥ ダメージトリガー | ➥ ターン経過 |
➥ サクリファイス (ミニオン破壊) | ➥ etc. (その他いろいろ) |
▼ Chapter 6. buff / debuff効果の持続ルール
➥ 指定ターン限定
➥ Affect (持続影響)
➥ Permanent (永続保持)
➥ アフェクトとパーマネントの見分け方
▼ Chapter 7. buff / debuffの解除条件
➥ メメント・パターン | ➥ Silence(サイレンス)の仕様 |
➥ 解除条件 : ターン限定 | ➥ 解除条件 : Affect (持続影響) |
➥ 解除条件 : Permanent (永続保持) | ➥ buffとヘルスとSilenceの関係 |
➥ 特例 : 手札リターン |
▼ Chapter 8. 相対的な評価
カードの個性を一元的な評価はできないというお話
▲Index
Chapter 1. Introduction
導入記事 一覧
⇨ 導入記事第一弾 Hearthstoneの基礎ルール
⇨ 導入記事第二弾 閃け!アビリティバトル【能力 x 脳力】
⇨ 導入記事第三弾 バフ・デバフ・アンド・メメント
⇨ 導入記事第四弾 デッキビルドのススメ
⇨ 導入記事第五弾 冷静と情熱のArena
前回の導入記事ではカードに記されたアビリティについて駆け足で解説しました。
カードのアビリティ効果がどのような挙動を示すのかなんとなくでも把握していれば、ハースストーンでプレイを楽しむにあたり不足は一切ありません。
しかし、遊び始めるのは実際簡単なこのゲームも、対戦相手との勝負の駆け引きはたいへんシビアです。
突き詰めれば数字の足し算引き算とルールテキストのみが支配する世界なので、スタークラフト2やその他アクションゲームのようにマイクロ操作力をもってビハインドをくつがえす要素はシステム上存在しません。
(スタクラやり過ぎで腱鞘炎のアナタ。指は大丈夫ですか?バネ指ですか。ハースストーンは安心です。事実、指が痛くない。)
とはいえ実際のプレイングにおいてはRTSやFPS、アクションゲームと同様に、まったく同じ条件のもとであっても実力差が如実にあらわれます。
ニュービーとマスターの力量の差、このゲームにおいては”Hearthstoneをどれだけ深く広く知っているか”と、その知識に基づいた戦略と判断、推理と駆け引きに尽きます。
今回の導入記事ではマスターを目指す第一歩にしてカードアビリティにおいて一番ややっこしい要素、buff / debuff効果のメカニズムを分類し整理していきましょう。
再三繰り返しとなりますが、導入記事に書いてある内容を頭に詰め込まなくても特に不自由なくハースストーンはプレイできますし、ここに書いてある内容はゲームを楽しんでいるうちに自然と体得していける事柄ばかりです。
攻略本を読んでからゲームをプレイするスタイルもありだとは思いますが、個人的には自分で考え謎解きすることそのものを楽しむのをオススメします。
カードが不可解な挙動を見せた時に、その原理がわからなかったら解説記事に目を通す、くらいでいいと思います。
【重点】このブログではカードテキストにツールチップ表示スクリプトを仕込んでいます
緑色のカード名にマウスポインタを乗せるとカードの画像が表示
リンクをクリックするとHearthpwnのカード個別ページにジャンプ
ブラウザ設定でJavaScriptを無効にされている場合、正しく表示されないことがあります。
Cenarius
Shan'do's Lesson
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Chapter 2. 用語
buff / debuff (バフ・デバフ) ・・・
buffとは「Buffer」を語源とするネトゲ用語。キャラクターを支援・強化する要素全般(物、行動、その他なんでも)に頻用される。
否定・反対の接頭辞「de」をくっつけた「debuff」はそのまま支援・強化するの対となる弱体化を指し、(強化/弱体化)のみならず(有益/不利益)と括ってもいいほど、どちら非常に広い意味あいで使われる。
詳しい由来は下記リンク参照
バフやMOBと言う単語の由来について(漫画喫茶 完美世界 祖龍店 様)
メメント・パターン ・・・
ゲームなどのソフトウェア開発でオブジェクトのステータスをロールバックするデザインパターンを指す用語。
buff / debuffが剥がれるメカニズムを総じてメメント・パターンと勝手に名付けただけで、Hearthstoneの用語でもなく覚える必要もない。
ルールテキスト・・・
カードの能力を定義するテキスト。ミニオンに対してはbuff / debuffの効果により随時新たなテキストが書き加えられていく。
Affect , Permanent ・・・
buff / debuffが持続する条件の性質の違いを説明するのに用いられる。「Permanent」はTCGの本家であるM;TGでは別の意味あいを持ち、Hearthstoneのβプレイヤーにはマジック経験者が少なくないため若干混乱をもたらしている。
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Chapter 3. buff / debuffの機能
一口に強化/弱体化と言ってもその作用はさまざま。
自分のゲーム展開を有利にしていくためには自軍のキャラクター強化と、エネミーキャラクターの弱体化を適時適切に行うことが求められます。
アタック/ヘルス強化
代表的なbuff効果。現在約100枚のカードがこのアビリティを所持。
上昇量、効果対象範囲、持続時間、効果発動のトリガーなどバリエーションに富む。
Stormwind Champion
Stormwind Champion以外のフレンドリーミニオンすべてにアタック1/ヘルス1を付与
Flesheating Ghoul
(敵味方問わず)ミニオンが1体破壊されるごとにアタック1増加
Rampage
ダメージを受けているミニオン1体にアタック3/ヘルス3を付与
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アタック/ヘルス低下
(主に)エネミーミニオンのアタック/ヘルス値を低下させるdebuff効果。強化buffと較べて種類がかなり少ない
エネミーミニオンの脅威を取り除く目的であればリムーブ(除去)カードのほうが手っ取り早いが、要求マナコストが少ないという特徴がある。
Humility
対象ミニオンのアタック値を1に変更
Hunter's Mark
対象ミニオンのヘルスを1に変更
Equality
(敵味方問わず)すべてのミニオンのヘルスを1に変える
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アビリティ付与
アタック/ヘルス強化に次いで多いbuff効果。現在このアビリティに関連するのは30枚ほど。
固有名称アビリティ(タウント、チャージなど)をミニオンやヒーロー自身に付与する
Warsong Commander
Warsong Commander以外のフレンドリーミニオンすべてにチャージを付与
Conceal
次の自身のターンまで、フレンドリーミニオンすべてにステルスの効果を付与
Hand of Protection
対象ミニオン1体にディバインシールドを付与
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ルールテキスト消去
(主に)エネミーミニオンに対するdebuff効果。対象ミニオンに与えられたルールテキスト(アタック/ヘルス強化や所持しているアビリティ)を打ち消す。
このdebuff効果は基本的にアビリティのSilence(サイレンス)を指すが、バトルフィールドのミニオンを持ち主の手札に差し戻すアビリティも「ルールテキスト消去」に分類できる。
理由は後述の特例 : 手札リターンを参照
Spellbreaker
バトルクライ:対象ミニオン1体にサイレンスの効果
Silence
対象ミニオン1体にサイレンスの効果
Sap
対象エネミーミニオン1体を持ち主の手札に戻す
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Transform
対象を別のミニオンに変えてしまうことで、アタック/ヘルス変更とアビリティ消去を兼ねる。現在このアビリティを所持しているカードは5枚のみ
それぞれアビリティの性格が異なり、buffとdebuffどちらでも使い方次第。
Poultryizer
このカードが召喚された次の自身のターン開始時、(敵味方問わず)ランダム選択でミニオン1体をアタック1/ヘルス1のChickenに変化
Tinkmaster Overspark
バトルクライ:対象ミニオン1体をランダム確率でアタック5/ヘルス5のDevilsaurか、アタック1/ヘルス1のSquirrelに変化させる
Faceless Manipulator
バトルクライ:対象ミニオンをコピーしFaceless Manipulatorを変化させる
Polymorph
対象ミニオン1体をアタック1/ヘルス1のSheepミニオンに変化
Hex
対象ミニオンをアタック0/ヘルス1/ タウントのFrogに変化
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ウェポン/シールド/強化・付与・破壊
ヒーローにウェポンやアーマー値を付与、増加、または破壊の効果。
Acidic Swamp Ooze
バトルクライ:エネミーヒーローのウェポンを破壊
Spiteful Smith
エンレイジ:ヒーローウェポンのアタック2増加
Armorsmith
フレンドリーミニオンがダメージを受ける時、ヒーローのアーマー値が1増加
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マナ増減
ミニオンやスペルのマナコスト増減、マナクリスタルの上限値増加
Mana Wraith
(敵味方問わず)すべてのミニオンの召喚マナコストが1増加
Pint-Sized Summoner
各ターンの最初に召喚するミニオンのコストを1減少させる
Nourish
マナクリスタルを2増加
以上の分類のまとめ。
ざっくり言えばヒーローやミニオンのマナ/アタック/ヘルス値に関連するルールテキストを書き加える、または消去する効果がbuff / debuffの機能ということになります。
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Chapter 4. buff / debuffの範囲
buff / debuffがおよぶ範囲はシナジー(相乗効果)と密接にかかわり、カードの評価においてとても重要な要素です。
実際簡単・親切ヤサシイ・プレイフリー・エビバディウェルカムの理念をつらぬくHearthstoneでは、 カードテキストの記述体裁が(ほぼ)統一化されているので指定の範囲はとても判別しやすくなっています。
まず前提として、対象へのアビリティ発動にはふたつのパターンがありますね。
・ ノンターゲッティング型
いわゆるノンタゲ、アビリティの発動対象が固定の場合。能動的にターゲットを指定せずとも自動で対象に効果を発動します。
・ ターゲット選択型
ターゲット可能な対象範囲がテキストで示され、その範囲内から自分で発動対象を選ぶタイプ。こちらはターゲットを指定するためのガイドカーソルが出現します。
それではテキスト内で対象範囲を示す表記の規則をおさえておきましょう。
多少の表記ゆれはありますが、ハースストーンのカードテキスト記述は下記のように統一化されています。
enemy hero , opponent
→ 対戦相手のヒーロー単体が対象の場合。
enemy minion(s)
→ 対戦相手がフィールドに展開しているミニオンのみを指す
enemy (ies) , enemy character(s)
→ 対戦相手のヒーローとエネミーミニオン両方を含む
all minions
→ 自分と対戦相手両方のミニオン両方が範囲
your hero
→ 自分のヒーローを対象とする場合
friendly minion(s) , your minion(s)
→ 自分がフィールド上に展開しているミニオンのみ
friendly character(s)
→ 自身のヒーローとフィールドに展開している自分のミニオン両方を含む
【重点】
※ ターゲット選択型のアビリティの場合
敵味方ヒーローミニオン問わずターゲット範囲に入る場合は単純に「character」と表記され、敵味方問わずミニオンから選択する場合は所有を指定せず「minion」と表される。
※ 指定範囲内の不特定多数がbuff / debuff対象となる場合
範囲にも幾つかのパターンが存在する。buff効果の範囲表記に「other」の注釈があるミニオンは、その範囲内であっても自分自身を対象に含めない
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ヒーロー&プレイヤー
マナクリスタルの増減、ヒーローにウェポンやアーマー値を付与、増加、または破壊の対象とする
Captain Greenskin
バトルクライ:ヒーローウェポンにアタック1/耐久値1を付与
Harrison Jones
バトルクライ:エネミーヒーローのウェポンを破壊、その耐久値分の枚数カードをドロー
Innervate
当該ターンのみマナクリスタルが2増加
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自己強化 「has」 「gain」
主にミニオンカードが特定の条件下において自分自身を対象にbuff効果を加える場合、「has」や「gain」で自分がbuffを得ることを示す
スペルカードに「gain」の表記がある場合はヒーローキャラクターやプレイヤー自身を対象としている。
Southsea Deckhand
チャージ(ウェポン装備時限定)
Questing Adventurer
カードを使用する時、Questing Adventurer自身にアタック1/ヘルス1を付与
Blood Knight
バトルクライ:(敵味方問わず)すべてのミニオンからディバインシールドを除去、ディバインシールドを失ったミニオンごとにBlood Knightのアタック3/ヘルス3増加
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単体 「a」
バトルフィールド上のキャラクターどれか1体のみを対象とする場合、ほぼ必ず上記表記規則に単体対象であることを明示する「a」を加えて記載されている
a : Aldor Peacekeeper
バトルクライ:対象エネミーミニオン1体のアタックを1に変更
b : Frost Shock
対象エネミーキャラクター1体にダメージ1、フリーズの効果
c : Ironbeak Owl
バトルクライ:対象ミニオン1体にサイレンスの効果
d : Windspeaker
バトルクライ:フレンドリーミニオン1体にウィンドフューリーを付与
e : Rockbiter Weapon
当該ターン限定で対象フレンドリーキャラクター1体にアタック3を付与
↑
ターゲット選択型の場合は対象に選べる範囲表記に要注意。
↓
a : エネミーミニオンのうち1体
b : エネミーヒーローとエネミーミニオンのうち1体
c : エネミーミニオンとフレンドリーミニオンのうち1体
d : フレンドリーミニオンのうち1体
e : 自分のヒーローとフレンドリーミニオンのうち1体
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種族限定 「Race」
Beast / Demon / Dragon / Murloc / Pirate / Totemの計6種族から、指定の種族を対象にする場合。(クローズドβ現在ではDragon種族を対象とするアビリティは存在しない)
Houndmaster
バトルクライ:フレンドリーミニオンのBeast種族1体にアタック2/ヘルス2/タウントを付与
Demonfire
対象ミニオン1体にダメージ2(対象がフレンドリーミニオンのDemon種族の場合、かわりにアタック2/ヘルス2を付与)
Southsea Captain
Southsea Captain以外のフレンドリーPirate種族すべてにアタック1/ヘルス1を付与
Totemic Might
フレンドリーミニオンのトーテム種族すべてにヘルス2を付与
Murloc Warleader
(敵味方問わず)すべてのMurloc種族にアタック2/ヘルス1を付与
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隣接 (+1)
バトルフィールド上で両隣のフレンドリーミニオンを強化するアビリティは主体として「adjacent」 「on either side」で隣接範囲を示す
または「next to it」(対象と、その両隣)という範囲指定もある
Sunfury Protector
バトルクライ:Sunfury Protectorの左右に隣接するフレンドリーミニオンにタウントを付与
Void Terror
バトルクライ:Void Terrorの左右に隣接するフレンドリーミニオンを破壊、破壊したミニオンが持っていたアタック値とヘルス値分が増加する
Cone of Cold
対象ミニオン1体と、左右に隣接するミニオンにフリーズの効果、それぞれにダメージ1
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エリア範囲 : オールミニオン (+ ヒーロー)
パターン1 エネミーミニオン全体 or フレンドリーミニオン全体
パターン2 エネミーミニオン全体 + フレンドリーミニオン全体
パターン3 エネミーキャラクター全体 or フレンドリーキャラクター全体
パターン4 敵味方問わずすべてのキャラクター
Blizzard
エネミーミニオンすべてにダメージ2、フリーズの効果
Flare
(敵味方問わず)すべてのミニオンのステルスとエネミーのシークレットエフェクトすべてを除去、カードを1枚ドロー
Savage Roar
当該ターン限定でフレンドリーキャラクターすべてにアタック2を付与
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Chapter 5. buff / debuff効果が発動するトリガー
カードキャスト(ミニオン召喚)
最も多いタイプ。カードのキャストやフィールドにミニオンを召喚することが起点となる
Mana Wyrm
スペルカードをキャストする時、アタック1増加
Unbound Elemental
オーバーロードのカードを使用した時、アタック1/ヘルス1増加
Sword of Justice
ミニオンを召喚する時、ウェポンの耐久値1と引き換えに対象フレンドリーミニオン1体にアタック1/ヘルス1を付与
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シークレットトリガー
設置されたシークレットの発動が起点
Ice Barrier
シークレット:自身のヒーローがエネミーミニオンから攻撃される時に発動、アーマー値が8増加
Eaglehorn Bow
シークレットエフェクトが発動される時、Eaglehorn Bowの耐久値1増加
Repentance
シークレット:対戦相手がミニオン1体を操作した時に発動、対象ミニオンのヘルスを1に減少させる
▲Index
ダメージトリガー
ヘルス値の減少がトリガーとなる。Gurubashi BerserkerのアビリティとEnrageトリガーの違いに要注意。前者はダメージを受けるたび何度でも発動しbuffが蓄積するが、Enrageトリガーのbuffアビリティは重複して発動しない。
Gurubashi Berserker
Gurubashi Berserkerがダメージを受ける時、アタック3増加
Frothing Berserker
(敵味方問わず)ミニオンが1体ダメージを受けるごとにアタック1増加
Molten Giant
ヒーローの受けたダメージ分、Molten Giantの召喚マナコストが減少する
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ターン経過
ターン経過時にbuff効果が発動
Emboldener 3000
自身のターン終了時、(敵味方問わず)ランダム選択でミニオン1体にアタック1/ヘルス1を付与
Master Swordsmith
自身のターン終了時、Master Swordsmith以外のフレンドリーミニオン1体にアタック1を付与
Gruul
自身と対戦相手のターン終了時、アタック1/ヘルス1増加
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サクリファイス (ミニオン破壊)
指定の対象ミニオンが破壊されることが条件。テキストに指定が無い限り敵味方は問わない
Void Terror
バトルクライ:Void Terrorの左右に隣接するフレンドリーミニオンを破壊、破壊したミニオンが持っていたアタック値とヘルス値分が増加する
Flesheating Ghoul
(敵味方問わず)ミニオンが1体破壊されるごとにアタック1増加
Hungry Crab
バトルクライ:Murloc種族1体を破壊し、アタック2/ヘルス2増加
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etc. (その他いろいろ)
Lightwarden
(敵味方問わず)キャラクターのヘルスがヒール効果を受ける時、アタック2増加
Sea Giant
バトルフィールド上のミニオンの数分、Sea Giant召喚マナコストが減少する
Gladiator's Longbow
ヒーロー自身が攻撃する時のみ、イミューン効果
▲Index
Chapter 6. buff / debuff効果の持続ルール
指定ターン限定
ターン限定のト書きがある。無いものは下記のアフェクトとパーマネントに分かれる
Kirin Tor Mage
バトルクライ:当該ターン限定でシークレットカードのコストが1回分0になる
Heroic Strike
当該ターン限定でヒーローにアタック4を付与
Power Overwhelming
当該ターン限定で対象フレンドリーミニオン1体にアタック4/ヘルス4を付与、ターン終了時に対象ミニオンを破壊
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Affect (持続影響)
他ミニオンへ現在進行形でbuff / debuff効果を供給するアビリティのミニオンがフィールドに存在する限り、指定の対象に影響を及ぼし続ける。
このbuff効果はキラキラと輝くエフェクトが発生しないためnon-aura buffsとも呼ばれる
Blood Imp
ステルス/フレンドリーミニオンすべてにヘルス1を付与
Dire Wolf Alpha
Dire Wolf Alphaの左右に隣接するフレンドリーミニオンにアタック1を付与
Tundra Rhino
フレンドリーミニオンのBeast種族すべてにチャージを付与
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Permanent (永続保持)
このタイプは”指定対象に永続するルールテキストを書き加える”、と考えれば判りやすい
このbuff効果はキラキラと輝くエフェクトが発生するためaura buffsとも呼ばれる
buff / debuff解除条件におけるアフェクトとの違いは ➥ メメント・パターン参照の事
Arathi Weaponsmith
バトルクライ:ヒーローにアタック2/耐久値2のウェポンを付与
Legacy of the Emperor
対象フレンドリーミニオンすべてにアタック2/ヘルス2を付与
Ancestral Healing
対象ミニオンのヘルスを全回復し、タウントを付与
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アフェクトとパーマネントの見分け方
見分けるのは簡単です。
buff効果を受けたミニオンがキラキラ輝いていたらPermanent(aura buff)、キラキラ効果が無ければいずれかのミニオンから受けているAffect(non-aura buffs)です。
ふたつの効果を同時に受けている場合も、ツールチップで確認可能。
ではこれからミニオンを対象にbuff効果を与えようとしたときに、それがAffectなのかPermanentになるのか理解するための理屈が以下の3点
その1、
アフェクト効果はその性質上、ミニオン由来以外にありえない。
(スペルカードはバトルフィールド上に存在できない)
つまりミニオンカード以外からもたらされるbuff / debuffはすべてパーマネント
その2、
ミニオンが発動するbuff / debuffに発動条件が設定されている場合もパーマネント扱い。
発動条件が設定されているということは、buff / debuff効果の発生は過去起きた出来事ということです。過去はそのミニオンを排除しても変えられません。
(主には前回の記事で紹介したBattlecry等のアビリティトリガーが設定されているもの、または「Whenever」等の文言で条件が指定されている場合)
その3、
発動条件が指定されておらず、ミニオンがフィールドに存在するだけで他ミニオンにbuff / debuff効果の影響を与えるものは、アフェクトになる。
▲Index
Chapter 7. buff / debuffの解除条件
メメント・パターン
ここで一例。
Timber Wolfから「Beast種族にアタック1を付与」
Houndmasterから「Beast種族1体にアタック2/ヘルス2/タウントを付与」
上記ふたつのbuff効果を同時に受けたOasis Snapjawがフィールドに居るとします。
このふたつのbuff効果は一体のミニオンに付与されていますが、
1枚のSilenceでbuff効果ふたつを同時に打ち消すことはできません。
「Beast種族にアタック1を付与」はTimber Wolfから受け続けているAffect(持続影響)、
「Beast種族1体にアタック2/ヘルス2/タウントを付与」はHoundmasterから受けたPermanent (永続保持)だからです。
当然、Houndmasterを破壊しても上記ふたつのbuff効果を同時に受けたOasis Snapjawのbuffには何ら影響はもたらしません。
「Beast種族1体にアタック2/ヘルス2/タウントを付与」のアビリティはすでに発動され、SnapjawのルールテキストにPermanent (永続保持)として書き加えられているからです。
そして「Beast種族にアタック1を付与」のbuff効果を打ち消すにはSilenceでTimber Wolfのテキストを消去するほかありません。
buff / debuffの恩恵を最大限活用するには、その効果を剥がすための条件、そして剥がした結果どうなるかを知る必要があります。戦況を有利にするためbuffを活用することは、もちろん対戦相手も同じように目論んでいるからですね。
自軍を強化するのと同様に、エネミーのbuffを打ち消していくことがボードコントロールの命題となります。
またその逆も然り、相手もこちらの有利を取り除くため行動します。
鉄則その一、相手がイヤがることをする
鉄則その二、自分がやられてイヤなことはさせない
聞こえが悪いことこの上ない表現ですが、打算的な行動選択を徹底するため必要な知識がメメント・パターンです。
ここまでこまごまと分類してきた要旨はすべてここに帰結します。
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Silence(サイレンス)の仕様
アビリティ効果Silence(サイレンス)はターゲット対象のカードテキストの記載内容をすべて取り除く能力。
サイレンスをかけられたミニオンを再度buffして強化することは可能。
サイレンスによって消去されたルールテキストは二度と戻らない。例外として、手札に一旦戻せばデフォルトの能力を取り戻す。
Sample:
「タウント/エンレイジ:アタック3増加」を発動しているTauren Warrior
サイレンスによりルールテキストを消去。タウント/エンレイジ:アタック3増加のbuffを失う
Defender of Argusの「左右に隣接するミニオンにアタック1/ヘルス1/タウント」でbuff効果を書き加えられる。当然ダメージを受けてもエンレイジ:アタック3増加は発動しない
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ターン限定
ターン限定buffの解除は単純で指定ターンが経過すること
サイレンスで解除することも可能
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Affect (持続影響)
アフェクトタイプはbuff対象のツールチップに、このミニオンに”影響を与えているミニオン”が存在することを記される。
このbuffを解除する条件は、”影響を与えているミニオン”からルールテキストを除去、もしくはミニオン自身を排除する他ない
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Permanent (永続保持)
パーマネントタイプのbuff / debuffはミニオンに書き加えられた永続するルールテキスト。「has」で自己保持であることを明確にしているが、特に明記されてない場合も多い。
このbuff / debuffがどこからもたらされたかにかかわらず、ミニオンのルールテキストを消去すればbuffは消失する
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buffとヘルスとSilenceの関係
buffにより増減したヘルスがSilenceを受けた際の挙動
サンプル :
アタック5ヘルス4のBooty Bay Bodyguard
① Temple Enforcerのbuff効果「ミニオン1体にヘルス3付与」を受けアタック5ヘルス7
② エネミーから2ダメージを受けた結果、アタック5ヘルス7からアタック5ヘルス5になり、
③ Dispelのサイレンス効果を受けると、
「ミニオン1体にヘルス3付与」のbuffが剥がれた結果、ステータスはアタック5ヘルス4
※ ①と②は逆でも同様。
buffによるヘルス上昇はヘルス現在値/ヘルス最大値を同時に引き上げ、
Silenceはbuffにより引き上げられたヘルス最大値をカットする。
(正確に言えば、ヘルス最大値上昇のルールテキストを消去する)
▲Index
特例 : 手札リターン
buff / debuff解除のプランBとして手札にミニオンを戻す方法もある。
手札に戻されたミニオンはただのカードに戻るため、減らされたヘルス、書き加えられたルールテキストやサイレンスも消える。Freezing Trapは例外。
Kidnapper
コンボ:対象ミニオン1体を持ち主の手札に返す
Vanish
フィールド上のミニオンすべてを持ち主の手札に戻す
Shadowstep
マナコストが2より少ないフレンドリーミニオン1体を手札に戻す
▲Index
Chapter 8. 相対的な評価
buff効果が産み出すシナジーがどれだけ強力であるかは言うまでもありませんが、無闇やたらとカードデッキに詰め込んでも役に立つとは限りません。
カードを選びとることはすべからくトレードオフの選択になります。
アビリティを持たないかわりにアタック/ヘルスの優秀なバニラカード
回復やシールド値でヘルスと時間のアドバンテージを得るカード
カードをドローしてカードアドバンテージを得るカード
buffアビリティで他のミニオンを強化するカード
debuffでエネミーミニオンを弱体化するカード
厄介なエネミーミニオンを除去するカード
コストを減らしてテンポを得るカード
カードデッキのビルドから実際のゲームプレイにいたるまで、何かをとって他の可能性は捨てるという取捨選択の繰り返しです。
buff / debuff効果はエネミーミニオンを圧倒するのに不可欠なアビリティですが、そのかわりバニラと較べて脆弱であり、カードドローも出来ません。
他のミニオンに対するbuff / debuffアビリティを持つミニオンは、他のミニオンに対してbuff / debuffの影響をもたらしてこそようやく1人前の働きとなり、その要件を満たさなければ不利なトレードやディスアドバンテージをこうむる結果に陥ります。
その能力が他と比べてどれほど魅力的に見えるか、でカードを評価するのはミスディレクションを引き起こす原因となります。
カードが自分の組むデッキに適合しているかによって、評価を変化させましょう。
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⇨ 導入記事第一弾 Hearthstoneの基礎ルール
⇨ 導入記事第二弾 閃け!アビリティバトル【能力 x 脳力】
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