【デッキアナライズ】有名キャスターDay9のプレイ動画より
ドーモ、GoNinjaです。
ブログをはじめて一週間、これからどんな記事を書いていこうかと思案しておりました。
書くネタはスシの数ほどあるので目うつりしますね。
今後の指針としては、ゲームシステムや戦術ノウハウのご紹介、カードリストの日本語訳にデッキビルド構築などなど、やくだつ情報を記事にしてアーカイブしていくつもりです。
とまれ、まずはHearthstoneのプレイ動画を観て楽しみ、勝敗の要因を分析する思考力を鍛える”という趣旨にて、グッドゲームな対戦動画の解説をやってみようかなと思い立った次第です。
ではでは本日のデッキアナライズ、スタークラフトファンなら誰もが知ってる有名キャスターDay9サンのプレイ動画をご紹介。
「Arena(アリーナ)」というゲームモードを始めてみたものの連敗続きなDay9サン。
得意のヒーロー、ウーサー・ライトブリンガー(パラディン)を選択。ドローコンビネーションと低コストのミニオン重視なデッキを組み上げ、めげずにアリーナモードに挑戦します。
動画自体は30分ありますが、20分あたりから再生する設定となっています。
デッキビルドの段階から観たい方は13分までシークバーを動かしてご覧ください。
Uther the Lightbringer (Paladin) VS Valeera Sanguinar (Rogue)
[Youtube] https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=RLiXm2bGMY4#t=1230
Meeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!そしてこの顔である。
さて、無事アリーナモードで初勝利を得たDay9サンでしたが、なぜこのゲームで勝てたのかを分析していきましょう。
まず両者の戦術をわかりやすく比較するため、このような表を作ってみました。
クリックしてどうぞ。
見づらいですね。スイマセン
上記の表は、おのおののターン終了時の戦力状況を記載しています。黄色がDay9で白が対戦相手Valeera Sanguinar(Rogue)のターンを表しています。
①はそのターンにおける行動
②がミニオンを設置するために消費したマナ・コスト
③がミニオン以外(スペルカード・ヒーローアビリティ・ウェポンカード)のマナ・コスト
④はヒーロー自身のウェポン(もしくはアビリティ)によるアタック値
⑤⑥がボード上に展開しているミニオン(自軍)のアタック値とヘルス
⑦がそのターンに敵ヒーローに与えたダメージと、ヘルスを回復(もしくは被ダメージ)した数値
⑧がそれぞれのヒーローのヘルス残数
⑨がターン数(=マナクリスタル数)
一番下には上記数値の合計と平均値が載っています。
マナクリスタル = 資源
まず注目すべきは両者の支払ったマナ・コストの内訳です。ゲームは12ターンで終わったのでどちらも使えるマナクリスタルの数は(1+2+3+・・・・10+10+10)で合計75。
Valeera側はミニオン設置に39、それ以外で36のマナコストを支払っていますが、Day9のあやつるUtherはというと実に9割以上をミニオン設置に費やしています。
マナクリスタルを資源と考えれば、両者の資源の使い分けがそのまま彼らの意図する戦い方となり、戦力比に反映されているのが見てとれるでしょう。
⑤⑥におけるミニオンのアタック値とヘルスのトータル、そしてアベレージの差はおよそ3倍近くの差が開いており、実際ゲーム内容としても、終始Day9がミニオンでプレッシャーをかけ続ける展開となりましたね。
Simple is best
Day9の作戦はきわめてシンプルでした。
カードコンボにより手札を増やし資源の限り軍事力を増やし、囲んで棒で叩くがごとくに敵を圧倒するというものです。
トレーディングカードゲームの祖とも呼ばれるマジック・ザ・ギャザリング(M:TG)ではこのような戦い方をビートダウンと云うそうです。
ハースストーンコミュニティの間ではまだこのような用語はもちいられてはいませんが、いずれ戦術セオリーのひとつとして名前が付けられ定着していくでしょう。
このゲームの勝敗を決したのはDay9が強力な戦術で敵を打ち破った、だけではありません。要因としてはValeera側の対処が不味かった点が目につきます。
ボードコントロールはタイミング重点
次に注目するのはValeeraのヒーローアタック値。合計21、敵ヒーローのヘルスをこれだけで大方削ってしまう数値です。
Valeera固有のヒーローアビリティ、”Dagger Mastery”はヒーロー自身にアタック+1を加える能力(ウェポンカードと併用可)ですが、この能力の利点は3つ、ヒーローアタックによる恒常的な削りダメージとボードコントロール、そしてBuffを重ねた強烈な一撃です。
ウェポンカードのAssassin's BladeとDagger Masteryの効果はスタックする。実際強い。
なぜこのアビリティがボードコントロールに有効かというと、
①即時攻撃のため敵ミニオンを好きなときに削れる
②序盤はミニオンの数が少なく、ミニオンは一回しか攻撃できない。つまり、ヒーロー攻撃の分手数が多い
ヒーローアビリティについての詳しい研究はまたべつの機会に置くとして、このゲームにおいてなぜこのアタック値が上手く作用しなかったかというポイントに着目します。
⑦の被ダメージを要チェック。自分のターンでValeera自身がミニオンに攻撃することで8もの自爆ダメージとなっていますね。
ヒーロー同士の攻撃は反撃ダメージは発生しない。ミニオン相手に攻撃すると反撃される
さかのぼってみれば大きなターニングポイントとなったのが、6ターン目に切ったウェポンカードのAssassin`s Blade(マナ5)です。
マナ・コスト5のこのカードを使用することでUtherに5ダメージ与えていますが、ミニオン戦力差が開いたため相手のターンで6ダメージと自爆ダメージの4でマイナス5の不利を被っています。
Valeera側の手札が見えないので確実なことは言えませんが、敗因としては勝負を仕掛けるタイミングを誤ったのか、もしくは有効なカードを手札に揃えることが出来ていなかったか、この局面を打開するカードがそもそもデッキに入っていなかったか、といったところでしょう。
Simple is best (way to learn)
Valeeraの戦術、ミニオンとアビリティにかけるマナ・コストがおよそ5:5でボードコントロールを握るというのはかなりピーキーな戦術であり、上級者向けです。
場のすべてのミニオンを手札に返す。つまり、自分と敵の支払ったマナ・コストを無に帰す。
対して、ビートダウンは初心者にとって習得しやすいだけでなく、相対するものに2択を強いることができます。 ひとつは同じくミニオンを展開し正面から殴りあう方法。これはカードデッキの相性差がおおきく反映され、主導権をはやく握ったほうが押し切る形になりやすいです。
ふたつめは戦力で上回る相手を上手くいなして自分の作戦を実行する方法です。こちらはボードコントロールのタイミングを読む経験と知識、適したデッキビルドが求められます。
さらに、ビートダウンの戦術はゲームを終えたあとふり返った時に、勝敗の理由を確認しやすいという優れた美点も備えています。
戦力差で負けたならどこで差がついたのかを注目すればよく、戦力が活かせなかったならどこで邪魔をされたのか見つけ出し改善していけばいいのですね。
カードの枚数だけ戦い方が存在するゲームにおいては、シンプルな作戦こそゲームを学ぶための入門書にピッタリじゃないでしょうか。
ビートダウンやボードコントロールなどのデッキビルドについても、いずれ別の機会に特集で記事にしたいと考えています。
ハースストーンはまだまだクローズドβということもあり、戦術の相性差が語れるほど煮詰まってはいません。(ゲームが、ではなくプレイヤー全体の知識とスキルの面で)
いずれにせよ強力なビルドの流行とメタの応酬になることでしょう。
スタークラフトプレイヤーにとっては慣れっこですね。
といったところで今回は終わり。管理人自身がまだまだニュービーなので深い考察が出来ませんでしたが、これからも記事を書きつつ勉強して行きたいと思います。
それではまた次回まで、オタッシャデ-(╹◇╹ )ノシ